【ジュエリー制作を自宅でしたいけど、工具はまず何を買えばいいの?】
・ジュエリーを既に製作されている方。
・興味はあるけど、まずは独学でやってみようかな?
・スクールに通えない時、自宅でももっと作業したい!
・そもそもジュエリー制作って面白いのかな?
・自宅でちょっとやってみようかな。
そんな方達に「自宅でジュエリー制作を楽しむなら知っておきたい!おすすめ工具完全ガイド」をご紹介します。
「工具の役割」や、買う際の「選ぶポイント」や「参考価格」(※2024年2月現在)もご紹介します。
「万能」「彫金」「石留め」「その他」とシリーズに分けてご紹介していきます。
さて、今回はその中でも【彫金編】をご紹介。
【そもそも彫金ってなに?】
「ロストワックス技法」「ジュエリーCAD」「銀粘土」などの制作技法も必ず金属加工(彫金技法)が入ってきます。
なのでジュエリーを作るうえで、最も基礎、根幹となる制作技法でもあり、汎用性がある技法となります。
ただ、彫金技法は制作工程も多く、その分使用する「工具」も多いので、【溶接】【鍛金】【研磨】と分けつつ、今回はあくまで「自宅で制作する」「まず始めるならこれ!」という2つの観点で紹介していきます。
では、さっそくご紹介していきましょう。
【目次】
2.耐火ボード、耐火レンガ、ハニカムブロック
3.フラックス、希硫酸
4.第三の手
5.ロウ材
6.リングゲージ、サイズ棒
7.芯金棒
8.木槌
9.奴床(ヤットコ)
10.研磨剤
【溶接】
ジュエリーおすすめ自宅作業工具①【バーナー】
工房では大型のバーナーを使用しますが、自宅用なので小型の簡易バーナーを2種類ご紹介します。
簡易といっても、どちらも1000度以上の火力を出すことができます。 1000度以上火力を出せれば、Pt(プラチナ)やK18ホワイトゴールドはちょっと厳しいですが シルバーやゴールド(K10、K14、K18)であれば溶接(ロウ付け)は可能です。
が、おそらくこの記事を見てらっしゃる方で、自宅でシルバーや真鍮以外の制作をする方はあまりいないと思います。
もし初めてゴールドなどをロウ付けする際は、誰かにサポートしてもらいながら作業することをおすすめします。
プリンス ガスバーナー GB-2001 ¥7315-
※シーフォース オンラインより参照
プリンス G-130替えガスボンベ ¥440-
※シーフォース オンラインより参照
プリンス ガスバーナー GT-5000 ¥6204-
※シーフォース オンラインより参照
ガスボンベ RZ-860 ¥617-
※シーフォース オンラインより参照
選び方のポイント
→例えば、「棒材を丸めてリングにするとき」なのか。 「ピアスポストをつけるとき」なのか。によって変えると良いです!
わかりやすくすると、ピアスポストのように細かいパーツや繊細なロウ付けが必要な場合は 「火が細くできるもの」 逆に大きいものをロウ付けする際は、「火を大きくできるもの」を選びましょう。
ただしここには罠が1つあって、「火が細くできるもの」と聞くと 大概の方は「極細炎バーナー」などの謳い文句が記載されているものを購入しがちですが(筆者がそうでした。。。)火が細すぎると広く温めたいときにとても苦労します。
②火力調節ができるもの
主にバーナーは「ガス」と「空気」を調節して適した火力にします。 ですが、火力が一定で調節できないものもあるので注意しましょう。
ジュエリーおすすめ自宅作業工具②【耐火ボード、耐火レンガ】【ハニカムブロック】
特に自宅でロウ付けする際は、火事の危険を最大限考慮して作業スペースを確保しましょう。
具体的にどう考慮する?
②作業スペースにあった「薄型のステンレストレイ」を用意します。
③ステンレストレイの上に「耐火レンガ」を並べます。
※この時、必ず「壁」も作りましょう。「コの字型」になるようにレンガを立て掛けましょう。
壁を作らないと、直接火は当たってなくても気づかない間に熱で何かを溶かしてしまったり、焦がしたり、最悪火事に繋がってしまいます。
④壁に使用した耐火レンガ以外の上に、耐火ボードを敷きます。
⑤最後に「ハニカムブロック」を乗せます。
写真を参考に、ご自宅の環境に合わせて組み合わせてください。
ステンレストレイに乗せているので、必要のない時は移動も可能です。
ハニカムブロックとは?
たくさんの穴が空いていることでロウ付けする際に、熱が逃げづらくなります。
耐火レンガや穴の空いていない耐火ボードの上でロウ付けしても問題ないのですが、商品にまわるはずの熱が耐火ボードに吸われてしまい、思うように温まらない。ということを防ぐことができます。
また、たくさんの穴が空いていることでピンなどを刺して固定。ということも可能です。
割れてしまったブロックを重ねて、高さの調節をしたりもします。
ハニカムブロックミニ 100x100mm ¥704-
※シーフォース オンラインより参照
選ぶポイント
バーナーの温度が1000度を超えるので、耐熱が1000度以下のものは購入しないようにしましょう。
耐火レンガ、耐火ボード、ステンレストレイなどはホームセンターなどにも売っているので、 それでも構いません。
ジュエリーおすすめ自宅作業工具③【フラックス】【希硫酸】
どちらもロウ付けするには欠かせない薬品です。 1つは【フラックス】です。
このフラックスという薬品の役割は、製品によって多少異なりますが、大きく分けて3つあります。
①酸化被膜除去
②不純物の除去
③濡れ性に維持とロウの流動性アップ
この3つの役割がすごく重要でどれも欠けてはいけないのですが。。。 1つ1つの役割を覚えるは大変なので。。。
簡単にいうと「ロウ付けをやりやすくするための薬品」!!と覚えてもらえればOKです。
【フラックス】の選ぶポイント
同じ練りタイプでも更に色違いがあったりします。。。そうなるともう訳わからないですよね。
というか、相当ロウ付け慣れしていないと違いが分かりづらいと思います。 なので、始めはおすすめのフラックスで価格、量共に全く問題ありません。
S&F ホワイトフラックス 70G ¥660-
※シーフォース オンラインより参照
【希硫酸】とは?
希硫酸とは「硫酸」を指定濃度まで薄めた薬品になります。
簡単に言ってしまえば、あの超怖い薬品。。。「硫酸」のうすーーーーいやつです。 かといって硫酸ほど危ない薬品ではありません。
素手で触ってもギャーーーーと手が溶けてしまうことはありません。が、触れてしまったら流水でよく洗いましょう。
手に傷口があるとしみます。
また、洋服などに付着すると、数日でみるみるボロボロになってしまいます。
希硫酸を作るためには硫酸が必要です。 硫酸を入手するのも、またそれを薄めたり扱うのも大変なのです。
ここで紹介するものは「あくまで簡易的な希硫酸」だと思ってください。
希硫酸の用途としては、ロウ付け後に商品を漬け置きします。
漬け置きすることで、「ロウ付け時に出来た〈酸化被膜〉の除去」「結晶化したフラックスの除去」を行います。
裏技として希硫酸を温めると除去スピードが上がります。
使用する際の注意点
①金属製の容器には絶対に入れない!!
希硫酸は「鉄」「ステンレス」「アルミ」を腐食させる効果があるので容器には適していません。 ガラスなど密閉できる容器がおすすめです。
②直接手で触れない。
手で触れて問題は特にないのですが、避けましょう。 手に付着した場合は、速やかに流水で洗い流してください。 商品を漬け置きする際は、割りばしなどで取り出ししましょう。
③「鉄」「ステンレス」などは絶対に入れない。
希硫酸の中に「鉄」(からげ線、ヤットコなど)「ステンレス」(ピンセットやプライヤーなど)を入れてしまうと 反応して化合物が出来上がってしまいます。 その液にシルバーなどを漬け置きすると、更に反応してしまいシルバーの表面が変色してしまいます。
④廃棄方法の注意。
そのまま使用した液を破棄してしまうと、場合によってはシンクや配管を痛めてしまいます。 本来(濃硫酸から薄めた希硫酸など)であれば「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従って廃棄する事をお薦めしますが、紹介している2種類の液は濃度が10%未満の為、 重曹等で中和していただき、大量の水で廃棄も可能です。
100円ショップなどで売っているガラスケースがおすすめです。
選ぶポイント
基本的にはお好みで選んで問題ありません。
「顆粒タイプ」で規定量のお湯で溶いて使用する製品。
ピックリングコンパウンド(ディクセル) ¥990-
※シーフォース オンラインより参照
『ピックリングコンパウンド(ディクセル)』よりも濃度が濃く、除去力も強い製品。
希釈せずにそのまま使用できるタイプ。
S&F ピックリング液 250ml ¥660-
※シーフォース オンラインより参照
除去力重視や希釈が面倒!という方は『酸洗い液』がおすすめです。
希釈しなくてそのまま使用できるのは楽でとてもいいです。
筆者個人的には あくまで自宅作業を考慮して、毎日ロウ付けというシチュエーションは考えずづらいので 『ピックリングコンパウンド(ディクセル)』で1回量作って使用して破棄するのがおすすめです。
これで液として保存しておくのが怖い方や、例えばペットを飼っていて液として保管しておきたくないな。など 1回ごとのに液を作る方式にすれば、ぬるま湯を使用するので、除去力の効果も促進され保管の心配と合わせて一石二鳥ですね。
ジュエリーおすすめ自宅作業工具④【第三の手】
ハニカムブロックの上で自立する商品であれば、使用しなくても問題ないですが 自立しない(フラフラする)場合にとても役に立ちます。
フラフラする状態ではロウ付け面が目視しづらい、ロウ材が置きづらいなど 正確にロウ付けを行う際の重要な項目を補ってくれるお助け工具になります。
「第三の手」の特徴
※逆ピンセットとは…通常のピンセットは摘まんだら→先端が閉じる。という仕組みですが 逆ピンセットはその名の通り、摘まんだら→先端が開く。通常とは逆の仕組みになってます。
その逆ピンセットとジョイントパーツがついた土台部分を活用することで、 手を放しても商品の向きなどを自由に固定することが可能になります。
掴んだまま空中で固定。なんてことも可能。
選ぶポイントは?
関節数が増えれば金額もグッと上がるので、初めに買うのはおすすめする商品で問題ないです。
使用してみて、もっと細かく可動させたい!!などの要望が出たら買い足せば問題ありません。 逆ピンセットも交換できるので、初めはこだわらなくても問題ありません。
土台の形に関しては「〇〇型だから何かが出来ない!!」ということは特になく、土台自体の高さが少し違うくらいだと思ってもらって大丈夫です。 あくまで第三の手は「お助け工具」なので使用者がどのようなことを求めるかによって変わるかと思います。
なので、まずは安いのを買ってから判断で問題ないです。
※シーフォース オンラインより参照
ジュエリーおすすめ自宅作業工具⑤【ロウ材】
ロウ材とはすごく簡単に言ってしまえば、金属と金属を着けるための「接着剤」のことです。
種類も金属ごとに分かれています。 さらにその中でも種類が分かれていきます。
今回はすべて紹介していると種類が多すぎるので、この記事を見ている方の大半がシルバー加工だと思いますので、シルバーロウに絞って紹介します。
選ぶポイントは?
上記にも記載しましたが、金種(Pt,Gold,SV)によって種類が分かれます。 Svロウで言えば6種類のロウ材があり、それぞれの融点の違いによって種類分けされています。
融点の高い順番から 『2分(ぶ)→3分→5分→7分→9分→早ロウ』となります。
融点が高ければ高いほど『銀色に近い色味』で、ロウ付けの際の流動性が遅くなります。
逆に融点が低ければ低いほど『黄色に近い色味』で、ロウ付けの際の流動性は早くなります。
ここで1つ銀色に近いのであれば2分ロウを使えば良いんでしょ!と思うかもしれませんが 融点が高い=母材を溶かしてしまうリスクが上がっていきます。 2分ロウともなれば母材(シルバー925や950など)との融点はかなり近くなっていきます。
②大きさと形状の選定
ロウ材も購入するにあたって様々な大きさと形状のものががあります。 形状は「板状」「線状」のタイプがありますが、初めは「板状」の物にしましょう。
大きさは、正直始めであれば小さいのもで問題ありません。
ロウ付けする商品にもよりますが、ピアスのポスト立てなどであれば、板状ロウ材で1mm×1mm程度の大きさで十分です。
市販されている大きさが仮に50mm×50mmであれば約50回ロウ付けできる計算になります。
これを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思いますが この記事を見ている大半の方は意外と多くロウ付けできるなと思うのではないでしょうか?
そもそもなんで種類が分かれているの??
例えば、 1種類のロウ材で複数個所のロウ付けをしようとしたときに、前のロウ付け箇所が取れてしまう。。。 なんてことが。。。その問題を防ぐ1つの手段がロウ材分けになります。
そういわれるとシルバーロウの種類以上にロウ付け箇所を増やすことができないの!?と思うかもしれませんが、 全然そんなことありません。
職人である筆者は複数のロウ付け箇所があっても1種類のロウ材でロウ付けすることがほとんどです。
必要に応じたロウ材分けを心がけると、制作時の失敗リスクがグッと減らせます。
おすすめのロウ材は?全部買った方がいいの?
そこでおすすめのロウ材としては「3分」「5分」「7分」がおすすめです。特に「5分」。
これをベースに考えてもらうといいと思います。
始めであれば、リングなどの商品自体が大きい物であれば「3分」
ピアスのポスト立てなどの繊細なロウ付けは「5分」
非常事態(修正用)のロウ材として「7分」
というような分け方で、ロウ付けしていただければで問題なく作業できます。
予備知識として
「2分」→純銀などの加工に適しています。
「9分」「早ロウ」に関しては、修理品など(過去加工でなんのロウ材が使用されているか不明なため) と覚えてもらうといいかと思います。
銀ロウ全種類のセット販売
種類、形状、大きさが初心者にピッタリ!!
S&F(シーフォース) 銀ロウ全種 お試しセット ¥1980-
※シーフォース オンラインより参照
銀ロウを好きな大きさに切るためのハサミロウ材を切るときに必ず使うハサミです。
S&F(シーフォース) ロウ切鋏 直刃 ¥1023-
※シーフォース オンラインより参照
彫金自宅作業工具 おまけ【ロウ付けセット】
「初心者ならこれ買えばもう間違いないじゃん!!」という商品を見つけました。
- ・S&F ホワイトフラックス 70g
- ・エコノミーセラミックロウ付け台(大)またはイソライト半型
- ・ハニカムブロック 小 140×95×14
- ・S&F 第三の手 丸台 ピンセット付またはS&F 第三の手 馬台
- ・ピンセット AA直型
- ・ビックリングコンパウンド(ディクセル)
- ・S&F ロウ切ハサミ 直刃
- ・S&F 7分銀ロウ 5g 約50×40mm
- ・S&F 5分銀ロウ 5g 約50×40mm
- ・S&F 3分銀ロウ 5g 約50×40mm
もうこれから始める初心者さんにはピッタリな商品!!
バーナーは好きなものを別途購入する必要がありますが、そこがまたGOOD!! 人によってロウ付けしたいものが違うので、上記に書いたバーナーを選べば自宅で作業するには完璧!!
シルバーロウ付けお買い得セット(バーナー、ボンベ無し) ¥7920-
※シーフォース オンラインより参照
ロウ付けテクニック
ロウ付けに挑戦したいけどどうやってやるの??
という方はこちらの記事を読んでみてください。
ロウ付けの理屈やポイントが詳しく書いてあるので実践前に読んでみてください。
【鍛金】
ジュエリーおすすめ自宅作業工具⑥【リングゲージ】【サイズ棒】
そのリングサイズを測定するための工具になります。
制作する以外にも、通販でリングを購入される方が増えてきています。 その際にも、自分の指を測って注文すれば間違いがないですよね。
サイズ棒は制作途中、完成後のサイズ確認用が主な用途ですが 他にも、ご自身がお持ちのリングを棒に通して、サイズを測ることにも使用できます。
ジュエリー好きであれば1個は持っておきたいリングゲージとサイズ棒。
選ぶポイントは?
ネット検索すると、ものすごい数が出てきて激安の物を選びたくなりますが加工するのであればグッと我慢しましょう。 ただ、参考程度に自分のサイズが知りたい。ということであれば問題ないです。 激安品と専門店などで購入したリングゲージでは計測するときの着け心地が違ってきます。 専門店の物の場合、実際の商品の着け心地を考慮した処理「内甲丸」という処理がされていることが多いです。 そういった意味でも、激安品はおすすめしません。
②規格に定めているものを選びましょう。
リングサイズの内径というのは規格で定められています。
規格表記されていないものは、実際のサイズと大きく異なる場合もあります。
③リングゲージとサイズ棒のメーカーを合わせる。
ここが最も重要な選ぶポイントになります。
特に制作に携わるのであれば メーカーが別々の物を購入してしまうと、出来上がった商品のサイズが若干ズレる場合があります。
なぜ規格が存在するのにズレるの??と思うかもしれません。
これは大量生産による「ロットずれ」というものが起きます。
上記ポイント①の激安品は顕著にズレが生じます。
少し値段が高くても、専門店などの物を購入した方がズレは少ないです。
別々のメーカーの物を購入すると、少しのズレと少しのズレが「大きなズレ」に繋がります。 ただし同じメーカー同士でもズレが完璧にゼロということはありません。 多少なりともズレはあります。
そのことを頭に入れて加工しておくことが重要です。
④ハーフサイズ、1号以下が測れる物があると尚良し。
お客様(自分も含めて)が必ずしも標準リングゲージの中に、ピッタリの物が存在するかというと、そんなことありません。
例えば 11号だときついな。。。でも、12号だと気持ち緩いな。。。 このような経験皆さんもあるのではないでしょうか?
その際、そのちょうど間11.5号というサイズをお客様におすすめする場合があります。
その間のサイズ(ハーフサイズ)を計測するためのリングゲージとサイズ棒というのがそれぞれ存在します。
また、1号以下も計測できるものもあります。 ハーフサイズや1号以下まで計測出来るリングゲージやサイズ棒があると尚良しです。
【通常サイズ用】(初心者用)
S&F(シーフォース) 指輪ゲージ(内甲丸) ¥1518-
※シーフォース オンラインより参照
S&F(シーフォース) 指輪フルサイズゲージ棒(プラスチック) ¥2728-
※シーフォース オンラインより参照
まめ知識
リングゲージやサイズ棒に【P】という表示を目にすることがあります。
これは明工舎製作所(MSK)が定めた0.5号以下の表記になります。
指のサイズを測るとき0という概念が無いため、ゼロを基準に 0号=P1、-1号=P2、-2号=P3、-3号=P4、-4号=P5と表記しています。
通常はサイズが大きくなれば数字も上がりますが P表記の場合、サイズが小さくなれば数字が大きくなります。
※tenngoとは明工舎製作所(MSK)製の物です。
※シーフォース オンラインより参照
※シーフォース オンラインより参照
※tenngoとは明工舎製作所(MSK)製の物です。
※シーフォース オンラインより参照
ジュエリーおすすめ自宅作業工具⑦【芯金棒】
他にも歪んでしまったリングを直す、修理でも使用します。
言ってしまえば、ただの金属の棒なのですが 金属の種類や形状も様々です。 少しだけテーパー(徐々に太くなっている)形状が特徴でもあります。
選ぶポイントは?
「焼き入れ」が「入っているか」「いないか」この2択になります。
焼き入れといって金属を硬くする加工が施されているか・されていないか。の違いになります。
ここで紹介するのは鍛金用ですので叩くこと前提なので、当然「焼き入れが入っているもの」を選びましょう。
金属は金属でもアルミなどの柔らかいものを叩いてしまうと、場合によっては芯金棒ごと曲がってしまいます。
これは絶対にやってはいけません。
②形状
丸型、楕円、四角、三角などたくさんの種類があります。
大きさもたくさんあります。 リングを作るのであれば、もちろん丸型が良いです。 他の形状は石座などを作る場合に使用したりします。
他にもバングル用など大きなものもあります。
③サイズのメモリの有無
叩いて整形することが多いリング制作ですが、むやみやたらに叩いていると必要以上にリングが大きくなってしまうことも多々あります。
そこでリングサイズのメモリがあることで1つの目安になります。
ただ、メモリが無い芯金棒に比べると値段がグッと上がります。
また、メモリはあくまで目安なので必ずサイズ棒で再度正確に計測する必要がありますので、必ずしもメモリが入っていないとNGなのかというと決してそんなことはありません。
※リングと言っても上記で紹介した「Pサイズ」の物に関しては紹介する芯金棒以外のもを別途購入する必要があります。
小次郎 焼き入り芯金棒 12φ~23φ×38 ¥4554-
※シーフォース オンラインより参照
※シーフォース オンラインより参照
ジュエリーおすすめ自宅作業工具⑧【木槌】
主に上記で説明した芯金棒と合せて使用することが多いです。
他にもちょっとしたゆがみ直しなどにも使用します。
選ぶポイント
木槌には大きく分けて「ホウ材」「樫(かし)材」の2種類の材質の物を使用することが多いです。
木なので他にもたくさんの種類がありますが、ジュエリー加工で主に使用されるのはこの2種類です。
すごく簡単に言ってしまえば。「ホウ材」は柔らかい。「樫材」は硬い。と覚えてもらえればOKです。 リングなどを叩く前提ですと「樫材」の方が硬いのでおすすめです。
「ホウ材」ですと、叩けば叩くほど木槌が凹んでしまいます。
②大きさ
ここに関しては好きな大きさの物を選んでもらって問題ありません。
人によっては大きい(重い)方がやりやすい。小さい(軽い)方がやりやすい。などあると思います。
※シーフォース オンラインより参照
ジュエリーおすすめ自宅作業工具⑨【奴床(ヤットコ)】
という方のために叩く以外の方法でリング制作ができる工具がヤットコになります。
主に、金属を掴んで曲げる時に使用します。 少し曲げるのにコツがいりますが、女性でも全然可能です。
選ぶポイントは?
この違いは、自分で加工できるか。できないかの違いだと思ってください。 鉄やステンレスは、「焼きなまし」すればヤスリなどで自分で好きな形状に加工することが可能です。
※焼きなましがしっかりできないとヤスリがダメになってしまうので注意。
ハードステンレスは、自分で加工するのは難しいです。 おすすめは「鉄」か「ステンレス」製です。 加工方法さえ間違えなければ、自分の好きな形状にすることが出来るのはすごいメリットです。
筆者もレギュラーで使っているヤットコのほとんどが手作りになります。 本当におすすめです。
形状も様々ですが、金属をリング状に丸めるのであれば、片面が「半丸(かまぼこ型」でもう反面が「平」がおすすめです。
この形状はハードステンレス製は沢山あるのですが、「鉄」「ステンレス」製が最近ではほとんど見なくなってしまいました。
ですので、 自分で加工に挑戦される方は「平」と「平」の物から削って好きな形状にしてみましょう。
大きさに関しては「135mm or 150mm」辺りから手の大きさに合わせて購入すれば問題ないと思います。
自分で加工するのはちょっと。。。という方はハードステンレス製の物から 「先端断面図」を見て好みの形状と大きさの物を選択すれば問題ありません。 こちらもピンセット同様に何本あっても困ることはありません。
十分に焼きなまししてから加工するのがポイント。
加工後の焼き入れもお忘れなく。
小次郎 平奴床 135mm ¥2057-
※シーフォース オンラインより参照
【鍛金】
ジュエリーおすすめ自宅作業工具⑩【研磨剤】
研磨するときに必要な研磨剤についてご紹介しようと思います。
研磨材とネットなどで検索すると本当にいろいろな種類の研磨剤が表示されます。 磨く金属によって種類分けされていることが多いと思いますが、ジュエリーだけ(主にSV、Gold、Pt)に絞ったとしても、「荒仕上」「中仕上げ」「鏡面(最終)仕上げ」などさらに分かれています。
もう訳わからない。。。という状態ですよね。
磨く金属、職人さんの好みによって分かれます。
ほとんどが「感覚」に近い部分で選んでいます。
筆者もその一人です。これだと磨きやすいかな。。。など色々試したものです。世に言う「沼」というやつにハマりました。
現時点で筆者が、「この組み合わせなら大抵の物は綺麗に磨ける!」というものを3種類ご紹介します。
初心者さんは、迷ったらこの3種類の研磨剤を購入してもらえれば、間違いありません。
実際にこの3種類はラヴァーグジュエリースクールの工房でも生徒さんに使用してもらっています。 3種類使ってみて、使い終わるころに 自分なりに次の研磨剤はこういうのが良い! と思えばあなたはもう脱初心者です!というかプロです!!
日光 白棒#1500 ¥1628-
※シーフォース オンラインより参照
中仕上げ用研磨剤
日光 白棒#4000 ¥1584-
※シーフォース オンラインより参照
ピカ素 ¥1848-
※シーフォース オンラインより参照
まめ知識
上記でも述べたように「金属」や「工程」によって分かれるのが大半です。
研磨材というのは簡単に言うと、「油脂」と「酸化○○」(クロム・アルミニウム・鉄など)を混ぜたものが主流になります。
各メーカー独自のノウハウで配合をしているので、内容物や配合率などほとんどわかりません。
さらには粗さを表す「番手」ですら公開してないところも多いです。(〇〇仕上げ用)と謳うのみの場合も多いです。
だから職人さんの感覚が大事になってきます。 各メーカーさんが競合しているから多いわけです。
まとめ
少しでも自宅作業の工具選びの参考にしていただけると嬉しいです。
道具を知ることで、今までよりもっとジュエリー製作が楽しくなったり、作業効率がグッと上がります。
実際の授業では、ここでは書かれていない裏技や使用法を取り入れつつ、あなたに合った工具もご紹介したりしています。
他のシリーズも随時更新しますので、楽しみに待っていてください!
【万能編】を見ていない方はそちらもチェックしてみて下さい。
授業内容が気にる方はこちらから!
実際に使ってみたい方はこちらから!
大人気のインディアンジュエリー!体験では『ナバホ族』が得意とするスタンプワークという技法を使いオリジナルのバングルを制作します。