本物の貴金属の加工方法を攻略する。
シルバーは卒業。貴金属の加工方法を学ぶ。
今までは練習や試作の為に単価の安いシルバーをメインに加工してきたと思います。
ですが、実際オーダーが入るのはプラチナやゴールドがほとんど。
特にプラチナは、シルバーとは加工手段がガラッと変わってきます。
このカリキュラムでは、プラチナのロウ付け(溶接)や磨き方を学んでいきます。
最高級の素材。
だからこそ、きちんと魅力を活かすために。
エンゲージ・ブライダルの定番
最高品質を好む日本人。
だからこそ、日本ではプラチナ・K18の需要が高いのです。
プラチナは貴金属の中で最も硬く熱に強いため、成形やロウ付け(溶接)に手間がかかります。また、プラチナ特有の上品な落ち着きのある輝きを出す為にも、素材の特徴をしっかり理解することが鍵となります。
この課題では、人気の3連リングを作りながら感覚が全く変わってくる「プラチナ」を実際に使用すること、人気金種のK18ピンクゴールドとK18イエローゴールドの加工方法をしっかり押さえていくためのレッスンです。
この3種類がきちんと加工できる。
それはステップアップと自信に繋がる大きな一歩です。
金属素材の特徴を実感する。
今まで多く加工してきた素材はシルバーや真鍮だったのではないでしょうか?
ですが、きちんとブランドを立ち上げて商品として販売していくことを目指した時、ゴールドやプラチナからは避けて通ることは難しいでしょう。
このレッスンでは、K18イエローゴールド・K18ピンクゴールド・プラチナと3種類それぞれの加工の違いを学びながら、3連のトリニティリングを制作していきます。
本番のオーダーで失敗しないように、ここでしっかり金属の特徴を学んでいきましょう。
【よくあるミス例】
・ピンクゴールドのロウ付けで本体を溶かしてしまった。
・プラチナがどんなに磨いてもなかなか光らない。
・トリニティリングのサイズがピッタリ合わない。
3種類の金種はそれぞれ特徴がバラバラです。
それぞれ、ロウ付けの手法の違い・硬さの違いからの加工の違い・磨く際の減り方の違いがあり、それぞれ個性があります。
まずはしっかり頭に知識を入れてから、実践に移っていきましょう。
POINT1 まずは知識をきちんと頭に入れておく
Pt(プラチナ)・K18YG(イエローゴールド)・K18(ピンクゴールド)の特徴をまずはしっかり学んでおきましょう。
【Pt】
硫化や酸化しない。ロウ付けで変色しないので磨いてロウ付けをしてもそのままの光沢を保つ。
→各パーツを磨いてからロウ付け作業をすると普段なら磨きづらい商品もしっかり光らせる事ができクオリティーアップに繋がりやすい。
●ロウ付けは酸素バーナーで行い必ず遮光メガネをかけて行う。
→地金が太陽のように眩しく真っ赤になるため必ず遮光メガネを着用すること。
●熱伝導率、反射率が共に悪いのでレーザー溶接機での加工が他の地金に比べて簡単。
●展延性に優れ、また粘り強いので、地金が割れたりすることが比較的少ない。
→ローラー加工や線引き盤での加工などが行いやすいです。その代わり粘りが強い分ニッパー等の切断加工は行いづらい。
●柔らかく傷つきやすいので仕上げ加工が難しい
→1つ1つの工程を丁寧に行わないと、傷が残りそれがなかなか取れない。
【K18YG】
●特に目立って注意するべきポイントは無く、加工しやすい地金
●K18YGでも(5:5)(6:4)という2種類があり若干色味が違うので色味を他の物と合わせる時は気にすること。
●キャスト上がりの物は一皮剥かないと本来の色味が出ない場合がある。
【K18PG】
●とにかく固く割れやすいので曲げ加工などの時はしっかりなまして、無理に加工しない。
●ロウ付けの際は酸化しやすいのでフラックスをしっかり塗ること。
●硬くバネ性が強いのでリングのロウ付けの際にすり合わせが開いてきてしまう事が比較的多いので、その際は1度なまして酸洗い後もう1度すり合わせて再チャレンジすること。
●酸化膜が出来易いのでロウ付けが上手くいかない場合は1度酸洗いをして、クリーンな状態にしてから再チャレンジ。
●PGのロウ材は、メーカーによって温度差、種類がかなり異なるので注意!ロウ枯れを起こしやすいので温度コントロールに気を付ける。
●キャスト上がりの物は一皮剥かないと本来の色味が出ない場合がある。
Lesson 5で学べる内容と手順
STEP1 トリニティの公式
今回は通常の計算方法とは異なる計算をして地金の長さを出していきます。
三連リングはリングとリングが重なり合うため、厚さが場所によって異なってきます。
教科書の公式に乗っ取って、地金の長さを正確に出していきましょう。
STEP2 仮リング完成
各金種、それぞれ一度リングを作ります。
ここで、プラチナ・K18YG・P18PGのロウ付けや火力の違いを学んでいきます。
STEP3 組み立て
出来たリング正円にしてからをカットし、智絵の輪の要領で3本を繋げていきます。
組み立てられたら、また切り口を寄せていきます。
STEP4 ロウ付け2
2回目のロウ付けをおこないます。
この時意識してもらいたいのが、他の部分に熱が伝わらないように第三の手を使用して持ち方を工夫してきましょう。
STEP5 溝芯金
溝のあるタイプの芯金を使用して、それぞれのリングの正円を出していきます。
トリニティはサイズの測り方が特殊です。
机に置いた際、綺麗なスパイラルに整いた状態でサイズ棒に入れてサイズを測りましょう。
STEP6 最終磨き
最後に仕上げの磨きを行います。
磨く際に他の2本がガチャガチャとぶつかると傷が出来てしまうので、指でしっかり固定しながら磨いていきましょう。
クオリティスキルアップコース 他のレッスン一覧
LESSON1
複雑な面の研磨技術
スタッズなどの複雑な面を磨き残すことなく完璧に磨くノウハウを学びます。
LESSON2
サイズ直し
完成した指輪のサイズアップ・サイズダウンの手法を学びます。
LESSON3
溶解
地金を溶かして再利用していく手法を学びます。
LESSON4
細かい曲線の研磨技術
唐草などの複雑な形状を隅々まで磨ききるテクニックを学びます。
LESSON5
3種類の地金の加工
Pt・K18YG・K18PGの3種類の加工方法を学びます。
LESSON6
形を絶対崩さない磨き方
磨きにくい箇所のアプローチ法を学びます。
LESSON7
爪はり
細かな爪のロウ付け技法を学びます。
LESSON8
オーダージュエリー
指示書を読み解いて、その通りに作れる応用力を鍛えます。