ABOUT Designer's News
【一つのブランドが形になるまでの それぞれの物語】
このDesigner’s NEWSでは、いつか自分のブランドを持って好きな事を仕事にしていきたいと、ラヴァーグジュエリースクールに入学し、制作技法・ブランド運営のノウハウを学んで夢の一歩目を踏み出した方達を取材し、どんなきっかけで、どんな想いでジュエリーの世界で生きていくのかを訪ねさせていただいています。
一人一人の物語を皆さんにご紹介していきます。
PICK UP BRAND
【Welina -Mayuko Jimbo Jewelry-】
今回、取材をさせていただいたのはWelina -Mayuko Jimbo Jewelry-(ウェリナ)デザイナー兼クリエイターの神保真由子さん。
東京・神奈川を中心にイベント出店・ネットショップにてジュエリーブランドを展開中。
ハワイの可愛らしいモチーフジュエリーや、伝統的な彫りの入ったトラディショナルライン、カラフルな天然石を組み合わせたレイヤードジュエリーなど、ハワイのスピリットを取り入れながらも幅広い商品展開を実施。
ジュエリーブランドを立ち上げるようになったきっかけや、これまでの経緯をお伺いしました。
Welina -Mayuko Jimbo Jewelry- interview
【ジュエリーを始めたきっかけ】
さて早速ですが、神保さんがジュエリーを作ることに興味を持つようになった「きっかけ」を教えて頂けますか?
こちらこそ、よろしくお願いいたします!
工作好きの父と手芸が得意な母の影響だと思うのですが、子供の頃から手芸を中心としたモノ作りが大好きでした。
作りたいモノを見つけては、少ないお小遣いの中から少しずつ材料を買い集め、子供ながらに夢中で作っていた記憶があります。
その一方で、小学2年生の春に始めたバレーボールがどんどん本格的なものになっていき、中学・高校・大学時代はほぼバレーボール一色の生活に。
大好きなモノ作りに関わる時間は皆無でした。
社会人になり3社目の企業に勤めていた時に、運動中の事故で利き手を複雑骨折してしまい、手術を受けることになりました。
そこで、勤務先に事情を説明し、手術や治療に対する相談をしたところ、私の想像とは正反対の厳しい反応が返ってきたのです。
勤務先の対応に、正直ショックでした。その当時、私は会社員生活が丁度10年だったのですが、この出来事をきっかけに「会社員である自分」に一瞬で見切りが付いてしまい、勤務先を即退社(笑)
「これからは自分の好きな事を全力で頑張って、自分の力で生きていきたい!」と考えた時に、子供の頃からモノ作りが大好きだったことを思い出しました。
そこからは本当に早くて、「モノ作りに携わりたい」・「2番目に勤めたジュエリーメーカーでの仕事が楽しかった」・「ハワイアンジュエリーとハワイが大好き」…という3点から「ハワイアンジュエリーを作る!」という事だけをまず決めました。
ーーそれは、当時とてもショックが大きいものでしたね…
でも、そこから前向きにシフトチェンジして、好きなことへのチャレンジとなったのですね!
どんなきっかけでも、+のターニングポイントに変えられるかどうかは、きっとその人次第だし、そうやって前向きに変換できる人って私はとても強い人だなって思います。
ーー数ある学校の中から、ラヴァーグを選ばれた決め手は何でしたか?
「ハワイアンジュエリーを作る!」と決めたのはいいものの、「国内にハワイアンジュエリーの制作を学べる場所があるのだろうか…」と不安になり、すぐに検索を始めました。
すると、生活圏内の恵比寿にハワイアンジュエリーコースを持つジュエリースクールを発見!「こんな奇跡ってある?!」とパソコンの前で大興奮した事を覚えています(笑)
はやる気持ちを抑えてもう少し詳しく調べてみると、入学前にハワイアンジュエリーの制作体験ができる事がわかりました。
この時点で心はすでに新入生だったのですが、「やってみたら壊滅的に下手だった!」や「環境が合わなかった!」という不安要素を潰す良い機会だと思い、2回目の手術の直前に制作体験の申し込みをしました。
体験の当日は、一言でいうと「本当に楽しかった!」です。
初めて触るグレーバー(ハワイアンジュエリーの模様を彫るための機械)も、彫る練習や本番も、在校生のみなさんが作業している工房の雰囲気も、何もかもが未来に繋がっているように感じました。
もちろん出来上がった作品は下手でしたし、思うように彫れなくて悔しい気持ちもありましたが、とにかくすべてが楽しかったです。
ーーハワイアンジュエリーの制作技法を学べるところって国内だと本当に少ないですもんね。体験では楽しかったり、希望をもってもらえたこと、本当に嬉しいです!
ーー神保さんはハワイアンを受講された後から、アントレ・ジュエリーCAD・彫金と追加受講して下さりましたね!それぞれ追加受講されたとき、必要だなと思った理由を聞かせていただけますか?
入学して最初に受講した「ハワイアンジュエリー総合コース」は、「模様を彫る」という彫りの技術と「彫るためのベースを作る」という彫金の技術が同時に学べるコースだったので、全課題を終了する頃には「基本的なハワイアンジュエリー」を作る事ができるようになりました。
けれども、「そのジュエリーをどうやって販売していくのか」という壁にすぐにぶつかってしまったのです。
丁度その頃、毎年参加をしていたジュエリーデザイナーが集まる展示販売会の「DESIGNER’S FESTA(デザイナーズフェスタ)」に初めて各ブランド専用の売り場を設ける「個人ブース」が登場しました。
会期中に拝見した個人ブースはそれぞれ、商品やディスプレイも勿論ですが、ブランド名・ショップカード・ギフトボックスなどのラッピング資材までもが本当に素晴らしく、まさに「ジュエリーブランド」。
そして、どのブースの商品も「かわいい!欲しい!」と思うものばかりでした。「もしかしたら、私がぶつかっている壁に対する答えはここにあるのかもしれない!」と思った私は、「DESIGNER’S FESTA」の終了後すぐに、ブランド設立のノウハウが学べる「アントレプレナーコース」の受講を始めました。
その後順番に受講する事になる「ジュエリー CADコース」や「彫金総合コース」も、一番初めにぶつかった「どうやって販売していくのか」という壁に対する答えの延長線上にあるものでした。
ジュエリーCADコースの場合は「ハワイアン総合コースで学んだ技術だけでは作る事ができないデザインの商品を作る」という目的。
彫金総合コースの場合は「CADで作った商品を自分の手で販売できるクオリティまで仕上げる」という目的で受講を決めました。
掘り下げれば、そこに至るまでのエピソードもあるのですが、長くなるので割愛します。気になる方は話しかけてください!(笑)
…ということで、効率が悪かったかもしれないと思う事もありますが、受講を進める度に「ブランドが成長している!」と感じられているので、結果的には満足しています。
ーー作れるようになることと、売れるようになることでは全く別の知識や考え方が必要になってきますもんね。
実践経験や、その都度ブランドに必要な成長を感じて、ステップアップしていったのですね!
ーーコース終了後も毎日のようにラヴァーグをアトリエとしてご利用していただいていますが、雰囲気や設備はいかがですか?
コース終了後も工房に居座り続けて申し訳なく思っているのですが、ラヴァーグなしでは私の商品制作およびブランド運営は成立しないと思っています。いつも本当にありがとうございます!
まずは設備面ですが、ラヴァーグの工房にはジュエリー制作に必要な基本的な工具から個人で購入するにはハードルが高い専門的な機械類までがバランスよく揃っているため、作り手にとって大変有難い環境だなぁ…と常々感じています。
その中でも「レーザー溶接機」は本当に重宝していて、先生方を除けば、工房で1,2位を争うくらい使っているのではないかと思います(笑)
また、本来なら自分で外注に出さなくてはならないキャスト、造形、レーザー刻印などを工房経由で依頼できるという点も、制作に追われている時などは大変助かっています。
次に雰囲気面ですが、同じ工房内に職人仕事をしている先生方やブランド運営をしている仲間たち、これからブランドを作ろうとしている生徒さんたちがいてくれるという事が、私にとっては良い刺激であり大きな励みとなっています。
仕事としてジュエリーと向き合っていると「楽しいだけではない瞬間」が必ずあるのですが、支えてくださる先生方や同じように頑張っている仲間たちの背中を見ると、私も頑張ろうと思えます。
また、毎日顔を合わせていると自然と仲良くなれたりもするので、新しい友達がバンバンできるのも嬉しいです。
ジュエリー制作やブランド運営に関する情報共有や悩み相談だけでなく、プライベートな話をしたり飲みに行ったりもしますし、そこに先生方が混ざってくださる事もあります(笑)
大人になってから学生時代のような毎日を送れるなんて想像もしていなかったので、それだけでも本当に貴重で価値がありますよね。
ーーこちらこそ、いつも工房を利用して下さりありがとうございます!
神保さんのストイックに制作に向き合う姿勢は他の仲間にもいい影響を与えていると思います。
また、気さくに話しかけてくれる人って、先生とはまた違う理由で通われている人たちにとって安心する存在だと思っています。
そういった部分でも、神保さんの気さくさに私たちスタッフも助けられていますよ!
またみんなで気軽に飲みに行ける日々が早く戻ってきてほしいですね!
【ブランドを立ち上げてから】
ーー本格的にブランドを立ち上げたのは、どの時点からでしたか? ?
ハワイアン総合コースを終えた頃から商品の販売はしていたのですが、本格的にブランドとして活動を始めたのは、アントレプレナーコースの最終課題でブランドホームページを作成し、正式に公開したタイミングです。
アントレプレナーコースを受講する時に「次のDESIGNER’S FESTAは個人ブースで参加して、ブランドのお披露目をする!」という目標を立てていたので、「DESIGNER’S FESTA」開催前の公開に向けて必死に作業を進めました。
ーー毎年目標にされていたDesigner’s FESTAでは、100ブランドの中で人気ブランド投票で上位3位を獲得されていましたね!
この時、今までの経験を踏まえてどんなことを意識して取り組まれたのですか?
上位3位に入賞できた年は丁度5回目の参加だったのですが、前年の4回目に物凄く悔しい思いをしまして…。
その時に「来年(5回目)は絶対に上位入賞してやる!」と心に誓い、丸々1年かけて準備をし、本番に臨みました。
準備の段階で特に意識をして取り組んだ事は、
「①ブランドの見直し」
「➁展開商品のバランス」
「③集客」です。
「得票数とは何か」という事を徹底的に考えた時、最後まで残ったのがこの3つでした。「ブランドの見直し」と「バランス」に関しては、1年の大部分をかけて整備をしました。
そして「集客」に関しては、ラスト1か月で集中的に取り組みました。
本番の直前は、DM1枚1枚に手書きでメッセージを書いたり、それを色々な場所や人に届けたりする事に、商品制作にかける時間以上の時間をかけたと思います。
DM消費枚数だけで言えば、私が最優秀賞です(笑)
ーーそれって、実際にブランド活動していく上でも本当に大切なことだと思います!
ちゃんと検証して、改善点を洗い出して結果に繋げていくことが出来たのは、素晴らしいことですね!
大変有難い事に、5回目の「DESIGNER’S FESTA」をきっかけに、商業施設を中心としたポップアップ出店の機会をいただけるようになりました。
活動の場が広がった事により、お客さまに商品を直接見ていただける機会が格段に増えました。
そして、お客さまの反応や感想をダイレクトに受け取る事ができるようにもなりました。
思うような結果が出せずに落ち込む事もありますが、それを含めたすべての経験をブランド運営に役立てる事ができるので、ブランドも私個人も成長しているのではないかと感じます。
ーー一つ一つ真剣に向き合って、そこで生まれたチャンスで次に繋がっていますね!
確実にブランドとしてのステージを上げていっていることは本当の成長だと思います!
ーー実際に商業施設でPOP UP STOREに参加してみて、お客様とのやりとりで印象に残っていることはありますか?
これは「ジュエリーあるある」なのかもしれないのですが、お客さまの置かれている状況や歩んできた人生、大切な方に起こった出来事などを、お客さまから伺う事が多々あります。
プライベートな内容が多いので詳細は話せないのですが、ある時、ご自身用のピアスをお選びくださったお客さまとの会話の中で、私が青春時代のほとんどをバレーボールに費やしていた事や海外遠征の経験がある事、それらすべてがいまの自分にプラスの影響を与えている事などを話しました。
するとお客さまは、夢に向かって海外生活をしていた(お客さまの)お嬢さまが、様々な事情から夢を諦めて帰国をし、新しい道にチャレンジしようとしている真っ最中である事をお話ししてくださいました。
そして、お客さまがお選びになったピアスとお揃いのピアスをお嬢さま用に改めてご購入くださったのです。
「競技は違えど、ひとつの事に真剣に取り組んだ先輩が、第2の人生としてまったく違う道でチャレンジをしている。このピアスはそういう人が作ったモノなんだよ。あなたも新しい道で、また頑張ればいい。そう、娘に伝えます。ありがとうございます。」
お見送りの際にお客さまがおっしゃったお言葉でウルウルきてしまい、泣いてしまわないよう必死で我慢しました。
「お嬢さまの新しい生活が順風満帆であるといいな」と心から思った出来事です。
ーーちょっと涙が…。とても素敵なお話ですね。
色んな仕事があって、それぞれに色んな誇れる部分があると思いますが、ジュエリーはこのお話のように、誰かのお守りや励ましの気持ちを形にしていく役割がありますよね。
デザイナー冥利に尽きる素晴らしいエピソードですね。
【ジュエリーデザイナーとの両立】
ーー現在は、飲食のお仕事と並行してブランド活動をしていらっしゃいますよね。
神保さんの場合、ふたつのやりたい仕事を持つことで、どっちにもいい影響をもたらしているように感じています。そのあたりの利点をお聞かせいただけますか?。
「ハワイアンジュエリーを作る!」と決めた時、学べる場所探しの次に悩んだ事が「ジュエリーを仕事にできるまでの収入源をどうするか」でした。
「日中は学びの時間を集中して取りたい」
「ジュエリー業に活かせる何かを得られる職種にしたい」
「(可能なら)好きなことで楽しく働きたい」
…などなど、「大切な時間を使うからこそ、メリットがたくさんある事を仕事にしよう!」と考え、夕方オープンのビールバーにお世話になる事を決めました。
大変有難い事に、バーの仕事を通して出会ったたくさんの方たちが、いまでも私の良き理解者であり、心強い応援団でもあります。
「仕事に就きながらポップアップ出店に挑戦できる環境」って、理解や応援がなければなかなか実現できません。
そういう温かい応援に応えたいという想いも、ブランドを走らせ続ける事への大きなモチベーションになっています。
ーー別の業種だからこそ広がる繋がりや、職場の仲間の応援が支えになっているのですね。
ダブルワークだと、きっと大変なこともあると思います。大変な部分と、でも逆にこの働き方を選択して良かったと感じる部分の両方を教えてください。
ダブルワークをしていて大変な点は、「とにかく時間が足りない!」という状況が生まれてしまう事と、「体力的にきつい(年齢的にも?笑)」という事。この生活をいつまで続けることができるのだろうかと、最近よく考えます。
良かった点は、ジュエリーの事で悩んでいたとしても、仕事の切り替わりと同時に、頭も心も強制的に切り替わる事。
バーの仕事の間は悩みも忘れてしまいます(笑)
私はリフレッシュが下手なので、これはとても有難いです!
ーー確かに体力と時間問題はどの仕事も切り離せない部分ですよね。でも、切り替えやリフレッシュに捉えられているのは、良いバランスで素晴らしいですね!
【ブランド展開について】
ーー最近、刻印依頼を担当させていただく中で、Welinaのオーダーがとても安定してきているなって肌で感じています。
商品全てをご自身で制作されていると思いますが、どんなことに最もこだわりをもって制作されていますか?
ありがとうございます!
実は、現在の状況が「自分ひとりで作っていてもまだ何とかなる範囲内」というだけで、「すべての商品を自分で作る」という事にこだわりはまったくありません。
ただ、ブランド内で展開しているアイテムに関しては、自分だけでも完成まで持っていけるようにしよう…とは思っています。
これは私の負けず嫌いな性格によるところが大きいのですが、例え職人さんにお願いするとしても、「自分に技術がなくてできない」というようなネガティブな理由にしたくない。…というか、「できない」と言いたくないのです(笑)
それなので、彫金総合コースを受講時していた時には、すべての課題で検品が一番厳しそうな先生のところにハンコを貰いに行きました。
そのおかげで、技術もメンタルも格段に向上したと思います!(笑)
ーーWelinaの商品クオリティの高さには、本当に講師陣からもお墨付きです!
そういった部分は、必ずお客様にも届くところだし、職人さんにお願いすることがあった時にも具体的なコミュニケーションが取れるから大切ですね。
しかし、理由がとっても神保さんらしい(笑)負けず嫌いって本当に大切なこと!
ーーブランド運営を通して、自分自身が以前より成長したと感じる部分があったらお聞かせください。
個人で運営しているブランドなので、良くも悪くも自分次第。
私がやらなくては何も進まないし変わらないので、「考える事」と「動く事」に関しては、無意識でできるようになったと感じます。
また、現在の私からはあまり信じてもらえないのですが、本当はかなりの人見知りでラヴァーグに通い始めた頃は誰とも会話をする事なく、一人黙々と作業をしていました。
けれど、ラヴァーグで過ごす時間やダブルワークのバーでの仕事、そしてブランド運営を通して出会った多くの方々と交流しているうちに、少しずつですが、人見知りを克服しつつあるように感じます。
ポップアップ出店で出会うお客様の多くは「初めまして」の方なので、本当に良かったと思います。
ーーブランドを運営していくって、本当に人と人とのコミュニケーション力が必要ですよね。人見知りだったとは思えないほど、今の神保さんのフレンドリーさの裏には、そういった裏側の努力と成長があったのですね。
ーー今後、ブランドとしての目標は?
ブランドの直近の目標は「一年を通したコンスタントなポップアップ出店」と「オンラインショップの活性化」です。
展開している商品のテイストからなのか、春から夏にかけて出店が集中する傾向にあるので、まずはその状況を打破したいと思っています。
また、私自身が直接動ける範囲には限界があるので、ある程度自動で販売する事が可能なオンラインショップを活性化させ、商品の露出と販売数を上げていきたいと考えています。
最終目標である「ダブルワークの卒業」を実現するために、目の前の課題をひとつひとつクリアしていきたいです!
ーー既にコンスタントなポップアップ出展は順調ですね!ダブルワーク卒業も、着実に結果を出してる神保さんなら、きっとそう遠くない未来に実現できると思ってますよ!
【Welinaにとってのジュエリーとは】
ーー神保さんにとって、ジュエリーとはどんな存在ですか?また、どんな人にWelinaの商品を届けていきたいと考えていますか?
私にとって、ジュエリー制作とは「無形の有形化」
つまり、「形のないモノを形にする事」です。
大切な思い出やその瞬間の気持ち。
二人で見た景色。
嬉しかった事や悲しかった事。
忘れたくないのに、時間の経過と共にゆっくりと薄れてしまうモノってたくさんあると思うのです。
それらをいつまでも鮮明に覚えていられるように、目で見て手で触れられる「形」にしたい。そして、いつでも身近に感じることができるように、その「形」を身に着けていたい。
それが、私がジュエリーを作る理由なのかなと。
私の作るジュエリーが、忘れたくない大切なモノを持っている多くの方に届くといいなと思っています。
ーーとても素敵な理念ですね。沢山の人にその想いが届くといいなって心から思います。
ーーこれから神保さんのように、自分のライフワークとしてブランドを立ち上げていきたいと考えている方に、何か温かいメッセージをお願い致します。
ブランドの立ち上げで一番難しい事は、「ブランドを立ち上げる!と決心する事」だと思います。
その覚悟さえ決まってしまえば、あとは突き進むだけです!(笑)
不安に思う事も多いと思いますし、私もいまだに不安だらけですが、ラヴァーグには同じ目標を持つ仲間たちや支えてくださる先生方がたーーーーくさんいるので大丈夫!一緒に頑張りましょう!
私がわかる事なら何でもお答えしますので、いつでも話しかけてください!
…あ、「話しかけて」って2回も言っちゃった、笑
ーー神保さん、沢山のお話や勇気が出るお言葉ありがとうございました!これからも、心強い先輩として、ラヴァーグを引っ張っていってくださいね♪
ー編集後記ー
生きていく中で、必ず訪れるターニングポイント。
そのきっかけは、長く続けてきたことの延長線からなるものだったり、思いがけない突然の出来事だったりと、本当に様々です。
必ずしも、希望にあふれた出来事とは限りません。
ただ、そこで自分が前を向くか、後ろを向くかが人生の分かれ道なのではないかと、今回の神保さんの取材で思ったことでした。
その時、今まで積み上げてきたものが崩れてしまうようなことだったとしても、「じゃあ今から新しく自分が納得いく生き方は何があるのか?」と自分ときちんと向き合った時、そこにワクワク出来る気持ちが芽生えたとき、ようやくその出来事がプラスへの変換の始まりなのだと思います。
その証拠にお客様との印象深いエピソードのお話の部分で、自分の経験がお客様の想いと重なり、一つの商品が「一人の女性を勇気づけるお守り」と、贈り手の「応援したい」という気持ちが詰まったアイテムとなりました。
もし、私が受け取る側だったとしたら、きっとどんなハイブランドのジュエリーよりも、一生大切にする宝物は、こういった人の想いが感じられるものになると思います。
ショックだった出来事が、数年後こんなに素敵な出来事に昇華させられたのは、神保さんがただひたすらに真っ直ぐ前向きだったからだと思います。
ラヴァーグに来てから、どこまでもストイックに制作に向き合う姿勢や、実際の商品クオリティのレベルの高さは、過去の生徒の中でも頭一つ抜けていると言っても過言ではないほど。
それだけ真剣に向き合っているWelinaのジュエリーには、お客様が長く大切にしてもらえるよう、作り手としての責任感がとても強く感じられます。
今の自分が過去の出来事や経験に感謝できるのは、その人がどう動いて、どう過ごしていくかいくか次第。
そんな大切なことを教えてくれるインタビューだったと思います。
インタビュー内でもお話してくれた「形のないモノを形にする」
ジュエリーの神髄ってまさにこれだと思います。
誰かの気持ちや、約束、想いや祈りを身につけられる形にする仕事。
とても誇りある、人間らしいものだと私は思います。
その気持ちを持っている作り手から生まれるWelinaのジュエリーが、これからも沢山の人たちの想いを形にしていくことを、陰ながら応援しています。
PICK UP BRAND'S
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- plus. jewel
- 神保 真由子
- 1982年6月生まれ。
神奈川県川崎市出身。
海、空、月、桜、美味しいお料理とお酒、お風呂とサウナ、可愛い甥っ子たちを愛して生きています。
- https://www.welina-mj-jewelry.com/index.html