今日は春らしい空気が感じられる気持ちの良い天気です。
凌磨もすくすく育ち、1才の子供もどうやら夢を見たりしているようです。
寝ているはずなのに、突然「うふふふふふふふ」と笑い出し、そしてまた、眠りに落ちていく凌磨を見ているとどんな夢を見て笑っているのかとっても気になる今日この頃です。
教室では生徒に「凌磨は将来すごいジュエリーの職人になるんじゃないですか」なんて事を言われると、まだまだ先の事ですが、父親の仕事に感心を持ち、同じような仕事をしたいと思われる事は僕としても嬉しい事だと思います。
そんな風に言われるように頑張っていこうと思います・・・
さて今回は、ジュエリーができるまでにはどんな工程や人がからんでいるのか一般的な事例を書いてみようと思います。
ジュエリーが商品としてお店に並ぶまで・・・
1.商品企画(プランナー)
まずは、しっかり消費者のニーズを感じる為に、マーケティングからはじまります。
どんな商品が喜ばれ、求められているのかをしっかりリサーチです。
類似商品はないか、価格帯が同じ商品との差別化などを考えながら企画を立ち上げます、芸能人とのタイアップや春だから桜モチーフの商品を・・・などなど切り口はいろいろです。
2.企画に沿ったデザインをデザイナーがデザインしていく・・・(デザイナー)
例えば、桜のジュエリーの企画が立ち上がったとしたら、いわゆるジュエリーデザイナーが桜にちなんだデザインをいくつもいくつも考えてデザインを起こしていきます。
当然、圧倒的にボツになってしまうものを多いのが現実です。
ジュエリーデザイナーというと華々しいイメージがありますが、実際は結構大変で、大手ジュエリーメーカーなどは商品のテイストが偏ってしまわないように、デザイナーは2年毎にそう取っ替えしてしまう会社もあるぐらいです。
フリーのデザイナーでも何枚も描いて、採用になった絵だけしかお金がもらえないという結構大変な職業です。もちろん有名なデザイナーになれば、ちょっと描いて数万円なんていう人がいるのも事実ですが・・・
3.原型制作(原型職人)
ここは宝飾業界ではクリエイティブの頂点で一般的には熟練の職人がたずさわります。
デザイナが描いた2Dの絵を実際のジュエリーにしていく作業です。
簡単な原型であれば2~3万円ぐらいでつくってくれますが、パヴェなどの石が敷き詰められた原型ともなると十万円を超えてくる原型もでてきます。
この原型師を目指しているクリエイターは非常に多いのですが、やはりどんなものでもつくれる原型師はほんの一握りしかいません。熟練を求められる職種でもあるのです。
4.ゴム型とり(ゴム切り職人)
原型職人がつくった原型を商品として量産していく為にはゴム型をとっていきます。
シリコンゴムで原型師が作った原型をプレスしてつくるのですが、このゴムを2つに切るという作業はゴム切り職人と呼ばれる人がいるぐらいデザインによって複雑になってきます。
僕もむかしこんな事がありました。
ある職人さんにはこれはゴムがとれないと言われあきらめていたデザインがあったのですが、もうひとりの職人さんには「ゴムをとる事は可能だよ」と言われ、あきらめずに製品化されたデザインがありました。
職人さんによって、ゴムの切り方も様々で、切り方によっては量産の商品の仕上げが変わってくる程重要な工程です。
5.キャスト“鋳造”(キャスト職人)
ゴム型をとって、できたワックス原型をここで鋳造していきます。
この鋳造は結構難しく、どのようにワックス原型に湯口をつけるとちゃんと鋳造できるかを判断していかなくてはいけないし、金属の種類によってしっかり流れるかどうかの判断もしなくてはいけないので、奥がとっても深いのです。
やはり職人技です。
6.磨く(磨き職人)
金属を磨くという事はここも実は奥が深いのです。
きずひとつ残さず磨いていくのはやはり職人技です。
しかし、結構アナログな仕事です・・・
工場ではみんな顔を真っ黒にしてひとつひとつの商品を磨いています。
全てのジュエリー制作に必ず必要な工程なので、クリエイティブではここに携わる人が一番多いかもしれません。
7.石留め職人(石留め職人)
磨き上げたジュエリーを最後にダイヤなどの石を留める職人さんがいます。
石留めにもいろいろな留め方があり非常に奥が深いのです。
職人のレベルの差が顕著に表れる部分でもあります。
僕も石留めはほんの少しできますが、毎日留めている職人さんには美しさはとうていかないません。
8.メッキがけ(メッキ職人)
もちろんメッキをかけない商品もありますが、ホワイトゴールドやシルバーにはロジウムメッキをかける事が少なくありません。
このメッキにも、いろいろなメッキがあり、それぞれのノウハウがあります。
僕が知っている工場では、メッキをかけ終わるまでに12もの手順をふんでやっと綺麗なメッキをかけ終わるという作業をしているところがあります。
9.検品
この作業もとても大切な作業で、仕上がった商品の磨き残しや、石などのゆがみなど本当に小さな傷までチェックしなくてはいけないので、神経を使う仕事でもあります。
ここまでの流れでやっと商品が完成されるのですが、お客様の手元に届くまではもう少し、いろいろな人達の手を通っていかなくてはいけません。
次回、その後の流れをお伝えします。