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【ラボグロウンダイヤモンドって何?】天然ダイヤ・ジルコニアとの違いは?

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ラボグロウンダイヤモンドとは?
ラボグロウンダイヤモンドとは?

【ラボグロウンダイヤモンドって何?】

ジュエリーメイキングに携わっていたり、好きな人にとって、最近チラホラ耳にし始めている「ラボグロウンダイヤモンド」
一体これが何なのか・またはその他との違いをかみ砕いて分かりやすくまとめましたので、是非参考にしていただければと思います。

【目次】

1.ラボグロウンダイヤモンドとは
2.ラボグロウンダイヤモンドの注目点
3.ラボグロウンダイヤモンドとジルコニアの違い
・・キュービックジルコニアとは?
・・ジルコニアとラボグロウンダイヤモンドの違いは?
・・豆知識!ダイヤとジルコニアの見分け方
4.ラボグロウンダイヤモンドのこれから
・・日本での需要は?
・・世界市場の動きは?
・まとめ
天然ダイヤイメージ
ラボグロウンダイヤのラボイメージ

1. ラボグロウンダイヤモンドとは

ラボグロウンダイヤモンド(Lab Grown Diamond)とは、その名の通り「研究所で育ったダイヤモンド」です。
天然のダイヤモンドは、地中奥深くで約10億年という長い時間をかけて生み出されるものに対し、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと全く同じ成分を使用し、研究所で約1カ月の期間で効率よく人の手から作られた人工ダイヤモンドです。

科学技術の進化により、ラボで大地と同じ地質環境を再現されて作られている為、結晶構造も硬度も天然ダイヤモンドと全く同じなのです。

プロ鑑定士の目でも、このラボグロウンダイヤと天然の違いは判別できず、特殊な分析機械で、数値を見比べることでようやく判別がつくとのこと。

アメリカでこのラボグロウンダイヤの人気に火が付き、ハイジュエリーブランドたちからも注目を集めている次世代のダイヤモンドと言われています。
ラボグロウンダイヤモンドイメージ

2. ラボグロウンダイヤモンドの注目点

① 低価格

ラボグロウンダイヤイメージ
天然ダイヤモンドは、希少性から高額となってきますが、ラボグロウンダイヤは供給の安定性から、天然ダイヤモンドの相場価格の2分の1程度で取引されています。

ダイヤモンドの輝きが、身近に取り入れやすくなっていることは、私たちにとっては嬉しいことですね。

②環境に優しい

ラボグロウンダイヤモンド環境に優しい理由
天然ダイヤモンドは、火山活動によって地表に押し出されたマグマがダイヤモンドを含んだ岩石となり、地中に残ったパイプ状のものをキンバーライトパイプ鉱床と呼ばれます。

キンバーライトパイプ鉱床での採掘は、露天掘りや地下採鉱といったさまざまな方法で行われますが、採掘が自然に与える影響を懸念する人もいます。
ラボグロウンダイヤモンドで生成される合成ダイヤモンドは採掘を必要としないため、サステイナブルという点で評価されているのです。

昨今の取り組みとして、SDGs(持続可能な開発)との親和性も高く、今後市場が拡大していく事となるでしょう。

③ エシカルな観点

紛争のイメージ
ダイヤモンドの産出国で内戦があった際、ダイヤモンドの輸出で得た資金で武器の調達をし、戦争を長引かせたことが歴史上様々な国で行われました。
その際に、罪なき人々へフェアとは言えない取引や非人道的な労働を採掘者に強いることもあり、紛争ダイヤやブラッドダイヤ(血塗られたダイヤ)とも呼ばれていました。

世界中でこの内戦国からのダイヤモンドの取り扱い規制の取り組みとして、2003年にキンバリープロセス認証制度が発足し、流通元の透明性がかなり改善されましたが、100%ということは無い為、知らずの内に紛争ダイヤを購入している可能性はあるのです。

ラボグロウンダイヤには道徳的な背景がクリアなことから、ラボグロウンダイヤモンドを好んで選ぶ人も多いと言います。

3. ラボグロウンダイヤモンドとジルコニアの違い

ダイヤモンドに模した輝きを放つ人工石では、キュービックジルコニアもその一つ。
ラボグロウンダイヤモンドと何が違うのか、改めて学び直してみましょう。
ラボグロウンダイヤとキュービックジルコニアの違い
ラボグロウンダイヤとキュービックジルコニアの違い

キュービックジルコニアとは?

キュービックジルコニアとは、ダイヤモンドに模して装飾用に開発された人工石です。
耐熱性セラミックの材料として使われる二酸化ジルコニウムを主成分とし、様々な素材を混ぜて結晶化させています。
キュービックジルコニアの硬度は天然ダイヤモンドには敵わないものの、水晶やトパーズなどよりは高く、輝きもダイヤモンドの光の屈折率に近いとされています。
価格も、天然ダイヤモンドの100~500分の1で取引されており、ジュエリーというよりはアクセサリーなどで手軽に使用されています。

ジルコニアとラボグロウンダイヤモンドの違いは?

キュービックジルコニアは、見た目を天然ダイヤモンドに似せて作られているだけなので、成分や硬度、光の反射率や熱伝導性などは異なってきます。

対してラボグロウンダイヤモンドは、全く同じ成分と生成方法のため、生まれた環境が違うだけで本物のダイヤモンドとなります。

●豆知識!ダイヤとジルコニアの見分け方

①薄暗いところでの輝き方
ダイヤモンドは微かな光でも美しく鋭い輝きを魅せますが、ジルコニアは鈍い光となります。

②息を吹きかけて曇りが消えないか
ダイヤモンドは熱伝導率が高いため、息を吹きかけてもすぐに曇りが引きますが、ジルコニアはなかなか曇りが消えません。

③水滴を垂らしてみる
ダイヤモンドは水をはじく性質が高く、水滴を垂らすと球状の水滴となりますが、ジルコニアは表面に広がり平たくなります。

4. ラボグロウンダイヤモンドのこれから

ここまでラボグロウンダイヤモンドの解説をしてきました。
では、現実的に2024年現在のラボグロウンダイヤモンドの認識や、需要はどうなっているのでしょうか?
ラボグロウンダイヤを取り入れたサンプルイメージ
ラボグロウンダイヤのイメージ
ブルーダイヤモンド
ジュエリーイメージ

日本での需要は?

ラボグロウンダイヤモンドは、実は1980年代に開発され、既に40年近くの歴史を持っていますが、ジュエリー専門情報誌の【JAPAN PRECIOUS 2024年 春号】によると、正直日本ではまだまだ認知度や需要は低い状況でした。

特に、日本人の国民性として【本物志向】【希少性に見出す価値感】などから、あまり魅力的に映っていない様子も伺えます。

ですが、少しづつラボグロウンダイヤモンドを専門的に取り扱っているブランドも増えてきており、天然に比べて安価で同じ質のものを身につけられることは、よりファッションへの自由度を高めてくれることになります。

結婚指輪・婚約指輪では天然ダイヤモンドを選び、カジュアルなファッションや自分で購入するジュエリーなどでの使い分けが浸透していく可能性は非常に高いと言えるでしょう。

日本人特有の「天然以外は偽物=詐欺・恥などへの警戒心」のイメージ払拭が出来れば、今後日本でも大きく市場を伸ばしていく可能性が高いと思います。
その為には、信頼ある大手老舗ブランド達が積極的にラボグロウンダイヤモンドを取り入れ始めた時、日本でも注目は加速していくのではないでしょうか。
ラボグロウンダイヤのイメージ

世界市場の動きは?

日本ではなく、世界のラボグロウンダイヤモンドの市場の流れを見ていくと、今後市場の拡大が予想されてきました。

ラボグロウンダイヤモンドの売上高は、2016年時には10億ドル未満だったところから、2022年には120億ドル弱まで増加しています。

ダイヤモンド産業の中心地と言えるアメリカで、ラボグロウンダイヤモンド専門店のブリリアント・アース(Brilliant Earth)では、2022年の純売上高が15.7%増加。

同じく、ラボグロウンダイヤモンド専門ブランドのドーシー(Dorsey)も2023年は100万点以上のダイヤモンドを販売したと言います。
ドーシーでは、2021年から2022年にかけて売上が600%増加し、インフルエンサーが自ら目を付けて拡散してくれることで2023年も成長が拡大したそうです。

売れている商品はブライダルではなくファッションジュエリーでの需要が高い様子で、今までは富裕層だけの為のものだったハイジュエリーも、ラボグロウンダイヤモンドであれば手に入れるハードルが一気に下がったことも要因の一つでしょう。

また、LVMHグループに属するジュエラーのフレッド(FRED)も、富裕層顧客のためのラボグロウンダイヤモンドコレクションでブルーダイヤモンドを発表。

この流れは、伝統的なジュエリーブランドにとっても無視できない傾向となっており、積極的に取り入れられていく事が予想されます。
ラボグロウンダイヤモンドの売上は今後数年間、年間2桁の割合で成長し続ける可能性が高いとのこと。

まとめ

日本でラボグロウンダイヤモンドはまだまだ認知度が少ないですが、世界での伸び率を見ていると、遅かれ早かれ日本にもラボグロウンダイヤモンドの認知度拡大・ブランドの急増は近い将来加速していくと思われます。
既に2024年1月の国際宝飾展でも、ラボグロウンダイヤモンドを取り扱うブランドの出展も。

つまり、今まで購入する候補にも入らないくらい高額だったハイジュエリーに手が届く時代が近づいているという事でもあります。

趣味の人も、ブランド立ち上げを目標にしている本気の人にとっても、知っていて損のないラボグロウンダイヤモンドを今回ご紹介させていただきました。 ダイヤモンドがもっと気軽に取り扱えるようになることや、本来の天然ダイヤとの使い分けを今から考えておけると良いかもしれませんね!

※実は数日後に、ラボグロウンダイヤモンドが筆者の手元に届く予定ですので、そちらの様子も合わせて後日追記でお伝えできればと思います。お楽しみに!

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