ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

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ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

ジュエリーブランドを立ち上げた。
事務的な手続き、お金の管理はどうすればいいの?

こんにちは。ラヴァーグジュエリー スクール 講師の春原です。 普段は3階工房で彫金やワックス造形を生徒さんへ教えています。
ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?
こんにちは。ラヴァーグジュエリー スクール 講師の春原です。 普段は3階工房で彫金やワックス造形を生徒さんへ教えています。

私たちラヴァーグのスタッフは、

「もっと生徒さんの役に立つにはどうしたらいい?何ができるだろう?」

と日々考えながら勉強しています。

その中での取り組みの一つをご紹介するために、今回の記事を作成しました。

ラヴァーグの特徴である、ジュエリーブランド立ち上げとジュエリーを売るためのノウハウが学べるコースはこちら↓

ラヴァーグジュエリー スクールは、作れるようになったジュエリーをゆくゆくは販売する、という目標を掲げている生徒さんも少なくありません。そんな生徒さんたちに貢献できるように、私たちも自社運営ブランドのプアアリで得た経験を元にブランディングについてアドバイスすることがあります。しかし、ブランド運営には商品開発・製作・サイトやSNS更新以外にも必要な「事務手続き・申請」というものがいくつか存在します。どんな手続きやお金の管理の方法があるのでしょうか。

ジュエリーブランドを長く続ける為に・・・「商標登録」

ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

ブランドを作ろうとした時、はじめの方にやっておいたほうがいいことは、『ブランド名』『ブランドロゴ』を決めることですよね。

ブランド名は、あなたのブランドと他のブランドを区別してもらう大切な役割がありますので、他の人に真似されたり悪用されると困ってしまいます。そんな時、ブランドを守る為にする手続きが『商標登録』です。

 

※商標・・・商品やサービスの「出所を識別するための目印」となるもの。

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登録することのメリット

自分で付けたブランド名を「ジュエリー」という商品を扱うこととセットで商標登録しておけば、法的な独占権が国から与えられますので、もし他に類似のブランド名でジュエリーを販売する人が出てきた時に権利が守られます。

せっかくのブランド名、ロゴを使えなくなってしまう不安を抱えるよりも、登録しておけば安心してブランド運営に専念できますよね。

登録しないことのデメリット

他人に「先に」同じ(または類似した)ブランド名で登録されてしまうと、権利は相手が持つことになり、こちらが事業に使えなくなってしまいます。名刺から何から変えなければならないというリスクとセットであるこということ。

ブランド名を決めるときに、商標として登録できそうかどうかもあわせて確認しておくと安心ですのでぜひ考えてみてくださいね。

 

どんなブランド名・ロゴでも登録できるの?

登録には審査があり、類似のものがすでに登録されていると登録できない場合があります。そして審査にはそれなりに時間がかかります。

ブランド名やロゴを決めるときに自分が登録したい商標が先に登録されていないか確認したい場合は、こちらのサイトで検索することができますよ。

▼ 【初心者におすすめ】  Toreru 商標検索

▼【より詳しく調べる】 特許庁データベースJ-PlatPat

登録できる商標の種類はいくつかあり、ジュエリーブランドとしては

●文字商標

●ロゴ商標

をおさえておきたいです。

たとえ 文字=「ブランド名称」で類似のものがすでに登録されていたとしても、ロゴ=ブランドロゴマークを違うものにすれば登録できる可能性があります。

また、登録方法や手続きなどはネットでも調べることができますが、 詳しくは専門家(弁理士さん)に相談されることをお勧めします!!

ブランドとして多くのお客様に認知される前に、ぜひ商標登録について考えてみてください。

ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?
ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

ブランド名の付け方や登録方法については様々な考え方や方法があること、著作権や意匠権のことなどもあるので、詳しい内容や手順はラヴァーグとしてお伝えする準備が整った時に改めてお知らせしたいと思います!!

節税効果のある確定申告を行うなら必須の手続き
開業届の提出

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ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

開業届について、なんとな~くきいたことがある方もいると思います。今回は、提出が必要な理由、提出の仕方、記入内容 について解説していきます。

個人としてジュエリーを販売をスタートするにあたり、提出が必要な場合がある届出は2種類。

いずれも「事業を始めたことを国や地方自治体に知らせる」という手続きです。

1 . 個人事業の開業・廃業等届出書
2 . 個人事業税の事業開始等申告書

1 に関しては、事業開始1か月以内に提出されることが推奨されています。

一番のメリットは確定申告で節税効果のある「青色申告」ができること。

所得税は、収入額ごとにあらかじめ決めれらた掛け率で算出します。(収入が増えるほど税率があがる累進課税)青色申告で確定申告を行う場合、経費と認められる支出が増えたり、青色申告特別控除が受けられて課税所得を抑えることができるので、結果節税につながる、というわけです。(※一定の条件を満たしている場合に限り)

経費については↓↓

他、就業の証明や社会的信用を得られるというメリットもあります。

詳しくは↓↓

<確定申告について>

所得税を納める方法として、会社員の場合は毎月のお給料から引かれることが一般的ですが、 個人で事業をする場合、自分で所得税を計算して申告をし(=確定申告)税金を支払う必要があります。

また、副業でも一定以上の収入がある場合は確定申告が必要になりますので、サイドビジネスとして始めようとされている場合もあらかじめ開業届の提出について考えておきましょう!

1 . 個人事業の開業・廃業等届出書 について

書き方

開業届は、紙の書類に手書きするか、e-Tax を通してパソコンで入力することも可能て。 ただし、手書きの場合は、必ず開業届とその控えの 2 枚を作成しましょう。

紙の場合は最寄りの税務署で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードできます。 自宅の最寄りの税務署(管轄する税務署)は、国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」から 検索できますよ。

▼国税庁等について 組織(国税局・税務署等)税務署の所在地などを知りたい場合

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提出の仕方

・税務署に直接持参

・郵送

・電子申請(IC カードリーダライタ or マイナンバーを読み取れるスマホ、 マイナンバー カードが必要)

の 3 通りです。

いずれも本人確認の書類の提示や添付が必要です。 (ちなみに、令和 3 年 4 月 1 日以降、開業届は押印不要となりました。)

 

※持参・郵送=紙での提出の場合は、 提出する1枚は手元に残らないので提出用と控えの2枚  作成しなければなりませんので覚えておきましょう!

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◇ 税務署に持参 ◇

◇ 税務署に持参 ◇

必要書類を揃えて提出し受領印が押印された開業届の控えを受け取りましょう。

◇ 郵送 ◇

◇ 郵送 ◇

必要な書類をまとめて送付します。開業届の 控えを受け取るため に、返信用封筒と切手を忘れずに

同封しましょう。

◇ 電子申請 ◇

◇ 電子申請 ◇

オンラインで申請の場合は、e-Tax の利用者識別番号の取得や e-Tax ソフトのインストールが必要です。

記入項目

1. 提出先・提出日

2. 納税地・住所

住所地・居所地・事業所の3つの中で、納税地に該当する項目を選択し「住所」と「電話番号」を 記入します。

自宅とは別に事務所や店舗を置いて事業を行う人も、一般的には自身の住民票がある「住所地」で 届出をします。

(住民票上の住所と現住所が異なる場合はまた別のケースです)

3. 氏名・生年月日・個人番号

4. 職業・屋号

職業 = 例)ジュエリーデザイナー ジュエリークラフトマン ジュエリー作家 など
屋号 = ブランド名(または事務所名、店舗名)

5. 届出の区分・所得の種類

「開業」を選択し、「所得の種類」は「事業所得」を選択します。

6. 事務所等を新設した日

「開業日」を記入します。開業日は自由に設定できます。

7. 開業に伴う届出書の提出の有無

「青色申告承認申請書」も同時に提出する場合は、上段で「有」を選択します。 下段は消費税課税事業であるかの確認です。
事業内容を簡潔に記入します。ジュエリーブランドの場合は例えば 「ジュエリーの製作・販売」 など。
決まった型はなく、伝われば OK です。

8. 事業の概要

9. 給与等の支払の状況

従業員がいる場合は記入する必要アリ

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個人事業の開業・廃業等届出書の控えが必要なとき

・事業用の銀行口座(屋号付き)の開設時
・融資を受ける際(事業を行っていることの証明)
・小規模企業共済への加入
・給付金・補助金・助成金の申請
・クレジットカードの契約やオフィスの賃貸借契約

e-Tax で開業届を提出した時には、送信したデータを印刷したものと、メッセージボックスに届いた受信通知を 印刷したものを併せて提出することで、控えとすることができます。

節税効果の高い「青色申告」で確定申告をする場合、開業届の提出は必ず必要です。 同時に「青色申告承認申請」も税務署へ提出するのですが、青色申告承認申請は、個人事業の確定申告を行う際に青色申告を 選ぶために必要な書類ですので覚えておきましょう!

2 . 個人事業税の事業開始等申告書について

都道府県税事務所と税務署の両方に届出を出す理由は、税金の種類と管轄の違いにあります。 税金には国税と地方税があり、国税を管理するのが税務署、地方税を管理するのが都道府県税事務所です。

個人事業税の事業開始等申告書は、都道府県税事務所に提出します。 以下、東京都を例にします。

書き方

東京都主税局のホームページより、PDF 版とエクセル版が入手できます。 どちらかをダウンロードし、記入します。

提出の仕方

全都税事務所、都税支所、支庁の窓口で申請の受付を行っています。 各窓口で受付の仕方が異なりますので、調べてから提出しましょう。

記入項目

開業届とほぼ同じ内容になりますが、自治体によってはマイナンバーの記入が必要な場合があります。

難しいことはありませんので、売り上げ・収入の状況から自分には「開業届の提出が必要だな」と感じたら、できるだけ早めに提出方法について確認しておきましょう!

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さて、次の項目は・・・

お金の管理をしやすくする・事業用口座の開設

ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

個人で立ち上げた事業や、フリーランスで年間20万円以上の売り上げがある場合、日本は法律で確定申告が義務付けられています。その時に必要になってくるのが、「仕入れにいくら使って」「利益はいくらだったのか」いわゆる「帳簿」です。

お金の動きを正確に把握するために。後から見返した時にわからなくなってしまった、なんてことがないように、個人のお金を管理する口座と、事業用の口座を分けておくと整理がしやすくなります。開業届を出していれば、屋号付き(ブランド名付き)の口座を作ることができる場合も!

個人と仕事のお金の管理を分ける

会社員の収入は=お給料 ですが、個人事業主には、「お給料」というものがありません。 個人事業主の場合は、

売上 – 仕入れにかかったお金など = 利益 = 自分への報酬

売上 – 仕入れにかかったお金など 

= 利益 = 自分への報酬

となります。

そして、利益の計算の際に少しややこしいのが 「仕入れ」や「売上原価」「経費」 の概念です。 仕入れは、ジュエリーなら 金属やワックス、天然石などの材料費やその送料などですね。

ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

経費は、 仕入れ以外の 事業を運営するために必要な費用 です。 (家賃、水道光熱費、通信費、交通費、消耗品の購入など。)

個人事業主としてジュエリーを作って販売するなら、本業・副業に関わらず 何が経費として計上できるか しっかり把握し、記録・管理をしていくが初めの一歩です。 銀行口座は個人用と事業用とに分けて管理をしやすくしましょう。

事業用の預金口座があることのメリット・デメリット

◇ メリット ◇

◇ メリット ◇

お金の動きがつかみやすく帳簿をつけるのが比較的、楽になる
・税理士さんなどに相談をすることが容易になる
・取引先に入金をしてもらう際に、ビジネス専門の口座がある方が信頼を得られやすい場合がある
・会計ソフトとの連携がしやすい

◇ デメリット ◇

◇ デメリット ◇

口座開設と管理の手間

事業用の預金口座(通常口座 or 屋号付き) 開設方法

必須ではありませんが、個人事業主の場合も屋号付きの銀行口座を開設することが可能です。

口座を開く銀行はお好みで大丈夫ですが、振り込みなどの各種手数料が安く、銀行や ATM に出向くことなく記録や振り込みができるネットバンキングを選ぶのも一つの手です。

 

開設の仕方は、屋号付きかどうかで異なります。 屋号付き(ブランド名付き)は、振り込んでもらう相手の信用を得やすい、という点では おすすめです。

個人事業主が 通常口座 を開設する場合と 屋号付き口座 を開設する場合には、以下のような 違いがあります。

ジュエリーブランドで起業。どんな手続きや管理が必要?

◇ 通常口座 ◇

◇ 通常口座 ◇

・ネット、テレビ電話、郵送などさまざまな方法で開設可能どの支店の口座も開設可能
・初回来店時に口座開設が可能(キャッシュカードは後日郵送) 

◇ 屋号付き口座 ◇

◇ 屋号付き口座 ◇

・窓口のみの受付
・自宅や事務所から最も近い支店の口座しか開設できない
・開設までに2~3 週間程度かかる場合もあり
・開業届の提出が必須(+それぞれの銀行によって持ち物が異なるので、事前の下調べが必須)

ネットバンキングについては、これも各銀行によって「できるできない」から必要な書類が異なり ますので、まずは希望の銀行での開設方法を調べてみましょう。

個人事業主が事業専用口座を開設するときの注意点

・審査が必要な場合がある

個事業用の口座の場合、事業の実態が分かる資料を提出したうえで審査が行われる場合があります。 審査結果によって事業用口座を作れない可能性がある点に注意が必要です。 万が一の審査落ちに備えて、口座を作る金融機関の候補を複数考えておきましょう。

・ 開設まで時間がかかる場合がある

審査に要する時間は金融機関や申し込み内容によっても異なりますが、一般的には 2 ~ 3 週間程度 の時間がかかるとされています。 審査が完了するまでは事業用口座を使うことはできないため、本格的に稼働し始める前、 できるだけ早いタイミングで申し込みましょう。

・ 事業用口座や複数口座を作れない場合がある

口座を開設する金融機関によっては、

「事業用の口座を作ることができない」

「1 人で複数の口座を持つことができない」

という場合があります。 事業用の口座は作れない規定のある金融機関で、口座を事業用に利用していることが発覚すると、 口座を差し止められる可能性もあるため注意!

事業用口座の運用ポイント

・個人用口座への資金移動は決まった額とタイミングで振り込む
業用の口座からプライベートな個人用口座に個人の生活費などを資金移動したい場合、 回数は月 1 回とし、決めた金額を一定のタイミングで振り込むようにしましょう。
さらに管理が明確になります。
・経費とプライベートの支払いは分ける

似たような支払いでも、経費になるもの・経費にならないもの に分かれます。 国民健康保険料や年金保険料、生命保険料の支払いは経費にならず、所得控除になりますので、 事業用からの引き落としにせず、プライベートの個人用口座からの引き落としにしましょう。

今回は、「商標登録」「開業届」「事業用の口座開設」3つの項目についてお伝えしました!
今後、税金や確定申告のことについても記事にしていく予定です。
To be continued・・・
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