さて、去年の頭から大騒ぎになっている3Dプリンター。
ラヴァーグにも、ハードウェアメーカーからソフトウェアメーカーから行政の人達。
新聞記者の人達などなど、色々なメディアの人が訪ねてきてくれていたのが、去年一年間だったような気がします。
かなり過熱したニュースも飛び交い、造型機と言っていた人達が、こぞって3Dプリンターと言い始めて我先にとこの波に乗ろうとしていた人達が増えて行ったような気がします。
当然、僕らもこの波にどうゆう形で乗っていくのかをいろいろな企業の方達と打ち合わせを重ねました。
すぐに飛びつく人もいれば、様子をうかがっている人もいます。
そして、次から次へと新機種や新ソフトが発表されて行きました。
光造形やインクジェットと比べFDM方式(熱溶解方式)の3Dプリンターはパテント(特許)の問題を潜り抜ける事ができたので、世界中でベンチャー企業が飛びつき開発競争がスタートしました。
ただ・・・
たまたまちょっと早くこの3Dプリンターが過熱したのは宝飾業界だったのかもしれません。
現在、低価格商品が話題に上がっている3Dプリンター。
宝飾業界の製品を作るのには造型肌の問題があり、もう少し高額な3Dプリンターが一般的です。
狭い宝飾業界の中でもここ数年いろいろな造型機の話題があがり、世界ではどんどん造型機が増えてくる中、実は随分と淘汰されてきてみんなが持っている設備が似てきているのです。
その理由は何かというと・・・
購入後のメンテナンスやサポート体制、そして情報の共有が上手くいくかどうかがポイントだと僕は思っています。
販売店の対応。
消耗品の価格なども実は重要です。
造型機を発売するメーカーの体質も重要です。
大きすぎても開発や流通の仕組み的に価格を下げる事が難しかったりするし、小さすぎてもバージョンアップなどの問題が発生してきてしまうのを目のあたりにしてきたここ7年~8年間でした。
性能がいいけど、宣伝が残念なメーカーもあったし、販売店が変わった事により、飛躍的にサポート体制がよくなった3Dプリンターもありました。
逆に・・・
中身がともなってなく、プロモーションばかりが先行してしまい後に大きなクレームになってなくなってしまった所もありました。
なので、過熱した環境からほんの少し間を置こうという事で、約一年間。
その間もいろいろな所に話を聞きながら、学校として責任のある造型機選びという事で時間をかけました。
そして、今回導入されたのが、SCOOVO(スクーボ)という国産メーカーのFDM方式の低価格造型機です。
実は造形精度はほとんどの低価格造型機は現在は似たようなピッチだし、精度です。
ただ、メーカーとしてどの部分で利益をどのくらい出すのかという戦略的な問題があり様々な価格設定でたくさんの種類があります。
そして、何台もの3Dプリンターを購入してきた僕達がこの造型機を選んだ理由は・・・
いくつかのポイントがあるのですが・・・
消耗品の価格です。
例えばデザインがかわいくてプロモーションが上手いCUBEというFDM方式の3Dプリンターがあります。
この3Dプリンターが産業機械として存在していた3Dプリンターを家電に一番近づけたと言っても過言ではないかもしれません。
このCUBEを開発したCubifyという会社も3Dプリンターの大手でもあるアメリカのストラタシス社の子会社ですからノウハウの蓄積も多かったのかもしれませんが・・・
このキューブのフィラメントのカートリッジ。
¥6300 という事なのですが・・・
内容量の記載がどこにもありませんでした・・・
ネットサーフィンしたらやはり同じような事が気になった人もいました。
僕も気になったので、1本購入して分解してみました。
たまたまなのかもしれませんが・・・
キューブのカートリッジのフィラメントの量から価格をキロ当たりに換算すると・・・
1kgあたり、¥25000前後でした。
高いのか安いのか分かりません。
ただ・・・
一般的に販売されている1.75mmのフィラメントの価格と比べてみるとかなりの差がありました。
そして、去年の7月に発売されたこのスクーボ。1kgあたりのフィラメントの価格が¥4980です。
約5分の1です。
気になったので、メーカーに足を運んで何故この価格で販売するのかなどいくつかの質問をさせてもらいました。
社長と直接話をする事が出来た事も良かったのかもしれません。
なるほど・・・
と何度もうなずいていました・・・
どんどん、造型するから楽しい3Dプリンター。
消耗品の価格とメーカーのスタンスが共感できたことがこの3Dプリンターを選ぶ理由でした。
既に学校では色々な実験がはじまっています。
4Fに設置されていますので、気になる人は見に来て下さい。
だいたい毎日稼働しています。