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 ジュエリーブランドの現場から!
商品開発のリアル
~ラヴァーグ講師×プアアリスタッフ座談会~

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    商品開発のリアル
    ~ラヴァーグ講師×プアアリスタッフ座談会~

「ジュエリーブランドを立ち上げたい」「ジュエリー制作だけでなく、販売までトータルで学びたい」

そんな夢を持つあなたへ。

今回は、ジュエリースクールの講師であり、実際にジュエリーブランドの運営にも携わるスタッフたちが集まり、座談会を開催しました。

ブランド運営の裏側、ジュエリー制作の現場、そしてスクールで得られる学びについて、本音で語り合います。

これからジュエリー業界を目指す方、必見です!

参加者の紹介

lavague Jewelry school 講師
(PUA ALLY刻印加工担当)

中西由衣子

接客業の経験があり、素敵な笑顔と明るい性格で親しみやすい。
個人ブランドの運営に対する的確なアドバイスとデザインセンスで生徒さんから頼りにされている。

lavague Jewelry school 講師
(PUA ALLY エングレーバー)

岡野匠吾

彫金やワックスだけでなく、ハワイアンジュエリーコースの彫りをわかりやすく丁寧に教えてくれる。常に高い技術を探求し、新しい事にチャレンジし続けている。

lavague Jewelry school 講師
(PUA ALLY加工職人・原型担当)

高橋成典

ハイブランドの加工職人経験あり。 どんな制作の悩みも、優しく解り易くかみ砕いて教えてくれると多くの生徒さんから慕われている。

lavague Jewelry school 講師
(PUA ALLY CAD原型データ作成担当)

八代孝之

CADスキル、WEBマーケティング・ブランディングノウハウなどが得意分野。その知識の豊富さから、生徒さんの信頼は絶大。

PUA ALLY 店長 
(Lavague アンティークジュエリーコース 組物担当講師)

桜沢亜紀

一度話したら誰もが虜になるプアアリの名物店長。オープン当時から千組以上のブライダルリングを手がけてきたプロフェッショナル。

PUA ALLY 店頭及びオフィシャルサイト、公式SNS担当
(Labague アントレプレナーコース 撮影講座担当講師)

田澤千晶

努力家で、仕事をてきぱきとこなす姿が印象的。最先端の流行をキャッチするのが得意で、WebやSNSに活かしている。

PUA ALLY オフィシャルサイト及びECサイト管理担当

牧志里緒

都会より海が好きなしっかり者の優しいママさん。グラフィックデザイナーの経験あり。プアアリでも数々のヒット商品を提案し続けている。

PUA ALLY ECサイト管理、SNS運用担当

柴崎瑞穂

店頭・ECサイトと両方こなす。

しっかり者のお姉さんだが、ちょっと天然な一面が親しみやすく、何かと頼りたくなってしまう存在。

進行担当

lavague Jewelry school 講師

春原亜沙美

専門学校で彫金とワックスを学びました。アクセサリーOEM生産と接客の経験あり。時々ワークショップやセミナーを主催しています。入社2年目。

新作会議を始めた頃、どんな感じだった?

春原 毎週土曜日の朝30分は、プアアリの新作についてラヴァーグ、プアアリのスタッフ全員で話し合う会議を行なっていますが、今の「新作会議」という形態になった経緯をお聞きしても良いですか?
牧志 最初はプアアリから「こういうの作りたいです」と切り出して相談する場でしたよね。
桜沢 うちの会社の方針で専属のジュエリーデザイナーはおらず、社員みんながその肩書きを持ってるから、「そのみんなで話し合おうね」、と始まった感じです。
高橋 僕が以前勤めていたジュエリーブランドの会社のスタイルを参考に、1個の企画に対して、プアアリスタッフ(販売)・ラヴァーグメンバー(製作、加工)それぞれの立場からコメントして進めていくようにしてみたことが始まりだったように記憶してます。
桜沢 販売員であり、デザイナー。職人であり、デザイナー。それが会社が求める理想にあったので、週に1回みんなで集まるという形に落ち着いています。
中西 今は提案書を全員で提出して1つ1つ発表しているけど、当時は「こういうのあったらいいんじゃないですか」って、その人のそのタイミングで切り出して・・・
桜沢 みんなで乗ってって。その場の勢いで話が進んだり。
中西 提案書は社内コンペができてからですよね、ちゃんと書くようになったのは。

新作、どこから考える?

春原 最初の頃の会議は、結構ざっくりとしてたんですね〜。私が今、新作提案を考える時にまず亜紀(桜沢)さんから発表されたコレクションテーマと、今まで見てきたジュエリーの形やモチーフで相性が良さそうなものを起点に考えているのですが、みなさんどういうところを取っかかりにアイディア出ししていますか?
牧志 トレンドを調べるところから入るかな。今、というより発表時期のトレンドを意識しています。
桜沢 他のブランドさんがどうしてるか? ジュエリー業界だけじゃなく、アクセサリーやファッションがどう動いているか?もだよね。
牧志 そうですね。ジュエリー以外も!
八代 僕はまず意図を読むところからかな。プアアリチームが出してきたテーマに対して、「それってどういうイメージなんだろう」と考えるところから始める。
岡野 「ブランニューハワイ」というテーマだったら、「新しさ」という1つの縛りがあるから、「今までにないものって何?」から考えていく。
牧志 テーマが発表されるタイミングじゃなくても、常に新作のことを考えてます。みんなそうだと思いますよ。
中西 これ、次の新作のテーマに合うかわからないけどプアアリで提案できたら面白いな、と思うものは常に自分たちの中でネタのストックがあると思う。
春原 なるほど〜!みなさんが具体的に参考にしているものってなんですか。私がインスタが多いのですが、例えばウェブサイトで画像検索とか。
中西 私はピンタレストです。
田澤 私も。
柴崎 私はyahoo検索です。
八代 僕は言葉から先に考えちゃう。 見た目じゃないイメージを膨らませて、そこから形に入るかな。
春原 ビジュアルから発展してその意味を深掘りしていくタイプの人もいれば、意味から入って ビジュアルの参考資料探したりっていう人もいますよね。
高橋 僕は最近は技法からヒントを得ることを意識してる。
ハワイアンジュエリーのブランドとして表現の仕方をどれだけ広げられるかは、技術的なアンテナを張っていないとキャッチできないので、
「これは活かせそうだな」「練習したらいけそうだな」っていうのを組み合わせて形を考えるとブランドとして新しい表現ができるので、最近はそういう視点から提案することがあるかな。
牧志 「他にないものを作りたい」気持ちと、「どこかにあるものを作りたい」気持ちと、葛藤のようなものはいつもあります。
でも、最終的に他にないものを作りたい。
春原 それ、言葉としては??ですけど感覚としてめちゃくちゃわかる気がする・・・
田澤 プアアリは、ブランドサイトがリニューアルされてからより商品に持たせたいメッセージや意味を重視するようになりましたよね。
だからこそ今、言葉を先に考えるか、見た目のデザインから入るかの2パターンがあると思うんですけど、 そうなる前は皆さんどういう風に考えてたんだろうな。どこからインスピレーションを受けて、「これを新作にしよう」って考えてました?
中西 私は元々、ハワイアンジェリー自体に意味があるものと意識していたから、その説得力は前から気にしてた。メッセージというよりは「意味」ですけどね。
田澤 モチーフの意味、結構大事ですよね。
岡野 昔は「ハワイ繋がりじゃなきゃ」っていう縛りが強かったけど、彫りは特に表現の工夫をしていかないといけない中で少しずつ扱うものの幅が広がっていったことは、今のプアアリの掲げる「シティサーフ」のベースになっているよね。
春原 当初は「ザ・ハワイ」な商品だったんですよね。
個人の作品でなく、ブランドとして商品を出すことの着地点はどうしていますか?
牧志 個人だと個人の好みに偏るところ、 ブランドは「こういうお客様がいるからこういうのを作ろう」と自然と考えますよね。
私は「サイトに載せたときここに足りないものがあるからこれが欲しい」、の目線でモチーフを見ています。
桜沢 ECやオフィシャルサイトを作ってる人たちはそういう目線になるよね。
春原 プアアリでは店頭、EC、と役割が分かれているから自然とそれぞれの視点で見れるのはブランドとしての強みになり得ますよね。
では、ラヴァーグの先生方はスクール業の傍ら提案やデザインをしていてどう感じますか?
高橋 製作面(作れること)はもちろんそうなんですけど、僕らは先生やってるじゃないですか。だから、人の言わんとしてるけど言葉にならない部分を吸い上げるのは上手いと思っていて、その人の声にならない「想い」を形にするのにも活かされていると思う。それも加工者のスキルと繋がりますしね。
岡野 スクールの授業で活かせることもあるよね。逆に、授業で活かせそうなデザインや技法を出発点に新作の開発に取り掛かる事もある。
それが無事商品化されれば、「この課題はプアアリの商品にもなっていて、こういう風に活用できます!」っていうレクチャー、説明の説得力になるので相乗効果を実感することも多いかな。
春原 インスピレーションもそれぞれの視点で面白いです!
一方通行でなく、店頭接客、サイトの運営、先生っていう立場がデザインや企画の提案に活きている循環ですね。

プアアリ人気商品「ラー&ルナ」(太陽と月)について

春原 今までのプアアリ商品で、「ラー&ルナ」(太陽と月)シリーズが継続してめちゃくちゃ人気がありますよね。 その人気商品誕生の経緯を提案者である中西先生にうかがいたいのですが・・・!
中西 当時、「コレクションテーマ」がない状態でみんな一案出してみよう、となった最初の提案でした。
プアアリの商品をたくさん見たり、ハワイの文化や神話、ありとあらゆるものを調べました。
私は普段プアアリ商品に刻印を打つ仕事をしており、在庫としてたくさん製作されている商品を把握していたので、それを踏まえて色々資料を見漁っていたんです。
その中で、昔のハワイの人たちには刺青の文化があり、タトゥーのデザインを調べてた中に太陽と月の マークのタトゥーがありました。
元々プアアリには太陽と月モチーフの商品がそれぞれあって、それぞれがとても人気だったことが頭にあり、2つ重なった時に何か別の意味が生まれるのかな~って、 あたりをつけたんです。
太陽は男性、月は女性っていう意味が あり、2つ合わさると「お互いにかけがえのない存在」という意味を持つことが分かったんです。
実際に提出された提案書
カップルや夫婦でなかなかお互い「あなたが必要です」って照れ臭くて言いにくい言葉ですよね。
でも、ジュエリーにその意味が込められていてそれを贈る、ということがメッセージを伝える1つの手段にもなり得るな、というところまで想像しました。
そこからは、太陽と月もいろんなデザインがあるから、どんなデザインがプアアリっぽいかを調べつつ具体化していきました。
春原 ストーリーやお客様が購入する場面もほぼ出来上がった状態で提案されたんですね。 サイズはS、Lがありますが、最初から決めていたのですか?
中西 はい。夫婦でつけてもらいたいから男性用、女性用の大きさとして想定していました。
八代 商品化までスムーズに進んだよね。
ラー&ルナの前の「サン(太陽)ネックレス」の時に里緒(牧志)と太陽モチーフの開発で色々話し合ってきた経験も活きた。
岡野 そういえば、会議でみんなでそこに立ち会って経緯を見てたことがまさにつながったことがあって。 この間ハワイアンの生徒さんの一人が課題で太陽を彫りで表現したい!という事で相談に乗ったんだよね。 その時にプアアリでの太陽彫りの商品開発の経験があったらから、失敗も成功も伝えた上で実際やってみてもらった。その話を踏まえて数パターン試作してみたら「私にはこのやり方の太陽がいい」って決められた。
八代 それは生徒さんにめっちゃ還元できてるね。
CADの場合さ、物理的にできること・できないことがある。
例えば、石枠が数値上では「ここまで華奢に再現できるよ」、とは言えるんだけど、実際に マサ(高橋)が石を留めた時に「枠が歪むからもうちょっと太くしてほしい」、っていうやりとりをしたよね。
これを経験としてリアルに生徒さんに伝えられるのは大きい。
春原 現場で実際にあったことなので説得力も違いますね。
シバちゃん(柴崎)はどうですか?提案する時にどういうことを考えてますか?
柴崎 私は亜紀(桜沢)さんからいただく資料をすごく読みこみますね。
あとは、プアアリが他ブランドと違うもの、人が持っているものと違うものを生み出そう、としているのでそこに行こうか、王道行こうかな、というのは毎回迷います。
桜沢 迷うよね。
でも結果、ブランドとして他と被らないように、いい意味で個性的な方を選ぶようにしてる。他ブランドでやってるものをわざわざプアアリでやらなくてもいいんです。最終的には街中で着けられて、ちゃんとハワイとつながっていることがブランドをブレさせない1つの軸になっています。

悩む人が多い、ブランドの方向性

春原 これからブランドをやったり、やり始めたばかりの生徒さんだとブランドの方向性どうしよう?って悩んじゃう人もいると思うのですが。
八代 僕はアントレプレナーコースの講座を担当しているから、 悩んでる人から「自分の方向性が決まらなくてもホームページ作れるんですか」、と聞かれることが多い。 でも僕ら自身が「ハワイアン」っていうベースがありながらも新しい表現を取り入れているから、 「絶対こうしなさい、こういうの決めてやりなさい」 とは言わないで、柔軟な伝え方ができていると思ってる。
中西 私もアントレプレナーコース最後の面談で、「まだ自分の色が見つかってません」って言われることがあります。
でも、今まで自分のチャレンジででき上がったジュエリー を並べて、 お客様の反応を見て、
「これが売れるんだな」
「自分の中でこれが良いと思ってたけど、こっちの方が売れるんだな」
って体感してから決めっていっても良いんです。
プアアリもそうですよね。 ハワイアンだから、「フラダンスやってます!」とか、「サーフィンやってます!」っていうお客様ばかりじゃないし
田澤 そうですね。今はハワイに縁がないお客様の方がむしろ多いです。
「ザ・ハワイ」から離れたことで、「人とかぶらない結婚指輪」としてプアアリを選んでくれるお客様も増えてきました。
中西 最初から完成のブランドなんてなくて、お客様の反応を見ながら試行錯誤してようやく自分のブランドの軸が見えていくことも大いにあるので。どんどんトライしてみて、と伝えています。
牧志 そういえば、やってみてダメだった商品いっぱいありますよね。
どんどん古くなってしまったのを消していかないと、新しい商品でアップデートできていかないから。
春原 2025年5月に開催予定のスクール主催の展示販売会、出ようが迷ってる生徒さんが結構多いですが・・・?
中西 まず見てもらわないとわからない、世に出さないとわからないこともたくさんあるから、ぜひ挑戦してもらいたいです。

コレクションテーマが、大事だけど大事じゃない?

春原 ここからは、より個々の役割からお話をうかがいたいと思います。
桜沢店長、新作を募集するときのテーマはどうやって決めていますか?
桜沢 特に決まった方法があるわけではないんですけどね。
テーマそのものより、売り出すまでの過程で意思疎通だったり、「こうであろう」というのが定まることの方が大事だと思っています。
きっかけに何かいい案が出ればいいな、いい商品ができたらいいな、という感覚ですね。
中西 毎回テーマ楽しみなんですよね。
桜沢 日々の雑談レベルで自然と決まっていくから、すご〜く深く考えているわけでもないんだよね。それなりには考えているけど!
春原 雰囲気の中で決めていけるっていうのは、いいですよね。
桜沢 それがこの人数(12名程度)でのやりやすさなのかもしれないですね。もっと大きかったらそうはいかない。
春原 会議でみんなの提案を聞いて、その後採用 するかどうかを今は「セカンド新作会議」(メンバー:桜沢、岡野、八代、高橋)で決めてますよね。
私は参加してないのですが・・・
桜沢 まずはみんなが出した案を製作面でふるいにかけるんだよね。
春原 最初にそれをジャッジするメリットはなんですか?
桜沢 これは経験からですけど、作れないものは話を進めても途中でボツになるから。
提案が集まったらまず第一に構造面とランニングのことを考えてます。 提案書が1人1枚以上出てくるので、そこで「いいね、プアアリらしいね」とか話してても、形にしたり作り続けられなかったらどうにもならないんだよね。
高橋 最初からそうしてたわけじゃないですよね。 僕らも作りながら、「これ失敗した」って結構ありましたよね。 手間と金額が合わないわ、とか。
桜沢 そういうのを製作陣がビシッと言ってくれるようになったので、そこからプアアリの売り上げと、かけていいコストの部分が私のジャッジにかかってくる。
ブランドを運営していく上でランニングがしやすい商品は「売りやすいから売れていく」し、ランニングしにくいものは「頑張って売らなくなっちゃうから売れなくなる」よね。 手間とか、材料の無駄もそうだけどその後の在庫を作るのも億劫になってくるから自然と売れなくなる。
八代 そこは結構シビアだよね。
岡野 でもそれを共有するのはすごい大事だよね、商品化するには。
中西 次はこうしよう、と思えるし実践できる。
牧志 勉強になりますよね!

提案の発表からすでに走り始めている、ビジュアル面と言葉の表現

春原 他の視点からもお話聞きたいです。 全体での会議で、店頭の接客、オフィシャルサイト、SNSでの見せ方を意識して発言されてるな、感じることがあるのですが、里緒(牧志)さんは特にそうですよね
牧志 先に考えちゃいますね〜、意味とか。 前半でも言ったように、バランスとして足りないモチーフを全部把握してるので、その場で 言っちゃいます。田澤さんもそうだよね?
田澤 そうですね!提案者が「どこを大事にしているか」がページ作りだったり、コレクションとしてリリースする時に付ける文言、お客様に提案する時のプッシュ、全て新作会議からずっと繋がってるので! 最後の最後、リリースして売るところまで繋がってるなっていうのは、私は1番最後のバトンを受け取っていると思っています。
牧志 例えばラー&ルナが1番売れてるんですけど、 意味が「かけがえのないあなたと私(ペア)」ですが、 売れてくると自分用に購入されるお客様も出てきます。
男性1人の場合もあるし、女性1人の場合もある。お渡しでお客様に伝えたりお手紙を書いたりするのに、「1人で身に付けることの意味」もあるとより素敵なので、今それを+αしているんですね。
自分たちで創作することも多いんですよ。
田澤 そうすると、結構ヒットしますよね。浸透するんです。
牧志 他の人が提案したものに対してもどんどん肉づけしてます。
中西 なるほど。すごいすごい。それのおかげで売れていくんでしょうね。
岡野 買ってもらう行程の中で、デザインだったりとか仕上がり具合だったりと同じレベルで大事だよね。意味やストーリーが伝わって初めてブランドとして商品を手にしてもらう事ができる。

全てにおいて試行錯誤の連続

春原 大抵の場合、商品化が決まったら八代先生にCADで造形したサンプルを作ってもらいますよね。決まったら本番の原型(シルバーでしっかり仕上げて量産用のゴム型)に進んでいきますが、原型がCADじゃない時もありますよね。
高橋 CADで出した方がクオリティが最終的に高くなるのか、彫金で作った方がいいのか? 僕は会議中からどうやって仕上げよう、どういう手順でやってこうかな、そればっかり考えてる。 修理になったらどうなるだろう。あとは提案者がどこを大事にしてるのかで表現方法はいくらでも変わるので、常に俯瞰して聞いてるイメージです。
春原 経験だったり、知識がないとなかなか考えが及ばないのかなと思ってしまいますが?
高橋 そんなことはないと思う。
何年やっていても全てが最初からうまくいくことはまずないんで、変更や修正を繰り返していくしかないんです。結果、日の目を浴びるものもあれば、そうでないものもある。
「気合い入れすぎた、 仕上げにめっちゃ時間かかる、コストがめっちゃかかる、でも価格がめっちゃ安い」
事態って、やっていかないとわからないと思います。
だから、生徒さんの内に展示販売会(デザイナースフェスタ)に出してみると「そういうこと」がすごく見えてくるんですよ。
「価格めっちゃ安いけど大丈夫?これって100個作るってなったらどうすんの?」なんてよくある!自分で感じてもらわなきゃ成長しないし、 僕らもそれは感じてきたから言えることかな。
春原 それはすごくありますよね。 岡野先生は会議において、彫りをどうするかは常に考えていますか?
試し彫り(細い幅にどこまで模様を彫れるか?)
岡野 今まで見たことないものもできたら、とは常に思ってるので、色々なもの見てストックしといて、ハマりそうだったら試しにやってみる、ということはあるよ。 ただ、イメージが外れすぎてどこの商品だかわからないのは良くないので、基本は「彫りやすい状態のところに深く綺麗にプアアリのクオリティを維持しながら彫れるか」を大事にしてる。 そのために彫りのスペースの形状にリクエストを出すことは当然あります。
その結果、お客様の「ここの彫りは綺麗だったから選んだ」っていう声はすっごい励みになる。 ちゃんと今回の商品も、そこが担保できてたから評価されたんだな、と思える。
春原 自信持って売ってもらえる商品にするイメージがみんなの中にあるんですね。
桜沢 彫りのクオリティが維持できなかったら、新商品として出してないもんね。 例えば形が良くても、彫りが綺麗に入らなさそうな形状だったらボツにしてる。 意味だけで走りすぎても商品化できないし、形だけで走りすぎてもだめで。本当に全てがマッチした時に商品化されてるのが今までのやつだと信じてます!
試し彫り(細い幅にどこまで模様を彫れるか?)
春原 役割は分かれていてもお互いに同じ方向を向いてきたからこそ、失敗から学びながら今のプアアリというブランドを築いてこれたんですね。 今からジュエリーブランドにチャレンジしていきたい人に向けて、ラヴァーグの講師とプアアリの運営メンバーとして何かメッセージをいただけますか?
中西 作りのプロもいれば、販売のプロもいる。ウェブや撮影のプロもね。
桜沢 実はすごく細かくそれぞれのプロが集まっているじゃない?
中西 そこで学べる環境って、改めてなかなかレアです。
八代 僕は、どんな道を歩んできた人でも「できるよ」と言いたい。失敗や悩むこともあるかもしれないけど真剣にやっていれば結果的にはできているはず。気持ちがあればぜひチャレンジしてほしいと思います!
春原 みなさんお忙しいところありがとうございました〜!プアアリブランドが今まで維持されてきた秘訣、メンバーどうし改めて確認しあう時間にもなったのではないでしょうか!

番外編

牧志 私が提案して竹田先生(CADクラスの先生)がCADで原型を作ってくれたバンブーシリーズは人気ですよね。 あの彫りも良かったですよね。
田澤 本当にしなやかな竹の表現で、真ん中の彫りが「竹をゆするそよ風」を表してたり。 同じく風のイメージの彫りでも、船の帆がモチーフの「セイル」ペンダントには「力強い風」を表現する模様が彫られてますよね。それぞれのディティールをお客様に伝えると、より気に入って喜んでくださったり。 風でも色々な表現を使い分けていますよね。
桜沢 他のブランドさんとの違いとして、こだわりがお客様にも徐々に浸透してきているので嬉しいことだよね。
今回参加していないCADクラスの竹田先生

番外編2

↑↑ジュエリーの総合情報サイト【JEWELRY TOWN】

春原 柴崎さんはプアアリのネットショップ(EC)担当ですよね。 普段生徒さんとの関わりは多くはないと思いますが、何か伝えたいことはありますか?
柴崎 まだECサイト(=ネットショップ)しか持ってない生徒さんは、私たちプアアリも活用しているトータルサイトの「ジュエリータウン」があるので、ぜひ掲載していただきたいです。 色々なブランドさんに活用してもらうと、サイト自体も盛り上がるので利用する皆さんにメリットがあるし、そういうところから自分の商品をアピールできることを 知ってほしいです。

最後に・・・

この記事を通して、ラヴァーグジュエリースクールや、プアアリというブランドを知っている方もそうでない方も、講師やスタッフの想いや人柄が伝わるといいなと思います。
今回参加してくれたメンバーからは、お互いの熱い想いを再確認し合える場になったと感想を寄せてくれました。
講師ひとりひとりが現役のデザイナー兼職人であるラヴァーグでは、ジュエリーデザインから制作、そして販売まで、全てをトータルで学ぶことができます。商品開発の現場で培われた最新の知識やノウハウを直接学んで、「ジュエリーブランドの立ち上げ」や「ジュエリー制作・販売を副業いしたい」方。ぜひ一度スクールに体験や見学にいらしてください!

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