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副業アクセサリーブランドを本業へと成長させたデザイナーの決断

ジュエリー展示会 出展

ハワイアンジュエリーブランドMele Jewelryを生まれ変わらせた決断とは

今回お話を伺うハワイアンジュエリーブランドMele JewelryのデザイナーAsukaさんは、ラヴァーグ入学前に既に独学のアクセサリー制作を始めていて、ECサイトで販売したり催事に出展したりと精力的に動いていました。

 

既製のパーツや型枠を活かして商品を作って販売する中で、やがて今より自分を高める必要を感じるようになったそうです。

 

そこで、
・石留めや仕上げなどの彫金技法をきちんと学び直す事
・アクセサリーではなく本腰を入れてジュエリー販売に踏み出したい!
という想いを持ってアントレプレナー(ブランド設立)コースのあるスクールの門を叩いた、というのが始まりでした。

 

今回スタッフ岡野がAsukaさんに話を伺いたいと思った理由、それは講師の目から見て着実にステップアップしていってる事が分かるブランドの一つで、その軌跡はこれからジュエリーブランドを始める方の参考になると思ったからです。

 

ラヴァーグには受講期間中に2回「生徒面談」という、生徒と担当講師がマンツーマンで話す場を設けていて、受講生それぞれの進みたい方向をサポートする為に、現状をヒアリングしたり少し先の目標を設定したりする進路相談のような時間があります。

 

その中で良くある相談が、
「オリジナリティある商品制作をして選ばれるブランドにしたい」
「集客・商品制作・販売を無理なく回せるようになりたい」というもの。

 

外部から見学に来る方からは
「既成のパーツを使った制作からステップアップしたい」
「同じような商品を扱う作家さんとの差別化を測りたい」という気持ちを聞くことが多いです。

 

どれも現状にプラスαして、さらに喜んでもらえる・選んでもらえる商品作りをしていきたいというものだと受け取っています。

 

Asukaさんは彫金を終えた後、ハワイアンジュエリーブランドにすることを目標にハワイアン総合コースを受講してmeleJewelryを発展させた経緯があります。

そこで、ブランドが発展していく様子を隣で見させてもらっている我々講師の視点で、現在の活躍に繋がった決断について一緒に振り返っていただきました。

 

このインタビューが、これから人に喜んでもらえるジュエリー制作していきたいと考えている読者の方のヒントになれば嬉しいです。


Lavagueジュエリースクール講師 岡野匠吾

アクセサリー販売 イベント

育児の日々の活力になったアクセサリー販売

ーーまず、ジュエリー制作の始まりについて聞かせて下さい。
元々は正社員としてお仕事をされていて、そこから退職してジュエリー制作に舵を切ったという形だと思うのですが、これはどういう経緯だったのですか?
結婚して生活が変わった流れの中で、というタイミングなんですが、 会社員って9時〜18時とか、時間で働かなきゃならないし、チームで仕事を進める必要がありますよね?

会社員時代の仕事はシステムエンジニアで、1人目の出産の後、開発の部署に戻ったのですが、子供が熱出したり、お迎えに行かなきゃいけないなどでうまくいかない感じがありました。
他のみんなが全部を仕事に注いでる中で、育児と両立している自分がどうしても申し訳ない、みたいな気持ちが芽生えて、なんかそこでうまくいかない感じになってきちゃったんですよ。

本当はフルタイムで働いてたんですけど、いやこれ全然フルタイムで働いてないなっていう、プレッシャーというかなんていうか、心苦しさが出てきたんです。
そのうちに2人目妊娠して、みたいな感じでもうどんどんうまくいかなくなっちゃって、それで退職することにしました。

それで辞めたんだけど、子育てしながらやっぱり時間が、ちょっとだけ余ってるなぁって感じて。
それで息抜きみたいな感じで、朝早く起きてちょっとアクセサリーを作り始めたんです、趣味として。

それでアクセサリーの本を買って、見よう見まねで作ってみて、それをハンドメイドマーケット、オンラインサイトで売り始めたりして、会社員の仕事辞めてるし、お小遣い稼ぎ程度でやってた、って感じです。
ーーまだお子さんが小さい中で新しい事を始めるって、すごい事です。
それは、仕事辞めたから何か自分で収入を作らなきゃ!と思っての行動だったんですか?
それもちょっとはあったかもしれないですけど、でもそんな簡単にうまくはいかないと思ってました。

でもハマってしまって。
何故かと言うと、育児してると皆さんそうだと思うんですけど、子育て期間中って誰にも褒められないんですよ。 本当に!
誰も褒めてくれないんです、ご飯ちゃんと作っても。

たぶんそういうモヤっとしたものがベースにあって、でも作ったものを販売して、お客さんが喜んでくれて、レビューとか書いてくれて、なんかそういうのが嬉しくてどんどんハマっていった、っていう感じです。

なにかそこに自分の立ち位置みたいなものが出来た感覚。認められてる!みたいな。 誰かが見てくれている喜びがあった。

会社員だったら社内での評価があるけど、主婦とか母親とかってそういうのが無いから、多分それを求めていたんだと思うんです。
meleJewelryデザイナー
ーーなるほど。そこにモチベーションが生まれたんですね!
ジュエリー制作に限らず、”誰かが見てくれる喜び”っていうのは共感できる人が多そうです。
そうですね、その反響がすごく嬉しかったですね。
あと売り上げが増えた事が数字で分かったり、頑張って出したものが認められて売れたりとかで、誰にも褒められない日常の中で出来た“自分の居場所“みたいな感じでした。
ーーそうだったんですね。
でも日々のモヤモヤをそんな風に自分で消化する方向に持っていけるって、すごいですね! たくましいと思います。
そういえばAsukaさんがラヴァーグに入学して最初の生徒面談で僕と話をした時に、「なんだか忙しいんですよね、意外とECサイトからオーダーをいただいていて。」みたいな話があって、既に軌道に乗せてて立派だなぁと思った記憶があります。
そう言ってました? でも今思い返してもやっぱり当時“単価が低いから忙しかった“のだと思っています。
ーーその時点で単価を上げる必要を感じてたんですね。
とはいえ、その当時から本当に忙しかった筈。 子育てに忙しい上に商品制作もECサイト運営もやってるっていう中で、更にスクールに通おうって、どうしてもう一歩踏み込む事が出来たのですか?
一つは、子供が幼稚園に入ったからですね。それまでよりほんのちょっとだけ時間が増えたから。
それでも毎日すごい忙しいなと思ってて、発送作業とかも結構忙しい。 言っても増やせた時間も少ない、だったらもっと単価を上げれないかなって思って。
やっぱりそこだったんですよね。

アクセサリーブランドからジュエリーブランドへ

ーー商品制作に忙しかったという事は、集客が上手くいってオーダーもらえてたという事ですよね?
その時点では商品はロストワックスで制作してたのでしたっけ?
ワックスではなく、あの当時はグルーデコっていうやつでした。
樹脂粘土にストーンを埋め込んでいく、みたいな技法で、型が売っていてそれを使って制作していました。
ーーそうだったんですね!
てっきりWAXで効率良く作っているんだと思ってました。
そういえば、コロナ禍にやったラヴァーグのインスタライブ。
「あれに習ってWAXちょっとやってみたんです」と言ってましたが、もしかしてあれが初めてのWAX制作だったとか?
ロストワックスリング

そうそう、そうなんです!

ジュエリー制作の最初はラヴァーグに入って彫金総合とアントレプレナーから初めて、ブランドとしてAsuka Jewelryを立ち上げたんですけど、なんかいまいち自分の思い描く商品を彫金技法だけで作れなかったんです。

で、なんかモヤっとしてた時にコロナ禍になっちゃって、そしたらラヴァーグの*インスタライブでワックスをやってくれてたからそれを見て、私もやってみようと思ってネットで材料を揃えて自宅でやってみたら、ワックスの技術がプラスされることで表現の幅が広がったんです。

元々プライベートで長くフラをやっているバックグランドがあるから、ハワイ文化に基づいたブランドにしたかったんですが、これだったら自分の思い描くブランドが作れるかもしれない!と思ってMele Jewelryというハワイアンブランドを作ったんです。

だから彫金だけだったらMele Jewelryにはなってないけど、WAXの技術を取り入れた事でこれだったら自分の作りたい商品が作れる、と思えたんです。

本当にやりたかったハワイアンブランドのカタチ

ーーでもその時点ではまだ商品に彫り模様は入っていないですよね?
あのインスタライブのワックス回を見ながら練習して、ハワイアンリーフのリングとかを自分で作って、商品ラインナップに追加したってこと?
そうですね。
ーーすごいね!そのバイタリティー。
コロナ禍のお家時間を有意義に過ごしたいと思っても、子育ての忙しさは変わらないし、先の見えないパンデミックで生活が安定しない中、新しい事を取り入れるのって簡単ではないです。
でも何もやらなかったら過ぎていっちゃうのも分かっている。けど、、、って葛藤するのが常だと思います。
最初は出来る範囲でワックス技法を取り入れて、ハワイアン彫り無しのラインナップでやってました。
それでインスタ更新とか頑張ってたら、ありがたいことに何回か百貨店のポップアップとか出させてもらえるようになったんです。
あと、その時期に力を入れたのがオンラインショップ。 コロナ禍だったんで、自分の中ではメインでやってて。

それと、ギャラリーを自分達で借りて、他のブランドさんと一緒にグループ展をやっていました。
グループ展のメンバーは主に催事で知り合った人達。
アクセサリーに限らず、ネイティブアメリカンが作ったインディアンジュエリーを買い付けしているインポーターさんが一緒にやらない?って声かけてくれて、あとはイタリアからオリーブオイルとか、食品を輸入している方など異業種の方々と一緒に本当に安い場所を借りて、あんまりお金をかけないでやってました。
イベント出店

ブランドを生まれ変わらせたチャレンジ

なぜハワイアンジュエリーコースも追加受講したかについてですが、 初めからハワイとかフラをテーマにしたブランドだったから、ハワイアン彫りの入った商品もあった方が良いんだろうなって思ってました。
とはいえ未経験から彫りを習得するのってすごい難しいだろうし、と思って見送っていたんですよ。

だけど、対面での接客販売をする中で、自分のジュエリーを説明するときに「ハワイとかフラをモチーフにして作ってるハンドメイドのジュエリーなんです」っていうと、お客さんが「あぁ、ハワイアンジュエリーなんですね!」って言って下さる。
でもハワイアンジュエリーって自分の中では模様が手彫りで入ってるものだから、そうではないんだけどな。。と引っ掛かりが生まれた。

そう思いながら接客しているモヤモヤがあって、なんとなくハワイアンジュエリーに対するコンプレックスみたいなものが、接客する中で生まれてきて、堂々と「うちはハワイアンジュエリーです!」って言えればいいのに!って、すごい思ったんですよ。
別に今の彫金とワックスのラインナップにすごく満足はしていて好きだし、彫りがなくても自信はあったけど。
なんかそこがモヤるから、それを解消したかった。
イベントでの接客
シグネットリング
ーー確かに。なんかコンプレックスって言う意味分かります。
でも、とはいえ悩んだ。すごく。
なんでかっていうと、やっぱり費用がかかるっていうのと、 ただでさえ忙しい中で、自分のブランドの商品を作るのにも忙しい。
催事もネットも発送もある。
ラヴァーグに通える時間は限られている
その時間の中から、ハワイアン彫りを習得?出来るの?みたいな。

お金も、時間もあるわけではない、みたいなところですごい悩んだんですけど、岡野先生に言っていただいた「自分のブランドに必要だと思ってるのなら取った方がいいんじゃない?ちゃんとやれば習得は出来るよ。」って言葉。
言われて改めて考えて、本当に自分のブランドに必要だなと思ったんですよ。
ハワイアンバングル
ーーしっかりと「彫りをこういう風に活かしたいんです!」という具体的なビジョンを聞かせてもらってたから。
その上で僕からも先が見えたし、だから、それはもう絶対やった方がいいよねと、思えたから言ったのを覚えています。
それもあった、ラインナップにハワイアンジュエリーがあったら厚みが出るとは思ってた。
でも、こんな事言ったらあれですけど、いわゆるザ・ハワイアンジュエリーが特別好きではなかったんですよ。
ちょっとゴツめで、ギラギラしていて、サーファーの人が着けるイメージがあった。
なんか、「若い人だけがつけるモノ」みたいな抵抗感があったんです。
でも、だったら、自分が好きで着けれる感じの、ステレオタイプじゃないハワイアンジェエリーを作ればいいのかなってちょっとシフトして考えるようになった。

今はもうハワイアン彫りを施した商品がメインになって、単価も上げられています
チャレンジしてよかったと思っています。

Mele Jewelryを飛躍させた行動

ひとつは彫りの技術の習得が必要だったっていうことだと思うんですよ。
うちはハワイアンジュエリーです!って言い切る為の。だから追加受講した。

もう一つが、大型ハワイアンイベント「Love Hawaii Collection」に出展しようって決めたことだと思います。
そのハワイアンイベントに出るって決めた時から、ギアを入れ直した
結構その前は全然うまくいってなくて、やる気なくしてたんです、実は。
忙しいっていうのを理由に、あんまり進められてなかったんですけど。

でもハワイアンイベントを申し込んだ時に、「手彫りのハワイアンジュエリーをお持ちします」って、書いちゃったんです。
その時点でまだシンプルな図案のリーフ模様も彫れないのに(笑
で、イベント出るって決めてエントリーしてから、先生相談乗って!って。
meleJewelryデザイナー
ーーそうだったね!ちょっとここから先の作戦立てよう、みたいな感じで話す時間でした。
『なんとか4か月後のこのイベントに彫り入れ商品を間に合わせたい!』って。
『じゃあ逆算してこういうスケジュールでやって行こう。』みたいな。
近い目標をそこに置いたのがすごく大きかった。
私もすごい大きかったと思う!
今まで居たコンフォートゾーンじゃないけど、彫れない状態から、彫った商品を出品するレベルまで高めるっていうのは、すごい自分の中でハードルが高いことだったから。

もう気合入れてこの4ヶ月、売り上げゼロでもいいから、ここに全BETしようっていう気持ちで、岡野先生に企画書作って持ってって、どうにか!どうにかしてください!って感じでしたね。
どのレッスンが必要で、これは後回しでいいとか。全部教えてもらって。 彫ったらもう全部先生に見せてフィードバックもらって。
ーー転機にできてました。
そう。あの期間大きくて。
もうずっとイベントのこと考えてて、寝てる時も起きるんですよ、目が覚めちゃう。 これ、どういうことなんだろう?金額の設定とかも。
なんかいろんなことで、これもやんなきゃみたいな、ハワイアン関係のことはメモしておいて岡野先生に聞く、みたいな。
毎日探して歩いてました(笑
ーーそういう期間って、大変なんだけどワクワクを感じながらやれるよね?
そう!めっちゃ充実してたんです!
あんなに頑張ったことは多分、もう大学受験以来の、、
ーーそんなに!?(笑
初めはコンプレックスの払拭だったのにね。
もう全部ここにフォーカス!みたいな、売り上げとか本当にもうどうでもいいくらい。
ここに!ここで輝くんだ!みたいな、そういう感じでした。

だって書いちゃったんだもん。 「手彫りのハワイアンジュエリーをお持ちします」って書いちゃった、と思って。
それを書いたからには自分を追い込みました、逃げ場がないように。
追い込んで、4ヶ月あるから頑張ろう。で、いろいろやりました。
ーー手彫りを商品に組み込んだビフォーアフターでお客様の反応は変わりました?
まず、発信しやすくなりました。
やっぱり一つ強みが増えたっていう実感があります。
表現の幅、商品の幅が広がったから、お客さんに共感してもらえるポイントが増えました。
彫金、WAX、ハワイアン彫り、と技術が増えるごとに表現の幅が広がるって思ってて、例えば「プルメリアのお花を彫金で作ってください」って言われたら難しい。。って思ってました。

それでロストWAX制作を取り入れたら、そのプルメリアを立体で表現できるようになったんです。
さらにハワイアンを彫れるようになったら、それを彫りで表現できるようになった!
商品の表現の幅が広がると、顧客様の多くがフラダンサーっていう事もあり、年代も趣味思考も様々な客層の好みに対して幅広く応えられるようにった。

それで割とお客さん増えたような気がするんですよ。
さらにすごいのは、技法一つ一つでも表現できるんだけど、それを組み合わせることで無限に広がる。
広がっていくからブランドが成長していった実感があります。
ハワイアン彫りネックレス
3つの技法を組み合わせたネックレス
例えばこの商品。
お花の部分をワックスで作ってて、そこに地金のプレートを彫金でくっつけたところにハワイアン彫りを入れてます。
WAXと彫金とハワイアン彫り。今まで習得した技術の合わせ技なので気に入ってるんです。

新しい技術を習得するために、違うコースを追加するのは私もすごい迷いました。
けど習得したら習得しただけのプラスが積み上がる
なのでそれが本当に本気でやりたいんだったら、先生たちが全力でサポートしてくれるから出来るようになる。

一つ商品の幅が広がってブランドの成長に繋がるよっていうのは言えます。
ハワイアンイベント出展

イベント出展での集客について

ーーフライベントとかハワイアンイベントとかに出展する際、 お客様はジュエリーを買いに来ることがメインじゃないじゃないですか?
そういう他の目的で会場に来ている人たちの足を止めてもらって接客に持っていく上で工夫してる事はありますか?

そうですね。商品の価格帯を幅広く置くようにしています。
百貨店のポップアップとかだと、出展料以外にもマージンがあるので一定以上の金額じゃないと利益が出ないっていうのはあるんですけど。
あまり利益は出ないけど、安めに設定してMele Jewelryの入り口的な感じで買ってもらって良さを知ってもらう商品も置いてます。
そうしてファンになってもらって手彫り商品やオーダーに繋げていく為の、その場で買って帰りやすいものを。

今回の出会いで買ったのと買わなかったのって全然違うと思ってます。
例え3000円くらいの商品でも、買ったからちょっとインスタ見てみようかな、になる可能性が上がる。
とにかく関わってほしいから、そんなに今日はお買い物気分じゃなかったとか、学生だからまだそんなにお金に余裕がない、っていう人でも買える商品は準備するようにしています。

そうするとやっぱり宣伝になるから、結局そういう人は次のイベントとかにも来てくれる可能性が高い人だから。
次来たときに繋がる為に、っていうのをやってます。

でもこれはマージンありの出展だったら結構難しいかなとは思います。
ハワイアンイベントは出展料を払ったらあとは売り上げに関係なく、何も取られないんですよ。取られるものもあるけど。

出展料は払っちゃっているから、とにかく買ってもらうみたいな感じです。
だから組み立て方が、百貨店のポップアップとは違うかもしれないけど、そこができるのがいいなって思って。

あとはとにかく、宣伝することです。

ハワイアンイベントに出る決心をした時、 全部捨てて、売り上げも全部。
とにかく「このイベントに出ます」って宣伝しまくったんですよ。
個人で広告も出したし、イベント名をタグ付けしてインスタストーリーズ投稿すると、主催がそれをシェアしてくれて、その主催が何万人ってフォロワー持ってるから知ってもらう機会が増える。

真剣にそのイベントに、なんとなくじゃなくて、本気で出るようにしています。
当たり前なんだけど。

そのイベント中も、ストーリーズを上げるとか、インスタライブもやりました。
動きのひとつひとつに気を配って、衣装選びとか、それまでの出展経験をフル活用して。
衣装が派手過ぎて周りの出展者に心配される事もありました。「様子がおかしい」って(笑

あとは、みんなと仲良くなる。
これ大事ですね、お客さんを紹介してくれたりとかに繋がってます。

自主企画のイベントも、始まりは一緒にイベントに出てた人と仲良くなって、今に繋がっている。
また新しい展開になるじゃないですか。そういうのがとっかかりとなって、いい場所が見つかるかもしれない。

アクセサリー販売イベント出展
ーー今までの接客の中で得た学びだったりとか、気づいたことっていうのを活かして今までもきてますよね?
その後のメンズラインの立ち上げとかもそういうことなのかなと思ってます。
そうですね!メンズラインは。
フラのイベントは、女性がほとんどですけど、その旦那さんとか、本当にフラ文化が好きで自身もやってる男性のダンサーや出店者の人など、実は現場に結構男性がいるなって気付いたんです。
男性がフラッと立ち寄って、「ちょっと今あげる彼女がいないしなぁ」とかなんとか言って去って行くのを見ていて、 「もう逃さない!絶対もっと知ってもらうんだから!」って。
そういう人達とも関わる為のラインとして、メンズを始めました。
ハワイアン メンズジュエリー

そして自主企画「メレフラ」の開催

ーーそうやってイベント出展の場数を踏んでいく中で、遂に自主企画を開催するに至ったわけですが、「メレフライベント」について教えてください。
そもそもは、イベント出展で繋がった人の中で、世田谷の松陰神社でレストラン経営されている方がいらっしゃって、雑談している時に「平日の集客に力を入れたい」みたいな話になって、ちょうど私も企画とかやってみたいと思っていたので「じゃあ何かイベントやりましょう!」って、本当に軽いノリで言ってたら、7回目の開催まで続くイベントになりました。

ごはんを食べに来て、音楽が鳴ったらフラを踊っちゃってもいいよ、みたいな文化がハワイにあって、“メレフラ”というんです。

フラダンスをやっている人達はみんな踊りたい、踊れる場所を常に求めている事を経験上私は知っているので、ただパーティーやってごはんを食べるとかじゃなくて、ただ音楽を聴くライブでもなくて、踊れるイベント「メレフラ」にしようって言ってミュージシャンのブッキングから始めました。
ハワイアンバングル
PauHanaFriday
あるべき私の企画の姿としては、
レストランはレストランで、平日の集客ができて、売り上げが上がります。

ミュージシャンはミュージシャンでチャージをもらって、ちゃんと演奏に対する対価を得る。

私とか物販チームは、そこで売り上げがあれば、出展料ゼロなので嬉しいし、もし売り上げ的に駄目だったとしても、ブランドの宣伝にはなるっていうところで、リスクがほとんどない。

来るお客さんはお客さんで、楽しく、すごい安いし、ご飯食べて踊って楽しかった!みたいな。
4者みんながそうなるようにっていうのを目指してるんです。

で今、ありがたいことにそれがちゃんとまとまってるから、6回、7回とやれてるんだと思う。
ーー素晴らしい!
4者WinWinWinWin。
あるんですねぇ、いろんなやり方が。
周りから見ると、なんであんなことやってるんだろう?って思うと思うんですよ。
パーティーとかやって、先生も気になりますよね?

主催側のミュージシャンもレストランも、ちゃんとどんなお客様がいても楽しいようにしてくれる。
私も幕間にじゃんけん大会とか呼びかけてシンプルなイヤカフとか出して、自分も楽しみながらやっています。
PauHana

ジュエリーブランド運営のやりがいってなんですか?

最初が最初だったので、認められたいっていう気持ちですね。
認められた!嬉しい!っていうのがスタートなんで。ずっとそれは軸にあります。

みんなにかわいい、とかすてきだねって言ってもらえたり。
ECで買ってくれたお客様から「届いた商品すごいよかったです」って。 言ってもらえるっていうのがすごく一番いい、それがやりがいです。

それと、ブランドが成長していくのがすごくうれしいですね。
去年よりこんなことができるようになったとか、売り上げが増えてるとか、こういうイベントに出れるようになったとか、声かけてもらった、みたいなのが成長を実感できるのでやっぱりうれしいです。それにつきる。
レフア模様ネックレス

Mele Jewelry 2025年の出展催事

ーーありがとうございます、非常に面白かったし、知らなかった事が沢山聞けました。
最後に、今決まっている催事情報を教えて下さい。
まず、3/14に今話した松陰神社のメレフライベントの7回目があります。

そして4月にまたラブハワイという、初めて出た横浜大桟橋での大型ハワイアンイベントに出展してから、 もう一つ、渋谷のストリームでもハワイアンイベント出展を予定しています。

あとは6月にも2件、渋谷と海老名でポップアップもあります。
渋谷の方は“ラウハラハット“というハワイの麦わら帽子のブランドさんと、フラダンサーの方に誘ってもらって一緒に新しい組み合わせの出展なので私も楽しみにしています!
販売イベントへの出展
Mele Jewelry ブランド情報
Mele Jewelry インスタグラム
Mele Jewelry オフィシャルECサイト
Mele Grand インスタグラム
【受講コース一覧】

Mele JewelryデザイナーAsukaさんが受されたコースはこちら!

彫金総合コース
アントレプレナーコース
ハワイアンジュエリーコース

余談  働き方について

ーーところで、SEの仕事は入社してから覚えたの?
入社してから現場で覚えました。
大学が理系だったんです。大学院まで生物学を勉強してて、本当は研究職になりたくて、化粧品とかの開発をしたかった。
ーーあまり人と関わらず、内向きに没頭したいタイプだったとか?
いえ、昔からそういうタイプでもなかったんですが、SE時代がつらくて、子供を育てながらっていうのもあり。
「すみません、私担当のここができていません」「会議中だけどお迎えがあるので帰ります」とか、ずっとすみませんすみませんって謝ってた。
ーーそうなんだ!?今からは全く想像つかない!
本当駄目だったんです。
できなかったです両立が。

そういう期間を経て、一つのプロジェクトをチームで進める中で、スケジュール通りに自分担当の仕事ができていない、となるのが本当にストレスでした。 だから全部自分で決められないと無理!ってなって、企画から納品や出展スケジュールなども自己完結出来るジュエリー制作はそんな自分にピタッとハマったところがあります。

会社員時代は何かしらでず〜っと謝ってて、本当に自己肯定感どん底の時期でした。
子供には泣かれるし、ご飯食べてくれない、 風邪ひいたり、大変でしたよ。

だから1人でネットで販売できるって最高だと思っている。
休みたければ休めばいいし。
だから今も、もういっぱいいっぱいになったら一定期間オーダーストップさせていただく事もあります。
コントロールできるんで、それはすごくいいと思ってます。
自分に合ってる。
ーーオフィシャルサイトのニュースの項目にたまにオーダー休止期間を載せてるよね。
プライベートとの兼ね合いで今年はイベント出展を控えるとか、その分オンライン頑張ってオーダー受けたり、活動を調節出来るのが働き方としてすごくいいなって、やってて思います。  
ーー朝から夕方まで、毎日のようにスクールで顔合わせるけど、ちゃんと生活を保って自分を活かせる方向に働けているよね。
そう。まぁ本当は無理したいけど出来ない期間もあるし、この時期はもう無理してもいい!ってメリハリつけたり。

置かれている状況の中で出来ることをやろう、みたいなことです。
働き方を改革できた。

そのときの、あのつらすぎる経験から、なんか、そういう感じです。
オーダーとかも、人と人とのやり取りだから。 何故か固まって、一気に10件とかオーダーが走るときがあるんですよ。

そんな時はもう駄目だと思って一回閉じたりとかもできます。
ーーポチればなんでも機械的に届くこの時代にあって、むしろそういった動きも人を感じられるというか。
制作加工も集客も接客も発送もアフターケアや相談も、Asukaさん自身がやっているって知らせる事は大切だと思う。

個人が動かしている温もりみたいなものを伝えていく事は顔の見えないネットでものを買う時の安心材料になっていると思います。
ハワイアンジュエリーブランドって世の中にいっぱいあるけど、逆にそこが差別化に繋がっているなって思ってます。
顔を出しながら、SNSで発信したりとか、なるだけ自分の言葉で伝えようとしています。
それがお客さんにとっての親しみやすさみたいなのに繋がっていればいいなと思います。

あと、ブランディングにおいて、ストーリーをすごい大事にしようと思ってて、人がお金を払おうとか、興味があるとかって思っても、ストーリーがないと他に負けちゃうと思っています。

だから自分の中でフラの文化が好きだから、フラから得たインスピレーションとか、心が震えること、みたいなのを大事にしてデザインしてるんですけど、それを分かりやすく伝える為のストーリーを作って商品出すようにしている。
ーーそれは僕達がプアアリで商品開発する時も同じですね。
場合によっては先にストーリーを決めてからデザインしたりもする。
接客の中で、おすすめしたりとか、お話をしたりとかするときに、もうデザイン的な魅力とか技術的な価値だけで決めてもらうのはやっぱりなかなか難しいから。

僕たちがなんでこの商品をこういう風にデザインしたのか、この彫りデザインにはこういう意図があるんです。っていう一見しただけだと分からない物語を受け取ってもらえるかどうかでうちで買う買わないが決まると思って力を入れて取り組んでいます。
それはすごく感じていて、一番最初に彫って売れたバングル。
初めてのハワイアンイベントで売れたんですよね。
それ、今見たら、、、もう返して欲しいぐらい未熟で。。

なんだけど、でもその時は必死にストーリーを伝えていて、そこに共感してもらえて買ってくれた。
買ってくれた理由がクオリティがどうとかではなかったんですよ。

やっぱり他の有名な老舗ブランドとかに比べたらもう、技術は、、、みたいな商品でしたから。
でも、さらけ出してる。
ーー分かります。
特に技術が伴わないうちは、今の自分の精一杯で作ったけど、「お客様から見てコレ大丈夫だろうか。。?」って。

でも恥ずかしくならないように安牌で進んでると、成長の機会を逃しちゃうからね。
自己評価は不出来でも人前に出して、何年後か振り返ると蓄積でうまくなっている事が確認できる。
そうです。やってみないと。
そういう恥はかき捨てて、みんな忘れる。
前に進まないと!

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