彫金での作業の場合、基本的には地金全体に均等に火をあててから冷ませば焼きなまし完了です。
圧がかかって密度が高くなっている金属組織をほぐすことにより、再び地金をやわらかく延展性のある状態に戻してあげることができるのですが、金種によって戻し方が少し異なります。
シルバーやゴールドの場合、地金がうっすら赤みを帯びるまで熱しすぐに水に入れて急冷することでなまされます。
また、シルバーはゴールドと比べて硬化するまでに余裕があるので焼きなましの頻度は少なくて済みますが、熱する際に火むらが出ないように火のあて方に注意が必要です。
プラチナの焼きなましはうっすら赤みを帯びるまで火を入れるところまでは同じなのですが、すぐに水に入れず室温で徐冷することによりやわらかくなります。
急冷すると逆に硬くなってしまうので使い分けが必要になります。