LaVagueロゴ  東京の彫金教室・Lavague Jewelryスクール【東京・渋谷区・恵比寿】

FUMIO MAKINOのインタビュー ~牧野 史緒~

インタビュイー牧野さんのタイトル
インタビュイー牧野さんのタイトル

ABOUT Designer's News

【ジュエリーデザイナーという仕事】

このDesigners NEWSでは、いつか自分のブランドを持って好きな事を仕事にしていきたいと、ラヴァーグジュエリースクールで制作技法・ブランド運営のノウハウを学び、夢の一歩目を踏み出した方達をご紹介しています。
どんなきっかけで、どんな想いでジュエリーを作っていくのか。
この仕事を生業としていく一人一人の物語を皆さんにお伺いしました。
今回は、ジュエリーブランド『FUMIO MAKINO』のデザイナー牧野 史緒さんにお話しを伺いました。
イベントのディスプレイ

PICK UP BRAND

【 FUMIO MAKINO 】

ジュエリーデザイナー 牧野史緒
今回は、自分の “好き” を大切にしながら、ブランドを立ち上げて一歩ずつ進んでいるジュエリーブランド FUMIO MAKINO のデザイナー牧野史緒さんをご紹介します。
カラーストーンの色合わせや小さなモチーフのディテールにこだわりながら、POP UP出店やオンラインストアの開設にもチャレンジし、ブランド活動の幅を少しずつ広げています。

「自分が本当にかわいいと思えるものを形にしたい」
そんな純粋な想いから、ラヴァーグでジュエリー制作をスタートされました。
校長先生のアドバイスを活かしてトレンドを意識しながらも、自分の感性を信じて作り続けたからこそ、応援してくれる方々とつながることができた——と話してくれた牧野さん。

行動力とものづくりへの情熱にあふれた今回のインタビューは、ブランドを始めたい方や、自分らしくジュエリー制作を続けていきたい方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
最後までお楽しみください!

FUMIO MAKINO interview

【 ジュエリー制作をはじめたきっかけ 】

--Instagramを拝見させていただき、丸いモチーフのピアスはガムボールをコンセプトに作られたとのことで、カラフルすごく可愛いですね!
カラーストーンが好きで、ポップでカラフルさを表現できたらと思って制作しました。
--ポップで可愛いジュエリーを制作されている牧野さんですが、ジュエリーを始める前は何をされてたんですか?
もともとは、ジュエリーとは全然違う証券会社で働いていて、その頃からジュエリーには興味がありました。
子供の頃から踊る方のバレエをしていて、10年以上前に辞めたんですが、高校生の時に海外に留学もしたりしてました。ですが身長が伸びなくて、あと10cmくらいないとプロになれなかったんです。
それでバレエの道は諦めて、そこから急遽大学受験をしました。なんとなくなんですが法学部の大学に行ったので、その流れで証券会社の方で働いていたんです。人間関係も良く、とても良い職場だったんです。いわゆるホワイト企業ですね。 働く中で段々と『ちょっと違うな』って思うようになったんです。

そこで資格を取ろうと予備校とかにも行ったんです。でもつまらなくて・・・(笑)
その時は司法試験の予備校に通ってたんですが、3ヶ月くらいで辞めてしまいました。やりたいことが見付からないなって思っていた時に、デザイナーさんにオーダーメイドで作っていただいた婚約指輪をきっかけに、ジュエリーに興味が沸いていったんです!
--オーダーメイドの婚約指輪がきっかけで、さらにジュエリーに興味を持たれたんですね!
牧野さんの婚約指輪
--とてもキラキラしてて、とても素敵な婚約指輪ですね!
婚約指輪の中心にあるダイヤモンドは、結婚するときに主人のお婆ちゃんからいただいたダイヤになります。それを使って、婚約指輪を作ってもらおうってなったんです。

デザイン自体はデザイナーさんが考えてくださったんですが、その場でデザイン画を手描きで描いてくださって、そのデザインの出来にすごく感動したんです。
そしたら、そのデザイナーさんがジュエリーについて色々教えてくださったことをきっかけに『やってみようかな!』って思って、学校を調べました。
--そこから始まったんですね!素敵なエピソードですね!
ジュエリーを習うためにネットで検索されて、いろいろな学校が出てきたと思うんですが、何校か見学に行かれたんですか?
一応見学に行って、体験もしました。他の学校はどちらかというと、彫金とかの手作業など、手で作る技術を特化している学校が多かったんです。

でも私は、手作業で何かをやりたいわけではなく、ビジネス的な学校を求めていたので、そう見るとラヴァーグはアントレプレナーコースがあり、他とは違うと思ったんです!
あとCADも教えている学校がなくて、デザイナーさんも「今時はCADだよ!」って言っていたので、CADは学びたいなって思ってました。
仕上げは依頼しようと考えてたとしても、彫金技術も知らないと職人さんと打ち合わせができないのも嫌だなって思って、ラヴァーグのブランド設立コースに決めたんです

それにラヴァーグは、時間の融通も利きやすいのも魅力ですよね!月曜日から金曜日で何時から授業を受けるとなると辛いし、大学も卒業したのに時間にまた縛られるのも嫌だったので。
なので、ラヴァーグがに通いたいと思ったんです。
--実際にいろんな学校を見たうえで、”ただ作る” だけじゃなくビジネスとして学べる場を選んだという言葉に嬉しく思いますし、ブランドへの本気度を感じますね!
CADや彫金を必要なバランスで学びたいという考え方もすごく共感できます。時間の自由さも含めて、ラヴァーグならではの学び方が合っていたんですね!
最初の数ヶ月は少し働きながら通ってたんですが、それから辞めて一年くらいは一日中ラヴァーグで朝にCADをやって、夕方から彫金という感じで頑張ってました。
--仕事をされながら通うとなったら、より一層フリーな環境で通えるって、とても良かったのかなって思いますね!
--手作業でジュエリーを作る彫金は本格的に学んでみて、いかがでしたか?
率直な感想でいうと、こんなに手が掛かるんだなって思いましたね(笑)
シンプルな甲丸リングでもいろいろな工程があるじゃないですか!?金属を切って丸めて、切り口をロウ付け(溶接)する前に、糸のこを使って擦り合わせるとか、ヤスリで平らにしたり、真円にしたりと。
そもそもバーナーとかの火が怖くて、最初とかは結城先生に手をそえてもらって一緒にやってもらってて、今もまだ怖くて、ちょっと苦手意識はありますね。
今は仕上げなどは、職人さんにお願いしているんですが、それでも基礎的な技術はできるようにはなりたいなと思ってます。

こんなに工程が多くて大変なんだなって実感して、ハイブランドのジュエリーが高い理由も分かりましたね。
その分、ジュエリーの価値もより知ることもできたので、良い経験ができたなって思いました!

あと先生達がやっぱりすごいなって思いましたね(笑)
--本当に、シンプルなリングでも意外と工程が多くて大変なんですよね(笑)
でもその “手間” を知ると、ジュエリーの価値の見え方もガラッと変わりますよね。それを実感てもらえたのが何より嬉しいです!
カラーストーンの指輪
--CADの操作などもラヴァーグに来て初めてだったと思いますが、いかがでしたか?
CADは感動しました!
見学時に初めて環境マッピングを見た時に、リアルに表示されてイメージがしやすいなと思いましたね。
リングを作るのにも彫金だと時間かかるなと思いましたが、CADだとあっという間で、両方やったからこそ、CADの良さが尚更分かりましたね!
--CADのリアルな表示や、彫金と比べてスピード感やイメージのしやすさはCADならではですよね。両方体験したからこそ、その違いや良さが深く分かるって、本当に貴重な学びだと思います!
課題をやっていく中で、CADが面白いなって思えてきたのは?
私、メレダイヤが均等に並んだジュエリーが好きなんです。それで、エタニティリングのモデリングの仕方を学んだときに、環状配列ができるコマンドを使って均等に石座を並べられる感じが爽快で、とても印象に残ってますね!

CADの先生も「CADの強みの1つは、均等にデータを作れるところ」っておっしゃてて、手作業じゃ難しいことも簡単にできるところも面白いなって思いました。
--パソコンならではですよね!均等になれべられるって。
彫金で作ると練習や技術力をとても必要とするエタニティリングも、CADなら初めて習って作っても1時間ですからね。
カラーストーンの指輪
そうですね!CADの課題の後半から石座の課題が増えて、カラーストーンが好きだったのもあり、楽しく学べましたね!エタニティリングの課題くらいから、商品開発に活かせられてきました。

このパヴェ状のカラーストーンの商品に関しては、自分で作ろうと思ったらCADで作れるんですが、デザインを一歩間違えるとお婆ちゃんがつけるような古いデザインに見えてしまうので、石を1mmのメレダイヤで小さくして、留める爪も限界まで細くしたかったんですね。
そうすると、自分では石留めが難しく、そもそも造形が作れるところが限られるので、繊細なもの作れる業者さんに依頼して作ってもらってます。
爪の細さなどの強度面もしっかり教わることができたので、自分でできるかどうかも判断できることも商品制作に役立ててますね。
--輝きが素晴らしいですよね!
CADの課題を通して「 “好き” がしっかり形になっていったんだな」と感じて、とても嬉しいです!
繊細なデザインにこだわる姿勢も、実現方法を冷静に判断してアウトソースする考え方も、まさにブランドとしての視点ですよね。強度や構造も学んだうえで “どう作るか” を考えられる力、すごく頼もしいです!
制作を依頼している会社がインドの方がやられてるところで、ダイヤの宝石商がメインなんです。周りのメレダイヤもお願いしてて、なので良いダイヤをとても安い価格で対応してくれてます。

ここを見つけるまでに10件くらい見積もりを取って、そこから3社くらいに絞って試作品依頼をしたんですが、仕上がりも値段も倍くらい違ったりしたので、しっかり比べることが大事だなって思いました!
--価格だけじゃなく、仕上がりまでしっかり見比べた経験が、今のクオリティに繋がってるんだと思いました。
信頼できる業者さんと出会えたのも、努力の賜物ですね!
--カラーストーンがお好きとのことですが、その魅力とは?
婚約指輪のデザインから宝石の素晴らしさに気付いて、その中でカラーストーンが特に好きになっていったんです。
もともとカラーストーンってお婆ちゃんが持ってるイメージがあったので、だからこそ、そういうイメージではない永く身につけられるカラーストーンジュエリーを自分で作ろうと思ったんです

そして価格帯も幅広く用意して、幅広い年齢層で多くの方につけていただきたいと思っています。
価格については、アントレプレナーコースで校長先生から「いろんな価格帯のものを用意しましょう」っていうアドバイスを実践しました
--それは素晴らしいですね!バリエーションがあれば多くの年齢層の方が楽しんでいただけるので、実践しされて良かったです!
そして、繊細なジュエリーを作れる業者さんを見付けたりと、行動力とリサーチ力も素晴らしいですね!
カラーストーンの指輪
ブランドパッケージ
--前職の経験も活かされている部分もあるのかなと思ったのですが、いかがですか?
商品の価格を決めるときに、Excelの関数とかで自動計算をして出しているので、そこは役立ててるなって思いましたね。
アントレのHP講座のときに、八代先生から「価格の出し方がすごく細かいね!」って言わもしました(笑)
--しっかりと価格設定をされているからこそですね!
アントレプレナーコースでブランドを立ち上げるために必要なノウハウを学ばれたと思いますが、実際印象に残っていることは?
1番印象に残っていることは校長先生とのお話しで、ジュエリーとアートとの違いについての話しをされて、それが個人的に印象に残ってますね。
“ジュエリーは芸術に走り過ぎると売るっていう観点が難しくなる” っていうことを意識して、商品は自分の好みだけでなく、トレンドなども調べならが幅広い方に好まれるものが作れるように心掛けてます。
そして写真撮影の知識が皆無だったので、撮影講座は本当に助かりましたね!
--校長先生の言葉をしっかり受け止めてくださったのは嬉しいですね!
“好き” だけじゃなく “売れる” 視点を持って、トレンドを意識してデザインする姿勢は本当にプロらしいです。
ブランドパッケージ
--商品撮影がとても上手だなって思ってたんですが、撮影講座で役立ったことや印象に残っていることは何でしたか?
私はカメラや写真に関して全くの初心者でしたが、例えば「ホワイトバランスとは何か?」のように初歩的なことから説明してもらえたので、撮影に必要な知識について基礎からしっかり学ぶことができました。
撮影講座を受講する際には、自分のカメラを持参し、その詳しい使い方を説明してもらえたり、必要な設定を担当の先生がその場で一緒に教えてくれたこともとても助かりました。

そして、ジュエリーに特化した撮影方法について教えていただけたことが特に印象に残っています。具体的には、鏡のように周りのものを全て映してしまうジュエリーを撮影するときに映り込みを防止する方法や、オンラインストアでの購入に繋がるように、ジュエリーの大きさや着用した際のイメージを伝えるための写真を撮る方法などを教えていただきました。
私がブランドの運営をはじめて約半年が経ちますが、今でも撮影講座で習ったことを意識し、ときどきテキストを見返しながら日々商品撮影を頑張っています!
--わからないことを一つずつクリアにしながら、自分のカメラで実践していった積み重ねが、今の撮影力に繋がっているんですね。
撮影の知識も実際の商品力に直結する部分なので、しっかり吸収してくれて心強いです!
FUMIO MAKINOの花モチーフリング
イベントのポップ
--ブランドイメージを出すために気に掛けていることは?
子供のときに持っていたおもちゃの指輪などを本物の宝石で表現したいなって思ったんです。そういう遊び心あるモチーフが好きで、だからスイーツと一緒に撮って遊び心が出ればなって思ってます。
あと、純喫茶のようなレトロ感があるものも好きで、ゼリーのやつは撮りましたね。

色味とかも気を付けてて、宝石のエメラルドとゼリーの色を合わせたり、色の本とかを読んで勉強もしましたね。
--Instagramの画像も見た瞬間にパッと目に入るので、アイテムや色の組み合わせを工夫して勉強されたからこそ、身になって活かされているんですね!
イベントのポップ

【 ブランドに込めた想い 】

--ブランドについて、遊び心がある中でエレガントさも感じられる商品展開をされていますが、ブランド商品を作る上で大切にされていることは?
すごく抽象的かもしれないのですが、私がいつも思うことが、人に見せるためのものや人からおしゃれって思われるためのジュエリーというよりは、ジュエリーを単体で見て心から可愛いって思ってもらえるジュエリーを作りたいというのが根本にあって、自分が心から可愛いって思えるものを作るようにしてますね
あとは、さまざまなカラー展開がされているものが好きなので、いろんな石のバリエーションというよりは、同じ形状のジュエリーでカラーバリエーションの商品展開をしてます。
--”誰かにどう見られるか” じゃなくて、 “自分が本当に可愛いと思えるもの” を大切にしている姿勢、とても素敵だなと思います。その想いがあるからこそ、見た人の心にも響くジュエリーになるんでしょうね。
カラーバリエーションでの展開も、世界観を保ちながら楽しめる工夫で、ブランドらしさがしっかり出ているなと感じました!
--どれも美しく可愛い商品ですが、一押しの商品は?
最近は、この花のジュエリーやパールのジュエリーですね。おばけのモチーフのものとかもそうです!
お化けモチーフのパールネックレス
--おばけちゃんのパールのジュエリーとても可愛いのですが、どのように作られたんですか?
おばけのジュエリーを作ろうと思って、私がもともと趣味で絵を描くことが好きなので、いろんなおばけのイメージ画を描いてから、どうやって形にするかを考えるという感じで進めて作っていったものですね。

目と口の部分は、いつもお願いしている職人さんに目と口のパーツをCADで作るかどうか相談したときに、「穴塞ぎっていうパーツがあるから、それを使った方が良いよ!」ってアドバイスをいただいたので、パールに穴を開けてパーツを固定して作ってます。
--CADの課題で作られたアイスクリームがあったと思うんですけど、これもアイスクリームを作ろうと、イメージを考えてから、それに合うパーツを探しにいっているという感じですか?
アイスクリームのときは、コーンの部分をCADで作ってから、その大きさに合うパールを探しにいったんです。
最初はクルクル巻かれたアイスクリームをイメージして、バロックパールで作ろうと思ったんですが、でも合わせてみたら見栄えが良くなかったんで、丸い形状にしました。
そのイメージに合うものを探して見付けるのが大変で、よく御徒町とかを歩いてはいろんなお店をまわって、良いやつを見付けるってやってました。
--本当に努力がすごいですね!
ハートのリングは最近CADで作られてましたね!これはカラーストーンですか?それともエナメル?
これはカラーストーンでもエナメルでもなくて、御徒町の企業が特許を持つ、樹脂を特殊な方法で固めた加工をしていて、上から研磨ができるほどの強度があるんです。
最初はエナメルでやろうと調べていたのですが、この加工技術を見付けたのでやってみました。
--カラーバリエーションも牧野さんの作品に合っているので、本当に素敵です!
ハートモチーフの指輪
お化けモチーフのパールネックレス
ハートモチーフの指輪
FUMIO MAKINOのブランドパッケージ
--パッケージも、このブルーの色合いと金具も含めてとても素敵です。
ありがとうございます!
ブルーのパッケージは高額商品用に作り、小さいサイズのジュエリー用の2種あります。イギリスのアンティークで小さいケースのものがあって、それをイメージしてオーダーで作りました。
それ以外の商品は、箱のパッケージに梱包させていただいてます。
--イギリスのアンティークをイメージされて作られてたんですね!商品に合わせてパッケージを考えられて、こだわりを感じます!
FUMIO MAKINOのブランドパッケージ
--もう一つの一押しでもあるお花の商品ですが、海外で石を買い付けられたと聞きました!
詳しく聞かせていただいてもよろしいでしょうか?
きっかけは、MHTのブランドのデザイナーであるマリー エレーヌ ドゥ タイヤックさんの作品が好きで憧れてるんです。
その方が作ってるジュエラーがインドのジャイプールにあるっていうのをネットで知って、私もそこで作ってもらいたいなって思ったんです。イギリス王室などにも卸してるとても有名なジュエラーなので、ダメ元でインスタのDMを送ったら、まさかの返事が来まして(笑)

「いいよ!」みたいな返答だったので、去年の年末にインドに行き、作りたいジュエリーのイメージを用意して「こういうジュエリーを作りたいのですができますか?」って伝えたら、1日でサンプルを作ってくださったんです。
すごく対応が良くて、一流のジュエラーさんだなって実感しました。運良くお願いすることもでき、ダメ元で連絡して本当に良かったって思いました!
--その行動力が素晴らしいですね!憧れのデザイナーさんが作ってるジュエラーに依頼してるって本当にすごいですね!
いつかマリー エレーヌさんにお会いできたらいいなって思ってます!
--絶対会えそう!夢を叶えそうな気がしますね!
花モチーフの指輪着用写真
それがきっかけで、インドが好きになりました!
ジャイプールは普通に道に牛も歩いてたりするんですが、ピンクシティーとも言われてるんですね。昔、イギリス王室を迎えるために街をピンクの建物にしたとかで、そういう歴史もあり、街自体がとても可愛いんです。

宝石のカービング技術が有名でもあるので、マリー エレーヌさんも前まで住まわれてたり、欧米出身のデザイナーさんもジャイプールで活動されてたりする方も多くて、おしゃれなセレクトショップもたくさんあるんです。
--ジャイプールの街の魅力や歴史を、丁寧に感じ取っているのが本当に素敵だなと思いました。ジュエリーだけでなく、文化や背景に目を向けているところに、牧野さんらしさを感じます。
花モチーフの指輪着用写真
インドの建物
インドの建物の装飾
欧米の洗礼された文化と、インドの手仕事の素晴らしさが融合されたような街なので、すごく素敵でした!
トラブルも多かったですが・・・(笑)
--何があったんですか!?
飛行機とか半日遅れたりしたんです。日本に帰る飛行機が遅れて乗れなくて、空港で一日過ごしたりと、トラブルはありましたね(笑)
--トラブルさえも思い出になるっていうのが、旅の醍醐味ですよね(笑)
それでも行って良かったなって思える街なので、今年も行きたいなって思ってます!
まだ具体的には決まってないんですけど、POP UPで使った什器などはインドですごく可愛いのを揃えたりしたので、また見に行きたいですし、他にどんな職人さんがいるのかなっていうのも見てみたなとは思ってますね。
--ジュエリーを通して、その国の魅力を知って好きな国が増えいくのって素敵ですね!
インドの建物の装飾
--他にも行かれた国はありますか?
去年の夏に、ラヴァーグの企画でタイツアーに行きました!
タイも良かったんですが、カービングというよりは石そのものという感じだったので。バンコクの宝飾店的なところに行って、すごい安く石を仕入れられたり、チャンタブリというところに行って、そこではサファイアの鉱山で掘る体験もしたりしました。

チャンタブリの市場がヤバくて、商談スペースみたいな机のところに座って、どんどん石屋さんが売りに来るんですね。その中で良い石と出会えると嬉しいなどの貴重な体験ができて楽しかったですね!
--タイツアーでも、しっかり “石の目利き” を体感してきたんですね!
そうやって現地で直接石と向き合う経験が、デザインにも仕入れにも活きているのが素晴らしいです!

【 今後の活動に向けて 】

--Instagram を始めるにあたり、最初に始めたことは何ですか?
インスタやるには写真がないと始まらないので、まずは撮影環境を整えることから始めましたね。
家にペットがいるのでジュエリー用の部屋を作って、ジュエリー関連の物をそこに置きました。そして、アントレで習った撮影の練習を沢山しましたね!
--写真の世界観のイメージは、最初から決められていたんですか?
あまり「こんなイメージで撮ろう!』というのは決めてなくて、その時々で自分が可愛いと思うアイテムやイメージで撮影していますね!今はスイーツ系のものを使って撮影してるって感じです。

多くの方に見ていただけるようにアルゴリズムについての本を読んで勉強もして、投稿は夜20時〜21時の時間帯が良いとか、平日の方が伸びるとかのメソットを従って続けてますね。
DMとかコメントも見逃さないように、早めの返答をしてます。それは前職の時も金融関係で厳しかったので、気を付けるようにしてますね。
FUMIO MAKINOのポップデザイン
展示会での牧野さんご夫婦
--牧野さんはしっかり定期的に投稿されているので頑張ってるなって思ってたんですが、投稿を続けるのも大変だと思うんですが、いかがですか?
もともと得意な方ではなかったので、ちょっと心配だったんですね(笑)
ですが、ジュエリーだと楽しいし、目標とかもあるので頑張れますね!前職では頼まれた業務をこなすだけだったのですが、今は大変ですがとても楽しいですね!

それに、インスタの投稿を主人も応援してくれていて、商品名も知ってくれてるんですね。すごい激務なのにしっかり投稿も見てくれるんです。
ちょっと投稿が遅れていると「今日の投稿は?」って聞いてくれたりもするので、主人の協力があるからこそ続けられてると思います。
展示会での牧野さんご夫婦
--身近な方からの応援があると、より励みにもなりますよね!旦那さんとの共同作業という感じでブランドを運営できるって素敵です!
主人も楽しいって言ってますね!
インタビュー対談の様子
--これからやってみたいことや、チャレンジしたいことは?
まだ遠い目標かもしれませんが、百貨店やセレクトショップに出展してみたいなって思ってますね!そういうところの方が向いていると思うので、チャレンジしてみたいです。
最終目標は路面店を出したいですね!そして、日本だけではなくて海外などでも展開できたらなって思ってます。
--とても素敵な目標ですね!ジュエリーの世界観は、百貨店やセレクトショップにもきっと響くと思いますし、路面店や海外展開の夢も牧野さんの行動力があれば叶いそうですね!
その夢に近づく第一歩となった初めてのイベント参加だったデザイナーズフェスタについて、出展していかがでしたか?
私にとって物を売るっということが初めての経験だったので、ちょっとだけ自信に繋がるきっかけになりましたね!
初めての接客でもあったので、お客さんとも話せてたのが良かったです。先生達もいらっしゃってサポートなのもあったので安心して挑めましたね。

それに、他の方のディスプレイも見ることができたのも良かったですね!誰一人として似たものがなく、個性もしっかり出ていたので勉強になりました。そして、インスタのQRをポップで飾られている方もいて、そういう方法もあるんだなって参考になりましたね。
接客が慣れているデザイナーさんもいらっしゃったので、商品も勧め方や紹介の仕方とかを学べました。
私と同じで初めての出展の方もいらっしゃったそうですが、私から見たら皆さん慣れているように見えちゃいましたね(笑)
--皆さんすごい緊張をされたと思いますが、堂々とされてて立派でしたよね!
インタビュー対談の様子
--牧野さんは、展示場所が入り口の目の前ってこともあってとても緊張されたと思いますが、お客様との会話の中で印象に残っていることはありますか?
嬉しかったことがあって、こちらから説明しなくてもコンセプトが伝わったことですね!
おばけのジュエリーを見て「遊び心がありますね!」って言ってもらえたり、立ち止まってくれた方がいらっしゃったんです。それにインスタのフォロワーさんもたくさん来てくれたことも嬉しかったですね!
--デザイナーズフェスタのInstagramに牧野さんのご紹介をしたら、とても反応が良くて、ファンの多さを感じましたね!初めて見られた方も目を惹かれるんだと思いました。
シンプルなものが好きな人には難しいのかもしれないんですけど、好きな人は好きかなって思ってはいます。
まだ初めて半年ではありますが、始めた初期から見てくれてコメントもしてくれる方もいるので、応援してくれている方達の存在はとても励みになりますね!

オンラインストアも開設した時も、初日に25万くらい売り上げがあったりと、それも自信に繋がりました!毎日そうってわけではないですが、支持してくれている方が一人でもいると思うと心強いですね!
--ご自身の世界観をしっかり持ちつつ、それを “好き” と言ってくれる方にちゃんと届いているのが素敵ですね!
初期から応援してくれている方の存在や、オンラインストアの反響など、一つひとつが積み重なって今の自信に繋がっているんだなと感じました。共感してくれる人がいるって、やっぱり何よりの励みになりますよね。
花モチーフリングの着用写真
花モチーフにカービングされた天然石
ハートモチーフと天然石の指輪
--Instagramで海外の方からの反応がも多いという印象があったのですが、いかがですか?
多いですね! 先日、渋谷で個展を開催したのですが、海外の方が多くて7割外国人でしたね!
--個展をやろうと思ったきっかけは何ですか?
初めてイベントに参加したデザイナーズフェスタのときに、自分の接客が全然ダメだなって思ったんです。
なので、いろいろな接客の練習をしておきたいなって思ったんです。 “何かを売る” という経験がなかったのでPOP UPとかしたら練習になるかなって思って。

実際に個展をやってみて “こうすれば良かったな” っていう学びが多かったですね!
個展をやった場所が道に面した良い場所だったんですが、全然お客さんが入ってこなかったんです。そしたら、そこのオーナーさんが「たぶん、商品とか外から見えてないんじゃないかな」って店舗の特徴を知ってるからこそのアドバイスしてくれて、見える位置に一緒に机を動かしてくれたんです。その後からお客さんがすごい見てくれるようになったんです。
ちょっとの違いなんですが、“何をしているかをわかってもらうこと” の重要さを学びましたね!

そのことと似たことでもあるんですが、ポップの看板ですね。スイーツと一緒に撮った商品写真はインスタとかなら良いと思うんですが、展示とかで使うと道でパッと見たときに『スイーツ?カフェのお店?』と実際に聞かれたんですね(笑)
だから、”ジュエリーの展示です!” ってもっと分かりやすいものにしないとなって学びにもなりましたね。

あとは外国の方から、ゴールド展開の商品に対して「可愛いんだけど高額だから、シルバー商品にして安くできないの?」とかの質問があったんですね。それらの意見を参考にシルバー展開をしたり、新しいアイディアをいただけたっていうことも大きかったですね!
私にとってジュエリーはゴールドかプラチナだったので、世の中の需要を知ることができましたね。
--初めての個展やイベントで、ちゃんと振り返って “次はこうしよう” って前向きに行動しているところが本当に素晴らしいなと思いました!
ちょっとしたレイアウトの違いや看板の見せ方、言葉の選び方が、お客様の動きに直結するって実感できたのは、貴重な経験でしたね。
そして “自分の当たり前” だけじゃなく、お客様の声を柔軟に取り入れて商品展開に反映させている姿勢にもすごく感心しました。 学びながらどんどんアップデートしていく牧野さんらしさが、とても頼もしいです!
ハートモチーフと天然石の指輪
--最後にアドバイスをお願いします!
私がやってみて思ったのは、1から自分で作れるのも大事だとは思うんですが、どうしても苦手なことや作るのが難しいというものあると思うんですね。

なので、自分の理想を形にしてくれる業者さんや職人さんと出会うってことも大事だなって思います。だからこそ、いろんなところにアンテナを張るというか、たくさん調べて情報を集めたり、リサーチすることが重要ですね。
インスタも “こういうことをすると伸びる” とかのアルゴニズムとかもあるから、何かをする前にしっかり調べて、それに基づいてやることが大事だと思います。
--ブランドを立ち上げるという目標から、それを現実にするまでの行動力とリサーチ力の素晴らしく、やりたいことの着手の早さが本当にすごいです!
花モチーフにカービングされた天然石
行動に起こしてないと落ち着かないところがあるので、そこが良い意味で活かされたんだと思います。
今までそれが長所とは思ったことがなかったですが、そのお陰で実現できたことがたくさんあったと思います。

接客など苦手なこともありますが、ジュエリーという好きなことなので頑張れますね!
--行動力が自然と原動力になっているんですね!
自分では気づかない長所が、振り返るとたくさんの実現に繋がっていたって、とても説得力があり素晴らしいです。
苦手なことにも向き合えるのは、やっぱり “好き” という気持ちがあるからこそですね。
これからの挑戦も楽しみです!

ー編集後記ー

今回インタビューを通して印象的だったのは、牧野さんの言葉のひとつひとつから、“ジュエリーが好き”という気持ちがまっすぐに伝わってきたことです。
誰かに見せるためではなく “自分のために、まずは心が動くデザインを大切にする” こと、そしてジュエリーの世界に飛び込んだきっかけも “昔からずっと好きだった” と、その純粋な思いから一歩一歩自分のペースで学びを積み重ねていらっしゃる様子に、ものづくりの本質が表れているように思います。

ジュエリーに対する愛情と向き合いの深さ、その芯のある想いこそがブランドの世界観を築き、ジュエリー制作の追求心へと繋がっているのだと思います。
“好き”を突き詰めていくことの大切さ、そしてその強さを、牧野さんのお話を通して改めて実感する機会となりました。
カラーストーンジュエリー
ジュエリー制作の道は、技術を習得することだけではなく、自分の感性やペースと向き合う繊細な時間の連続でもあります。周囲と比べたり、理想と現実の間で迷ったり、焦りや不安を感じる瞬間もあるかもしれません。
けれど牧野さんは、自分らしく続けるために “今できることを一歩ずつ” 取り組まれていて、その姿勢がとても素敵でした。

自分の想いと感覚を信じて進んでいくことの大切さ、それを叶えるためには学び続けること、手を動かし続けることが何よりの近道なのだと、牧野さんの姿から改めて気付かされました。

これからも “好き” という気持ちを大切にしながら、牧野さんらしいジュエリーがひとつずつカタチになっていくことを、心から楽しみにしています。

ーコース一覧ー

牧野史緒さんが受講されたコース一覧です。今後のスキルアップの参考にしてみてください!
画像をタップするとコース詳細が見れます!
ジュエリーCADコース
アントレプレナーコース
彫金総合コース

ジュエリーデザイナー 牧野史緒FUMIO MAKINO

牧野 史緒
慶應義塾大学法学部卒。
幼少期からクラシックバレエを習い、美術鑑賞が趣味の両親の元、アートに囲まれた子供時代を過ごす。
渉外法律事務所、証券会社を経て、東京の彫金学校にてジュエリーCAD、彫金の技術を学び、ジュエリーデザイナーとして独立する。
東京を拠点に、世界各国から集めたカラーストーンの魅力を生かした製作を行う。
https://fumiomakino.com/category/

ページトップへ