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ジュエリーの基礎用語

ジュエリーには歴史と文化があり様々な角度から考察すると非常に奥深い分野です。

 

このページでは、現在ジュエリーに既にたずさわっている方も、これからジュエリーの制作を始めてみたいと思っている方にも、ここで得た知識を元に現場ですぐに役立ててもらえるように、ジュエリーの基礎用語についてわかりやすく項目別で解説します。

 

より興味がわいた方はここからさらに自分自身で深堀りするためのベースとしてお使いください。

ジュエリー

貴金属を使う理由

貴金属

ジュエリーによく使われる金属には、金・銀・プラチナまた、銅・真鍮・鉄・亜鉛・ニッケル・錫(すず)などがあります。 

金・銀・プラチナ貴金属と呼ばれ古くから使われて来ましたが、その理由は希少性と加工のしやすさ、また材料としての安定性があげられます。 

 

希少性 

例えば最も希少な金を例にあげると人類が発見してから6,000年余りで約17トンを採掘してきましたが、それは50メートルプールで約4個分ほどしか取れていないと言われています。 

 

地球表面(地殻)から採れる割合でも鉄は100分の6程度と非常に多く取れますが、金は10億分の4程度となり希少性が高いことがわかります。 

 

加工のしやすさ

金属の特性には展性と延性がありこれによって曲げる切る延ばす叩くといった加工がしやすいため使用できます。

 

展性とは、加圧することにより破壊されることなく平面的に広げる事が出来る性質。例えばお蕎麦を作る時に平たく棒で伸ばす事が出来る様子です。 

 

延性とは、一方向に切れることなく引き伸ばす事が出来る性質のことです。おもちが切れることなく伸ばすことが出来る様子などです。 

これらの性質が貴金属にもあるため加工がしやすいのです。 

 

安定性

耐腐食性といって、長年海の底にあった金塊が発見された時などには、いまでもその輝きを失うことなく変化せずに安定している性質がある為丈夫で長持ちをします。 

一方鉄や銅などの非貴金属は、安定性がなく錆びやすい性質があります。 

 

 

貴金属の特性については、 こちらも参考にしてください。 

 

https://lavaguejewelry.com/course/metal/bare-metal-platinum/ 

 

https://lavaguejewelry.com/course/metal/type-of-color-gold/ 

 

刻印を入れる意味

刻印

お手持ちのジュエリーなどで見掛ける刻印ですが、その理由と意味については国によっても様々なルールがある様なので見ていきましょう。 

 

例えばアメリカでは、 

ジュエリー製造業者が材料の品質を刻印するためには、国が認めている機関(FTC)に商標登録をする必要がありその刻印にも細かなガイドラインが作られています。完全に24Kで作られていない商品に対し「ゴールド」という言葉を使うことはガイドラインの違反になります。 

 

イギリスの刻印には、 

製造元のマーク、金属の種類、1000分の1の細かな内容、分析所、とかなり細かく決められて、分析によってその数値が満たしていない場合壊されて製造業者に返品されるそうです。

刻印画像

-引用 The Goldsmiths Company

日本では 

財務省が管轄している造幣局に商品を提出し、金属の種類を検査された商品には造幣局認定マークと純度を表す刻印がされます。 

 

造幣局刻印画像

ー引用 造幣局

日本ではブランドのロゴと金属の種類が刻印されている商品を多く見かけますが、必ず造幣局の刻印を打たれたものだけが販売できるという訳ではありません。

 

そのブランドが責任を持ち材料を明らかにしている証明になるものなので、商品を見る時にはきちんと刻印の入った商品の購入を検討しましょう。 

 

レーザー刻印については,こちらも参考にしてください。 

 

 

https://lavaguejewelry.com/tokuchou/lasermarking/ 

製造方法

製造方法

ジュエリーの作り方の中には手作業で1点ずつ作成する彫金技法の他に、大量生産をする時の効率的な作り方がいくつかあります。 

 

ロストワックス‐鋳造 (ちゅうぞう)

ワックスという蝋のような材料で型を作ります。 

 

そのワックスを石膏型の中に埋め込んだ後、窯の中で焼成することで高温になり流れ出たワックスによりできた空洞の中に金属を流し込む方法です。

 

これを精密鋳造とも呼びますが、大量生産するジュエリー製造の現場で最も普及している方法と言えるでしょう。 

 

ロストワックス製法の特徴と利点 

https://lavaguejewelry.com/course/wax/ 

 

 

ラバーキャスト 

融点の低い錫(すず)などを材料に耐熱のシリコンゴムに流し込む鋳造方法で、先ほどの精密鋳造と比べ作業工程も少なく記念品やアクセサリーの製造で使われています。 

 

CAD(Computer Aided Design コンピュータ支援設計) 

コンピューターを使い3Dのグラフィックデーターを作成することです。 

そのデータをもとにジュエリー商品にする方法となり、現在では主流のCADを導入するメリットは非常に多くあります。製造スピードと量産する上での効率化を考えた時になくてはならないツールです。 

 

さらにジュエリーCADに興味が出た方はこちらもご覧ください、 

 https://lavaguejewelry.com/course/jewelrycad/ 

 

 

プレス加工 

鋼鉄製の打ち型や抜き型と呼ばれる金型を使用し、大型の機械による強い圧力で材料を抜き切ったりデザインを転写させることで同じ形を大量に作る事が出来ます。

金属が圧縮され強い強度を持つため薄い商品でも耐久性に優れたシャープな形の表現が出来ます。 

 

切削加工(せっさくかこう) 

機械を使い3Dデータなどから材料を削り出して製品にする方法。大型の船舶から医療器具まで精度を必要とする製品に使われる方法ですが、その精度の高さからクオリティの高いジュエリー商品にも用いられています。 

 

切削加工についての詳しい情報はコチラ 

https://lavaguejewelry.com/course/metal/machining/ 

 

表面処理方法

表面処理

ジュエリーの製造には表面の変色を防ぐためのコーティングを施す場合があります。 

 

メッキ(金の場合:刻印はGP、ゴールドプレーテッド) 

金属が溶かし込んである水溶液に電気を流し表面につける方法が多く用いられます。

 

電鋳(エレクトロフォーミング)(金の場合:刻印はGF、ゴールドフィルド) 

金属の層が厚く、その重量が5%以上で、加工方法は高熱と圧力によって張り付けられている、金張りとも呼ばれている。 

 

電鋳を使い形を作ることで、軽量でありながら重量感のあるジュエリーが作れコストを抑える事が出来ます。 

 

リングについて

リング

リングのベースとなる形にもいくつか種類があるのでご紹介します。 

 

甲丸リング(こうまる) 

かまぼこ型と言われることが多いこの形状は表面が丸く、内側が平らな形です。 

 

平内リング(ひらうち) 

断面の形が四角いリングです。 

 

内甲丸リング(うちこうまる) 

リングの内側が丸い形状です。 

 

剣腕リング(けんうで) 

表面が山のようにとがっている形。まさに剣です。 

 

鎬リング(しのぎ) 

平内リングの角を平らにした形です。 

 

リング形状

石留め(ストーンセッティング)の種類について

ダイヤモンドなどの宝石をジュエリーにセッティングする主要な方法をご紹介します。 

適切なセッティングは石の紛失や破損から守りより輝かしく見えます 

 

爪留め(つめどめ) 

最も一般的な宝石の固定方法です。「爪」と呼ばれる4~6本の棒状のパーツで抑え込むことによって固定されます。 

 

覆輪留め(ふくりんどめ) 

カボションカットと呼ばれる上部がドーム状で底がフラットまたは曲面の宝石を固定する際に使われることが多く、宝石の周りすべてをぐるっと囲み抑え込むことで固定するため、石留めの中で最も外れにくい方法です。 

 

彫留め(ほりどめ) 

ベースとなる金属に直接溝を作り、その中に宝石を入れて固定する方法です。

 

彫留めの中にもいくつかの種類がありジュエリーの歴史の中で様々な方法が考案されて来ました。 

 

ミル留め 

土台に空けられた穴に石をセットし、その周りの金属をミルタガネと呼ばれる小さなカップ状の工具で周囲の金属を集めて丸い粒状に仕上げます。ミルは粒という意味です。 

 

共有留め(パヴェセッティング) 

「パヴェ」とはフランス語で「石畳」という意味があり、石が敷き詰められて留まっている方法です。ハニカム(蜂の巣)状にセッティングされていることが多く、ミル留めと同じ方法で周囲の金属集めて固定する留め方です。 

 

 

爪留め 石が乗る台座と爪からなる「石座」を作成し、爪を倒すようにして石を留めます。

爪留め

覆輪留め 主に半球状(カボション)の石を留める際に多く使用される留め方です。

覆輪留め

彫り留め 「片切り」や「毛彫り」などのタガネを使い、石の周囲を彫ることで模様や爪を作り留める技法です。

彫留め

玉留め 「爪」を用いず石を留める技法の最もオーソドックスな方法です。

ミル留め

共有留め 「パヴェ」と呼ばれる石の止め方をする際に用いられる手法です。

共有留め

自分の手で石留めをマスターしたい方はこちらから、

 

https://lavaguejewelry.com/course/highjewelry/ 

 

ブライダルリング

エンゲージメント

ブライダルリングは人生で最も輝かしい時を象徴するものです。 

 

ブライダルリングとは、婚約指輪と結婚指輪の総称として呼ばれることがあり、婚約指輪は「エンゲージメントリング」、結婚指輪のことを「マリッジリング」と呼びます。 

 

婚約指輪と結婚指輪をセットで身につけるという考え方は1800年代からはじまったもので、お揃いのことを「ウェディングセット」または「ブライダルセット」と呼び、ダイヤモンドが使われる事が主流です。 

 

婚約指輪(エンゲージメントリング) 

伝統的なデザインとしてセンターにダイヤモンドが1つ配置され、ゴールドまたはプラチナのベースに4~6本の爪と呼ばれるパーツによって取り付けられたリングの事です。

 

婚約の意思を表すプロポーズのタイミングで渡すリングです。 

 

結婚指輪(マリッジリング) 

結婚をした女性と男性が一生を誓った証として身につけるペアのリング。 

 

女性は婚約指輪とセットで身につけることを前提として考えられ、その美しさを引き立てるために、ダイヤモンドやその他の石を「爪留め」ではなく「彫留め」で作ることが多い。 

 

エタニティリング 

結婚記念日のアニバーサリージュエリーとして宝石が途切れることなくリングの全周を取り囲むように配置されたデザインのリング。

 

その他のジュエリーについて

その他のジュエリー

ジュエリー商品の中で最も売れているのはリングですが、その他の魅力的なジュエリーについてご紹介します。 

 

ネックレス 

首周りのジュエリーのことですが、そのスタイルと長さにも種類がありは最も人気のある長さは45cmの鎖骨の上につけられる長さです。 

 

その他には40cm・50cm・60cm・75cm・90cmがあります。 

 

ネックレスのスタイル 

ストランド 

パールやビーズまたは金属で構成されたシンプルなデザイン。 

 

金属のみで作られたチェーンネックレスのほとんどが機械生産によって作られていてその種類も非常に豊富です。新しいデザインの商品も日々作られているので一般的なものをいくつかご紹介します。 

 

・小豆(あずき) 丸い線の断面線の輪が繋がっている。 

・喜平(きへい) 小豆をひねり、プレスすることで平面が作られたデザイン。 

・ロープチェーン 通常は楕円形で中空の編み込まれたロープのような形をしている。 

・ボールチェーン 球状のパーツが連なっているデザイン。 

 

参考 

https://puaally-hawaii.com/shop/product-category/chain 

 

ペンダント 

金属製のチェーンの先端にトップと呼ばれる装飾品が吊り下げられたスタイルで、ダイヤモンドが取り付けられたデザインは最もヒットした商品です。また養殖真珠のネックレスも人気です。 

 

チョーカー 

喉にフィレットする長さで人気のスタイルです。 

 

ブレスレットの種類 

手首の周りに身につけるジュエリーで古代エジプト時代から人気でしたが、現代でも宝石がちりばめられた金属にしっかりと固定されたデザインや、柔らかいチェーンに繋がっているスタイルなどいくつかのスタイルが登場しています。

 

一般的な長さは女性で18cmです。 

 

テニスブレスレット 

ブレスレットの中で最も人気があるのがこのスタイルで、ダイヤモンドが金属の爪で固定されチェーン状に一周連なっているデザインです。

 

プロテニスプレイヤーが試合中に落とし、プレイを止めて拾いに行ったところをテレビ放送された事からこの名前が付けられ人気が出たと言われています。 

 

チャーム 

1つまたは複数の装飾が取り付けられたスタイルで記念日や毎年ベースに付け足していく事が出来ます。 

 

バングル 

金属製の美しさが表現されたデザインが多く幅が広いもの細いもの様々あり円形または楕円形です。

 

金具が取り付けられ開け閉めできるタイプやカフスといって手首を通す隙間を作られたタイプもあります。 

 

金属に彫刻をほどこしたジュエリーは非常に豪華に見えます。 

https://www.puaally-hawaii.com/jewelry/bangle/ 

 

 

イヤリング・ピアス・イヤーカフス 

耳につけるジュエリーで顔まわりを装飾するアイテムとして人気です。金属製の金具が取り付けられ、耳へのつけ方によって種類が分かれています。 

 

ピアス 

耳たぶに穴をあけて貫通させ身につけるタイプのジュエリーです。 

ポストと呼ばれる金属製の棒を耳に通しキャッチと呼ばれる受け側の金具で外れないようになっているタイプやキャッチはなく耳にぶら下げるように通すフープタイプと呼ばれるピアスもありバリエーションが豊富です。 

 

イヤリング

イヤリングは耳たぶに挟み込むための金具がついている為ピアスと違い耳を貫通させる必要がありません。ねじ式で固定するスクリュータイプとバネによって挟み込みクリップタイプがあります。 

 

イヤーカフス 

近年で人気の出てきた耳飾りです。 

こちらも耳に穴をあけることなく身につけられるジュエリーで、耳たぶを通す隙間が開けられている為挟み込んで取り付けます。 

 

ブローチの種類 

ブローチは他のジュエリーと違い、唯一身体に直接身につけることをせずに衣服に針を通し固定するタイプのジュエリーです。多くの場合針の先には受け側の金具が取り付けられ外れることを防いでいます。ネクタイにつけるネクタイピンはメンズジュエリーとして人気があります。 

 

 

最後に

人間がジュエリーを身に付けるようになったのは10万年以上も前からです。

アフリカ大陸に住んでいたホモサピエンスが貝に穴をあけたビーズのネックレスが見つかっています。

 

当時の彼らは動物や魚の狩猟を行い、集団の中で言語を操りお互いにコミュニケーションをとって生活をしていたそうです。


そういった環境のなかで食べるだけではなく自身の身を装飾をする行為は、その人に強さや華やかさ、またはその集団の中での地位なども伝えるという事が生きるために必要な行為だった”と言えると思います。

  


ジュエリーにはコミュニケーションをとる時に、言語より先に直感的に伝える力があり現代でもその意味は同じです。


19世紀のイギリスでは、当時のヴィクトリア女王が最愛の夫であるアルバート公を亡くした際に、ジェットのジュエリーを身に付け喪に付していたことから「メメントモリ(死を忘れない)」という言葉と共に黒い色のジェットやエナメルを使ったモーニングジュエリーが大流行しました。

 

このエピソードからもアルバート公が国民にも慕われ愛されていたことがわかり、ジュエリーには人の気持ちに一番近くで寄り添えるアイテムだと感じました。


みなさんもそんなジュエリーの持つ背景や意味にも思いを寄せながら、これからも多様な文化の中にあるジュエリーと深くたずさわっていきませんか?

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