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彫金タガネとは|彫金作業に欠かせない基本道具の種類と用途

タガネを使った彫金技法
彫金で金属を加工する際、もっとも多く使われる工具のひとつが「タガネ」です。
タガネは、金属を“削る・彫る・整える”ための工具で、先端形状や角度によって用途が大きく変わります。 例えば、片切りタガネを使えば、ハワイアンスタイルの彫りに見られるような、深く立体的な、光を反射する美しい曲線の模様を彫り上げることができます。
また、イタリアスタイルの彫りに用いられる毛彫りタガネを使えば、洋彫り彫金のような極細で繊細な陰影を生み出すことができ、写実的な表現をする事が出来ます。

彫金をこれから始める方にとっては「タガネって何?」「どのタガネを使うとどんな表現ができるの?」という疑問がまず最初に挙がると思います。
また、すでにジュエリー制作の経験がある方でも、タガネ彫金に関しては情報が断片的で、「自分の制作スタイルに合うタガネが分からない」と迷われる方が多いのも事実です。
さらに、装飾彫りを独学で続けてきた経験者の中には、 「タガネの研ぎや角度が原因で、なかなか作品のクオリティが安定しない」 という状況で伸び悩んでいる方もいらっしゃいます。
実際、タガネの使い分けと研ぎの基礎がしっかり理解できるだけで、彫りの美しさは驚くほど変わります。

本記事では、彫金の現場で実際に使われているタガネを、日々お客様の結婚指輪に模様を彫っているエングレーバー(彫り師)でもある講師の視点で体系的にまとめてみました。

◇ 彫金で使うタガネの基本3種類を【用途別】に解説

彫金で使うタガネは、その「使い方(動作)」によって【彫刻】【石留め】【打刻】の大きく3つの系統に分類できます。
あなたが目指す表現のスタイルと、それに必要な代表的なタガネの種類を確認してみましょう。

1, 装飾彫りに使うタガネ(金属を「削る」「彫り進める」)

最も一般的に「彫金タガネ」と呼ばれるもので、ハンマーで叩きながら、または手で押し当てたりグレーバーという機械を通して空気の力を利用して地金を削り取り、模様や装飾を描き出します。

・片切りタガネ(ハワイアン彫金・基本の「面」の表現技術)

彫金用片切りタガネ
片切りタガネは、タガネ彫金の中でも比較的ポピュラーで、金属の表面に輝く溝をつくりながら模様を深く、面で切り出すためのタガネです。
ハワイアンジュエリーの代表的なスクロール模様や葉のラインは、この片切りタガネによって生み出されます。
深く切り出された面が光を反射することで、ダイナミックで力強い輝きが生まれます。
片切りタガネイラスト
ラヴァーグでは:
ハワイアンコースで、この片切りタガネを中心に「深く・美しく・滑らかに彫る」ための技術を、再現性の高いプロの技法として基礎から実践まで並走しながら指導します。
Q:どの幅が良い?研磨の角度は?という基礎が知りたい。
A:最適なタガネの研ぎ角エアグレーバーの扱いをを習得し、深く・美しく・滑らかに彫るための基礎技術を丁寧に指導します。
Q:滑らかさや深さの違いを理解したい
A:線の太さやカーブの安定感を阻害するタガネの金属への入射角度・姿勢や力加減を講師が発見し、改善をサポートします。
片切りタガネ彫り
片切りタガネとグレーバー彫り
片切りタガネで彫り入れしたリング
彫刻の様な立体感のリング

・毛彫りタガネ(洋彫り・繊細な「線」の表現技術)

彫金用毛彫りタガネ
毛彫りタガネは、細い線・繊細な陰影・装飾的な模様を表現するためのタガネです。
先端が細く、線が浅く細いため、より繊細な光の反射や、複雑な模様の表現に向いています。
イタリア彫りや洋彫りで見られる多層的な光の反射、滑らかな陰影は、この毛彫りタガネが生み出す極細の線によるものです。
毛彫りタガネイラスト
ラヴァーグでは:
洋彫りコースで、講師があなたのタガネの状態をチェックしながら、刃の付け方、グレーバーハンドピースの使い方、文字の下書きの仕方など高度な洋彫り技術を正しい技法で習得できるよう、段階的に指導します。
Q:片切りタガネとの違いが分からない
A:「面を切り出す片切り」と「線を刻む毛彫り」の用途と研ぎの違いを明確に理解できるよう指導します。
Q:細い線の安定した彫り方を知りたい
A:「深さ・角度・安定性」の洋彫りの基本を徹底指導。
文字彫刻を題材に、グレーバーの使い方と正確なタガネコントロールを身につけます。
線の不均一さの原因である刃先の摩耗・角度のズレを一緒に解決していきます。
毛彫りタガネを使った洋彫り
イタリアスタイルの洋彫り模様
毛彫りタガネで彫り入れしたシグネットリング

2, 石留めに使うタガネ(金属を「押し出す」「整える」)

金属を削り取るのではなく、タガネの先端で地金を「移動させる」ように扱います。宝石を留めるための爪(つめ)を地金から押し出したり、石座の縁を伏せ込んで整えたりして、宝石を美しく確実に固定します。

・石留め用タガネ(彫り留め・ジュエリー制作に不可欠な技術)

平タガネ、溝タガネ、魚々子タガネ(ナナコタガネ)などの石留め用のタガネは、宝石を金属にしっかり固定するために使う彫金タガネです。
彫り留め、爪留め、フクリン留めなど、ジュエリー制作に不可欠な工程で使用されます。
タガネで金属の一部を精密に押し出し、宝石を固定するための「爪」や「壁」、「粒」を作り出します。
ラヴァーグでは:
彫金コースで、ガタつかず美しい留め方の構造を、基礎から学んでいく課題が多く、金属の板から石に合わせた石座を作れるようになります。

また、タガネを使った彫り留めを習得するハイジュエリーコースでは、彫り留めを基本から応用まで実践的に学ぶことができます。
Q:石留めがどういう工程かイメージしづらい
A:石留めタガネの使い方と金属の性質の関連性を基礎から学び、構造をイメージできるようサポートします。
Q:本格的な石留め技術を学べる場所を探している
A:リングやペンダントなどの不規則な形状でも自ら石のレイアウト、下穴設置、タガネを使った正確な溝切りをして、グレーバーを使って自由に彫り留めが出来るようになります
溝タガネ石留め
溝タガネで爪を倒す
ミルタガネを使った石留め

3, 打刻・スタンプワークに使うタガネ(金属に「打ちつける」)

デザイン刻印タガネ
先端に固有の模様やテクスチャが施されたタガネを、金槌で打ち付けてスタンプのように使用します。
金属の表面に対して上からハンマーで強く叩き込み、地金を凹ませることで、削りだけでは出せない立体的で存在感のある模様を刻みます。
インディアンジュエリーモチーフの刻印やアルファベットや数字、ブランドロゴの刻印などもこの部類に入ります。

・デザインタガネ(打刻・インディアンジュエリーの表現)

デザインタガネは、上からハンマーで叩いて金属に模様を残す“スタンプワーク”に使用するタガネです。
インディアンジュエリーに見られる強い凹凸模様、立体的な表情はこのタガネで作られます。
「削り取る」彫金タガネに対し、こちらは金属を「変形させる」タガネと言えます。
模様だけでなく、リングの内側などへ刻むブランドロゴや金種のマークも、レーザーマーカーが普及するまでは打刻印が主流でした。
デザインタガネを使った刻印
様々な形のタガネを使い分けて模様を打刻します
デザインタガネのバングル
スタンプ刻印をレイアウトしたバングル
ラヴァーグでは:
インディアンジュエリーコースで、市販の刻印を使うだけでなく、「自分だけのタガネ(スタンプ)を作る」技術や、美しい連続模様を描くためのリズムとスタンプワークの極意を、学ぶことができます。
Q:綺麗に模様が入らない、ズレてしまう
A:打刻は「一瞬の衝撃」で決まるため、ハンマーを振る正しい姿勢とリズム、タガネの固定方法を身体で覚えられるよう指導します。
Q:本格的なスタンプワークを学びたい
A:インディアンジュエリーコースでは、ナバホ族に代表される技術であるスタンプワークを学びます。
複数のタガネを組み合わせるデザイン構成力や、自作のタガネ作り、リポウズ(打ち出し)などの伝統技法まで本格的に習得できます。
打ち出しデザインタガネ
打ち出しデザインタガネ
打ち出しタガネ
雄型と雌型で立体的な仕上がり

◇ タガネ彫金は独学でどこまでできる?「停滞の原因」と解決策

タガネを使った彫金の最大の魅力は、“金属そのものの形をコントロールできること” と”直接模様を刻めること”です。
ジュエリー制作の幅が大きく広がるだけでなく、自分の個性が強く出る技法でもあります。
• 深さや角度によって光の反射が変わる
• 細い線から力強い溝まで自由に表現できる
•タガネ 彫金ならではの“手仕事の存在感”が作品に宿る
しかし、独学で進められた方は、ある段階で技術の停滞を感じることがあるようです。

経験者が伸び悩む主な原因とサポートのポイント

彫る時の姿勢や力の入れ方が安定するよう、フォームを一緒に確認・修正します。

刃の角度が作品に合っているか確認し、最適な角度で金属への抵抗を減らす方法をお伝えします。

 タガネの研ぎ方に間違いがないかチェックし、刃先に強度が保てる正しい研ぎ方を習得できるようサポートします。

これは技術不足ではなく、「刃の角度」「研ぎ」「姿勢」の“正解”を知らないだけという場合がほとんどです。
独学で経験を積まれた方がスクールに来て驚かれるのは、 「たった数ミリの角度修正と力加減で、彫りが見違えるほどスムーズになる」 ということ。

タガネ彫金は、正しい型を身につけるほど、楽に・美しく・早く作業を進められるようになります。

◇ 【目的別診断】あなたに合うタガネ彫金の技法は?

ひとくちに彫金といっても、タガネの種類が違えば“作品の個性”も大きく変わります。あなたが求める表現に合うコースをご覧ください。

◇彫刻の様な立体的な模様彫り

【イタリアスタイルの繊細な洋彫り】

◇立体的で強い表情、打刻の存在感

◇宝石を確実に美しく留める技術

◇ ラヴァーグでタガネ彫金を学ぶこと

ラヴァーグのタガネ彫金は、単なる「彫り」ではなく、“完成度が作品クオリティに直結する技術”を体系的に学ぶことができます。

現役プロによる指導: 書籍やネットでは得られない、プロのタガネ研ぎの「角度」と「模様彫りのノウハウ」を職人講師から直接学ぶことができます。
道具の状態を常にチェック: 一人一人のタガネの状態を講師が細かくチェックしながら指導するため、切れ味の悪いタガネによる停滞を未然に防ぎます。
基礎から応用まで体系的な技術習得: 初心者の方には彫りの深さ・角度・姿勢まで細かく調整。
プロ志望の方にはハワイアン/洋彫り/石留めなど、専門性の高い技術を段階的に習得できます。

タガネ彫金を深く学ぶ環境は意外と少なく、「独学で伸び悩みを感じて入学した」という方が多いのも、ラヴァーグの指導内容が、経験者の抱える課題解決に繋がっている証拠です。
モニターを使った彫り指導
彫金タガネの研ぎ方
彫りのスタイルに合わせたタガネの研磨

◇ まとめ|タガネは彫金の“可能性”を広げる重要工具

タガネの扱い方が分かると、ジュエリー制作は一段と面白くなります。

• 自分の手で金属の表現を操れる
• 作品の世界観が広がる
• 彫りの深さで光の演出ができる
• 量産品にはない「手仕事の存在感」が出せる

ラヴァーグでは彫金、タガネにご興味をお持ちの方は初心者からプロ志向の方までが安心して次のステップに進めるようサポートしています。興味のあるスタイルが決まっている方は、あなたの可能性を広げるコースについてお気軽にご相談下さい。
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