TYD-jewelryインタビュー ~豊田 陽子~

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【ジュエリーデザイナーという仕事】

このDesigners NEWSでは、いつか自分のブランドを持って好きな事を仕事にしていきたいと、LaVagueジュエリースクールで制作技法・ブランド運営のノウハウを学び、夢の一歩目を踏み出した方達をご紹介しています。

 

 

どんなきっかけで、どんな想いでジュエリーを作っていくのか。この仕事を生業としていく一人一人の物語を皆さんにお伺いしました。

 

今回は、TYD-jewelryデザイナーの豊田陽子さんにお話しを伺いました。

TYD Jewelryの作品1

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【TYD-jewelry】

TYD-jewelry 接客1

今回のデザイナーズニュースの担当は松尾です。

 

インタビュー取材をさせていただいたデザイナーさんは、TYD-jewelryデザイナー豊田陽子さんです。

 

今回は東京ビックサイトでの初開催となった”TOKYO JEWELRY FES 2023”に出展されている豊田さんのところに伺いお話を聞いてきました。

TYD-jewelry interview

【ジュエリーデザイナーという仕事】

ーー豊田さん、よろしくお願いいたします!
早速ですが、ジュエリーを始めるきっかけについて教えていただけますか?

もともと、ものづくりが好きでアクセサリーメーカーで働いていました。ネックレスとピアスだけでなく髪飾りや服飾雑貨も扱っているメーカーで、商品の原型や量産用の道具を作ったりするお仕事です。)生産部からは毎日大量の商品が上がっていくので、忙しいけど毎日充実していました。

 

ですが、ある時に出荷前の商品にも関わらずパーツ取れやメッキの変色しているものを見つけてしまって、聞いたところ数年前に卸部門に納品してからずっと棚の中にしまわれていたからのようで修理や再度メッキにかけるのはコストがかかるので廃棄するというものでした。

 

1度も店頭に並ぶこともなく廃棄されるのはとてもショックだったのを覚えています。生活に絶対必要なものでないからこそ無駄になるのが悲しくて、長く使えるジュエリーなら使って下さる方に満足できるものをお届出来ると思いジュエリーに興味を持ちました。

ーー日々商品を見ている中で、好きなジュエリーが日の目を見れなかったのはショッキングな光景ですね。
アクセサリーではメッキが剝がれてしまうような商品も、豊田さんが作るジュエリーでは長く使ってもらえるジュエリーにしたい、そういった想いも届けたいですね。
TYD Jewelryの作品2
TYD Jewelryの作品2
TYD Jewelryの作品3
―ー実際にジュエリーを始めるに至り、ラヴァーグを選んだ理由や決め手を教えていただけますか?

やはり彫金だけでなく、CADとアントレプレナーなど受講できるコースが充実している点です。以前の仕事でもCADは使っていたのですが、石座の作り方や後の工程がアクセサリーとは違い、ここをきちんと知っておきたかったのでCADのコースがあるというのが最初の条件でした。

 

加えてCADが出来るだけではものの作りを理解していないのは前職で身をもって感じたことなので、彫金も同時に学べること、それから全く未知の世界のブランディングのことを学べるラヴァーグが一番合っていると思い決めました。

ーーCADをお仕事として使われていた豊田さんが、CADだけでなく作り方やブランディングも一緒に学べるという理由で選んで頂けたのはうれしいですね。
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ーーラヴァーグの雰囲気や、授業の様子、通学時の印象は、豊田さんにとっていかがでしたか?

最初は少し不安だったんです。工房では他の受講生の方が迷いなく作業を進められているように見えて「あんな風に出来るのかな?」と思ったからです。

 

ですが、わからない時や困った時に先生に聞きやすい環境が整っているため工程や技法を自分のペースで理解して進める事が出来ました。

 

同じコースを選んだ先輩から「ここ大変だから時間たっぷりある時にやりな~」とか「ここやり直したんだよね~」とか、いろんなお話を聞くと参考になり、いつの間にか自分で進められる作業が増えていきとっても通いやすかったです。

ーーはじめの頃は皆さん不安がありますよね。
ジュエリー制作という共通の話題があるので、いつの間にかお隣さんと自然と話も出来るようになると安心して進める事が出来ますね。

いまでは豊田さんもマイペースに進めている姿が見られますね。
TYD-jewelryデザイナーの豊田陽子さん1
TYD-jewelryデザイナーの豊田陽子さん1
TYD Jewelryの作品4
ーー 豊田さんはジュエリー総合ビジネスコースを受講されていましたね。 実際に身につけたスキルや知識は、今どのように役に立っているかを教えて頂きたいです。

ラヴァーグのジュエリー総合ビジネスコースにデザイナーコースが含まれていたのですが、そこでお客様や業者さんとのやり取りを具体的に教えて頂けたのが大きいと思います。

 

実際に活躍されているデザイナーさんから話を聞けるだけでなく些細な心配事までなんでも聞けたので、実際に自分が業者さんとやり取りをする時に動き出しが早くなりました。

ーー作るだけではなく、業者さんとのやりとも最初はわからないので不安ですよね。
直接プロのデザイナーさんから、実践的なアドバイスを貰えることはスタートを早くするために有効ですよね。
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ーーラヴァーグに通うことで、入学当時に思い描いていた自分に近づけたと感じますか?

近づけた…というか今の自分の姿を入学当時は想像出来ませんでした。アクセサリー制作をしている時に出来なかった事や、ぼんやりとしていたなりたい姿が少しずつですが、はっきりとしてきたような感じです。

 

今回の展示会でリングを試着されながらお友達に見せたり鏡に映しながらじっと悩まれているご様子のお客様がいらっしゃいました。聞いてみると「普段はピアスとネックレスしかしないんです。でもこのリングが気になって」とのことで。

 

手に取られているリングは正にそんな方に着けて頂きたい指当たりを柔らかくして、石を楽しめるようなデザインを考えて作ったものだったので、間違いなく使って頂けると思いお勧めしました。

 

他のブースも見てやっぱり…と戻ってきてくださり、最初に検討されていたリングをお買い上げ頂きました。

ーー他のブースも見て戻ってきていただけたことは本当に嬉しい体験でしたね。おめでとうございます!
販売されている豊田さんも自然体でお客さまもその場を楽しんでいらっしゃいました。
TYD Jewelryの作品4
TYD Jewelryの作品4
TYD-jewelry 接客2

【ブランドを立ち上げてから】

ーー TYD jewelryを通してお客様にどのような気持ちになって欲しいですか?

私自身、息抜きが苦手で、会社員時代は業務が溜まってくると気が張り詰めてしまうことも多く、仕事が終わるとどっと疲れてしまったことがあったんです。

 

映画を見に行ったり人と会う気力も出ない時期もありました。元気が出なくても手元のリングを見てほんの少し癒されたのを覚えています。

 

TYD‐jewelryを通して普段の生活の中でふとした瞬間に目に留まるジュエリーに癒されたり、気持ちを盛り上げてくれたら嬉しいです。

ーー豊田さんの優しい雰囲気が伝わるようなお話ですね。
ご自身の経験と同じようにTYD‐jewelryを購入して頂いたお客様にも癒しになると嬉しいですね。
TYD-jewelry 接客2
ーー今回の展示会はこれまでに参加された中で最大の規模だったとおっしゃっていましたが、出展したことでなにか嬉しいエピソードがありましたか?
  1. まず、沢山あるブースの中でお立ち寄り頂けたことが嬉しかったです。

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  3. 普段リングを付けないという方が何度も試着して悩んでくださったり、娘さんへの就職祝いの候補にと下見に来てくださったり、お顔を見ながらいろんなお話をできたことが本当に嬉しかったです

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  5. 展示会の公式HPには事前に商品写真を登録する事が出来たので、写真を見てお立ち寄り頂いた方もいらっしゃいました。

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  7. 中にはご希望の商品が売り切れてしまい、他に良いご提案が出来なかったのですが、Instagramの写真を見返して戻ってきてくださって、これまだありますか?」と他の商品をご購入いただけたのが嬉しかったです

ーー直接お客さまのお顔を見れることで豊田さんの想いをお伝え出来たんですね。
しかもそのお客さまが戻って来てくださったなんて、本当に嬉しいですね。
嬉しいエピソードをありがとうございます。
TYD-jewelry 接客3
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ーー豊田さんにとってジュエリーはどんな存在ですか?

ジュエリ―は人生を豊かにしてくれる存在です。ぴかぴかに磨かれたリングはため息が出るくらい綺麗ですし、天然石はずっと眺めていられるくらい面白いですよね。

 

私の祖母もジュエリーが大好きで遊びに行くといつも素敵なコーディネートで温かく迎えてくれました。

 

今はもう祖母には会えませんが受け継いだネックレスはずっと残していくことが出来ますし、ここぞという日に身に付けられる私のお守りです。作り手としては、大切にしていく価値のある物をこれからも送り出して、出来れば受けついで頂けるような、そんな存在になれたら嬉しいです。

ーー素敵なお祖母様ですね。
豊田さんのジュエリーの原点を垣間見れた気がします。ありがとうございました。
TYD-jewelryで購入されたお客さまにも同じ想いで使って頂けると嬉しいですね。
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ーーブランドとしての活動を振り返ってみて、立ち上げる前の自分から変化を感じた事を聞かせてください!また、TYD jewelry のこれからの展望をお聞かせください。
ーー今回の展示会では多くのお客様が立ち寄られ、直接お話が聞けたことで手ごたえを感じられたようですね!
お疲れ様でした。10月の展示会も楽しみです。

フットワークは軽くなったと思います!以前は少し自信がなくて行けなかった御徒町の材料屋さんにも、ブランドを始めてから積極的に入れるようになりました。展示会で来て頂くお客さまのためにどんどん活動していかなくてはいけないと感じたからだと思います。

 

これからの展望としては、対面販売の機会を増やしていきたいと思います。今回の展示会ではお客様のジュエリーに対する想いや、ジュエリーを贈りたい大切な人とのエピソードが聞ける貴重な機会でした。


そんな想いに答えられるように商品の展開やお勧めの仕方、満足していただけるような売り場づくりをしたいです。商業施設にも出店出来るようになったら嬉しいですね。

次回はラヴァーグのジュエリー仲間と一緒に合同展示会を開催します!10月なので良かったら遊びに来てくださいね。

 

ラヴァーグには支援ができる環境が整っていると思います。もし迷われているのであればご自身の挑戦したいという気持ちを大切に。一歩踏みだしてみるのも良いと思います。

TYD-jewelry 接客3
TYD-jewelry 接客3
ー編集後記ー

これまでの豊田さんは小さなカフェなどでの出展はあったものの、今回のような大型展示会へは初出展となりました。

 

はじめは少し緊張気味に見えた豊田さんでしたが、いざお客さまと対面しご自身のジュエリーを紹介されている姿は、スッと自然体で親しみを感じる様子に変わっていたのが印象的でした。

 

ご自身のジュエリーに対する想いを話すシーンでの確信があったのではないかと感じました。

 

豊田さんが、ふとした瞬間にジュエリーに癒された経験があったこと。

これは生活に絶対に必要なものではないと言われがちなジュエリーの必要性を強く感じる経験だったのではないでしょうか?

 

お客さまの中でも就職祝いとして娘さんへのプレゼントを選んでいらっしゃった方も、長く使ってもらえるジュエリーという選択をされTYD-jewelryに訪れたのでしょう。

 

私自身もそういった人の感情を動かされる時にそっと寄り添ってくれる。そういったところにジュエリーの必要性を感じています。

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お祖母様から受け継いだネックレスのエピソードからも、豊田さんがジュエリーを通して見ている世界からは、どれも優しく映っているように感じられます

 

そして、今回の展示会では入学当初では思い描けていなかったジュエリーブランドが少しずつ形になる、過去と未来の分岐点を垣間見る事が出来ました。

 

お客さまの想いと豊田さんの想いがジュエリーを通じて繋がり広がっていく風景。その優しい世界をこれからも見ていきたいと思う訪問でした。

 

これからも応援しています!

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【コース一覧】

豊田さんが受講されたコース一覧です。今後のスキルアップの参考にしてみてください!

ジュエリーCADコース
銀粘土コース
彫金総合コース
ファッションジュエリーコース
アントレプレナーコース

PICK UP BRAND'S

プロフィール写真TYDロゴ

豊田 陽子
豊田 陽子
1988年生まれ。埼玉県出身。大学卒業後アクセサリーメーカーに就職。
生産担当としてジュエリーCAD(ライノセラス)を使用した原型制作業務を中心に3年間勤務するも大量に消費されていく商品に前向きに取り組めず退職。
品質にもこだわりを持てるジュエリーの魅力に気づき、建築業界でCADオペレーターとして勤務しながらラヴァーグジュエリースクールに入学しジュエリーメイキングを学ぶ。

TYD-jeweryについて
2019年に建築系CADオペレーターとして勤めながら立ち上げたジュエリーブランド。先月開催された「TOKYO JEWELRY FES 2023」より本格始動。
普段はオンラインショップを中心に活動。対面での販売は10月予定の「GONIN-TEN」がある。
https://www.tyd-jewelry.com/

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