宝石を活かしたジュエリーデザインを、思い描いたとおりに形にする方法
「宝石をあしらった商品クオリティのジュエリーが、自分でもデザインして作れたらいいな」
そう思ったことはありませんか?
でも実際には、
「デザイン画までは描けても、立体的に仕上げるのが難しい」
「手作業では精度が出にくく、商品としてはもう少し…」
そんな壁を感じた経験がある方も多いかもしれません。
そこで今、多くのデザイナーやブランドが取り入れているのが、ジュエリーCADです。
立体のイメージを正確に再現できるCADは、宝石ジュエリーのデザインから試作・商品化までをスムーズに進められるツールとして注目されています。
ジュエリーデザイナーとしての第一歩を踏み出すなら、まずは自分の方向性を知ることが大切です。
➤ ジュエリーデザイナーになるには? をチェックして、必要なスキルと学び方を整理しましょう。
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ジュエリーデザイナーとして理想を最短で形にするには
手作業による彫金の良さを大切にしながらも、
ジュエリーCADを使うことで、宝石の魅力を最大限に引き出す設計が可能になります。
繊細な爪留めや、立体的な曲線を持つリングデザインなど、
これまで難しかった表現も、CADなら思い描いた通りの精度で形に。
ブランドの立ち上げやオーダージュエリー製作を目指す方にとって、
新しい制作の可能性を広げる技術です。
CADツールにもさまざまな種類があります。
当スクールでは、様々なジャンルで幅広く使われている「ライノセラス」にジュエリー専用のツールを追加して使用しています。
➤ ジュエリーCADと一般的なCADの違い を詳しく見る。
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宝石ジュエリー、CADを使ってデザイン過程~商品化までの効率化を
ジュエリーCADでは、金属の厚みや宝石の位置、留め方までを0.1ミリにこだわって設計できます。
そのため、試作品の段階から完成品に近い精度で形を確認できるのが大きな魅力です。 さらに、データ化されたデザインは修正や複製も容易。 「もっと石を大きくしたい」「形を少し変えたい」といった要望にも即座に対応できるため、 制作のスピードとクオリティの両方を高めることができます。
そのため、試作品の段階から完成品に近い精度で形を確認できるのが大きな魅力です。 さらに、データ化されたデザインは修正や複製も容易。 「もっと石を大きくしたい」「形を少し変えたい」といった要望にも即座に対応できるため、 制作のスピードとクオリティの両方を高めることができます。
宝石の美しさを引き立てるジュエリーデザインを、CADで形にしてみませんか?
ハハワイアンジュエリーブランド PUA ALLY(プアアリ)と宝石ジュエリーへのCAD活用
〜クオリティの高いブランドであり続けるために〜
実際に、宝石を扱うジュエリーブランドでも、CADを導入することでデザインと品質の両立を実現しています。
その代表例が、東京・恵比寿でジュエリーCADを教えて20年、私たちラヴァーグジュエリースクールの講師も携わるハワイアンジュエリーブランド「PUA ALLY」です。
その代表例が、東京・恵比寿でジュエリーCADを教えて20年、私たちラヴァーグジュエリースクールの講師も携わるハワイアンジュエリーブランド「PUA ALLY」です。
特に、宝石を使ったエンゲージリングなど、一生ものとなるブライダルジュエリーの制作では、CADの力が大きく発揮されます。
お客様にとって特別なリングだからこそ、ミリ単位のバランスやデザインの再現性が求められる――そんな場面で、ジュエリーCADは欠かせない存在です。
一見、すべてが手作業で作られている印象の強いハワイアンジュエリーですが、プアアリでは伝統の「手彫り」と最新技術「CAD」を融合。
これにより、他にはない唯一無二の宝石ジュエリーを生み出しています。
ここからは、ジュエリーデザイナーが実際にどのようにCADを活用して商品開発を行っているのかを、実際のエンゲージリング制作プロセスを例にご紹介します。
宝石ジュエリーデザイナーの試作から商品化までのプロセス
実際に商品化されたPUA ALLYのエンゲージリングをもとに、プロセスを見ていきましょう。
まず、宝石の大きさや配置のバランスを考慮しながらデザインを調整し、レンダリング(3DCG画像)で完成イメージを確認します。
まず、宝石の大きさや配置のバランスを考慮しながらデザインを調整し、レンダリング(3DCG画像)で完成イメージを確認します。
(※レンダリングとは、3Dデータに光や影、質感などを加えてリアルな画像に変換すること。宝石の輝きや金属の質感も忠実に再現できます。)
(↑データ一つで様々な見え方に変換できる)
CADの画面では、二次元のスケッチや三面図とは異なり、360度あらゆる角度からジュエリーの形を確認できるのが大きな特徴です。
この段階で、実際の金属加工前にデザイン上の不具合や意図しないラインを修正できます。
では、完成までをSTEPごとに見ていきましょう。
STEP 1:ジュエリーデザイナーによるCADデータの作成・確認
まず最初のステップは、ジュエリーデザイナーの提案イメージや指示に基づいてCAD上でデータを作成すること。
立体的なジュエリーとしての美しさと、宝石のサイズや留め位置などの実用性を両立させながら、最適な形状をデザインします。
STEP 2. ジュエリー試作品の造形
デザインが整ったら、次に試作品の造形工程へ進みます。
造形機(3Dプリンター)にデータを読み込ませ、樹脂素材で立体的な原型を作成します。
この原型をもとに、デザイナーと職人が細部を確認し、必要があれば再度データを微調整します。
例えばこのリングでは、「腕の幅をもう少し細くして軽やかさを出す」修正が加えられました。
STEP 3:修正と試作の反復
試作品の仕上がりを確認しながら、デザイナーは意図が正確に反映されているかをチェック。
修正と試作を繰り返すことで、最終的なフォルムをブラッシュアップしていきます。
この段階では「ロストワックス技法」も登場します。
これは、原型を石膏で固め、熱でワックスを溶かして空洞を作り、そこに金属を流し込む伝統的な鋳造方法です。
STEP 4:金属での仕上げと量産準備
シルバーで鋳造した後は、磨きや石留めといった最終仕上げへ。
加工上の問題があれば、再びCADデータを修正して最終形を完成させます。
量産の場合は、最終データを少し大きめにして造形し、シルバーで鋳造した後に量産用の型を取ります。
プアアリでは、この型を使用してプラチナやゴールドといった高額地金で本生産を行っています。
このように、宝石ジュエリーデザイナーは、CADというデジタルツールを活用することで、デザインの正確性と表現力を高めながら、ブランドの品質を支えています。
手作業の温もりと最新技術の融合――それが、PUA ALLYが20年愛され続けてきた理由のひとつです。
そしてPUA ALLYより小規模の個人ブランドでも、CADを活用してジュエリーデザインから販売までを一貫して行うデザイナーも増えています。
自由な働き方に興味があるなら、➤ ジュエリーブランドを立ち上げるには?
も合わせてご覧ください。
ジュエリーデザイナーが知っておきたい、手作業とジュエリーCAD、それぞれの強みと違い
ジュエリーデザイナーにとって、デザインを具現化する方法はひとつではありません。
例えば、職人による手作業と、デジタル技術を活用した設計というアプローチ。どちらにも魅力と強みがあり、ジュエリーデザイナーにとってはその特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。
手作業による繊細な表現は、ジュエリーの価値を高める大切な要素である一方で、デジタル設計を取り入れることで、より精密で再現性の高いデザインを実現できます。 どちらが正しいということではなく、「デザイナーが意図をどのようにデザインに反映させるか」が重要です。
例えば、職人による手作業と、デジタル技術を活用した設計というアプローチ。どちらにも魅力と強みがあり、ジュエリーデザイナーにとってはその特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。
手作業による繊細な表現は、ジュエリーの価値を高める大切な要素である一方で、デジタル設計を取り入れることで、より精密で再現性の高いデザインを実現できます。 どちらが正しいということではなく、「デザイナーが意図をどのようにデザインに反映させるか」が重要です。
宝石ジュエリーデザイナー視点で考える、手作業の魅力
手作業で行うジュエリー制作の最大の魅力は、職人の希少な技や感覚が活きる点です。
金属を叩く加減、宝石を留める繊細な手加減など、職人の感性と経験がダイレクトに作品へと反映されます。
たとえば、宝石を支える爪やリングのアーム部分を1本ずつ手で成形し、組み合わせながら調整していく工程では、熟練の技術が必要です。 長年の経験を積んだ職人であれば、左右対称で美しいジュエリーを短時間で仕上げることも可能です。
金属を叩く加減、宝石を留める繊細な手加減など、職人の感性と経験がダイレクトに作品へと反映されます。
たとえば、宝石を支える爪やリングのアーム部分を1本ずつ手で成形し、組み合わせながら調整していく工程では、熟練の技術が必要です。 長年の経験を積んだ職人であれば、左右対称で美しいジュエリーを短時間で仕上げることも可能です。
ただし、手作業には時間と手間がかかるというデメリットもあります。
完成後に「宝石のサイズを少し変えたい」「爪の位置を修正したい」といった要望が出た場合、最初から作り直しになるケースも少なくありません。
素材のロスが生じるだけでなく、再制作の依頼が心理的な負担になることもあります。
ジュエリーデザイナーにとってのデジタル設計の利点
一方、デジタルツールを使った設計では、修正やアレンジが圧倒的にスムーズ。データ上で宝石の大きさや位置、爪の太さなどを数ミリ単位で調整でき、再現性の高いデザインを効率よく追求できます。
さらに、金属に鋳造する前の段階で複数のデザイン案を同時に比較・検討できるのも大きなメリット。「石を大きくしたパターン」「腕を細くしたパターン」など、バリエーションを即座に試せるため、より洗練されたデザインを目指すことが可能です。
また、デジタル上での修正は素材や工賃の無駄が出にくく、ブランド運営や商品開発を効率化できる点でも価値があります。
さらに、金属に鋳造する前の段階で複数のデザイン案を同時に比較・検討できるのも大きなメリット。「石を大きくしたパターン」「腕を細くしたパターン」など、バリエーションを即座に試せるため、より洗練されたデザインを目指すことが可能です。
また、デジタル上での修正は素材や工賃の無駄が出にくく、ブランド運営や商品開発を効率化できる点でも価値があります。
ジュエリーデザイナーが目指すべき、手作業とデジタル技術の融合
現在では、ジュエリーデザイナーや職人の多くが、手作業とデジタル設計を組み合わせて制作を行っています。ティファニーやカルティエなどのハイブランドも同様です。
設計データで正確な土台を作り、金属になった後に職人が石留や磨きを施す──このハイブリッドな方法により、精密さと手仕事の温かみを両立できます。伝統を受け継ぎながら最新技術を取り入れることで、ジュエリーデザイナーの表現の幅はさらに広がっています。
設計データで正確な土台を作り、金属になった後に職人が石留や磨きを施す──このハイブリッドな方法により、精密さと手仕事の温かみを両立できます。伝統を受け継ぎながら最新技術を取り入れることで、ジュエリーデザイナーの表現の幅はさらに広がっています。
CADで叶える宝石ジュエリーデザインのメリットまとめ
【手作業のみ】
◉修正のしやすさ・・・難しい(再制作になることも)
◉デザイン検証・・・実物を作るまで完成形が見えない
◉材料コスト・・・素材ロスが発生することも
◉バリエーション検討・・・限られたパターン
◉制作スピード・・・時間がかかる場合も
◉デザイン検証・・・実物を作るまで完成形が見えない
◉材料コスト・・・素材ロスが発生することも
◉バリエーション検討・・・限られたパターン
◉制作スピード・・・時間がかかる場合も
【デジタル設計=CAD】
◉修正のしやすさ・・・しやすい場合がほとんど
◉デザイン検証・・・レンダリングで立体的に確認可能
◉材料コスト・・・デジタル上で調整できるため無駄が少ない
◉バリエーション検討・・・複数案を効率的に比較可能
◉制作スピード・・・試作までの工程が短縮できる
◉デザイン検証・・・レンダリングで立体的に確認可能
◉材料コスト・・・デジタル上で調整できるため無駄が少ない
◉バリエーション検討・・・複数案を効率的に比較可能
◉制作スピード・・・試作までの工程が短縮できる
デジタル技術は、宝石を扱うジュエリーデザイナーが「理想のデザインを形にする」ための強力なツール。
手作業と同じようにデザイナーの“感性”を表現しつつ、より高い精度とスピードを両立させられるのが魅力です。
しかし、最終仕上げは必ず彫金の技術が必要になるのがジュエリー制作。CADと彫金両方の技術を学び、理想のジュエリー制作を目指したい方へ。
➤ ブランド設立コース(CAD・彫金・ブランド立ち上げ)
をチェック。
次の章では、実際に宝石デザイナーがCADをどう活用しているかを、商品開発やオーダーメイド事例を交えてご紹介します。
ジュエリーデザイナーが宝石を活かすために、デジタル設計をどう使うか
エンゲージリングを例に挙げましたが、もちろん他のジュエリーデザイン、特に宝石を多用したモデルの商品開発にもCADは大いに役立ちます。例えば、複数の宝石を組み合わせたネックレスや、複雑な石留めの構造を持つピアスなど、手作業では非常に困難なデザインも、CADを用いることで正確に、そして効率的に実現できます。
ジュエリーデザイナーによる宝石ジュエリーの新しい提案
トレンドや市場のニーズに合わせて、さまざまな宝石の形状・サイズ・配置を画面上でシミュレーション。
デザイナー自身が複数のデザイン案を素早く作成・比較することで、より魅力的なバランスを見極めることができます。 手描きでは難しい複雑な構造や、宝石による繊細な装飾も、デジタル上なら正確に表現可能。 思いついたアイデアをすぐに形にし、そこからまた新しい発想へとつなげられる点は、現代のジュエリーデザインにおける大きな強みです。
デザイナー自身が複数のデザイン案を素早く作成・比較することで、より魅力的なバランスを見極めることができます。 手描きでは難しい複雑な構造や、宝石による繊細な装飾も、デジタル上なら正確に表現可能。 思いついたアイデアをすぐに形にし、そこからまた新しい発想へとつなげられる点は、現代のジュエリーデザインにおける大きな強みです。
ジュエリーデザイナーが行う、既存の宝石ジュエリーのブラッシュアップ
完成済みのデザインも、データをもとに容易に修正・改良できます。
宝石の種類や留め方を変えたり、全体のサイズを微調整したりといった工程が短時間で完了。
さらに、顧客からのフィードバックや販売データを反映させながら、より魅力的な商品へと再構築していくことができます。
こうした「アップデートを繰り返せる仕組み」は、ブランド運営において大きなアドバンテージになります。
こうした「アップデートを繰り返せる仕組み」は、ブランド運営において大きなアドバンテージになります。
ジュエリーデザイナーが手がける、宝石のカスタムオーダージュエリー
お客様一人ひとりの希望を反映したオーダーメイドにも、デジタル設計は欠かせません。
デザイナーが要望をもとに具体的な形を画面上で再現し、完成イメージを共有しながら打ち合わせを進めることができます。 宝石の選定や配置、留め方など細部に至るまで、お客様のこだわりを反映。 完成前にイメージを確認できるため、安心感と満足度の高いジュエリーづくりが実現します。
デザイナーが要望をもとに具体的な形を画面上で再現し、完成イメージを共有しながら打ち合わせを進めることができます。 宝石の選定や配置、留め方など細部に至るまで、お客様のこだわりを反映。 完成前にイメージを確認できるため、安心感と満足度の高いジュエリーづくりが実現します。
ブランド運営と創造性を両立するために
効率的な制作体制を整えつつ、デザイナーのイマジネーションを最大限に生かすこと──
それが、デジタル技術を活用する最大のメリットです。
実際に多くのハイブランドが同様の手法を取り入れ、精度と美しさを両立したジュエリーを生み出しています。
このツールを自在に使いこなすことは、現代のジュエリーデザイナーにとって大きな武器となるでしょう。
それが、デジタル技術を活用する最大のメリットです。
実際に多くのハイブランドが同様の手法を取り入れ、精度と美しさを両立したジュエリーを生み出しています。
このツールを自在に使いこなすことは、現代のジュエリーデザイナーにとって大きな武器となるでしょう。
CADを使いこなすジュエリーデザイナーとして、宝石の魅力を最大限に
私たちラヴァーグジュエリースクールは、恵比寿で20年にわたりジュエリー製作とデザイン教育を行ってきました。
ブランド運営の現場で培った経験をもとに、基礎から実践まで一貫して学べるカリキュラムを構築しています。 中でも「ジュエリーCAD総合コース」では、データ作成だけで終わらず、金属になった後の磨きや石留めにも挑戦。 デジタルと手仕事の両面からジュエリー制作を体験できるため、実際のブランド運営に役立つ応用力が身につきます。
ブランド運営の現場で培った経験をもとに、基礎から実践まで一貫して学べるカリキュラムを構築しています。 中でも「ジュエリーCAD総合コース」では、データ作成だけで終わらず、金属になった後の磨きや石留めにも挑戦。 デジタルと手仕事の両面からジュエリー制作を体験できるため、実際のブランド運営に役立つ応用力が身につきます。
現場経験豊富な講師陣による指導、商品開発の視点を取り入れた実践的なカリキュラム、
そして「ブランド設立コース」との組み合わせにより、効率的に宝石ジュエリーブランドを立ち上げられる環境が整っています。
このコンテンツを通じて、個人ブランドがデジタル設計を味方につけることで、 大企業にはない柔軟性やスピード感を発揮し、独自の道を切り拓けることを感じていただけたかと思います。 実際にスクールで学んだ多くの生徒が、短期間でブランドを立ち上げ、ジュエリーデザイナーとして活躍しています。
このコンテンツを通じて、個人ブランドがデジタル設計を味方につけることで、 大企業にはない柔軟性やスピード感を発揮し、独自の道を切り拓けることを感じていただけたかと思います。 実際にスクールで学んだ多くの生徒が、短期間でブランドを立ち上げ、ジュエリーデザイナーとして活躍しています。
固定観念にとらわれず、自由な発想で新しい価値を生み出す──それが、個人ブランドの強みです。デザイナーが自ら設計を手がけることで、表現の可能性はさらに広がります。
私たち講師も、「ジュエリーデザイナー」や「ブランドオーナー」を目指す方へ、この融合の力をこれからも伝えていきたいと思います。テクノロジーと美的センスの交わる場所から、次世代のジュエリーが生まれています。

