僕たちが一番苦労している事・・・
それは、ジュエリーを買ってもらう。
という事。
東京の恵比寿でお店を開いたのはもう16年も昔の話。
今年の12月10日で17年目に突入した。
おかげさまで、コロナ禍の中でも順調に成長する事ができ、
そのおかげで、残念だったけど、助成金などもあまり受ける事ができない・・・
一言で言うと、順調。と僕は思っている。
でもね、その順調の裏にある苦労を少し伝えてみたい。
ジュエリーを作る。という事は正直もうそんなに苦労をする事はない。
彫金教室やジュエリースクールがよく間違えてしまう事。
それは、いいものを作る。という事が技術的に高いものが、
いいもの。と思い込んでいる学校が多い。という事だ。
もちろん、対象であるべきところは対象。
磨くべきところは磨きぬく。
整列している所は整列させる。
基本は大切。
でも、お客様は僕たちが説明すれば気が付いて褒めてくれるけど、
そんな事よりももっと大切にしているところがある。
16年もブランドをやっているとそう思う。
ものづくりだけで、お客様はうちのブランドを選んではくれない。
それでは僕たちが何に苦労しているか・・・
まずは価格設定のお話。
この問題は実はとても難しい。
多くの人は他よりも安いものをどうやって提供できるのか・・・
を考える。
でもうちは少し違う。
どうやって、他よりも高いのに、満足してもらえるかを考える。
他より、金額は上だけど、満足。
他より、金額は上だけど、また来たい。
難しいでしょ。この問題。
だけど、ここはまず一つ目の重要点。
ほら、
これだけでもわかるでしょ・・・
モノづくりじゃないこ所に頭を悩ませているって・・・
次は、出来上がったジュエリーをどのようにお客様にリリースするか。
1つのジュエリーを届けるのに、たぶん写真を300枚ぐらい撮る。
もしかしたら、もっと撮る。右から、左から、斜めから、いろいろな背景で・・・
晴れの日とか、曇りの日とか、雨の日とか・・・
とにかくたくさん撮る。
大変でしょ・・・
その中から、光が綺麗だったり、偶然の映り込みがかっこよかったり、
とにかく部屋に飾りたくなるような写真を見つける。
そして、その写真をお化粧する。
ジュエリーはピカピカに磨き上げるので、
いろいろなモノが映り込んでしまう。
それを綺麗に処理していく。
また、指輪が光る照明と、
宝石が光る照明が違う。
少しでも、お客様にリアルに近い輝きを届けたい。
だから、よけいなものを丁寧に消していく。
ここで簡単に撮影ボックスでとれば映り込まないでしょ!
という事が頭をよぎった人もいると思う。
たしかにそれもありだけど、どうしても自然の光の中で撮った写真以上にはならない・・・
まぁ、うちはライフスタイルの中で、
自然な光の中で偶然取れた写真に心が動いてしまう・・・
そして、次にそのできた写真をどこに、どのようにあげる?
ジュエリーにひとつひとつに物語がある。
その物語を書き上げていく。
コピーライトというお仕事。
プロのコピーライターがいるぐらい本当はプロに任せたい。
でも、自分たちで練り上げていく。
なんどもなんども修正しながら・・・
文章を書くのは技術がいる。
僕自身も何度も何度も勉強をした。
うちの新入社員もまずぶつかるのはこの問題。
人に伝わる写真や文章を書く。という事。
この過程をへて、ホームページに上げる。
上げた後には、プロモーションが始まる。
SNSはどうする?
いんすた?
FB?
ブログ?
コンテンツマーケティング?
たくさんある・・・
でもやる。
動画も作る。
いろいろやる。
たぶんもっともっといろいろやってる。
でもそうやって、やっと一つのジュエリーを買ってもらえる。
SNSに上げるための準備や技術がいる。
ホームページに上げるための準備がいる。
あたり前の事。
でも、この当たり前の事を教える事ができない学校も多い。
ちょっと厳しい事を言うけど。
それは、作ってはいるけど、売っていないから・・・
売り方を知らない。
でもね。
売り方を知らない先生がダメ。
という話しではない。
子供のころは勉強から逃げ回っていたと思うけど、
大人になってからの勉強って楽しいでしょ。
ギターが弾けるようになったり、
波にのれるようになったり。
知らないことが知れる。
出来ないことが出来るようになる。
モノづくりが好き!
自分の為にジュエリーを作ってみたい!
そんな人達には、売り方なんて必要ない。
必要がない事にお金と時間をかける必要もない。
事実、ラヴァーグの生徒は全員ビジネス志向ではない。
本当にジュエリーが大好き!という人もたくさんいる。
でも、
やっぱり売りたい。
そんな思いがある人は、
売る事に苦労をして、
準備をして、
努力をして、
結果を積み重ねている人に聞くべき。
というか、
僕が生徒だったら、
そんな先生から習いたい。
本当にそう思う。
だから、大変だけど、
難しいけど、頑張って、モノづくり以外の知識や経験を積み重ねて、
それが必要な生徒に常にタイムリーな話をしてあげられるチームでいたい。
と
思っているきょうこのごろでした。