金属切削ってなに?

今回は機械によるジュエリーの製造方法のご紹介をします。

ジュエリーの作り方は火を使って溶接したり、ヤスリをかけて成形して作るだけでは無いんです。

ご存知の方も多いかもしれませんがパソコンを使って3Dのデータを作り、そのデータを元に形にしていくやり方がいまではかなり主流の制作方法です。

 

皆さんに今回お話しするのはその3Dデータを作ったその後、どんな機械で作られていくのか具体的にお話していきたいと思います。手作りの現場とはまた違った中で得た情報をお話します!

“切削”と聞いて「おっ!?」なんて思う人はなかなかマニアックな方。でも今日これを読んだあなたもマニアの仲間入りです。

ジュエリーCADとは

さてさて、先ほど触れた3DデータはCAD(キャド)データとも呼ばれていてコンピューターによって作られたデータの事を呼びます。

現在の殆どのジュエリーブランドでは、作業効率を上げる為にライノセラスなどの3D作成ソフトを使って、そこからデータの形状によって3Dプリンターまたは切削など加工方法を選ぶことで作業効率を上げています。

もちろん機械加工のみで製品にする事は出来ないので、職人による手作業の部分が入って来ますが、一昔前に比べると格段に効率的に作っています。小ロットでも受注してくれるお店も増えて来ましたね。

ラヴァーグの先生達が作っているプアアリの商品にも勿論使われています。

スクールの4Fにも3Dプリンターと切削機があるんですよ。知ってましたか??どんなものか実物を見たい人はタイミングが合えば動いている所が見れますよ!出来上がってくる所が見れるのって結構おもしろいんです。

 

さていよいよここからは、3Dプリンターと切削ってそもそもどういうものなのか具体的に解説して行きます。

金属切削と3Dプリンター

“切削”(せっさく)はその名の通り、材料を塊から削り出す加工方法です。

金属加工がメインになり20メートル以上ある大型船舶の軸 (シャフト)や、樹脂を削り出して0.1ミリにもみたない医療器具の型を作るなどいずれも精密な寸法が求められる様々な場面で使われている技術です。

 

金属や樹脂、WAX、または木材などの材料を切削刃と呼ばれるドリル刃の様な金属が回転して動く事で削られて行きます。機械の種類によって加工出来る形状が決まっていて、動ける方向はその軸の本数によっては決まっています。

 

一方の“3Dプリンター”は、写真などを印刷するプリンターが平面(2D)で出力されるのに対し、立体的(3D)に1層ずつの輪切りを重ねながら出力出来るプリンターの事を呼んでいます。

 

出力される方式も熱で材料を溶かす機械と、“光造形”と呼ばれる紫外線によって固まる樹脂に光を照射して作る方法があります。機械の種類、大きさ、クオリティやお値段も様々。

金属切削ってなに?
金属切削ってなに?

次からはクオリティの高い商品を作る為に使われている3Dプリンターと切削のそれぞれのメリット・デメリットを具体例を交えながら解説して行きます。

3Dプリンターのメリットとデメリット

3Dプリンターのメリットはかなり複雑な形状でも造形する事が出来るという点、これが最大のメリットです。

データを作る時に形状を気にせずに作れるところは非常に心強いです。

例えばこちらプアアリのプロポーズリング。

 

ラヴァーグの先生達はプアアリの商品を日々作っているのですが、新作会議の場で実際の形を見ながら検討して行く事も良くあります。またフルオーダーの打ち合わせなど一度形が見てみたいというお客様にも提案がスムーズに活用出来ますね。

 

注意点デメリットとして、3Dプリンターの使用を選択する場合は、造型後には表面が積層面と言われる細かな表面のザラ付きや、サポートといった形を保たせるための支えを取り除く為に、厚みを余分に取っておいたデータ作りに注意する必要があります。

金属切削のメリットとデメリット

一方の金属切削のメリットは、製品と同じ材料からそのまま削り出せるという所です。

3Dプリンターの場合は、材料がWAXもしくは樹脂になる為に作られた後は必ず“鋳造”(ちゅうぞう)という工程が入ります。

 

鋳造というのは、ドロドロに溶けた金属を型に流し込むことなのですが、高温で溶けた状態から急激に冷やされる温度差によって金属が瘦せてしまう現象がおこります。

 

金属切削であれば直接金属を削り出すためこういった薄い板物の透かしの入った商品の場合板が沿ったり凹んだりする事のない切削が向いています。

 

またジュエリーを大量に作るときの原型と呼ばれる大元の型として使用する時にも3Dプリンターと比べ型を取る工程が少なく時間的・金銭的にも大きなメリットになります。

 

3Dプリンターで原型作った場合には一度金属に置き換えなくてはいけない為、製品になるまでに何度か僅かずつですが瘦せて縮んで行きます。

切削のデメリットとしては機械の種類によって切削出来ない形状がある点、材料を削り出す為に初めに用意する材料費が多くかかる点があります。

複雑な形状が加工出来る設備を導入しているメーカーは少なく、スペースの確保と高額な機械費用、また専門知識を持ったオペレーターが必要になる為、シーズンによってデザインが変わっていくジュエリーでは切削で作るよりスピーディーに作れる3Dプリンターの方が需要は多く、加工してくれるお店も多い為利用しやすくなっています。

 

作りたい商品に合わせて、使用する機械を選んでいけるのが大切ですね。

実はラヴァーグには金属切削機があり、専門オペ―レーターもいますので、加工のサービスを復活させようと密かに企んでいます。。

イラストレーターの線データや、ライノセラスで作ったCADデータを使って加工をする事が出来る為興味がある方は声かけて下さいね!

終わりに

ここまで読んで頂いた方お疲れ様でした。

CADデータのその後の工程がイメージして貰えたなら嬉しいです。

 

いまはパソコンがあれば世界中どこでだってジュエリーが作れてしまう時代になりました。

ヤスリやガスバーナーを使った事がないという人でも自分の思い描いたデータを作る事が出来れば後は加工業者にお任せすれば出来上がって来ますね。

 

多くのブランドでも導入しているCADデータの作り方、またその後ジュエリーになるまでを一貫してラヴァーグでは経験する事が出来ます。

 

ジュエリーブランドとして併設しているスクールだから、日々アップデートしながら生きた声をお伝えする事が出来ます。

 

体験・見学にご興味がある方は下のリンクからお問い合わせお待ちしています。

まだまだ機械加工について教えてって方は直接聞いてください!まだまだ沢山ありますよー!!

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