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ジュエリーを作るのに、なんで「彫金」が大事なの?

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ハイブランドや百貨店のジュエリー売り場などに置いてある、キラキラと輝く華やかなジュエリー達はどうやって作られているのでしょうか。 ジュエリーを生み出すには色々な方法がありますが、この記事ではジュエリー製作に欠かせない「彫金」という技法にスポットを当ててみていきたいと思います。

1.ジュエリー製作をする上で欠かせない「彫金」って何?

彫金(ちょうきん)」という言葉について、何となくでも知っている方は多いと思いますが、皆さんならどう説明しますか?
ジュエリー製作について触れる時に必ず登場する「彫金」ですが、元々どういう技術を指しているのか、ちょっと調べてみました。
辞書などによると、
彫金(ちょうきん)とは、たがね(鏨)を用いて金属を彫ることを意味し、プラチナ、金、銀、銅、真鍮、錫などの金属を主材料にして作る。装飾(ジュエリー・アクセサリー)や仏具・家具などの飾り金具などを主に制作するための技術である。
とあります。
現在では一般的に、ざっくりと「金属製の装身具・装飾品を作る技法全般」を指すようになりました。 金属素材(板、棒、線など)を直接加工(削る、溶接する、磨く)して形を作っていく方法を「彫金」と呼んでいるんですね。 金属を加工していくので道具の種類が多く、溶接で「火」を使うことも特徴となっています。
では、他にどんなジュエリーの作り方があるのかというと、代表的なものはワックス造形とジュエリーCADです。 しかし、ジュエリー製作で「基礎」になるのは彫金技法なのです。

2.彫金が「ベース&ベーシック」である理由とは?

どの手法をとるにせよ、元の形をワックスで作っても、パソコンで作っても、 鋳造工程を経て金属になって自分のところに戻ってきたら
磨く・石を留める・サイズを調整する
磨く・石を留める・サイズを調整する
などは全部、金属を加工することになります。 ここまできたらもうお分かりかと思いますが、どんな作り方でスタートしても、最終的に金属加工の基礎である「彫金」のやり方が必要になってくる。だから、彫金はベースでベーシック、ということなんですね。
じゃあ彫金習ってみようかな!と思ったときに、「それぞれのスクールの違いはどんなところにあるのかな?」「自分にはどんなスクールがあっているのかな?」と思いますよね。
彫金を習える教室や工房の中には、作るデザインがガッチリ決まっていたり、何でもいいから作りたいものを教えてくれるところもあります。ラヴァーグは基礎と応用どちらも大事にしているので、チェックポイントが設定されているしっかりしたテキストがありながらも、デザインは自由。作りたいものを作りながら、基礎的なことをとりこぼしなく学べます!フリータイム制の通いやすさだけでなく、ジュエリー製作をしながら「自分の成長」も感じれる環境があります。
他にもいくつか彫金教室を選ぶ時のポイントがありますので、詳しくは↓↓の記事から!

3.彫金の基礎がわかっていると、ジュエリーのクオリティがグンとUP!!

例えば、ワックスやCADでジュエリーを作ります!という場合、彫金の知識や経験がある状態でデザインするのと、そうでない場合に出来上がるジュエリーに違いがあるのかどうか気になりますよね。
こちらは一見どう磨いたらいいかわからないデザインですが、実際のCADコースで扱っている課題です。(ブシュロン風リング)CAD総合コースでは、このリングをクオリティ高く仕上げるためのデータの作り方も一緒に学べます。
CADのデータ上で ただただ、自分が作りたいベストな形 のものができました!という場合。
さあいざ金属で仕上げをしよう!となった時に、
「あれ・・・?ここは工具が当てられなさそうだけど、どう磨いたらいいんだろう・・・」
「なるべく薄くしたくてCADデータを作ったけれど、磨いたらペラペラで薄くなりすぎてしまった・・・!」
なんて、ありそうなこととして想像できると思います。
こちらは一見どう磨いたらいいかわからないデザインですが、実際のCADコースで扱っている課題です。(ブシュロン風リング)CAD総合コースでは、このリングをクオリティ高く仕上げるためのデータの作り方も一緒に学べます。
そう。形にすることはできでも、「質の高いジュエリーに仕上げる」となると話は別。
ワックスでもCADでも、金属になって出てきた時の仕上げの仕方が想像できていないと、困ったことになる可能性があるんです。 余計な手間や労力が必要になった結果、クオリティも上がらない・・・なんてことが起きてきたりします。
でも、彫金の知識=金属加工の彫金の知識や経験があると、例えば
こういう道具をこういう風に加工したら、この部分は磨けるかな。 だからこのデザインでいけるな。
こういう道具をこういう風に加工したら、この部分は磨けるかな。 だからこのデザインでいけるな。
ここは磨きづらくなっちゃうから別々のパーツで作っておこう。片方ずつのパーツだったら磨きやすいから、金属になってからピカピカに磨いた後にロウ付したら綺麗にできるな。
などと、デザインの段階から金属になってからの仕上げについて筋道立てて考えることができます。
なので、実現性が高く、総合的にクオリティをあげた状態のジュエリーを作りたいときには、彫金が1番考え方のベースになってくるんです。
このことがわかってくると、商品としてのジュエリーを「実現性が高いレベル」で企画していくことができるようになります。
過去に、私たちラヴァーグの講師が運営に参加している自社ブランド「プアアリ」では、こんなことがありました。
ある指輪のデザインについて、クオリティの基準をクリアするためにはパーツを分けて磨く必要がある。しかしその工賃を考慮して売値を出すと、コストと価格設定が釣り合わないデザインになってしまう。企画段階でそのことがわかり、現場の判断としてストップがかかりました。 加工チームと一体となった商品企画は、実現性が高いデザインかどうかを早い段階で判断することができます。
もちろん、やってみなければわからないこともありますが、経験として知っているのと知らないのでは商品開発の実現性に影響が出ることは明らかです。 加工が大変な割に利益が薄い商品展開をしてしまう。ブランドを立ち上げたばかりの頃、販売を始めたばかりの頃はやってしまいがちですが、できるだけ回避したいですよね。

4.職人さんに頼むときのコツ

ジュエリーCADスクールでの実技
「自分でやるのが難しいなら、仕上げは専門の職人さんに頼めばいいじゃない」 そんなふうに考えることもあるかもしれません。 でも実際のところ、自分でも全然磨けないような形のものを職人さんに渡しても、仕上がり=結果は大して変わらないんです。
職人さんも人間ですから、道具を使って手仕事で磨いていくのは同じ。なんでも渡せば隅々までピッカピカにしてくれる「魔法使い」では全然ないんです。
ジュエリーCADスクールでの実技
物理的に工具が当たらないところは職人さんだって磨けません。そして職人さんは、時間内でこなせる仕事の量が多いほど収入になる、というお仕事の仕方をされています。 忙しい中でこちらの意図を100%汲んで、職人の意地を見せて「たった1個」に力を入れて完璧に仕上げてくれるかというと・・・そうではないことは理解していただけると思います。
ある程度自分で磨きの工程を組み立てたり、 「これだったら何も言わなくても磨けるよね。だって私が磨けるから。」 という状態のものを渡せば、それは高いレベルで仕上げて返してくれます。 だからやっぱり職人さんに頼むにしても、彫金の知識と経験はあるのとないのとではスムーズさが全然違います。
話は少し変わりますが、筆者は以前アクセサリーのOEM生産の会社で働いているときに、下請けの職人さんから「こんな状態じゃきれいにできないし、手間がかかりすぎて工賃が合わないよ!もっとこうしないと」なんて熱い指導をいただきながら仕事を覚えたものです。最初は話がわからないことに申し訳なさを感じながら色々教えていただきました。 そうこうしている内に、知識がついてきて企画を進める前に相談したり、できるだけスムーズに仕事を進められるように工夫することができるようになって一人前に近づけた・・・そんな経験でした。
ラヴァーグは加工現場がすぐそこにあり、スクールに通いながら職人視点のアドバイスを前もって受けられる、なかなか無い良い環境だと日々感じています!
ここで、ラヴァーグで彫金を学び、ジュエリーブランドを立ち上げ活躍されている生徒さんの声を紹介します。
清嶋あや

清嶋あやさん(AYA KIYOSHIMA)

以前のインタビュー記事より
ーー彫金、WAX、CAD、ブランディングノウハウと、今まで様々な技法や知識を習得されましたが、清嶋さんにとっては何が一番必要だと感じましたか。
それぞれに良さはありますが、一番は彫金だと思います。何を作るにも基礎の彫金は必ず必要だからです。 仮に製作は全て外注にするとしても、業者さんと話し合う際に彫金の加工工程を想像できるかは重要です。私もまだまだ学ぶ事ばかりですが、ラヴァーグには職人の先生や加工に詳しい先生が多く様々な質問ができて助かっています。
講師陣がジュエリーブランド プアアリの運営に参加しその経験を生かして生徒さんのブランド立ち上げをサポートしているラヴァーグ。
時代の流れ・トレンドの移り変わり・業界の進化によって求められるジュエリーが変わることを日々実感しています。 デザインが変われば必要な技法も変わるので、ラヴァーグでは定期的に「もっと作りたい・知りたい・販売に活かしたい」カリキュラムへとコース課題をブラッシュアップしています。
2024年7月には彫金コースの一部課題を差し替え、ブラッシュアップしてリニューアルを行いました! ブラッシュアップで新しくなった課題は、彫金コースで通学中の生徒さんや卒業した元生徒さんにも大好評・追加受講いただいています!!

5.彫金でしか作れないデザインも実はある

鋳造するとどうしても金属が柔らかく、使用に耐えらる強度のジュエリーにならないことがあります。 例えば、有名ブランド・ニーシングの「テンション留め」が施されたプラチナの指輪や、カルティエのシグネチャーアイテムである3種類の金属が絡み合ったデザインの「トリニティ」シリーズ。

画像参照元サイト

Cartier  https//www.cartier.jp

NIESSING  http//sniessing.jpja-JP

 

鋳造するとどうしても金属が柔らかく、使用に耐えらる強度のジュエリーにならないことがあります。 例えば、有名ブランド・ニーシングの「テンション留め」が施されたプラチナの指輪や、カルティエのシグネチャーアイテムである3種類の金属が絡み合ったデザインの「トリニティ」シリーズ。
また、「おばあちゃんの形見のこのチェーンを溶かして指輪にしてほしい」なんて依頼がきた場合には、まず地金を溶かすところから始めなければなりません。 ジュエリーを製作する上で出てしまった端材(ロス)を活用するにも、金属を溶かして素材を自作する「溶解」の技術は必要不可欠です。
一見、ものすごく技術が必要に思えますが、普段から彫金をやっていて金属特性を感覚としてわかっていれば、+αの知識と練習で対応できるようになります。
そうこうしているうちにラヴァーグでは、現場の「実際のところどうやってるの?」が知りたい生徒さんの声が聞こえてくるようになりました。

6.スキルアッププログラムができた理由

生徒さんの悩みを解決したい。
ジュエリーを作ることはできる。でもクオリティに自信がない。
または、商品として販売した後のアフターフォローをどう対応したらいいかわからない。
ラヴァーグで彫金を学ぶ生徒さんから、こんな声が聞こえてくるようになりました。
「楽しいジュエリー製作」から「商品レベルのジュエリー製作」へと進みたいのに、彫金の技術が追い付かなくて自信がもてないと諦めてしまう。
せっかく始めたジュエリー製作、そんなもったいないことはありません。
具体的にどんな悩みがあるのか?
つまずいてしまっているところはどこ?
生徒さんからヒアリングした結果、商品加工を行っている私たちだからこそ「彫金の技術をアップ」させ、悩みを解決できることがわかったのです。
そうして生まれたスキルアッププログラムの一部をご紹介します。

ヨレが目立ちやすい、複雑な形にも対応できる「磨き」の技術

均等な面が連なっていたり、CADで作った細かいデザインの磨き。 私たちラヴァーグの講師は、ジュエリーブランドの商品加工でこれらをクオリティ高く傷なく、ヨレることなく磨き上げることを日々実践しています。 そこには細かなテクニックや工具の使い方のコツなど、見ているだけではわかりにくいことも。方法だけでなく考え方を知ることで習得度が増し、練習を重ねることでワンランク上の仕上げの技術を身につけることができます。

リペアの技術

リペアの技術

例えばアフターメンテナンスで傷を消したり、磨き直したり、リングのサイズを変えたい、と思ったら金属を直接加工する彫金の技術は必要不可欠です。 ラヴァーグでは現役のジュエリー職人が講師をしているので、当然お客様の元に渡ったジュエリーが「サイズ直し」や「破損修理」で返ってくることもあります。中でも、サイズ直しの技術を生徒さんに学んでもらう為に実際のノウハウを課題に詰め込んでいます。
彫金技法をしっかり習得したいのであれば、基礎の彫金コースに応用のスキルアッププログラムが組み込まれたラヴァーグの彫金総合コースは自信をもってお勧めできるカリキュラムです!
このように、彫金は実際に手を動かす場合はもちろん、オリジナルジュエリーを自分のコントロールの範囲内で企画し、加工しようとするなら知っておくべき技術・考え方と言えます。
ネットでたくさんの情報が手に入る世の中ですが、WAXやCADからの流れも含め体系的に学ぼうと思ったら、細切れの動画や書籍での独学では追い付くのにとても時間がかかるジャンルです。
「彫金やってみようかな?どんな感じか知りたいな」という方は、彫金1日体験教室もやっていますのでまずは気軽に試してみてくださいね!
1日体験レッスンについて

夢を実現させた生徒さんのインタビュー記事

(彫金総合コースと、アントレプレナーコースを受講)

特別なセットコース

彫金総合 & ジュエリーCAD総合 & アントレプレナーコース
ブランド設立コース

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