ジュエリーデザイナーというと、
一般的には宝石の魅力を引き出し斬新なデザインを提案する仕事・・・
と書いてありましたが・・・
今の時代、斬新なデザイン・・・
と言われて、斬新の定義を打ち出し、
それでいて本当に斬新であるモノを生み出す事は並大抵ではありません。
今の宝飾業界の現場ではアジアのローコストオペレーションから生み出される低価格ジュエリーや、
ヨーロッパのブランドジュエリーとしっかりと差別化をして、
お客様に指示される商品が提案できるかが重要になってきています。
正直、単純に価格という面で、アジアの低価格ジュエリーと戦って行く事は非常に困難ですし、
ヨーロッパのブランドの歴史から生み出される根拠のあるデザインを超えていく事も非常に難しいのが現実です。
ジュエリーデザイナーという仕事は、
単純に、宝石の魅力を引き出し、斬新なデザインを提案する・・・なんていう大雑把な話ではありません。
企画から販売まで全てを把握していかなくてはいけないのが必要とされるジュエリーデザイナーです。
当然、ジュエリーデザイナーだけでなく、
ジュエリークリエイターの人達も、
ただ作るだけではなく、ジュエリーデザイン、企画、プロモーション、販売、というように、必要な能力は多様化しています。
現実問題として新商品に対する需要というのは以前より高まっています。
大量生産から生み出されたジュエリーより、
多品種小ロットの時代に宝飾業界も完全に移行しつつあります。
という事は・・・ジュエリーデザイナーの重要は高まっているのが現実ですが・・・
今までのような、単純にジュエリーデザインしかできないデザイナーでは、高い評価が受けられないのが現実です。
どのようなデザイナーが必要とされているのでしょうか・・・
ただ、絵を描くデザイナーでは評価をしてもらえません。
まずは、お客様が反応してくれる企画がしっかりできる事。
これが、難しいんですけどね・・・
当然、ジュエリーデザインもしっかり描く事ができるのは当たり前。
更に、ジュエリーをしっかりと作る事ができるようになる事。
要は、1人1役ではなく、1人3役、4役と総合的な能力が求められる時代になってきているのです。
しかし、現行の教育システムでは、ジュエリーデザインとジュエリーメイキングは全く別の能力なので、それぞれの学習と、それぞれの時間と、それぞれの学費を必要としてしまっているのです。
両方を学べるという学校もありますが、
現実問題、別々の能力を半分ずつかじるような勉強ですぐに現場で活躍していける内容を教えているとは思えません・・・
僕は、宝飾業界の現場の声をみんなに聞かせたいと思っています。
そんなに派手ではないし、そんなに景気も良くもありません。
でも、素敵な業界である事には間違いがありません。
だって、あんな小さなモノに沢山の思いを込められるモノって少ないですよね・・・
そこで、少し宣伝みたいになってしまいますが、ラヴァーグからの提案です。
ジュエリーデザインとジュエリークリエイトを一気にトップレベルで学ぶ事ができるのが、ジュエリーCAD(キャド)なのです。
綺麗な直線、綺麗なカーブ、綺麗な甲丸リング、金属の質感、手で描いていくとなると、繰り返しの修行がかなりの時間必要です。
でも、CADならあっという間です。
また、完璧に左右対称のリングやペンダントを手作りする為には、かなりの技術と経験が必要とされます。
宝石がたくさん敷き詰められている、ポンテヴェッキオの人気リングをつくろうなんて思ったら、いったい何年修行したらできるんだろうという感じですが・・・
CADなら、あっという間です。
もちろん、CADさえできれば良いというモノではありませんが、今、宝飾業界は新しく生まれ変わろうという節目でもあります。
具体的に言うと、今までは、製造と販売が別々のモノとして位置づけられているケースが多かったのですが、
製造サイドも販売をする力を必要としていますし、販売サイドも自社で製造ができる能力を必要としているのです。
簡単に言うと、宝飾業界のモノの流通の仕組みが変わろうとしているのです。
お客様からの、注文をレスポンス良く返していく為には・・・
お客様からの、注文を高品質、納得のいく価格で提供していく為には・・・
他社をいくつもかませていく、従来の流通システムではいけないという事です。
僕らの学校では、技術だけではなく、
宝飾業界をしっかりとしてビジネスとして捕らえ何を身につけて行かなくてはいけないのかを、スタッフを通してみんなに伝えていきたいと思っています。
もし、店頭の販売員のスタッフが気軽にお客様の前でジュエリーをデザインできてしまったら・・・
もし、そのジュエリーをすぐに、正確に作る事ができてしまったら・・・
もし、いま活躍しているジュエリーデザイナーが、自分のデザインを正確にジュエリー原型をつくる事ができたら・・・
もし、原型を手作りでつくってきた職人さんが、もっと、もっと高いレベルの技術を簡単に手に入れる事ができたら・・・
もし、ばっかり並べてしまいましたが、僕は手作りの技術を持っている人や、手でデザインを描ける人が、新しい能力としてジュエリーCADの技術を身につける事をおすすめします。
もちろん、これから宝飾業界でデザイナーやクリエイターを目指す人達には、僕はこんな事をよく言います。
「しなくてもすむ苦労はしないほうがいい」
「できるだけスタート地点は高いほういい」
けっして楽をして良いという事ではありません。
宝飾業界で成功していく為には本当にたくさんの能力が必要なのですから、楽をして、成功できるような甘い業界ではないという事は、僕自身が身をもって感じていますから・・・