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知るほどに奥深い – 真珠の世界

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古代から愛されてきた真珠 (パール)

古代から愛されてきた
真珠 (パール)

真珠
真珠 (パール) とは、貝から採れる宝石の一種で、貝の体内で生成される生体鉱物(バイオミネラル)です。

「月のしずく」「人魚の涙」とも呼ばれる真珠は、色や形など種類が豊富。そして、時を経ても色あせない光沢は、気品とやさしさをあわせ持つ特別な存在となり、古くから世界中の人々を魅了してきました。
そんな真珠を使ったジュエリーは、現代もフォーマルからカジュアルまで多種多様に楽しまれ人気があります。魅力的な真珠の種類や見分け方などの基礎知識を知っていただくことで、真珠ジュエリー選びがもっと楽しくなるはずです。

そこで、真珠専門の東京真珠株式会社の星野さんに真珠についてCAD講師の竹田がインタビューをさせていただきました!

ぜひ最後までお楽しみください。
● 目次
・真珠の歴史
・真珠はどうやってできるの?
・真珠の種類
・真珠の見分け方
・真珠の価値とは?
・真珠の豆知識

Interviewee 東京真珠株式会社

東京真珠株式会社のロゴ
「日本の真珠の美しさを世界へ伝える」という理念のもと、1959年2月に創業してから60年以上続く歴史ある老舗企業です。
あこや真珠の国内卸売・輸出をはじめ、南洋真珠の直輸入販売、さらにダイヤモンドの研磨や裸石の輸入販売まで幅広く手がける総合ジュエリー企業です。

ジュエリー製品の企画・製造・販売も行い、高い品質と確かな専門知識で、真珠をはじめとする宝石の魅力を国内外へ発信しています。
真珠の検品、仕入れ、ECでの販促業務を担当をされている星野哲志さんにお話しを伺いました。

真珠 の歴史

画像参照元サイトhttps://www.pdup.jp/archives/4731
まずは、真珠にどのような歴史があるのかをご紹介します。
真珠の歴史は古く、日本における最古の真珠は縄文時代中期後半(紀元前約3000年〜2000年)のものとされ福井県の鳥浜貝塚から出土した『トリハマ・パール』とされています。

他国と同様にアコヤ真珠の一大産地でもあり、古代の日本人は真珠を中国への朝貢品として使用し、真珠は日本最古の輸出品のひとつでした。
真珠の産地オリエント地域の地図
トリハマパールが見付かるまでは、ヨーロッパが世界最古の産地と呼ばれていました。

その真珠の産地の中心は、オリエント地域のペルシャ湾のバハレーン島。 そしてもう1つが南インドのマンナル湾といわれ、特にバハレーン島は真珠貝が数多く生息されていたそうです。

紀元前4世紀、アレクサンドロス大王の東征を契機にギリシア・エジプト・中東世界とインド洋・ペルシア湾を介した交易路が次第に開かれました。
1世紀ごろには、古代ローマ帝国にもインド・スリランカ・ペルシア湾産の真珠や宝石が、エジプト・紅海経由のルートを通じて大量に運ばれるようになりました。

真珠 はどうやってできるの?

古代から愛されてきた真珠。
天然真珠の時代は『最も手に入りにくい宝石』とされ、とることが困難とされていました。現代は"養殖真珠"の誕生により、出回っている真珠のほとんどが養殖のものとなり、『身近な宝石』のひとつとなりました。とはいえ、母貝の生息地域や特性もあり希少性や価値がある宝石に変わりありません。
真珠の養殖
そんな養殖真珠がどのようにできていくのか、星野さんにお聞きしました。
ーーお忙しいところお時間をいただきまして、ありがとうございます!
今回真珠についてのイベントを開催するにあたり、真珠についていろいろきかせていただきたいと思います。
そもそも真珠は、どのようにできるのでしょうか?
星野さん:大まかにお話しすると、外套膜片(がいとうまくへん)であるピースと核を貝の軟体部分にいれると、真珠袋を形成して徐々に真珠となっていきます。
古代から愛されてきた真珠。
天然真珠の時代は『最も手に入りにくい宝石』とされ、とることが困難とされていました。現代は"養殖真珠"の誕生により、出回っている真珠のほとんどが養殖のものとなり、『身近な宝石』のひとつとなりました。とはいえ、母貝の生息地域や特性もあり希少性や価値がある宝石に変わりありません。

そもそも真珠は、貝が自分の体を守ろうとして分泌する"真珠層"が何層にも重なってできたのが真珠です。自然の仕組みと人の技術が合わさることで、私たちが見る天然真珠や養殖真珠となるのです。
この2種の真珠誕生の違いについて、ご紹介します。
真珠ができる工程
① 外套膜片と核を貝の軟体部分に入れると、核を膜でそれを包み込みます。
② 細胞が増殖することで真珠袋を作ります。
③ 真珠袋の細胞が生み出すナクレが少しずつ層を重ねていき、何千もの層が光沢ある真珠層を作り上げていきます。
① 外套膜片と核を貝の軟体部分に入れると、核を膜でそれを包み込みます。
② 細胞が増殖することで真珠袋を作ります。
③ 真珠袋の細胞が生み出すナクレが少しずつ層を重ねていき、何千もの層が光沢ある真珠層を作り上げていきます。
ーーそんな仕組みで作られていたんですね!神秘的に感じますね。
真珠ができる貝は2枚貝といイメージが強いのですが、できないものもあるのですか?
星野さん:真珠を作る貝のことを母貝(ぼがい)というのですが、どんな貝が真珠の母貝になるのか気になるところですよね。真珠の作られ方も含めて、特別講座で詳しくお伝えしたい思います!
真珠がどのようにできるのか、真珠を作る母貝について、
そして、天然真珠と養殖真珠の違いについてなど、
真珠の特別講座でいっぱい学びましょう!
真珠がどのようにできるのか、真珠を作る母貝について、そして、天然真珠と養殖真珠の違いについてなど、真珠の特別講座でいっぱい学びましょう!
● 天然真珠の誕生
天然真珠の誕生は、貝の体内に砂粒や寄生虫など異物が入り、①貝が防御反応として外套膜(がいとうまく)の細胞が異物を覆うように増殖します。この外套膜は、貝柱や内臓と貝殻の間にある薄い膜状となっていて、貝殻や真珠を作る"生産工場"という非常に重要な器官です。②細胞が増殖することで真珠袋を作ります。 ③真珠袋の内部の細胞が分泌液のナクレを出します。ナクレの主成分となるアラゴナイト(炭酸カルシウムの微細結晶)とこの結晶をつなぐ成分のコンキオリン(たんぱく質)が、レンガ+セメントのように0.3〜0.5ミクロン程度の超薄膜が何千〜何万層も重なりながら丸く固まっていき、真珠層となります。 この真珠層は時間がかかればかかるほど分厚くなり、深みのある光沢(テリ)と耐久性が生まれ、価値も上がります。数年~数十年かけてゆっくり成長する偶然の産物のため、希少性が非常に高い真珠となるのです。
天然真珠の誕生は、貝の体内に砂粒や寄生虫など異物が入り、①貝が防御反応として外套膜(がいとうまく)の細胞が異物を覆うように増殖します。この外套膜は、貝柱や内臓と貝殻の間にある薄い膜状となっていて、貝殻や真珠を作る"生産工場"という非常に重要な器官です。②細胞が増殖することで真珠袋を作ります。

③真珠袋の内部の細胞が分泌液のナクレを出します。ナクレの主成分となるアラゴナイト(炭酸カルシウムの微細結晶)とこの結晶をつなぐ成分のコンキオリン(たんぱく質)が、レンガ+セメントのように0.3〜0.5ミクロン程度の超薄膜が何千〜何万層も重なりながら丸く固まっていき、真珠層となります。 この真珠層は時間がかかればかかるほど分厚くなり、深みのある光沢(テリ)と耐久性が生まれ、価値も上がります。数年~数十年かけてゆっくり成長する偶然の産物のため、希少性が非常に高い真珠となるのです。
真珠ができる工程
真珠ができる工程
① 異物の周りに外套膜が増殖し、真珠袋を形成する。
② 真珠袋が完成。
③ 真珠袋の内部からナクレを出し、真珠層ができていく。
● 養殖真珠の誕生
養殖真珠の場合、海水真珠(アコヤ真珠や白蝶真珠)と淡水真珠(イケチョウ貝の真珠)で作り方が異なります。

まず、貝の体内の中にある柔らかい組織の生殖腺の中に、異物となるものを入れるのですが、海水真珠は核(球形のビーズ)、淡水真珠は外套膜片を入れることにより、自然真珠のような同じ反応を起させて作ります。


なぜ海水真珠と淡水真珠とで、異物となるものが異なるのでしょう?
それは、淡水真珠の母貝となるイケチョウ貝やヒレイケチョウ貝などは、外套膜の組織である外套膜片が自己増殖し、核がなくてもその細胞のかたまりを中心に真珠層を分泌されるからです。(有核養殖もできますが、無核養殖の方が良質な真珠ができます)

無核養殖された真珠は、真珠貝の細胞片の周りに真珠層が作られるため、ほぼ100%の真珠質の真珠です。そして、 海水真珠は1つの母貝から1個の真円の真珠とれますが、淡水真珠は1つの母貝で作られる真珠の数は約10~40個。しかし、真円のものはほとんどとれず、そのほとんどがバロック型などのさまざまな形状になりまります。

真珠の種類と産地

真珠といっても、母貝によってさまざまな種類があり、海だけでなく湖でとれるものもあるので特徴も違います。大きく分けると5種類の真珠があり、アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠、淡水真珠です。

これらの真珠の産地、大きさや色の特徴を星野さんに聞かせていただきました。
ーー主な真珠として、アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠、淡水真珠の特徴や産地などを聞かせてください。
アコヤ真珠
星野さん:まずアコヤ真珠は、アコヤガイから採れる真珠で、大きさ7~8cmほど、厚みは3cm程度の二枚貝です。
養殖では愛媛県の宇和海、長崎県の大村湾、対馬、三重県の英虞湾が産地として有名で、真珠の大きさは3~9㎜がメインとなり、稀に10㎜を超える真珠も産出されます。

代表的なホワイトカラー以外に、イエローやピンクなどのカラーバリエーションがあります。
次に白蝶真珠は、シロチョウガイから採れる真珠で、直径20㎝以上の大ぶりな二枚貝です。
オーストラリアで採れる「シルバーリップ」と呼ばれる真珠層の周縁部が銀白色の母貝から、ホワイト・シルバー系の大粒の真珠が生まれます。主なサイズ(直径)は10〜15㎜で、稀に20㎜を超える真珠も産出されます。

「ゴールデンリップ」と呼ばれる真珠層の周縁部が黄色の母貝から採れるゴールドの色合いが目立つものを、南洋ゴールド真珠と呼びます。主にフィリピン、インドネシアなどの東南アジア海域で産出されます。
この特別なカラーは希少性が非常に高く、生産地も限られており、主なサイズは10〜13mmほどです。
次に黒蝶真珠は別名「タヒチアンパール」とも呼ばれ、おもに南太平洋のタヒチで産出されるクロチョウガイから採れます。
真っ黒な真珠をイメージされますが、黒のみならず、グリーン、ブルー、イエロー、グレーなどバラエティあふれる色を持つのが特徴です。
主なサイズは8〜13mmであり、特に15mm以上の真珠は希少でになります。
黒蝶真珠の産地タヒチ
黒蝶真珠の産地タヒチ
次に淡水真珠についてなのですが、あこや真珠や黒蝶・白蝶真珠が海にいる貝から採れるのに対し、川や湖にいる貝から生まれるのが淡水真珠です。
以前は日本国内の琵琶湖や霞ヶ浦などで養殖されていましたが、現在では中国で多く養殖 され、カジュアルなジュエリーに用いられています。
ーー母貝の大きさよりも大きな真珠ができることもあるんですね!
真珠のカラーバリエーションの多さにも驚きです。
星野さん:真珠の種類ごとに、それぞれ違った個性と美しさがあります。特別講座では、実際に真珠を見て触れて、その魅力をじっくり感じてみてください!
特別講座では、星野さんが用意してくださった真珠を
実際に見て、触れていただくことができます。
珍しい真珠や貴重なものも見ることができるかも・・・!?
特別講座では、星野さんが用意してくださった真珠を実際に見て、触れていただくことができます。

珍しい真珠や貴重なものも見ることができるかも・・・!?
■ 産地
日本 (三重県、愛媛県、九州地方)
■ 大きさ
一般的な大きさ7~9mm、最小で3mm、最大で11mm
■ 色のバリエーション
ホワイトピンク、ホワイトグリーン、クリーム、イエローゴールド
■ 特徴
日本でもっとも多く養殖がされている真珠。
透明感と強いテリ(光沢)があり、真円に近い形状が多い。
最も古く「和珠」「本真珠」とも呼ばれていたアコヤ真珠は、日本近海に生息するアコヤ貝からとれる真珠です。そして、日本でもっとも多く養殖がされている真珠でもあります。

大きさは、7~9mmが一般的で、最小で3mm、最大で11mmの真珠もあります。
透明感と強いテリ(光沢)が特徴で、きめ細かな真珠層から柔らかな美しさを放ちます。真珠の色はホワイトピンク系、ホワイトグリーン系からクリーム系、イエローゴールド系といった物が中心です。

アコヤ真珠は真円に近い形が多く、その美しさの秘密は日本の四季に関係もあり、養殖の浜上げは冬に行われ、水温低下によりきめ細かな真珠層を巻き上げる(化粧巻き)からです。

冠婚葬祭のパールネックレスやパールイヤリングなどのジュエリーに仕立てられます。
● 白蝶真珠
■ 産地
オーストラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、日本(沖縄、奄美大島)
■ 大きさ
一般的な大きさ10~12mm、最大で15~20mm
■ 色のバリエーション
ホワイト、シルバー系、ゴールド、イエロー系
■ 特徴
母貝の中で最大級の白蝶貝からとれる真珠。
透明感と重厚で深みのあるテリがある。
養殖真珠の母貝の中で最大級の白蝶貝からとれる真珠です。

白蝶真珠の大きさは、母貝の大きさから10~12mmが一般的で、大きいものは15~20mm以上の大粒真珠もあります。

色は母貝の種類や産地によって異なり、ホワイト、シルバー系の真珠はシルバーリップ(貝の内側が銀色)、ゴールド、イエロー系の真珠はゴールデンリップ(貝の内側が金色)からとれます。
白蝶真珠は、アコヤ真珠にはない独特の透明感と、重厚で深みのあるテリから高級感があります。

真珠の粒の大きさを生かして、カジュアルなパールリングやパールイヤリングなどのジュエリーに仕立てられます。
● 黒蝶真珠
黒蝶真珠
■ 産地
フランス領ポリネシア・タヒチ
■ 大きさ
一般的な大きさ10mm、最大で15mm以上
■ 色のバリエーション
ブラック系のダークカラー(光沢によりグリーン、グレー、レッドなど)
孔雀の羽のような色合いのピーコックグリーン。
■ 特徴
真珠貝の中でも特に活動的な黒蝶貝からとれるので、サークルを巻いた真珠やバロック型など多様な形状がある。
南洋の黒蝶貝からとれる真珠で、主な産地はタヒチですがクック諸島やフィジーなどでも養殖されています。

大きさは、8ミリ〜13ミリと大きさに幅があり、一般的な大きさは10mm前後、まれに希少な15mm以上の大きさもあります。
真珠の色はブラック系のダークカラーが特徴ですが、光の干渉によりグリーン系、グレー系、レッド系などの色もあります。
深い緑に赤みがかった反射のある孔雀の羽のような色合いのものは「ピーコックグリーン」は人気があり、美しい色として高い価値があります。

真珠貝の中でも特に活動的な黒蝶貝からとれるので、サークルを巻いた真珠やバロック型真珠もなど多様な形状が存在します。

落ち着きのあるダークカラーを生かし、パールネックレスやリングなどのジュエリーに仕立てられます。
黒蝶真珠
● マベ真珠
■ 産地
日本(奄美大島)、フィリピン、台湾、香港
■ 大きさ
一般的な大きさ10~ 20mm(特に13~15mmが中心)、最大で30mm以上
■ 色のバリエーション
ピンク、ブルー、グリーン、メタリックゴールド
■ 特徴
半球状の形で、オーロラのような虹色が特徴。
母貝であるマベ貝は、大きさが20~30cmもある国内最大級の真珠貝で、内側は鮮やかな虹色をしており「世界で最も美しい真珠貝」とも呼ばれています。
その生息数は少なく、潜れないような海域に生息しているため「幻のパール」とも呼ばれていました。

大きさは、10~20mmが一般的で、特に13~15mmが中心となり、大きいものでは30mmを超えるものもあります。

マベ真珠の独特な形状は、潮流の早い海域に生息しているマベ貝が身が大きく筋肉質なため、養殖時に核を埋め込むと体外に吐き出してしまうのです。そのため、貝殻の内側に核を貼り付けて真珠層を覆わせるので、接着面には真珠層が形成されず、半球状の真珠ができます。

色は、オーロラのような虹色が特徴で、ピンク、ブルー、グリーン、メタリックゴールドなどの幅広いナチュラルカラーが楽しめます。

半円形で大粒な特徴を活かした、一粒でも存在感のあるネックレスやリングなどのジュエリーに仕立てられます。
● 淡水真珠
■ 産地
中国、日本(滋賀県の琵琶湖、茨城県の霞ヶ浦)
■ 大きさ
一般的な大きさ2~10mm、最大で20mm以上
■ 色のバリエーション
ホワイト、ピンク、オレンジ、パープル
■ 特徴
バロックなどのユニークな形。
染色処理やY線照射、硝酸銀による黒染めなどの加工で、ブルー、グリーン、レッド、多少光沢やメタリックな光沢の真珠もある。
淡水真珠とは、湖など淡水に生息する母貝からとれ、池蝶貝(イケチョウ貝)や三角貝とも呼ばれる鰭池蝶貝(ヒレチョウ貝)などの大型二枚貝です。
主な産地は中国ですが、日本の琵琶湖や霞ヶ浦でも養殖ができるようになり、琵琶湖の真珠はビワパールと呼ばれています。

大きさは、2~10mmまで幅広く、大きいものは20mm以上のものもあります。
サイズが大きいほど希少価値は高くなりますが、品質が良くバロックなどのユニークな形の小さな真珠も同様に価値があります。
淡水真珠のカラーバリエーションは多く、ホワイト、ピンク、オレンジ、パープルなどが一般的で、これらの天然色は貝の種類や養殖環境によって決まります。
染色処理やY線照射、硝酸銀による黒染めなどの加工 で、ブルー、グリーン、レッド、さらにピジョンネックブルーのような多色光沢や、メタリックな光沢の真珠もあります。

形状からカジュアルなネックレスやピアスなどのジュエリーに仕立てられます。

真珠の見分け方

アコヤ真珠
ーー真珠の種類ごとの特徴について聞かせていただきましたが、同じ種類でも価値などの差が起こると思います。

星野さんの目から見て"良い真珠"とは、どんな真珠ですか?
星野さん:私の意見にはなりますが、6つの要素をより良く満たしている真珠は"品質の良い真珠"であると思います。
ーーその6つの要素とは?
星野さん:真珠を評価する際の基準となる要素は「巻き」、「テリ」、「キズ」、「形」、「大きさ」、「色」になります。
星野さん:ですが、人によって“良い真珠”が異なります。
例えばデザインによって希望する真珠のサイズや色は変わります。 なので、人それぞれ”自分に合った良い真珠”を探して頂きたいです。
ーー初心者の方が、真珠を購入するときに、気をつけるべきポイントはありますか?
星野さん:気をつけるポイントとしては"サイズ"に関してです。
特にアコヤ真珠は0.5mm刻みで販売しているところが多いため、デザインの際は気を付け たほうがよろしいです。

また真珠は 1 つ1つ異なります。一度気に入った真珠は手に入れないとまた出会うことのできる機会はほぼございません。自分の中でピンときた真珠に出会えた時は、購入しておいたほうが後悔が少ないかもしれません。
ーー本当にそうですよね!サイズひとつ違うだけでも印象が変わりますし、真珠との"出会い"はまさに一期一会。
ピンとくるものを見つけた瞬間の特別感は、真珠ならではだと思います。

● フェイクパールの見分け方 ●

ーー近年はフェイクパールも非常に精巧に作られており、パッと見では見分けがつかないこともあると思います。
どのようなフェイクパールがあるのか、まとめてみました!
ーー本物との見分け方で意識すべき点はありますか?
星野さん:フェイクパールとの見分け方は、3つあります。
1つ目が「重さ」です。真珠のほうが重くフェイクパールは軽いです。

2つ目が「表面」です。真珠同士をこすり合わせた際に滑らかな感触があればフェイク、ざらついて引っかかるような感覚があれば本物です。ただし、表面が傷つく可能性があるので、売り物で行うのは避けましょう!

3つ目が「温度」です。持った時にひんやりとした感覚があり、徐々に体温が伝わり温かくなると本真珠。しかし、ガラスのフェイクパールの場合は、少し冷たさがあるので分かりずらいと思います。
ーーこの見分け方なら、私でもできそうです!
特別講座では、
実際に真珠を見比べながら良質な真珠を確認することができます。
講座の講師でもある星野さんに直接見比べコツを教わりましょう!
特別講座では、実際に真珠を見比べながら良質な真珠を確認することができます。

講座の講師でもある星野さんから直接見比べコツを教わりましょう!

真珠の見分け方

● 偽物の種類
やさしく輝く真珠。ひとつ身につけるだけで、装いに上品さを添え、古くから多くの人を魅了してきました。
ですが市場には、本真珠によく似た"フェイクパール(イミテーションパール)"も多く出回っています。見た目はそっくりでも、自然が生み出した真珠と人工的に作られたものとでは、価値に大きな違いがあります。

近年のフェイクパールの質が向上したことで、パッと見で見分けがつかないほどになりました。
その種類は貝パール、花珠貝パール、マジョリカパール、コットンパール、ガラスパールがあり、それぞれ違う素材でできています。素材別にどのような特徴があるのかご紹介します。
〇貝パール
本真珠を模したフェイクパールで、シェルパールとも呼ばれています。
天然貝核に、「パールエッセンス」と呼ばれる塗料が何度も塗り重ねて、層を人工的に形成させたもので、別名「シェルパール」とも呼ばれています。光の多重層反射による輝きが生まれます。
〇 プラスチックパール
プラスチックを核に真珠箔や塗料をコーティングした軽量なフェイクパールです。汗や水に強いため日常使いのアクセサリーに適しています。
表面はツルツルとし、平坦で人工的な光沢が特徴です。本真珠が持つ微細な凹凸やしっとりとした質感やずっしりとした重みはありません。
〇 ガラスパール
ガラスビーズを核に真珠箔やパール塗料を重ねて作られるので、適度な重厚感、強い光沢、そして多様な形状加工ができます。
プラスチックパールよりも重量感があり、本真珠に似た高級感のある輝きを放ちますが、光沢が強すぎるため、本物の真珠の奥深い輝きとは異なります。
〇 コットンパール
圧縮形成した綿にパール塗装を施したもので、非常に軽量なフェイクパール。セミマットな質感、温かみのあるナチュラルな風合いから、ヴィンテージビーズのような見た目が特徴です。
中身が綿のため水に弱く、強い衝撃で傷や変形をすることがあります。

真珠の価値とは?

ーー最近は、温暖化の影響などで真珠の数が減り、価格も上がっていると聞きます。
そんな中で "ブランドとしての価値"を保つために、東京真珠さんが大切にされている考え方や基準はありますか?
星野さん:近年、温暖化などの影響で真珠の生産量や価格に変化がある中で、東京真珠では品質とブランド価値を守ることを最優先に考えています。
特に日本の宝石であるアコヤ真珠については、その美しさや希少性をしっかりと維持し、ブランドとしての価値を高めることを大切にしています。

そのために、真珠を生み出す養殖業者との密なコミュニケーションを欠かしません。作り手の思いや技術を理解することで、選別や加工の段階でもその価値を最大限に引き出すことができます。
つまり、真珠一粒ひと粒には、作り手の想いと、日本の海という自然との協働によって生まれる唯一無二のストーリーが込められています。

東京真珠は、流通の中核にあるメーカーとして、こうした品質とストーリーを一体としてお届けできることに誇りを持っています。
星野さん:近年、温暖化などの影響で真珠の生産量や価格に変化がある中で、東京真珠では品質とブランド価値を守ることを最優先に考えています。
特に日本の宝石であるアコヤ真珠については、その美しさや希少性をしっかりと維持し、ブランドとしての価値を高めることを大切にしています。

そのために、真珠を生み出す養殖業者との密なコミュニケーションを欠かしません。作り手の思いや技術を理解することで、選別や加工の段階でもその価値を最大限に引き出すことができます。
つまり、真珠一粒ひと粒には、作り手の想いと、日本の海という自然との協働によって生まれる唯一無二のストーリーが込められています。

東京真珠は、流通の中核にあるメーカーとして、こうした品質とストーリーを一体としてお届けできることに誇りを持っています。
ーーとても素敵なお話ですね。真珠を単なる素材ではなく、"物語をもつ宝石"として大切にされている姿勢に感動します。生産者の想いと自然の恵み、その両方を大切にしながら品質を守り続ける取り組みが、東京真珠さんのブランド価値を支えているのですね!

では最後に、星野さんにとって、真珠の魅力とはなんでしょうか?
星野さん:人と海、貝の3つの要素が複雑に絡み、はじめて1つの真珠が生まれます。そして真珠が生まれるまでには様々なドラマがあり、語り切ることはできません。そのドラマも感じ取っていただくためにも、まずは1つ1つ真珠を手に取ってみてください。
そして次は、皆さんがジュエリーにすることで、真珠の輝きはより一層増すことになります。
星野さん:人と海、貝の3つの要素が複雑に絡み、はじめて1つの真珠が生まれます。
そして真珠が生まれるまでには様々なドラマがあり、語り切ることはできません。そのドラマも感じ取っていただくためにも、まずは1つ1つ真珠を手に取ってみてください。

そして次は、皆さんがジュエリーにすることで、真珠の輝きはより一層増すことになります。
ーー素敵な言葉をありがとうございます!
講座に参加された皆さんが、たくさんのドラマがある真珠を使ったジュエリーを作り、お客様に届けられるよう、改めて真珠と向き合っていただけたらと思いますね!

真珠についての貴重なお話しを聞かせてくださり、本当にありがとうございます!
真珠の特別講座をとても楽しみにしてますので、引き続きよろしくお願いいたします!
いかがだったでしょうか?
真珠の事前知識コンテンツとして、東京真珠株式会社の星野さんに貴重なお話しをまとめさせていただきました!
インタビューでは、コンテンツにはのせていない真珠に関する最新情報なども聞かせていただき、もしかしたら講座でさらにいろいろ聞けるかもしれません✧

日本を代表する真珠専門の東京真珠株さんから直接学ぶことのできる貴重な講座です。
ぜひ参加して、真珠の魅力を実際に見て、触って、実感してください♪

真珠の豆知識

ヨーロッパと同様に真珠を『富と権力の象徴』としていた古代のエジプトでは、紀元前3200年頃から真珠を王朝に献上されており、エジプト最後の女王であるクレオパトラも愛好者の一人でした。
そのクレオパトラと真珠にまつわる有名なエピソードがあります。
ティエポロ「クレオパトラの晩餐会」の絵画
ティエポロ「クレオパトラの晩餐会」
エジプト最後の女王となったクレオパトラは、歴史上もっとも大きな天然真珠の耳飾りを持っていたことで知られています。

当時、古代ローマの政治家でもあった将軍アントニウスがエジプトに来た際に、クレオパトラは連日豪華な宴会を開き、女王クレオパトラはアントニウス将軍に「これまでに見たことがない豪華な宴を見せる。」という賭けを提案しました。

その後クレオパトラは宴会を開きましたが、普段の宴会とそれほど変わったところはありませんでした。アントニウスがそのことを揶揄すると、クレオパトラは真珠の耳飾りをワインビネガーに入れて溶かし、それを一気に飲み干したのです。
ティエポロ「クレオパトラの晩餐会」の絵画
ティエポロ「クレオパトラの晩餐会」
この世界最大の天然真珠は当時、小国が1つ買えるほどの価値があり、賭けは誰もが認めるクレオパトラの勝ちとなりました。

美しさだけでなく、教養と知性も備えたとされるクレオパトラらしいエピソードですね。

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