

インディアンジュエリーで長年にわたり人々に親しまれてきた精霊モチーフのひとつが、「ココペリ(kokopelli)」です。
ココペリとは、ネイティブアメリカンの神話に登場する笛を吹く旅の精霊で、豊穣や春の訪れ、子宝、音楽など多くの意味を持つ存在として大切にされてきました。
ユニークで神秘的な姿をしたココペリは、ジュエリーのモチーフとしても非常に人気が高く、お守りのように身につけられる存在です。
そのデザインは部族ごとに少しずつ異なり、銀細工やインレイ、スタンプワークなど、多彩な技法で表現されています。
この記事では、そんなココペリの起源や意味に加え、ホピ族・ナバホ族・ズニ族などの部族による表現の違いや、現代ジュエリーにおける魅力、さらには日本での人気や購入方法についても詳しく解説します。
ココペリの世界に触れ、インディアンジュエリーの奥深さをぜひ感じてみてください。

ココペリ以外のインディアンジュエリーモチーフ一覧はコチラ
インディアンジュエリーコースを学びたい方へ、インディアンの歴史から、インディアン達が大切にしているモチーフの意味の紹介。
ココペリ以外にもフェザーやサンバースト、コーンメイデンなどそれぞれのモチーフに込められた意味とは?
インディアンジュエリーに見られるモチーフたちには、彼らの自然に対する感謝や尊敬、願い。家族や仲間たちを思う優しい心。強く生きるための教えが詰め込まれています。
↑詳細はこちら
ココペリとは?記事本文はこの下⇩
日本で唯一のインディアンジュエリースクール
インディアン達の願いや想いを受け継いでいく。
日本で唯一の
インディアンジュエリースクール

インディアンジュエリーを彫金技法を学びながら本気で作り込む日本初のインディアンジュエリー制作専門コース。
4大部族のナバホ族・ホピ族・ズニ族・サンドドミンゴ族に伝わる技法を各レッスンに組み込んだ、ゴリゴリのインディアンジュエリー制作を体感出来ます。
趣味としてはもちろん、ブランド立ち上げのノウハウも学べるスクールでもある為、楽しいだけでは終わらせないのがラヴァーグジュエリースクールです。
ココペリとは?精霊の姿と起源
ココペリとは?
精霊の姿と起源
ココペリとは、アメリカ南西部に暮らすネイティブアメリカンのホピ族、ナバホ族、ズニ族などで古くから信仰されてきた笛を吹く精霊のことを指します。
インディアンジュエリーのモチーフとしても非常に人気が高く、背中に特徴的なコブを持ち、種子や物語を背負った旅人の姿で表現されることが多いです。
ココペリは村々を巡りながら笛を吹き、その音色で雨や春の訪れを呼び起こす存在として知られています。

なぜココペリが「春」や「再生」の象徴として大切にされているのかというと、ネイティブアメリカンの文化や信仰において、ココペリの笛の音が冬の眠りから大地を目覚めさせ、生命が芽吹く季節を告げるからです。
ココペリは自然のサイクルや命の循環を司る精霊であり、作物の種まきや豊作をもたらす豊穣の守護者ともされています。
こうした背景から、インディアンジュエリーに描かれるココペリは「幸運」や「子宝」「健康」といった願いを込める象徴としても広く愛されています。
インディアンジュエリー ココペリのモチーフは、単なる装飾にとどまらず、持つ人の幸せや豊かさを祈る深い意味が込められていることが特徴です。
ですので、ココペリとはどんな存在なのか、その歴史や文化的な意味を知ることで、より一層ジュエリーの魅力を感じられるでしょう。

ココペリにまつわる神話
ココペリは、アメリカ南西部に暮らすネイティブアメリカンたちの間で、古くから信じられてきた精霊的な存在です。
ホピ族では「カチナ」と呼ばれる自然や季節を司る精霊のひとつとされており、特に豊穣の神として重要な役割を担ってきました。
ココペリは、背中を丸めて笛を吹く旅人の姿で描かれることが多く、その笛の音には大地を目覚めさせ、春を呼び、作物を実らせる力があると信じられています。
寒くて厳しい冬が終わるころ、村々を巡っては笛の音を響かせ、春と命の循環の始まりを告げる存在として語られてきました。

また、ココペリは子宝の神様としても知られています。伝承では「ココペリが笛を吹きながら村にやって来ると、女性たちが妊娠した」とされ、背中の袋には種子や命のエネルギーが詰まっていると考えられていました。
そのため、妊娠や安産を願う女性たちからは、守り神のように大切にされていたのです。

神話の中でココペリには、「ココペルマナ(Kokopelmana)」という女性の精霊が妻として登場することがあります。
彼女の名前は「マナ=女性」を意味しており、ココペリの女性的な対になる存在です。
ココペルマナは、ココペリと同じく春の訪れや豊穣、命の誕生を象徴する存在とされ、夫婦で笛を吹きながら村を巡る姿が描かれることもあります。
特に、人々に調和と繁栄をもたらす神聖なカップルとして語られることが多く、ココペリの持つ生命や種の力を、ココペルマナが受け取り、大地に育むという象徴的な役割を果たしていたと考えられます。
一部の祭事や儀式では、ココペルマナが女性の祈りや願いを聞き入れる存在として登場することもあり、母性や家庭、安産を象徴する守護精霊としての側面も持ち合わせていたようです。
さらに、ココペリには音楽を通して物語を伝える“語り部”の役割もあったとされています。
ネイティブアメリカンの文化では、音楽は祈りや癒し、そして知識を伝える手段でした。ココペリが吹く笛の音には、歴史や教え、人々の感情や希望が込められていたとされ、村から村へ旅をしながら、それらを届けていたのです。
一方で、ココペリにはいたずら好きな一面もあります。
ユーモアを持ち、時に人々を驚かせたり笑わせたりする“トリックスター”のような存在として語られることもありました。
また、ココペリの 背中のふくらみはプレゼントが入っている袋で、そのプレゼントを気に入った女の子に渡し、フルートの美しい音色を使って、女の子を口説くという説も。
そんなユニークな一面や性格は、人々の生活に明るさや軽やかさをもたらす存在として、親しまれてきた理由のひとつです。

興味深いことに、ココペリは描かれ方にも時代や状況による違いが見られます。
古代の岩絵や陶器では、ココペリに触角や誇張された身体の特徴(男性的な象徴など)が描かれていることもありますが、現代ではそうした要素は省かれ、より中性的で親しみやすいデザインが主流になっています。
また、飢饉などで土地が痩せたときには、壁画などにココペリがうつ伏せに倒れた姿で描かれることもありました。
これは「土地を離れ、恵みを与える力が失われた」という意味を表しているとされます。
このように、ココペリの神話や伝承は、自然とともに生きてきたネイティブアメリカンの精神文化や世界観をよく表しています。
ココペリは単なる“神話上のキャラクター”ではなく、命の巡り・季節の変化・人々の願いと深く結びついた存在であり、その象徴性は今もインディアンジュエリーとして大切に受け継がれています。
インディアンジュエリーにおけるココペリの意味
インディアンジュエリーにおけるココペリの意味
ココペリはネイティブアメリカンの文化において、さまざまな象徴や意味を持つ特別な存在です。以下に代表的な象徴と意味をまとめ、その解説を記載します。
ココペリは、ネイティブアメリカンにおいて豊穣の象徴として親しまれており、笛の音で春を呼び寄せ、村に種まきをもたらす精霊として知られています。
ココペリは、ネイティブアメリカンの女性たちにとって大切な守護神のような存在でありました。彼の笛の音には生命の芽吹きを促す力があると信じられ、妊娠や安産を願う女性たちの祈りの対象とされてきたのです。また、部族によっては儀式や祭礼の中で子どもの誕生を願う象徴としても登場します。
ココペリの笛の音は物語や感情を伝えるものとされ、語り部としての役割も担っていたと考えられています。ネイティブアメリカンの文化では、音楽は単なる娯楽ではなく、癒しや祈り、歴史の伝承にも用いられてきました。そのため、ココペリの笛は人々の心を癒すだけでなく、知恵や教訓を伝える神聖な響きとして捉えられていたのです。
ココペリは、笛の音によって冬の眠りから大地を目覚めさせ、春の訪れを告げる精霊とされています。彼の姿は、命が芽吹き、季節が巡る自然のサイクルを体現する象徴として描かれています。
ネイティブアメリカンにとってココペリは、時にいたずら好きなトリックスターとして描かれる存在でもありました。予測不能な行動で笑いや驚きをもたらし、人々の暮らしの中に喜びや軽やかさを運んでくると考えられていたのです。
このように、ココペリは多様な意味を持つ象徴的な存在であり、その背景を知ることでインディアンジュエリーのココペリモチーフをより深く理解できるでしょう。
部族ごとのココペリ表現と技法の違い
部族ごとのココペリ表現と
技法の違い
インディアンジュエリーに描かれるココペリの表現は、各部族ごとに特徴があり、その技法も多様です。
ここでは代表的なホピ族、ズニ族、ナバホ族のココペリ表現と、それぞれの技法について詳しく解説します。
ホピ族のココペリ表現
ホピ族におけるココペリの表現は、非常に繊細かつ象徴的で、インディアンジュエリーの中でも特に高い芸術性を誇ることで知られています。
ホピ族はアリゾナ州北東部の高地に住む部族で、独自の精神文化と儀式を大切にしながら暮らしており、ジュエリー制作においてもその哲学が色濃く反映されています。
ホピ族のココペリは、旅人や精霊としての存在感を強調するために、細かな装飾と緻密な造形で表現されるのが特徴です。笛を吹く姿だけでなく、風や種子、物語を運ぶ存在としての背景を、細い線や曲線、シンボル模様を使って巧みに表現します。
特にホピ族では「オーバーレイ技法」と呼ばれる独自の銀細工技術が有名で、二層の銀板を重ね、上板に模様を切り抜いた後、下板を黒く燻すことで、コントラストの効いたデザインに仕上げるのが一般的です。この技法によって、ココペリの姿がくっきりと浮かび上がり、陰影の美しさや立体感が際立ちます。
また、ホピ族のインディアンジュエリーにおけるココペリのデザインには、単なる装飾という意味を超えて、自然との共生や生命のサイクル、文化の伝承といった深い精神性が込められています。
そのため、ホピ族のジュエリーはアートピースとしても高く評価されており、世界中のコレクターに愛されています。

ココペリを広めたのはホピ族!?
アメリカ南西部のネイティブアメリカン文化を象徴するココペリ。このキャラクターを広めたのはホピ族であると言われています。
ホピ族は、古代プエブログループから派生した民族の一つで、アメリカ南西部のフォー・コーナーズ地域を中心に暮らしてきました。
彼らはアリゾナ州北部の標高の高いメサ(テーブル状の台地)に集落を形成し、自然と調和した生活を送っています。
「ホピ」とは彼らの言葉で「平和の人々」を意味し、その名の通り争いを避け、静かな共同体を大切にしてきました。
乾燥した土地でトウモロコシやメロンなどを育てる農耕生活を基盤に、年間を通して多彩な儀式や祭礼を行い、伝統的な文化を守り続けています。
ココペリはホピ族の文化や神話のなかで重要な役割を果たしており、春の訪れや豊穣を告げる神聖な精霊として信仰されてきました。
ホピ族はその精霊の姿を銀細工のジュエリーやカチナ人形、陶器などの芸術作品に繊細に表現し、その高い芸術性は世界的にも評価されています。
ホピ族で使われる技法
オーバーレイ技法
オーバーレイ技法とは、ホピ族のインディアンジュエリーにおいて最も代表的な銀細工の手法です。銀の板を2枚重ねて模様を表現するこの技法は、繊細さと立体感を兼ね備えた美しい仕上がりが特徴で、ホピ族ならではの精神性や自然観をジュエリーに宿らせることができます。
制作工程は、まず上に重ねる銀板に模様を切り抜くところから始まります。ココペリなどの精霊モチーフや伝統的なシンボル、自然を表す図案など、意味を込めたデザインを丁寧に切り抜きます。
切り抜いた上板と黒く仕上げた下板をぴったりと重ね合わせ、熱で溶接することでひとつの板に仕上げ、その後、下になる銀板には「硫化処理(燻し)」を施して黒く変化させることで陰影を出し、表面は滑らかに研磨することで、模様の輪郭がくっきりと際立ち、シルバーの輝きと黒い背景とのコントラストが美しいジュエリーとなります。
オーバーレイ技法で表現されたココペリは、精霊としての存在感が引き立ち、笛を吹く姿の神秘性や力強さが浮き彫りになります。図案の意味や文化的背景までを視覚的に伝えるこの技法は、ホピ族がインディアンジュエリーを単なる装飾品ではなく、「語るアート」として捉えている証でもあります。
機械では再現できない手作業の美しさと、部族の精神性が込められたデザインによって、オーバーレイ技法はインディアンジュエリーの中でも特に高い芸術性を持ち、多くのコレクターやジュエリーファンに支持され続けています。

ラヴァーグジュエリースクールのインディアンジュエリーコースではレッスン7でホピ族のインレイ技法を習得できます。
ズニ族のココペリ表現
ズニ族のココペリジュエリーは、カラフルで繊細なモザイク模様が特徴で、インディアンジュエリーの中でも特に目を引く華やかさを持っています。ズニ族はニューメキシコ州西部に暮らすプエブロ系の部族で、古くから石の彫刻や細工技術に長けており、ジュエリー制作においても非常に高い技術を誇っています。
ズニ族が作るココペリは、シルバーの台座にターコイズ、ジェット、コーラル、シェルなどの天然石を細かく切り出してはめ込んでいく「インレイ技法」によって表現されます。この技法により、笛を吹く姿のココペリが、鮮やかな色彩と細やかなディテールで描き出され、まるで絵画のような美しさを放ちます。
ズニ族にとってココペリは、豊穣・子宝・季節の巡りを司る神聖な存在として大切にされており、ジュエリーの中でも精霊としての力強さと親しみやすさを同時に感じられるようなデザインが多く見られます。また、ズニ族特有の柔らかなラインや優しい表情で描かれることが多く、ホピ族やナバホ族の力強い造形とはまた違った魅力を持っています。
小さなパーツを一つひとつ職人の手で丁寧に埋め込んでいくズニ族のインレイ技法は、高度な技術と根気を必要とするため、完成までに非常に時間がかかります。しかしその分、出来上がったココペリジュエリーは精緻で美しく、所有すること自体に特別な意味を感じさせてくれます。
色とりどりの天然石で描かれたズニ族のココペリは、インディアンジュエリーの中でも一際目を引く存在です。芸術性とスピリチュアルな意味が融合したズニ族の作品は、単なる装飾品ではなく、文化と祈りが宿るかけがえのない一点物のアートピースといえるでしょう。

ズニ族で使われる技法
インレイ技法
インレイ技法とは、ジュエリーの表面に天然石や貝殻をはめ込んで模様を描く技法で、ズニ族のインディアンジュエリーにおいて最も代表的な表現手法です。繊細な色彩と細かなパーツの組み合わせによって、豊かなデザイン性を生み出すこの技法は、ココペリなどの精霊モチーフを美しく、かつ物語性豊かに表現するのに適しています。
インレイ制作はまず、シルバーなどの金属で作られた台座にあわせて、ターコイズやコーラル、マザーオブパールなどの素材を0.1mm単位の精度でカットする作業から始まります。それぞれのパーツがパズルのようにぴったりと収まるよう調整され、職人の手でひとつずつ丁寧に埋め込まれていきます。
この技法の魅力は、色と形の組み合わせによって自由度の高い表現が可能な点です。例えば、ズニ族のココペリジュエリーでは、笛を吹く姿や動きのあるシルエットを、カラフルな天然石の色味を使って豊かに描き出しています。インレイ技法によって表現されたココペリは、まるで絵画やモザイクアートのように視覚的な魅力にあふれており、見る人に強い印象を与えます。
インレイは機械では再現が難しく、すべてが職人の手作業で行われるため、ひとつひとつの作品に個性と温かみが宿ります。また、ズニ族の文化や祈りが石の配置や配色に込められており、ジュエリーという枠を超えて、スピリチュアルな意味合いをもったアートとしても評価されています。
特に「インディアンジュエリー ココペリ」として人気のズニ族作品では、インレイ技法がココペリの精霊的な存在感を際立たせ、色彩豊かな世界観の中に命を吹き込んでいます。伝統と技巧が融合したインレイジュエリーは、まさにズニ族ならではの美と精神の結晶です。

ラヴァーグジュエリースクールのインディアンジュエリーコースではレッスン11でズニ族のインレイ技法を習得できます。
ナバホ族のココペリ表現
ナバホ族のココペリジュエリーは、力強く彫刻的なデザインと豊かな象徴性が融合したインディアンジュエリーの代表格です。
ナバホ族はアメリカ南西部で最大の人口を持つ部族であり、銀細工の伝統を築いてきた先駆者でもあります。彼らにとってココペリは、豊穣や癒し、旅の守護精霊として重要な存在であり、その神秘的な姿はさまざまな技法によって表現されています。
ナバホ族がよく用いる技法のひとつに「サンドキャスト技法(Sand Casting)」があります。この技法は、砂で作られた一度きりの型に溶かした銀を流し込み成形する手法で、手作業ならではの素朴な質感と立体感が特徴です。
ココペリのモチーフもこの技法によって、厚みのある力強いフォルムで造形されることが多く、その存在感はまさに“身につける彫刻”と言えるほどです。
さらに、ナバホ族のジュエリーには「スタンプワーク」と呼ばれる彫金技術も多く使われます。これは、金属表面にタガネで模様を打ち込み、自然や神話を象徴する図案を装飾として表現する伝統的な技法です。ココペリを囲むように太陽、星、風などが刻まれることで、その意味がより豊かに引き立てられます。
また、ナバホ族のジュエリーには天然石を用いた装飾が加えられることも多く、ターコイズ、コーラル(珊瑚)、オニキスなどがよく使用されます。これらの石は「覆輪留め(ベゼルセッティング)」という技法で台座に固定されますが、ナバホ族独自のスタイルでは、そのベゼル部分にギザギザ模様や縄のような装飾を施し、見た目にも重厚感と伝統性を加えています。
ターコイズは空と大地の加護、コーラルは命のエネルギー、オニキスは守護の力を象徴し、それぞれがココペリの精霊的な役割と深く結びついています。こうした石と技法の組み合わせによって、ナバホ族のココペリジュエリーは単なるアクセサリーにとどまらず、身に着ける人に力を与える護符のような存在として、多くの人々に受け継がれてきたのです。
ナバホ族の「インディアンジュエリー ココペリ」は、男性的なフォルムと精神的な意味を兼ね備えたジュエリーとして、日本でも人気が高まっています。現代的な装いにも自然に溶け込むデザイン性と、ネイティブアメリカンの祈りと伝統を感じさせる深みが、多くの人々を魅了し続けています。


ナバホ族で使われる技法
サンドキャスト技法
サンドキャスト技法(Sand Casting)は、ナバホ族の伝統的な銀細工技法のひとつで、ジュエリーに自然な力強さと立体感をもたらす独特の製法です。
この技法は、耐火性の砂を押し固めて型を作り、そこに溶かしたシルバーを流し込んで成形する技法。
この砂型は一度きりしか使うことができず、毎回職人が手作業で型を彫るため、完成する作品はすべて一点物です。細かな線や模様の再現性は低い反面、その分ナチュラルで素朴な風合いが生まれ、他の技法にはない「味わい深さ」と「無骨な美しさ」が宿ります。
特に、ナバホ族のココペリジュエリーでは、このサンドキャスト技法を用いることで、ココペリの姿に厚みと存在感を与え、まるで大地から浮かび上がったような神秘的な造形を実現しています。
厚みのあるボディと荒々しいテクスチャは、旅人であり精霊でもあるココペリの力強さや祈りを象徴しており、持ち主に安心感や守護の力を与えてくれると言われています。
サンドキャストで作られたインディアンジュエリーは、型を使い回さないため量産ができず、職人の経験と勘がそのまま作品の質に反映されます。そのため、完成品はひとつひとつが「作品」としての存在感を放ち、装飾品以上の価値を持つと言えるでしょう。
こうした背景から、サンドキャスト技法を用いたナバホ族のココペリジュエリーは、シンプルながらも力強く、ネイティブアメリカンの精神や自然観を象徴する一品として、多くの人々に愛され続けています。


スタンプワーク技法

スタンプワーク(Stamp Work)は、ナバホ族を中心に発展したインディアンジュエリーの伝統技法のひとつで、金属の表面にタガネを用いて模様を打ち込み、装飾を施す方法です。
ジュエリー全体の印象を決定づける、非常に繊細で芸術性の高い技術として知られています。
この技法は19世紀後半から広まり、当初は身近な道具を自作したタガネで模様を打っていたため、同じ図案でも作り手によって微妙に表情が異なるという個性が生まれました。
熟練の職人によるスタンプワークは、一打一打が的確に配置され、美しいリズムや連続性を持った装飾が生み出されます。
ナバホ族のココペリジュエリーにおいては、このスタンプワークによって、ココペリの周囲に太陽・星・風・山などの自然の象徴や、部族に伝わる神話的モチーフがあしらわれることが多く、単なる装飾にとどまらない意味を持ちます。模様の一つひとつに祈りや物語が込められており、身につける者の守護や繁栄を願う力が宿ると信じられています。
スタンプワークは基本的に平面的な加工ですが、打ち込みの深さや角度、位置の取り方によって立体感や光の陰影を生み出し、視覚的な奥行きを感じさせる仕上がりになります。この巧みな技法によって、ココペリの精霊的な存在感や、自然との一体感が表現されているのです。
スタンプワークは、ナバホ族ならではの感性と精神性を色濃く反映した技法であり、「インディアンジュエリー ココペリ」の世界観をより深く味わいたい人にとっては欠かせない魅力のひとつです。
シンプルな中に強さと意味を込める、まさに伝統と芸術の融合ともいえる技法です。

ラヴァーグジュエリースクールのインディアンジュエリーコースではレッスン1からオリジナルのタガネ(スタンプ)を作成し、バングルやリングなどを作成します。
ナバホ族のスタンプワークを体験してみよう!

ラヴァーグジュエリースクールのインディアンジュエリー体験
体験では『ナバホ族』が得意とするスタンプワークという技法を使いオリジナルのバングル制作を体験していただけます。
「タガネ」という工具を使いハンコみたいに金属に模様を打ち付けて制作していくので、受講を検討している方には実際に手を動かしたことで感じるメイキングする楽しさとスクールの雰囲気も体験できます。
↑詳細はこちら

インディアンジュエリー体験 — ¥16,500-(材料費込み)
現代ジュエリーに息づくココペリ
現代ジュエリーに息づく
ココペリ
ココペリはネイティブアメリカンの神話に根ざした精霊ですが、現代ジュエリーの世界でもその人気は衰えることなく、多くの作家やブランドによって新たな表現が試みられています。
古代から伝わる意味を大切にしながらも、素材や技法、スタイルを現代的にアップデートすることで、ココペリは今もなお私たちの心を惹きつけ続けています。
伝統的なインディアンジュエリーのココペリではシルバーをベースとした重厚なデザインが主流でしたが、近年ではゴールドや真鍮、レジンなどの素材を用いた軽やかでモダンなアレンジやアクセサリーも登場しています。
また、カジュアルなアクセサリーとしてだけでなく、ハイジュエリーやアートピースとしての展開も見られ、シーンやスタイルに合わせて選べる幅が広がっています。
ココペリの姿も、かつての岩絵のような古代的シルエットにとどまらず、シンプルなラインで描かれたミニマルなものや、ユーモラスでキャラクター的にデフォルメされたデザインなど、多様な解釈がなされています。

それでも変わらないのは、ココペリが「生命」「春」「旅」「創造性」「音楽」などを象徴する存在であるという精神的な軸です。
また、ココペリのモチーフはジェンダーや世代を問わず、パーソナルなお守りや意味のあるギフトとしても選ばれています。
ナチュラルなライフスタイルやスピリチュアルな価値観が見直される今の時代において、ココペリの持つ「自然とのつながり」や「生命の再生」というテーマは、現代人の感性にも深く響くのかもしれません。
ココペリをモチーフにしたジュエリーは、ただの装飾品ではなく、自分自身の内面や願い、祈りを表現するアイテムとしても注目されています。
普段使いのペンダントやリングから、特別な意味を込めた一点物の作品まで、現代のココペリジュエリーは、まさに“祈りを身にまとう”という感覚を体現しています。
日本での注目度とココペリジュエリーを手に入れるには?
日本での注目度と
ココペリジュエリーを手に入れるには?
ココペリジュエリーは近年、日本でもじわじわと人気を集めています。ネイティブアメリカン文化に関心のある人々や、コレクター、自然やスピリチュアルな世界観を大切にする層を中心に、「お守りのように身につけたいジュエリー」として注目されています。
日本では、ココペリをモチーフにしたインディアンジュエリーを セレクトショップやヴィンテージ専門店などで購入することができます。
また、個人でブランド活動を行っている作家さんから直接購入やオーダーするのも手です。
そして、自分自身の手で“理想のココペリジュエリー”を作ってみたいという方には、ラヴァーグジュエリースクールのインディアンジュエリーコースがおすすめです。
初心者の方でも道具の使い方から丁寧に学ぶことができ、自分だけのオリジナルココペリジュエリーを形にすることができます。
↑詳細はこちら
さらに、ラヴァーグではジュエリーブランドの立ち上げサポートも行っているため、学びを深めて「作家デビュー」を目指すことも可能です。
趣味スタートからブランド立ち上げ、副業や独立、あなたの挑戦を現役のプロが1からサポートいたします!
何歳からでも始められます!ココペリのように、旅をしながら物語を紡ぐようなジュエリーライフを、あなたも始めてみませんか?
自然と生命をつなぐココペリという存在
自然と生命をつなぐ
ココペリという存在

ココペリとは?まとめ
ココペリとは、
ネイティブアメリカンの神話に登場する、笛を吹く旅の精霊です。
ホピ族やナバホ族などアメリカ南西部の部族に伝わり、春の訪れや豊穣、子宝、音楽、旅を象徴する存在として長く信仰されてきました。
背中に袋を背負い、体をかがめて笛を吹く姿で描かれるココペリは、村々を巡りながら笛の音で雨を呼び、命を芽吹かせる存在とされ、人々に恵みと笑顔をもたらしてきました。
インディアンジュエリーのモチーフとしても人気が高く、「自然と共にある生き方」や「祈りを形にしたお守り」として多くの人に愛されています。
ココペリは、ネイティブアメリカンの精神文化と深く結びついた象徴的な存在であり、その魅力は現代のジュエリーやアートにも受け継がれています。
豊穣や春、音楽、いたずらといった多様な意味を持ち、身につける人の願いや祈りを形にするモチーフとして今も愛され続けています。
あなたもぜひ、自分だけのココペリジュエリーを通して、その深い世界観に触れてみてください。
ココペリ以外のインディアンジュエリーモチーフ一覧はコチラ
インディアンジュエリーを深く学びたいあなたへ
インディアンジュエリーには、単なる装飾では語りきれない“物語”があります。
アメリカ南西部のネイティブアメリカンたちが代々受け継いできた技術と祈り。その一つひとつのジュエリーには、自然に対する感謝や、大切な人々への想い、そして自分自身の生き方への願いが込められています。
ココペリ、フェザー(羽根)、サンバースト(太陽)、コーンメイデン(とうもろこしの乙女)など…。
これらのモチーフには、それぞれに意味があり、長い歴史とともに語り継がれてきました。
インディアンジュエリーに見られるモチーフたちには、彼らの自然に対する感謝や尊敬、願い。家族や仲間たちを思う優しい心。強く生きるための教えが詰め込まれています。
これらのモチーフを知ることで、インディアンジュエリーがただの「民族的な装飾品」ではなく、”祈りやメッセージを込めたアートである”ことに気づくはずです。
↑詳細はこちら
合わせて読む
インディアンジュエリーにターコイズが使われる理由
インディアンジュエリーの代名詞であり鮮やかなブルーグリーンが印象的なストーン、ターコイズ。
インディアンジュエリーにはなぜ、ターコイズが多用されるのでしょうか。
ターコイズの魅力と歴史に迫ります
↓記事はコチラ↓
