
手で下書きができるようになる。 それが美しいバランスで彫る下地になる。

ジュエリーへの彫り加工の下書きに限らず、模様のデザインをする際には、ループや曲線の形や余白のバランス、綺麗にみえるラインの創造をする事は必須です。
そうして下書きされたレイアウトは美しい彫りにも必要不可欠で、書き方のルールを知った上で反復練習して準備するべき技術だと言えます。
また、ブランドジュエリーの商品制作をする上でも、貴金属に文字彫刻を取り入れる事は機械刻印にはない手彫りの付加価値をつける事ができます。
そして、デザインの要素としてもその彫師ならではの独自性と特徴の出せる技術となります。
美しいバランスの曲線で構築されているカッパープレート体の文字バランスを学ぶ事で、彫りに適したカーブの付け方や線の感覚を身につける。
そしてその下書き通りの彫りを実現できる繊細な毛彫りタガネの扱い方を習得する事で、文字に限らず彫り(エングレービング)全体のレベルアップとなる。
文字彫りを練習する事でそう実感した事がこの洋彫りコースを作るきっかけとなりました。
ラヴァーグの洋彫りスクールの特徴

ジュエリー制作の工程の中で、あまり深彫りする事をしない文字刻印は、仕上げ間際の最終工程に施される事が一般的です。
その為、磨き工程までしてある商品への一発彫りで線幅のコントロールや美しいラインを出す必要があり、基本的にやり直しが効かないので、反復練習して自在にタガネをコントロールして文字彫刻や装飾模様を彫り入れできる技術を身に付ける為のコースになります。
洋彫りスクールはどんな人におすすめ?
自分に当てはまるかチェックしてみましょう!

1.平面への曲線デザイン、下書きを上手く描けるようになりたい!
多くのカリグラフィーで表現される、文字の余韻の様に伸ばした装飾部分(フローリッシュ)のパターンに触れることで、唐草模様などの装飾に活かす事などもできます。
2.言葉や数字をデザインに組み込みたい!
人にはそれぞれ自分にとって力をもらえる大切な言葉であったり、特別な意味を持つ数字があったりします。
ここではそんな言葉たちを手描きでデザイン化して模様として昇華する力を身につけていきます。 どれくらい崩すか、きっちり文字原形通りに配置するか。
手描きだからできる柔軟性で、活かし方も自分次第。
リング表面はもちろん、リングの内側や日常使いの金属製小物に。 イニシャルや数字はもちろん、単語や文章をデザインしてジュエリーに組み込む事によって商品にメッセージ性を加えることができます。
お客様の思い入れのある言葉を、その彫師ならではの手彫りで入れられることの技術的価値は大きいです。

4.呼吸を忘れるレベルに集中する時間を求めている!
宗教的な要素こそありませんが、意味のある言葉や文章を彫りこむことは”写経”的な没入感で時間を忘れてしまうかもしれません。
↓↓↓文字彫りだけじゃない、洋彫りの活かし方の一例はこちら!
洋彫りスクール受講により得られるもの
・毛彫りタガネを使った洋彫り、刃付け
・カッパープレート体をベースとした筆記体を手書きする力
・文字を組み合わせて装飾する力 ・手彫り文字による商品への技術的な付加価値

カッパープレート体とは?
その際に主に使われていたのがゴシック体よりも早く書ける、傾斜のかかった曲線の美しい優雅な筆記体「イタリック体」でした。
その当時は読み書きの普及率が上がり始めた時期でもあり、それまでは各国各地域によって使っている文字の特長にばらつきがあった為、統一する動きが起こっていました。
そんな中、印刷された書物に使われていたイタリック体は一気に普及し、広く一般に認知されることとなります。
その後、印刷・製本技術の発達と共に、手間のかかる手書きや劣化の早い木版画にとって代わり、精度の高い印刷が可能で、耐久性にも優れた銅板印刷の時代に突入し、印刷物としての見やすさを考慮し、文字同士のつなぎや行間も改良がなされていく中で誕生したのがカッパープレート体でした。
イタリック体をベースに刃物で金属に文字を反転させて彫って、印刷した際に読みやすく、なおかつ映えるようにと銅板彫刻家が作り上げたその書体をCopper(銅) Plate(板)「カッパープレート」と呼ぶようになりました。
紙の上に描いて表現する際は、カッパープレート体専用の特殊なペン先を用い、筆圧のコントロールで抑揚を付けながら書く書体であり、文字を美しく見せる為のルールが定められているフォントであるため難易度が高く、数あるカリグラフィーに用いられる書体の中でも中級以上のレベルの筆記体です。
この文字彫りコースでは、金属に彫る上での下書きが出来る事を目的に、鉛筆やボールペンでの練習でカッパープレート体の美しいバランスを形取れるようにしていきます。

毛彫りタガネとは?
毛彫りタガネは和彫り、洋彫り、石留めなど、幅広いジャンルで一般的に使われる汎用性の高いタガネで、刃先を三角形に尖らせた形状のタガネです。
他の種類のタガネ同様、刃先の角度は彫金加工の内容や表現に合わせて研いで使う為、手彫りの職人さんは角度違い、幅違いの毛彫りタガネを複数本持って使い分けます。
左右への振りや深さを変える事で彫り面の幅をコントロールすることができ、浅くシャープに刃を立てることで毛の様に細い線も表現できることから毛彫り(けぼり)タガネという名で呼ばれます。
カッパープレート体の文字は、小さな一文字の中にも細く華奢な線と太く力強い線のコントラストを表現する事が大切なので毛彫りタガネを使っていきます。
洋彫りスクール カリキュラム内容
カッパープレート体の美しい文字バランスの理解と文字彫りの練習を通してGRSグレーバーの扱いと繊細な洋彫りの技法を学ぶ、エングレービング(彫り)能力のステップアップコースです。 金属に文字を彫る技術を8項目に分けて、ご自分のペースで学ぶことができます。<全24課題>
- Lesson1 文字彫り導入講習(座学)
- Lesson2 毛彫りタガネの刃付け・メンテナンス
-
毛彫り基礎演習
Lesson3 直線彫り、幅のコントロール、留め
Lesson4 曲線彫り、抑揚の練習 -
カッパ―プレート体の彫り(小文字)
Lesson5 アンダーターンに基づくシンプルな文字「l,i,u,t,w」
Lesson6 コンパウンドカーブを含む文字「n,m,h,k,p,r,v,x」
Lesson7 ループのつく装飾的な文字「j,y,z,l,b,h,k,f」
Lesson8 オーバル型の文字「a,d,g,q,o,e,c,s」 -
カッパ―プレート体の彫り(大文字)
Lesson9 「A,B,C」
Lesson10 「D,E,F」
Lesson11 「G,H,I」
Lesson12 「J,K,L」
Lesson13 「M,N,O」
Lesson14 「P,Q,R」
Lesson15 「S,T,U」
Lesson16 「V,W,X」
Lesson17 「Y,Z」 - Lesson18 単語・文字間隔の練習
- Lesson19 文字装飾(フローリッシュ)
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数字の彫り
Lesson20 「1,2」
Lesson21 「3,4」
Lesson22 「5,6」
Lesson23 「7,8」
Lesson24 「9,0」 - フリーエングレイブチケット 1.5h×10コマ
洋彫り教室受講生の声
受講することでどんなことができるようになったのか?どんな自分になれたのか?
洋彫りを選択した理由、受講した感想など、生徒さんの声を聞いてみました。
洋彫りスクール受講をご検討の方はご参考にしてみてください。


柔らかい表現を身につけたかったので洋彫りコースが合っていました。 基礎練習はなかなか進まず不安でしたが、毎週通っていると少しづつ彫れるようになってきました。
まだまだ目標とする表現が自由に出来るようになった訳ではないですが、コースの最後まで先生を信じて通いたいと思います。

岡野先生にどうしたら上手くいくか?こうすればやりやすいとか教えて頂き、自分でも工夫してやることがとても面白いです。
画像モニターで大きく見えて分かりやすくなり良かった。 挫折はつきもの、反復練習あるのみ!岡野先生ありがとうございました。
洋彫り(カリグラフィー)スクール料金一覧
洋彫り(カリグラフィー)コース
●道具メンテナンス1課題
●彫り練習6課題
通学有効期限
最大2年間※2
手描き文字
練習帳付き
無理なくお支払いいただける分割払いもご用意しております。
月々¥7,700~※3
※1 すべてのコースに入学金として¥11,000と材料費が別途かかります。(材料費は個々のデザイン・素材により異なります。)
※2 コース修了にかかる日数は各個人の通学ペースにより異なります。お好きな日時、自由なペースで通学出来ますので、集中して通学できる方は短期で習得していただくことも可能です。
※3 コース受講料は一括または分割でのお支払いが可能です。表記価格は(コース受講料+入学金)を60回払いされる場合の一例です。頭金の額や支払い回数により表記価格は変動します。
