靭性とは、宝石の原子の結合の仕方やそれらの結合の強さによって宝石が持つ割れや欠けに対する抵抗力の「衝撃に対しての目安」を表します。硬度との違いは、硬度は日常的につく傷のつきにくさ、靭性は落としたときや他のものとぶつけたときの衝撃に対する耐久性の高さであり、必ずしも一致しないということです。
この靭性と関わる要因のひとつが「劈開(へきかい)」です。劈開とは、一定方向の平面に沿って割れやすい特性のことをいいます。
もうひとつの要因が「結晶構造」です。結晶構造は、複雑に絡み合っていれば衝撃に対して弱い方向が決まっていないため割れにくいといった特性がありますが、結晶構造の並びが規則的な場合は衝撃に強い方向と弱い方向ができてしまうので注意が必要です。
下記の一覧は、靭性の高い宝石から脆い宝石までを高・中・低・脆の4段階で一覧にしています。靭性で割れやすい宝石に入るエメラルド、トパーズ、トルマリン、ペリドット、オパールなどは、 超音波での洗浄は厳禁なので注意しましょう。