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さて、本日はもう出来てしまっているものを何とかする。

という事が最初からやり直す事よりも難しいケースがある。

ビジネス書やセミナーに参加するとコンセプトをしっかり決めろ。

と書いてある。

書籍を出版できる人というのはある一定の実績がある人が執筆しているので、当然ながら正しいやり方。

と思ってしまう。

ちょっとビジネススキルを学んだ人達も口をそろえて同じ事を言う・・・

だけど、よく考えてほしい。

そもそも何故コンセプトを決めなくてはいけないのか?という事を。

コンセプトを決めろと偉い人達が言っていたから決めるのではなく、なぜそうしなくてはいけないのか・・・という事を考えてほしい。

僕は最終的にはコンセプトを決めるべきだと思っている。

最終的。という事が大切だと思っている。

売上が色々な形で出始めてからコンセプトは決めるべきだと思っている。

という事である。

もっと言うと、最初のコンセプトは多くの人が自分勝手に決めれるほど実力とお金が無いケースが多い。

最初に決めてはいけない。

後から決める。

後から少しずつ探りながら決める。

という事が一番最初の小さな小さな売上が少ない人達が始めるブランドのはじめ方だと僕は思っている。

僕は・・・

という事です。

大きい企業であればもう既に会社の売り上げを支える柱ができているケースが多い。

その柱を軸に色々なプランを試す事ができる。

失敗しても別の柱があるから大丈夫。

上手くいけば新しい柱が立つ。

失敗したら次のプランに移る。

そんなトライアンドエラーを繰り返す事ができるのが、既に成功している人や会社の強みでもある。

でもね・・・

生活を支える柱がまだしっかり無い人達は条件が違う。

コンセプトを決めろ!と書いてあったから決めたコンセプトでまっすぐ頑張る。

頑張って、待って、努力して、待って、いつか売上が上がるはずと信じながら、努力を積み重ねて行く。

だけど、なかなかうまくいかない・・・

一度決めたコンセプトがしっかりしていればしている程、身動きが取れない。

全てのリソースをそのコンセプトに集約してしまっている。

ブランド名・パッケージ・会社名・ドメイン・名刺などなど・・・

もう全部コンセプトをしっかりする。という事を信じて作り上げてしまっている。

決めてしまえば、決めてしまうほど変化に対応する事ができない。

アイデアやセンスはあるのに、自分自身が積み重ねてきた事を見切れない。

僕がよくスタッフに話す昔の人が残してくれた言葉の一つに・・・

 

倹約10両

もうけ100両

の次に・・・

見切り1000両

というのがある。

これは、節約しても残せるお金は10両だけだよ、仕事をまじめに頑張ったほうが100両になるよ!

という話よりも重要な事として、見切り1000両というのがある。

見切る。

これが難しい。

情熱を注いできたものをなかなか見切れない。

見切れないから、上手くいっていないのにずるずる時間を浪費する。

景気のせいじゃない。

政治のせいじゃない。

時代のせいじゃない。

そのコンセプトを出すタイミングが悪いだけなのに、もう少し形が整ってから出せばいいのに・・・

見切れない。

見切りには1000両の価値がある。

見切って新しい事をはじめる。もしくは、現実を受け止めてやり直す。

小さなブランドの最初の一歩はやり直しがきく形で始める必要がある。

そもそも、何の為にコンセプトを決めるのかを理解してもらいたい。

決めた事によって、大きなマイナスが生じてしまう事が小さなブランドの最初には起きてしまう。

これは・・・

僕自身の経験から身にしみて経験したことなのです・・・

今思うと、書籍やセミナーに振り回されたスタートをきってしまった・・・

と思っている。

自分の実力。

自分の持っているもの。

それを確認せず、自分のレベルにあったスタートを切る事ができなかった。

会社はつくった。

ブランドコンセプトは決まった。

お店もつくった。

腕の良い職人チームにデザインや制作を手伝ってもらった。

でも、上手くいかない・・・

売上がのびない・・・

その原因はコンセプトを最初に決めてしまった事にあった。

と今では思っている。

同じ失敗を生徒達にしないでもらいたい。

なるべく僕達が経験した失敗は繰り返さないでもらいたい。

上手くいっていないな・・・

と感じたら、勇気を持って見切って、もう一度やり直してもらいたい。

そして、やり直す前に同じ失敗を繰り返さないように、なぜ上手くいかなかったのかを誰かの何かのせいにしないでもらいたい。

原因は必ず自分自身にある。

もちろん、成功の原因も必ず自分自身にある。

やり直す勇気を。

見切る勇気をもってもらいたい。

そんな言葉を今日から受講しにくる生徒達に伝えていこうと思っている今日この頃です・・・

ちなみに、見切り1000両の後にもうひとつ万両の言葉があります。

興味がある人は調べてみてください。

いい言葉です。

 

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