EARTHRISEインタビュー ~小幡 星子~

小幡 星子
小幡 星子

EXIBITION INFO

rooms31 -EARTHRISE-

2015.9.9(WED)-9.11(FRI)

2000年に誕生したrooms合同展示会は、H.P.FRANCEが主催し、独自の世界観を持つクリエイターを集積した発信の場所として、バイヤーやジャーナリストとの出逢いやビジネスの場とすることをコンセプトに年2回開催されている。出展ブランドは500以上、来場者数は2万人を超える大型展示会。出展審査があり、厳しい審査から選ばれたブランドのみ出展できる展示会。

EXIBITION REPORT

レポーター : 中西ゆいこ

【roomsとは?】

2015.9.9(WED)から9.11(FRI)の3日間、国立代々木体育館でrooms31が開催されました。
2000年に誕生したrooms合同展示会は、H.P.FRANCEが主催し、独自の世界観を持つクリエイターを集積した発信の場所として、バイヤーやジャーナリストとの出逢いやビジネスの場をすることをコンセプトに年2回開催されています。出展ブランドは500以上、来場者数は2万人を超える大型展示会。ある一定のクオリティを超えたブランドが審査で選ばれて出展できる展示会です。

【エシカルジュエリーとは?】

人や社会・自然環境に配慮をした素材(フェアトレードやリサイクルの素材)を使用して作るジュエリーのことをエシカルジュエリーと呼ぶ。紛争ダイヤモンドなど紛争の引き金となる素材を使用しないことや、採掘や生産の過程において不当に低賃金な労働や児童労働が存在していない鉱物を使用したジュエリーのことを指す。また、「負の要素」のないジュエリーとして、結婚指輪等の記念的な用途にも用いられる。(Wikipedia参照)

小幡 星子
小幡 星子
小幡 星子
小幡 星子
小幡 星子
小幡 星子
【EARTHRISEデザイナー小幡星子さんがジュエリーデザイナーになるまでのお話】

今回、取材にご協力して下さったEARTHRISEデザイナーの小幡星子さんについてご紹介します。

小幡さんは幼少の頃より両親の影響でタイ、ミャンマー、バングラデシュ、アフリカなどの発展途上国へ募金や物資の支援に意欲的に取り組んできました。
同時に、おばあちゃんが亡くなるまで指輪を大切につけていたことがとても印象深く、中学生の頃はジュエリーデザイナーになりたいと思っていました。
しかし、周りの大人たちからは「ジュエリーデザイナーは稼げない」「そういった仕事は金銭的に余裕のある人でなければ無理だよ」と反対され、憧れを抱いたまま、その気持ちを一度封印します。

将来は国際協力に努めようと考え大学に進学してから国際関係論、各国の文化、思想等を学んできました。
大学卒業後は大手不動産会社企画部へ勤務しながら、途上国の人々との出会いの中で発展途上国との関わりについて模索する日々が続きます。

辿り着いたのは宝石や金、プラチナや宝石といったジュエリーに関わる大半の素材が発展途上国から産出されているということ。
兼ねてから思いを寄せていた国際協力とジュエリーデザイナーという一度封印した夢がひとつに繋がり、ジュエリー業界へと転職を決意します。

世界5大宝飾店の銀座本店で販売経験を積む傍ら、Lavagueジュエリースクールでジュエリー製作の技術を学びます。

CADコースで思い描くデザインを形にする手法と、アントレプレナーコースでブランディングと独立起業のノウハウを学び、本格的に活動を開始していきます。

また、同時に自らミャンマー、スリランカ、パキスタン、インドネシア、フィリピンなど現地パートナーと共に「エシカル」な宝石の流通経路の開拓、仕入れなど、独自の販路確保に取り組みながら着々と準備を進めていき、2011年に遂に待望のエシカルジュエリーブランド「EARTHRISE」を設立します。

独立する前から、小幡さんの活動は口コミで広がっていき、国内外からオーダーを受けていました。

ブランド設立から4年。小幡さんのコンセプトに共感をしたファンの方々の支えもあり、表参道に「EARTHRISE本店」をオープンしました。

現在は、「EARTHRISE」の成長と共にエシカルジュエリー活動の一貫として、宝石産出国の小規模鉱山で働く人々の労働環境の改善、物資の支援、児童労働の撲滅を目指して活動中です。

【今回、roomsへ出展することになったきっかけや目的は何でしたか?】

百貨店(ポップアップショップへの出店)、セレクトショップ様とのお取引を目的として出展しました。

【roomsは今年、エシカルエリアが拡大され、様々なエシカルブランドが出展していました。そこから、受けた刺激や「エシカル」というカテゴリーの成長に対して感じる事、考える事等を教えていただきたいです。】

最近、様々な分野でエシカルブランドが増えたように感じていました。roomsに出展したことで、今まで知らなかったエシカルブランドとも出会え、とても良い刺激を受けました。嬉しい反面、EARTHRISEの考える「エシカルジュエリー」がどのようなものなのかを明示することの大切さを改めて実感しました。

【rooms会期中のエピソードで嬉しかったり、何か新しく気づくきっかけになったこと・勉強になった事があれば教えて下さい。】

■嬉しかったこと
ジュエリーのデザインや品質に対する評価が高かったこと、また取引希望のお話を早々からいただけたことが嬉しかったです。
エシカルやフェアトレードという言葉に頼るのではなく、世界に通用するジュエリーブランドとして、0.01%に至るまで妥協のない素材・デザイン・モノづくり・品質を追求して制作しています。
なので、そのあたりを評価されたことはとても嬉しいです。
弊社の認知度はまだまだ低いため、今回の出展で様々な方に認知されたことも嬉しかったです。
 
 
■気付き、勉強になったこと
多くのブランドが出展するrooms。限られたスペースをブランドとしてどう表現するか、ブースで足を止めてもらえる工夫など、多く勉強になりました。

【EARTHERISEは今後どのように成長させていきたいと考えますか?】

焦らずじっくりブランドを育てていくことを念頭に置きながら、
■国内
百貨店のポップアップショップへの出店を通じて、認知度とEARTHRISEファンを増やしていきたいと考えています。また、取扱店舗を徐々に増やしていきたいと考えています。
 
■国外
エシカル素材の種類を増やすことで、ジュエリーのバリエーションを広げていきたいと考えています。現在、パキスタンの鉱山から宝石を買い付けて研磨をする現地の職人と協力し合い、工房設立を目指して活動しています。

小幡 星子
小幡 星子
小幡 星子
小幡 星子
【今後、ジュエリー制作を始めようとしている人・ブランドを立ち上げようと考えている方へアドバイスをお願いします。】

ジュエリーは、自分の軸、生き方がダイレクトに反映すると実感しています。
自分なりの目的をきちんと持ち、制作に取り組むことで、より良いジュエリーが生まれ、良い結果も得られます。
ジュエリー制作のきっかけは「ジュエリーが好きだから」でも良いと思います。私も大好きです。
もしブランドを立ち上げて商売としてやっていきたい…という場合は、ビジョンが明確な人ほど成功していくと思います。

自分の思い描くジュエリーが形となり光輝いたときの感動、自分が作ったジュエリーを誰かが大切にしてくれることの喜び、どれも掛け替えのない宝物です。ご興味のある方は、ぜひ一歩足を踏み出してみてください。

EARTHRISE The Ethical Jewelry

小さな頃からの経験が結びつき、ぶれずに一本の芯を貫いてきた小幡さん。
その目で見て、自分自身が感じた本当に大切な事を形にして世に広めていく事は、決して簡単な事でもなければ、誰しもが出来るというわけでもありません。だから、今回取材をしてみて心から尊敬しました。

ただ、小幡さんも言うようにきっかけはなんでも良いのだと思います。
好きだったり、興味がある事というのは、それだけで私は才能なのだと思っています。

大切な事は、気持ちのお蔵入りをするのではなく、一歩目を踏み出すこと。自分が大切にしている気持ちに真剣に向き合う事。

その先には、充実した豊かな人生がきっと待っています。

小幡さんの記事をまとめながら、改めてそう感じました。

これからも小幡さんらしいエシカルが世に浸透していき、笑顔が増える事を願っています。

小幡 星子

小幡 星子小幡 星子

小幡 星子
011年エシカルジュエリーEARTHRISE創業。
同年、スワロフスキーGEMsコンテスト受賞。
2012年よりジュエリー雑誌『Jewelit』に「New Luxury, Ethical Style」コラム執筆中。
2015年6月表参道ヒルズ裏にEARTHRISE表参道本店OPEN。
[きらめく世界を、つむぐ。]をコンセプトに、途上国を中心とした10カ国以上のエシカルな素材の開拓から、デザイン、制作までプロデュースしている。
http://www.earthrise-j.com/

ページトップへ