ABOUT Designer's News
【ジュエリーデザイナーという仕事】
このDesigners NEWSでは、いつか自分のブランドを持って好きな事を仕事にしていきたいと、ラヴァーグジュエリースクールで制作技法・ブランド運営のノウハウを学び、夢の一歩目を踏み出した方達をご紹介しています。
どんなきっかけで、どんな想いでジュエリーを作っていくのか。
この仕事を生業としていく一人一人の物語を皆さんにお伺いしました。
今回は、ジュエリーブランド『MISATO MATSUDA JEWELRY』の松田 美里さんにお話しを伺いました。
どんなきっかけで、どんな想いでジュエリーを作っていくのか。
この仕事を生業としていく一人一人の物語を皆さんにお伺いしました。
今回は、ジュエリーブランド『MISATO MATSUDA JEWELRY』の松田 美里さんにお話しを伺いました。
PICK UP BRAND
【 MISATO MATSUDA JEWELRY 】
こんにちは!スタッフの竹田です。
今回のインタビュー取材をさせていただいたのは、ジュエリーブランド『MISATO MATSUDA JEWELRY』のブランドオーナー松田美里さんです。
ラヴァーグでCADを習得後、お父様の工房で教わった伝統技術"螺鈿(らでん)"と"蒔絵(まきえ)"を活かしたジュエリー作品を制作されています。
伝統技術を取り入れたジュエリーに対する想いや今後の活動についてお話しを伺ってきましたので、最後までお楽しみくださいませ!
今回のインタビュー取材をさせていただいたのは、ジュエリーブランド『MISATO MATSUDA JEWELRY』のブランドオーナー松田美里さんです。
ラヴァーグでCADを習得後、お父様の工房で教わった伝統技術"螺鈿(らでん)"と"蒔絵(まきえ)"を活かしたジュエリー作品を制作されています。
伝統技術を取り入れたジュエリーに対する想いや今後の活動についてお話しを伺ってきましたので、最後までお楽しみくださいませ!
MISATO MATSUDA JEWELRY
【ジュエリーデザイナーという仕事】
ーー 松田さん、よろしくお願いいたします。
早速ですが、ジュエリー制作を始めたきっかけを教えていただけますか?
早速ですが、ジュエリー制作を始めたきっかけを教えていただけますか?
父が漆芸家をしており、螺鈿や蒔絵の技術に小さい頃から魅力を感じていました。
大人になり父が古希になった頃、『 父の持つ伝統技術を教わらなかったらきっとこの先後悔をする 』と思ったのがきっかけです。
道具や貝等の財産を父が引退した後も引き継いで活かしていきたいと思い、主人の後押しもあり、以前から好きで興味のあった(螺鈿や蒔絵を使った)ジュエリー製作の道を模索し始めました。
大人になり父が古希になった頃、『 父の持つ伝統技術を教わらなかったらきっとこの先後悔をする 』と思ったのがきっかけです。
道具や貝等の財産を父が引退した後も引き継いで活かしていきたいと思い、主人の後押しもあり、以前から好きで興味のあった(螺鈿や蒔絵を使った)ジュエリー製作の道を模索し始めました。
ーー ジュエリー制作を始めるに至り、ラヴァーグを選んだ理由や決め手は?
まずジュエリーの道を志してから、自分のブランドを立ち上げたいと決めていましたので、それをサポートをしてくれるアントレプレナーコースが当教室にあることはとても魅力的でした。
もう一つは、様々なコースがある中で細かなデザインも自由に形作れるCAD総合コースです。
もう一つは、様々なコースがある中で細かなデザインも自由に形作れるCAD総合コースです。
ーー CADは初めてだと慣れない部分もあったかと思いますが、実際にどうでしたか?
実際受講して頭の中のイメージを形にする事の難しさと面白さに夢中になりました。
積極的に質問することで先生方の的確なアドバイスもいただけ、今の製作にも役立っています。
積極的に質問することで先生方の的確なアドバイスもいただけ、今の製作にも役立っています。
ーー 私も最初はCADの3D空間に戸惑いましたが、立体イメージを確認しながら手直しができるので、便利ですよね!
ーー 今回の展示会で、螺鈿と蒔絵という伝統技法を用いたジュエリーは、とても美しく本当に素晴らしかったです!
この技法を学ぶためにお父様のアトリエで修得させたとのことですが、いかがでしたか?
この技法を学ぶためにお父様のアトリエで修得させたとのことですが、いかがでしたか?
初めて習ったのは、お椀の塗りです。
刷毛目(はけめ)が目立たないように薄すぎず厚すぎず塗る工程は、楽しくもあり難しくもありました。
最後に息子の名前をお椀に蒔絵で書いたのですが、蒔き時を誤ると金粉が漆(うるし)に沈んでしまったり、漆がすれてしまったり。蒔くタイミングを掴むまで何度も練習しました。
螺鈿に関しては、父が長年収集した多くの貝コレクションを意気揚々と見せてくれ、貝の魅せ方(切り取る角度や貼り方など)を教わる時間は幸せなひと時でした。
刷毛目(はけめ)が目立たないように薄すぎず厚すぎず塗る工程は、楽しくもあり難しくもありました。
最後に息子の名前をお椀に蒔絵で書いたのですが、蒔き時を誤ると金粉が漆(うるし)に沈んでしまったり、漆がすれてしまったり。蒔くタイミングを掴むまで何度も練習しました。
螺鈿に関しては、父が長年収集した多くの貝コレクションを意気揚々と見せてくれ、貝の魅せ方(切り取る角度や貼り方など)を教わる時間は幸せなひと時でした。
ーー大変な伝統技法の修得もお父様から教わっていたからこそ、頑張る事ができたんですね。いつかその技法を見てみたいです!
螺鈿や蒔絵用いたジュエリーを作成する中で、ラヴァーグで教わったことは、どのように活かされましたか?
螺鈿や蒔絵用いたジュエリーを作成する中で、ラヴァーグで教わったことは、どのように活かされましたか?
螺鈿は、見る角度によって様々な色の変化を楽しむ事ができます。
そのため、極力裏表のないようなデザインを心掛けて、揺れるピアスやペンダントトップ、そしてリングなどはCADで製作しています。
その中でも、CADで作り出す螺旋の形状をしたピアスの作品 “綺-aya- “は、曲線が優美で、カーブに螺鈿を施した品のあるジュエリーに仕上がり、CADを学んできて良かったと改めて感じています。
そのため、極力裏表のないようなデザインを心掛けて、揺れるピアスやペンダントトップ、そしてリングなどはCADで製作しています。
その中でも、CADで作り出す螺旋の形状をしたピアスの作品 “綺-aya- “は、曲線が優美で、カーブに螺鈿を施した品のあるジュエリーに仕上がり、CADを学んできて良かったと改めて感じています。
ーー このピアスのカーブに綺麗に施された螺鈿のキラキラとした輝きがすごく美しく、真っ先に撮影させていただきました!
CADと伝統技法が調和された作品だと思います。
CADと伝統技法が調和された作品だと思います。
【 ブランド活動について 】
ーー MISATO MATUDA JEWELRYとして初めての展示会でしたがいかがでしたか?
父が3度目の個展を開くことになり、ギャラリーオーナーの田中様のご理解をいただき、一緒に展示をさせていただけることになりました。
お陰様でたくさんの方々にお越しくださり、初めてご縁をいただいた際は、色々な感情が溢れ出て泣きそうになりました。
お陰様でたくさんの方々にお越しくださり、初めてご縁をいただいた際は、色々な感情が溢れ出て泣きそうになりました。
ーー会場ですごく嬉しそうお客様や松田さんのご両親とでお話しされている姿がとても印象的で、こちらも初の展示会に行けたことを嬉しく思います。
ーー 今回のジュエリーデザインのコンセプトや作品に込めた込めた想いを聞かせてください!
全ての作品名を漢字1文字にし、そこに想いを込めてお作りしました。
例えば螺鈿の技法を用いたネックレストップの 「 唯-muni-” 」は、唯一無二から名付けました。
貝によって輝き方は様々ですが、特に特徴的な色味の貝を選び、丁寧に削ってお作りします。"一期一会の出会いを大切に"という想いを込めました。
また、私の人生の節目節目で雨が続き、神様からお祝いのシャワーをいただいたような、また澄みきった雨に日々の疲れた心も浄化されていくようなことがありました。
その体験より、雫のようなデザインをいくつかお作りしました。「 澄-su- 」や「 潤-uru- 」などの作品は、"お客様の心にも寄り添い、時に晴れやかな気持ちに"、そして"少しでも癒しの存在になれますように"という想いを込めました。
例えば螺鈿の技法を用いたネックレストップの 「 唯-muni-” 」は、唯一無二から名付けました。
貝によって輝き方は様々ですが、特に特徴的な色味の貝を選び、丁寧に削ってお作りします。"一期一会の出会いを大切に"という想いを込めました。
また、私の人生の節目節目で雨が続き、神様からお祝いのシャワーをいただいたような、また澄みきった雨に日々の疲れた心も浄化されていくようなことがありました。
その体験より、雫のようなデザインをいくつかお作りしました。「 澄-su- 」や「 潤-uru- 」などの作品は、"お客様の心にも寄り添い、時に晴れやかな気持ちに"、そして"少しでも癒しの存在になれますように"という想いを込めました。
ーー ステキなコンセプトですね!作りたい作品に合わせながらもお客様を想って作れてていることをとても感じました。
ひとつひとつのデザインや込めた想いはそれぞれ違いますが、気になって手に取っていただく方の心に真っ直ぐ届き、明日への活力になれましたらこの上なく幸せです。
ーー ブランド活動を始めた今、ジュエリーに対する想いやデザインの傾向に変化はあしますか?
デザインの傾向は以前と変わりありませんが、展示会をしたことでジュエリーにたいする想いはより一層強くなりました。
製作したお品が皆さまに受け入れていただけるのか不安もありましたが、嬉しいお言葉をたくさんいただき、今後もお客様の声に耳を傾けて心に届くジュエリーを製作していきたいと決意を新たにしました。
製作したお品が皆さまに受け入れていただけるのか不安もありましたが、嬉しいお言葉をたくさんいただき、今後もお客様の声に耳を傾けて心に届くジュエリーを製作していきたいと決意を新たにしました。
ーー 松田さんにとって展示会がとても良い経験となり、嬉しく思います!
入学当時に思い描いていたジュエリー制作は、叶いましたか?
入学当時に思い描いていたジュエリー制作は、叶いましたか?
お陰様で!よく壁にぶつかりますが、理想を形に起こしていく作業は何ごとにも代え難く、思い描いていたよりずっとずっと楽しい日々を送らせていただいています。
地道な作業がほとんどですが、また皆さまとお会いできる機会を作るべく奮闘して参ります。
地道な作業がほとんどですが、また皆さまとお会いできる機会を作るべく奮闘して参ります。
ーー これからの活動も楽しみにしてます!
ーー 今回の展示会で、お客様の反応もたくさんあったと思います。その中で印象に残っているエピソードなどありましたか?
印象に残っているのは「 個性があまりない 」 と、芸術に造詣が深い方からのお言葉でした。
確かに展示会に出展した作品は、螺鈿や蒔絵を引き立たせるためにシンプルなデザインがほとんどで、"個性と呼べるほどのデザイン性がない"と落ち込みました。
そんな折、父と同じ漆芸家の方から「 真面目に真摯に向き合っていたら、おのずと個性は出てくるものだ 」ともおっしゃっていただき、無理のない範囲で" MISATO MATSDA JEWELRY らしさ"を探していこうと思い直しました。
確かに展示会に出展した作品は、螺鈿や蒔絵を引き立たせるためにシンプルなデザインがほとんどで、"個性と呼べるほどのデザイン性がない"と落ち込みました。
そんな折、父と同じ漆芸家の方から「 真面目に真摯に向き合っていたら、おのずと個性は出てくるものだ 」ともおっしゃっていただき、無理のない範囲で" MISATO MATSDA JEWELRY らしさ"を探していこうと思い直しました。
ーー 様々な意見をいただくかと思いますが、個性の表現は難しいですよね。漆芸家さんがおっしゃったように、どんどん技術を学ぶ中で、松田さんなら自分なりの捉え方や表現を見付けられると思います。
焦らず、ジュエリー制作を楽しみましょう!
焦らず、ジュエリー制作を楽しみましょう!
ーー ブランド活動をされている中で、立ち上げる前の自分から成長できたなと思う事は何ですか?
強いて言うならば『 有難いと思う気持ち 』でしょうか。
今回無事に展示会を終えられたのも、家族の多大な協力があり、様々な方々にいろいろな形で支えていただき、今日を迎えられた事への感謝。
以前の私より"世の中全てのことに対して有難い"と、より感謝の気持ちが強くなった気がします。その気持ちを今度は作品に込めてお返ししていけたら嬉しいです。
今回無事に展示会を終えられたのも、家族の多大な協力があり、様々な方々にいろいろな形で支えていただき、今日を迎えられた事への感謝。
以前の私より"世の中全てのことに対して有難い"と、より感謝の気持ちが強くなった気がします。その気持ちを今度は作品に込めてお返ししていけたら嬉しいです。
ーー これからどんな風に成長をしていきたいかという目標などもあれば、聞かせてください!
今後については、まだまだ螺鈿も蒔絵も奥が深いので、技術をさらに身につけてMISATO MATSDA JEWELRY のデザインの幅を広げていきたいです。
ーーこれから、松田さんのようにブランドをたちあげたいと考えているかたへ、アドバイスや応援の言葉をお願いします!
ひとりでは出来ることに限界があります。
得意不得意もあります。でも、一歩踏み出す勇気があれば、それをサポートしてくれる教室の先生方や仲間がいます。
ぜひ一緒にがんばりましょう!!!
得意不得意もあります。でも、一歩踏み出す勇気があれば、それをサポートしてくれる教室の先生方や仲間がいます。
ぜひ一緒にがんばりましょう!!!
ーー貴重なお話しをありがとうございました!
松田さんの目標が現実になることを応援してます!
松田さんの目標が現実になることを応援してます!
ー編集後記ー
今回の取材で、螺鈿(らでん)や蒔絵(まきえ)という伝統技法を取り入れたジュエリーを私は初めて見ましました。
この螺鈿と蒔絵について、知らない方もいらっしゃるかと思うのでご紹介しますね!
螺鈿とは、夜光貝などの貝殻が真珠色に光る部分を磨いて薄片にし、種々の形に切って漆器や木地の表面にはめ込んだり、貼はりつけたりして装飾する技法です。日本には奈良時代に伝わったとされ、歴史ある伝統技法です。
螺鈿を用いた松田さんのジュエリーは、貝の輝きはとても美しく釘付けでした。角度によって様々な色と輝きを楽しめるので、撮影も楽しかったです。
この螺鈿と蒔絵について、知らない方もいらっしゃるかと思うのでご紹介しますね!
螺鈿とは、夜光貝などの貝殻が真珠色に光る部分を磨いて薄片にし、種々の形に切って漆器や木地の表面にはめ込んだり、貼はりつけたりして装飾する技法です。日本には奈良時代に伝わったとされ、歴史ある伝統技法です。
螺鈿を用いた松田さんのジュエリーは、貝の輝きはとても美しく釘付けでした。角度によって様々な色と輝きを楽しめるので、撮影も楽しかったです。
もう一つの蒔絵は、漆(うるし)を用いた技法。漆で絵や文様を描き、漆が固まらないうちに金・銀などの金属粉を蒔きつけて模様をあらわします。粉を蒔いて絵にするところから"蒔絵(まきえ)"と呼ばれ、こちらの技法は平安時代に日本に主流になった技法だそうです。
蒔絵を用いた松田さんのジュエリーは、金粉の上品な輝きが可愛らしくもあり、繊細な模様は華麗さを引き立たせてました。真珠との相性も素敵です。
蒔絵を用いた松田さんのジュエリーは、金粉の上品な輝きが可愛らしくもあり、繊細な模様は華麗さを引き立たせてました。真珠との相性も素敵です。
松田さんはCADで作られる作品に対し、ひとつひとつしっかりとコンセプトとこだわりを持って課題に挑まているイメージが強い方でした。
それはジュエリー制作を始めるきっかけでもある、お父様の伝統技法を受け継ぐという強い想いからきていたと、今回のインタビューで実感しました。
私達が伺ったのは展示会の初日、多くのお客様で賑わい、圧倒されるほどでした。その中で松田さんは、尊敬しているお父様と一緒に展示会ができたことが終始嬉しそうにされ、そんな目標を少しずつ達成されている松田さんを見て私達も嬉しくなりました。
それはジュエリー制作を始めるきっかけでもある、お父様の伝統技法を受け継ぐという強い想いからきていたと、今回のインタビューで実感しました。
私達が伺ったのは展示会の初日、多くのお客様で賑わい、圧倒されるほどでした。その中で松田さんは、尊敬しているお父様と一緒に展示会ができたことが終始嬉しそうにされ、そんな目標を少しずつ達成されている松田さんを見て私達も嬉しくなりました。
初めての展示会ということもあり、たくさんの準備と緊張もされながら挑まれていたことだと思います。そして、これからも技術を磨き上げ、たくさんの経験を積み、活動に対する充実感や楽しさを感じることでしょう。
目標を掲げて実現することは、簡単なことではなく、行動力と習得するための努力が必要です。ときには上手くいかないことや挫折しそうになることも・・・しかし、そこで諦めずに制作や活動で楽しさを見い出すことができた松田さんなら、これからさらなる成長を遂げ、多くの方に認知されていくことだと思います。
陰ながら応援しております。
目標を掲げて実現することは、簡単なことではなく、行動力と習得するための努力が必要です。ときには上手くいかないことや挫折しそうになることも・・・しかし、そこで諦めずに制作や活動で楽しさを見い出すことができた松田さんなら、これからさらなる成長を遂げ、多くの方に認知されていくことだと思います。
陰ながら応援しております。
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