ずっといわなかったけど。
今日は言うことにする。
実はあるジュエリーブランドがなくなった。
僕が多くのことを参考にさせてもらったブランドでもある。
そのブランドがなくなる。
だから・・・
同じことを自分自身が繰り返さないためにも書いておこうと思う。
最近、尊敬している人から哲学をしっかり学べ!
と言われた。
哲学?
と思ったけれど、その人から簡単に哲学についての話を聞かせてもらった。
哲学の種類は500種類近くあるらしい・・・
その中からひとつとても良い哲学のジャンルを教えてもらった。
陽明学という哲学。
今は、その本を3冊いただいて少しずつ読んでいる。
陽明学がとにかく大切にしていることが2つある。
一つ目が 知行合一 という考え方。
もう一つが、到良知 という考え方。
今日は到良知(ちりょうち)についてのお話。
気になる人はぐぐってね。
到良知とは・・・誠を尽くして決して自分に嘘をつかない。言葉と行動は一体でなくては。
という事と教えてもらった。
自分に嘘をつかない。という事だけじゃなく、
経営者として、一緒に働いてくれている人たちにも嘘をつかせてはいけない。
そんなお話。
ジュエリメーカーとしてそして、ブランドオーナーとして。
今回ベンチマークにしていたブランドがなくなることについて考えてみた。
実は、去年の夏ごろからはそのブランドをチェックするのをやめていた。
それはそのブランドをやめた人から内情を聞いてしまったからだ。
目で見えていることと、中身はずいぶん違うと感じた。
だから、やっぱりネットサーフィンだけの知識じゃだめなんだよ。
そのブランドは去年の秋には新店を出店するなど勢いもあった。
今年も出店というか拡張予定の店舗もあった。
でも、おとといそブランドのトラブルが表にふきだした。
理由はいろいろとあると思う。
でも、いくつかの想像の中でいちばん頭に思い付いたのが。
ジュエリー業界の闇でもある。ある一つのことだ。
それは、産地の明記をジュエリーにはされない事。
ジュエリーに刻印される内容は、金属の種類。ブランドの刻印。宝石の重さぐらいだ。
なぜかこれだけワールドワイドになってきている事はみんな知っているのに・・・
どこで作られたのかを表記するルールがない。
ずいぶん昔に業界で話題にあがった本当に正確な真偽もわからない噂話がある。
でも、ずいぶん正確な話を聞いたことがある。
ティファニーが日本の山梨の甲府でつくられている。
ブルガリのゼロワンが中国の工場で作られている。
などなど
これは嘘でも闇でもない。
といえばその通りだ。
だって、どこにもどこで作られたと書いていないのだから。
イタリアで作っている。と表記して違う場所で作っていたら嘘だけど。
どこで作っている。という表記が宝飾業界にはない。
多くの違う業界では今どきずいぶん正確な産地表記が
義務付けられているのに、宝飾業界にはそのルールを作るべきだ!
という話はどこからも上がってこない。
業界の売り上げは縮小している。という話はいろんなところで聞く。
地金の買い取りビジネスのせいで、信用を失ったといっていた人もいる。
100万近くもしたジュエリーが、地金の買い取り業者にもっていったら2万といわれた・・・
なんて話をする人もいた。
いま、正確な情報を出すことから逃げていちゃダメだと思う。
産地偽造なんていろいろなところでニュースになった。
なぜ、そんなニュースが起こるのか。
それは、ユーザーがちゃんと産地に価値を感じているからだ。
そして、どこの誰がどんな思いで作ったのかまでを
表記している野菜を見かけている人も多いはずだ。
そして、作り手たちは表に出ることを望んでいる人がおおいはずだ。
スポットライトの場所を生産者に向けている事が
成功のきっかけになっている業界がふえてきているでしょ。
ジュエリーも自信をもって生産地を表記していくべきだと思う。
そして、どこのどんな人がどんな思いで作っているかを表に出すべきだと思う。
それが、出せないブランドや会社にはなにか理由があるんだろうけど。
出していってほしいと思う。それが一番簡単に信用を取り戻せる方法だと思う。
利益率。効率化。
経営者としては悩ましい問題だけどね。
実はビジネスにおいての嘘ってさ。
お客様にはあんまりばれない事が多いんだよ。
だって、ばれないように大人は考えるし工夫するから。
でもね、お客にはばれないけど。
絶対にばれる人がいるんだよ。
それは一緒に働いているスタッフたち。
社員たち。
お客にばれない事でも社員にはばれる。
産地の問題や細かいトラブルもそう。
人はね、嘘やごまかしをしながらなんて頑張れないよ。
社員が頑張れない状況を経営者は作っちゃだめだよね。
大切なことをごまかしながら、現場の人間に売り上げを上げろ!
なんていう経営者には、僕もならないようにきをつけていきたいと思う。
ジュエリー業界はもう少し産地に対する取り組みを始めるべきだと思うよ。
到良知・・・誠を尽くして自分に嘘をつかない。
そんな中だからこそ、人は自分の最大の能力を発揮できるんだよ。
僕が日本でハワイアンジュエリーを作る。と決めたのはちゃんと理由もある。
ハワイでつくってこそのハワイアンジュエリー。
ハワイの人がつくってこそのハワイアンジュエリー。
そんな事をたくさん言われてきたけど。
日本で日本の職人が作り上げていく。
と決めたのには理由があるし。
そのことをちゃんと伝えていっているおかげで、
いま、この13年間で最高の業績になっているよ。
だから、うちのチームの人はみんな明るくいれるんだよ。
ジュエリーは産地と生産者にこだわりをもちはじめてもいい時代になってきているよ。
まだまだこれからのデザイナーの人たちに言いたいよ!
今苦しんでいるのは、間違いなく大きいブランドだよ。
小さい正直なブランドはがんがん売り上げをのばしているよ。
大きいブランドがやっている事は研究する価値はあるけど。
真似しちゃうとあんまりうまくいかないよ。
小さいブランドは小さいブランドを参考に攻めていこうよ!!