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つくる人が売れる人になるまで ― あきやあさみさんと実践する、接客ロールプレイング

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2025年5月、5年ぶりに復活した展示販売会「DESIGNER FESTA 2025」。 出店を控えた生徒の多くが口にしていたのは、「接客が初めてで不安」「どう話せばいいのかわからない」といった声でした。
そこでラヴァーグでは、約2ヶ月前の3月26日、外部講師としてあきやあさみさんを再びお迎えし、接客ロールプレイングを実施。
ブランドづくりを志す生徒さんたちが、“売ること”と向き合い、自分の言葉で作品を届ける力を育む時間となりました。 「学びを実践につなげる」ことを目指し、展示販売会というリアルな場を前にしたトレーニング。 その取り組みと、生徒さんたちが得た変化をご紹介します。

開催のきっかけ

なぜ、ジュエリースクールで接客のロールプレイングをやるのか

今回のロールプレイングは、2025年5月に開催された展示販売会 DESIGNER FESTA 2025 に向けての練習の場としても活用しました。

ラヴァーグジュエリースクールには、ジュエリー製作やジュエリーブランドをビジネスにしていきたい生徒さんが多く集まってきます。
それというのも、自社ブランド「プアアリ」の運営に携わってきた経験を、ブランド立ち上げに必要なノウハウとして提供している「アントレプレナーコース」があり、さらに現場で商品製作を行っている講師が教えるスクールだから。
前回の特別セミナーでは、小規模ブランドのジュエリー販売をテーマに取り上げたので、そこで学んだことの実践の場として今回のロールプレイングを企画ました。

講師あきやあさみさんの経歴と魅力

あきやあさみさん は大学の服飾学科卒業後、 都内百貨店に入社し、パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーをご経験。 2018年にファッションスタイリストとして独立されました。 現在は発信活動を行いながら開催している 少人数でのスタイリングワークショップ「自問自答ファッション教室」は、予約困難なほど人気を呼んでいます。 独特なファッション論を語るnoteも評判で、その活動の注目度の高さから書籍も2冊出版 されています。

 

前回のセミナーでは、お人柄もさることながら、共感を呼ぶ言葉と実践的なアドバイスが大評判でした。 
接客が苦手な作り手にとって、無理なくお客様に話しかけられるヒントが満載のロールプレイングで、実際にどんなやりとりがあったのかご紹介していきます。

あきやさんに教わったことをちょっぴり、ご紹介

まずはオリジナル資料を基に、具体例も交えながらジュエリー接客の心構えとコツをおしえていただきました!
あきやさんに教えていただいた、接客のコツ
◎「売る」より先に、まずは“喜んでもらう”
接客で一番大切なのは、”買ってもらうこと”よりも、まずはお客さまに喜んでもらうこと
「うまく話せるかな」「接客ってちょっと怖い…」と感じる方も多いですが、まずは自分らしい接客を見つけるのがカギです。
100人販売員がいたら、100通りの「得意な」接客があります。
あきやさんの得意な接客は、とにかくたくさん試着してもらうこと。 全身鏡の前で「立っているだけで自分がどんどん素敵になっていく」のを体験してもらって、買ってもらう。だそうです!
◎デザイナーの感情や、商品の“裏話”をしてみよう
お客様にお会いできて嬉しいこと。自分もお気に入りのデザインです!
など、デザイナーだからこそ話せるエピソードは、お客さまにとって特別なもの。
「このデザインは旅先の風景から着想を得て…」など、ちょっとした裏話が、お客さまの興味を引くきっかけになります。 難しく考えず、「つくり手として感じたこと」をシェアしてみてください。
説明になりすぎず、感情を交えた言葉選びをすると◎
お客様の反応がよかったエピソードはリピートすると、表現のストックや応用ができるように!
◎デザイナーの感情や、商品の“裏話”をしてみよう
お客様にお会いできて嬉しいこと。自分もお気に入りのデザインです!
など、デザイナーだからこそ話せる感情やエピソードは、お客さまにとって特別なもの。
「このデザインは旅先の風景から着想を得て…」など、ちょっとした裏話が、お客さまの興味を引くきっかけになります。 説明になりすぎず、感情を交えた言葉選びをすると◎
お客様の反応がよかったエピソードはリピートすると、表現のストックや応用ができるように!
◎新規のお客さまの接客方法
ブランドを知らないお客さまの接客には焦らず知ってもらうところから!
「覚えて帰ってまた来てね」の気持ちで、ブランド・商品の魅力を伝えてください◎
足を止めてくださったことに感謝の気持ちを伝えつつ、さりげなく試着をすすめるのもひとつの手。
試着しながら商品のフルラインナップを説明してあげると印象に残りやすく、さらに写真を撮ってあげると記憶 にも記録にも残るので、将来的に買ってくれる可能性が高まります。
講義のあと、ロールプレイングの前に宿題として用意してもらったブランド紹介シートを元に、発表の時間を設けました。
ちょっと緊張気味の生徒さん達でしたが、みんなしっかり考えてきてくださり、あきやさんも私たちも感心しきりでした・・・!
ブランド紹介シートの内容
ブランド名の由来、コンセプト、ターゲット、デザイナーのプロフィール、おすすめのアイテム など!
整理しておくことで、その後の実践にダイレクトに活かせるものでした。
肩慣らしできたところで、本題である「接客ロールプレイング」の時間となります。
まずはあきやさんの見本を見せていただき、生徒さん同士でお客様とデザイナーの約で接客し合うスタイルでした。

接客ロールプレイングの実践

ロールプレイングは、実際の接客を「体験しながら練習できる」方法です。
その場で言葉にして伝える練習をすることで、自分の立ち振る舞いや伝え方の癖に気づけたり、お客さまの反応を想像しながら改善点を見つけることができます。
また、他の人のロールプレイを見ることで、新たな視点や言い回しも学べ、自信を持って現場に立つ準備ができるのが大きな魅力です。
今回は、2か月後の展示販売会 DESIGNER’S FESTA が初出展の生徒さんも多く、その時に用意できる商品を持ち寄っての実践となりました。
わいわい、同時進行でお互いを接客しあい、「話すことに慣れる」ところからのスタート。
そこからご試着への自然な誘導、商品をコトバで伝えるための表現、立ち振る舞い、お客様のご試着のお手元などをスマホで撮影するときのコツ、などなどなど、あきやさんから具体的なアドバイスを受けながら実践しました。
◎あきやさんの実演
お天気の話が始まり・・・立ち寄っていただいたことへの感謝の言葉。
「普段はジュエリーされますか?」
の問いかけから、すかさずお客様のされているジュエリーを褒めて・・・
「こちらうちのブランドで一番人気の○○なんですが・・・」とさりげなく商品紹介に。
「重ね着けなんていかがでしょうか?」と手元にもっていき試着してもらう。あきやさんの得意なスタイルの接客を見せていただきました。
◎立ち居振る舞いへのアドバイス
客観的なアドバイスがもらえるのも、ロールプレイングならでは。
手は前に、左手を上に重ねて。
手を後ろにすると偉そうな感じがして良くないと言われています。
ショップカードは、お客様が売り場を離れるときに。最後にお渡ししましょう。
などなど、自分では意識していないところにも気づくことができる時間でした。
◎お互いに接客することでわかること
接客する側、される側と両方体験することで見えてくること、「参考にしよう!」と思える気づきもたくさんありました。
「こんな接客されたら買いたくなっちゃうな。」
お客様の立場になることも、大事な経験となる時間でした。

生徒さんの感想

「実践することで、不安から自信に」
「楽しんでみよう!」
接客に前向きになれた時間
参加生徒さんからいただいたロールプレイングに参加しての感想をご紹介します!
リアルな体験をすることで、足りない部分がたくさん見え、次にするべきことがわかりました。また、少人数でのセミナーだったので志を同じくする皆さんと繋がりができたのもありがたかったです。
ラヴァーグに入校して1年程の状態で受けていいのかな・・・と不安でしたが、だからこそ早く学べて良かったと思う内容でした。イベントで実践できるように頑張りたいです。
その場にいた方から直接商品の感想がきけて自信がつきました。ディスプレイのアドバイスやどんな商品が目に留まるかも少しわかったので当日自信をもっておすすめできそうです。SNSの使い方、Q&Aの利用方法など事前接客についても知ることができてよかったです。
すごく楽しかったです。実際にロールプレイングしてみると、できる事、できない事がわかってくるので参加してよかったです。何事もやってみないとわからないものだなぁと改めて思いました。少人数だからこそたくさんアドバイス、改善点を教えてもらえた感じがしました。一緒に受講したお二人ともインスタ交換したり帰り道で色々話せたので交流の意味でもいい機会をもらえたなと思いました。
ブランドが数ある中で、ご縁があって立ち止まってくださったお客様に失礼のないように、親しんでもらえるように・・・
多く売りたいという目標以前に大切なことだと感じていたので、あきやさんが講師で大満足でした!座学だけでは得られない、ロールプレイングならではの自分の話し方や立ち振る舞いの惜しいポイントなど、数年接客に立たないと自分では気づけないことをたくさんご指摘いただき、上達をショートカットした気分! 店頭で実践する前から「接客を楽しんでみよう!」と前向きになれる、とてもラッキーな時間でした。
色々な人や実際に接客経験のある見本となる方と実践形式でやれるのがとても為になった。
接客のロープレは中々機会がないので、とても勉強になりました。かつ、接客のプロに相談できるという充実した講義なので、アウトプットもやりがいがあります。インスタライブはまだ苦手意識があるので、こちらもあきやさんのSNSを参考にしたいと思います。
結果的に、参加者全員から5段階評価で最高の「大満足」をいただいた、特別講義になりました!

実際どうだった?ロールプレイング参加メンバーのリアルな声

◎DESIGNER'S FESTAでの実践の成果とその先に見えた可能性は・・・?

展示販売会という“リアルな場”に向けて、 「接客ってちょっと苦手…」「どう話したらいいかわからない…」 そんな不安を持ちながらも、ロールプレイングに参加した7名の生徒さんたち。
本番を終えて、「やってよかった」「こんな変化があった!」という声がたくさん届きました。
ここからは、イベント終了後のアンケートの回答結果と、接客を実践してみて見えたこと、感じたことをQ&A形式でご紹介します。 ブランド活動に活かせるヒントが、きっと見つかるはず!

ロールプレイングでの学びを実践しましたか?

はい、と回答された生徒さんのコメント

・売ることを意識せずに、試着していただくことに集中できたのでお客様の様々な反応が見れた。
・ロールプレイング時に褒めていただいた、飾らず落ち着いた接客を意識したのであまり緊張せず接客ができた。

接客から売上に繋がりましたか?
またはその可能性を感じましたか?

はい、と回答された生徒さんのコメント

・商品を気に入ってもらう事も大事ですが、お客様とお話しする事がきっかけで購入に繋がる事も大事だと再認識

展示販売会で自身の成長を感じましたか?

はい、と回答された生徒さんのコメント

・ロールプレイングに参加し、実践の場に出たおかげでジュエリーでの接客方法をどのようにしたらいいのか知れたこと
・緊張しすぎず当日を迎えられましたし、お客様との会話が楽しみになったこと
Q:実践してみてどうでしたか?
お客様に立ち止まっていただけたので、商品を囲んでの会話の中で笑顔をたくさん拝見でき、ブランドや商品のコンセプトやメッセージをお伝えした上で用意したパンフレットをお渡しできました。150部用意したのですが、ほぼ配りました!
講師より:
形式ばった接客ではなく、自分も笑顔で”楽しんでもらう”ことを意識した人ほど、良い反応を得ているのが印象的でした。 参加生徒さん全員が、まずは「喜んでもらう」を実践してくれており素晴らしいと思いました。
Q:売上につながった実感はありますか?
当初リングのみ購入する予定で来た方に対して、追加で他のアイテムもご購入していただくことができた。
「受け身ではなく積極的に動くぞ!」という前提で意気込んで挑めたことが、結果につながったと思う。
講師より:
他の生徒さんからのコメントでは、一度の接客で「買ってもらう」より、ブランドの印象を残すことへの手応えが伝わってきました。 親身になって接客することで、デザイナー自身を気に入ってもらうことはリピーターになる可能性も高めてくれるはずです。
Q:今回の経験を経て、今後の目標やブランド戦略は?
接客を通して試着をしてもらったり、一つひとつの商品説明はできましたが、ブランドとして大切にしている想いや世界観までは十分に届けられなかったと感じました。
これからは、そうした背景もしっかりとお伝えし、本当に届けたい方の手に作品が届くようにしていきたいと思います。
講師より:
デザイナーとして伝えたいことが伝わる接客をしたい、接客から得たことを求められる=売れる商品の開発に活かしたい、という声が多数でした。 ロールプレイングでやったことを意識して臨んだからこそ、接客の本質を理解して自然と目標を見出している生徒さんたちの姿が印象的でした。 ぜひこの経験と振り返りを次に活かしてほしいなと思います!
いかがでしたでしょうか。これからブランドを始めたい方も、制作スキルと同時に「伝える力」を磨くことが必要になってくることが、おわかりいただけたと思います。
接客は「売るための作業」ではなく、ブランドの世界観や想いをお客様に届ける時間。気持ちがこもった一言や笑顔が、心を動かし、ファンになっていただくきっかけになります。
ラヴァーグでは、実践的なスキルを学ぶだけでなく、実際の販売の場で試せる機会もご用意しています。机上の学びだけでは気づけないこと、現場でしか得られない経験を通して、接客の引き出しがぐんと増えていきます。学んだことをブランドに反映し、自分らしい販売スタイルを育てていける環境。
作品の価値を正しく届けられると、自分のブランドが自然とお客様に選ばれるようになります。 あなたのブランドストーリーを、もっと多くの人に届けてみませんか?

編集後記

あきやあさみさんのロールプレイング講座を実施した後、身内のジュエリーブランドが山梨で出展していたイベントで販売をお手伝いする機会がありました。
そこで試したのは、あきやさんが教えてくれた“ちょっとした一言”の工夫。 すると…なんと、新規のお客様お二人にイヤーカフをご購入いただけたんです!(感激)
お二人ともブランドは初めて。でも、身に着けているアクセサリーから「ジュエリー好き」という雰囲気が伝わってきました。
イベント終了まであと1時間。 「もう新しいお客様は来ないかも…」 と思ったタイミングで、
「せっかくお越しいただいたので、記念にちょっと試してみませんか?」 とお声がけ。
その一言でご試着に繋がり、最初は即決されなかったものの、後ほど戻ってきてご購入くださいました。 この経験から実感したのは—— お客様にかける言葉ひとつで、結果は大きく変わるということ。 接客は“売る”だけではなく、心を動かすきっかけ作りだと改めて感じました。
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