megumi ishikawa jewelryインタビュー ~石川 慈~

石川 慈
フルリールかながわ カサンドラ症候群の女性たちのセルフヘルプグループ

EXIBITION INFO

フルリールサロン  フルリールかながわ

2015.9.24(THU)

http://fleurirkanagawa.blog.fc2.com/

発達障害(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、ADHDなど)のパートナーを持つ女性たちのセルフヘルプグループの方々に「自分の時間」「趣味の時間」「癒しの時間」を提供する【フルリールサロン】
記念すべき第一回目のサロンはmegumi ishikawa jewelryデザイナー石川慈さんを講師に招き「シルバーアクセサリー体験教室」を開講。

EXIBITION REPORT

レポーター : 中西ゆいこ

【今回開催されたフルリールサロンとは?】

発達障害のひとつであるアスペルガー症候群のパートナーを持つ女性たち。周囲にはなかなか理解されにくい悩みを一人で抱えていくうちに心身共に消耗していってしまう症状を「カサンドラ症候群」といいます。
こうしたカサンドラ症候群の女性たちに対して、心の回復を助けること目指して活動しているのが「フルリールかながわ」

代表者の真行結子さん自身もカサンドラ症候群経験者であり、どん底だった時代から回復した経験を活かし、現在症状で苦しんでいる女性たちを救う為に「フルリールかながわ」を立ち上げます。

普段なかなか人とは共有出来ない悩みを、同じパートナーを持つ者同士で分かち合う場を作りながら、それぞれひとりひとりにカウンセリングを行い、発達障害の方達と理解を深め合う為・歩み寄る為の方法を伝える活動をしています。

今までは座談会形式がメインでしたが、何か楽しい事をしながらみんなでその時間を共有したいという要望から、【フルリールサロン】という活動へ展開。今回がその第一回目となり、megumi ishikawa jewelryデザイナーの石川慈さんを講師として招き、シルバーアクセサリー体験を開催しました。

石川 慈
石川 慈
石川 慈
石川 慈
石川 慈
【石川慈さんがジュエリーの世界に足を踏み入れたのはこんな理由でした】

今回、このイベントで講師を務める石川慈さんはLavagueジュエリースクールで【ジュエリー総合ビジネスコース】を受講していました。

このコースは、彫金・銀粘土・ジュエリーCAD・アントレプレナーがセットになっているコースで、ジュエリーで独立起業したい方が必要な知識や技術が学べる総合コースです。


石川さんがジュエリーの世界へ足を踏み入れた理由は

「人を笑顔にする仕事がしたい」と、福祉系学部を卒業後長年、福祉・医療の仕事に従事してきました。

ですが、忙しく仕事に明け暮れる毎日を過ごしていくうちに、自分自身がいつの間にか、「笑顔」を忘れがちに・・・。

自分がやりたかった事は本当にこのままで出来るのだろうか?

そんな時、お友達と一緒にLavagueジュエリースクールの一日体験スクールに参加しました。

慌ただしい中でも、「自分の時間」を持つことの大切さや子どもの頃から好きだった「モノづくり」で誰かを笑顔にできることの素晴らしさを思い出し、後日改めて詳しい説明を受けに来校しました。

身に着けるたび、見るたびにいつでも「笑顔」を思い出せるジュエリーに意味を感じ、本格的に制作を開始しました。

【インストラクターとしての活動】

コースの中に含まれている銀粘土コースでは、カリキュラムを終了後、アートクレイ協会に卒業制作作品を提出し、審査を合格すると正式に内閣府が管轄する銀粘土技能技師の資格が取得でき、インストラクターとして活動出来るようになります。

見事合格した石川さんは銀粘土教室を開業し、デザイナーとして活動する傍らでお友達や、友人からの紹介の方達、新しく出会った方達で自分の活動に興味を持ってくれた方達の為に一日体験スクールを開講しています。

【今回、フルリールサロンでの出張インストラクターをすることになったきっかけは何でしたか?】

友人の紹介です。
 
私の高校時代からの友人がフルリールの会員で…
 
フルリールの中で、趣味の時間=サロン開催の企画案があがった時に、私の教室のチラシを持っていって代表の真行さんに売り込みをしてくれたんです(笑)

【フルリールから依頼を受けた時、どういった思いからオファーを受けようと思ったのですか?】

学生時代に障害者福祉を専攻していたのでアスペルガーやカサンドラについての知識、理解があり社会人になってからも障害者施設や病院で働いていたのでさまざまな障害や病気を抱えた当事者と、そのご家族をたくさん見てきました。
 
そんな経験の中で、「自分だけじゃないんだ」というわかちあいの場がどれだけ貴重で「わかってくれる人がいる」ということがどれだけ心強く、支えになるのかを実感していたので友人にフルリールの活動を聞いた時から、なにか機会があれば協力させていただきたいなと思っていたんです。
 
そんなときに、「日常を少しだけ忘れて趣味に没頭できる時間を作りたい」というお話を頂いてこれは、今までの経験を含めた「今の私」だからこそ巡ってきたご縁だな・・・と思ってすぐに「是非やらせてください!」とお受けしました。

石川 慈
石川 慈
石川 慈
石川 慈
【ジュエリーを通して、石川さん自身が目指していた「人を笑顔にすること」を果たせていると感じる瞬間やエピソードを教えて下さい。】

オーダー品を納品して、仕上がりを見たお客様が笑顔になったときもそうですが一番身近に感じるのは今回のように銀粘土の体験レッスンで初めて銀粘土に触れた方が「楽しかった~っ!!」と言ってくださるときですね。
中でも一番印象的だった生徒さんが昨年末にお一人でいらした20代の男性。
手作り品が好きな彼女へサプライズの誕生日プレゼントを作りたい!とのご希望でした。

彼女のことをお話ししながら一生懸命作業をしている時間がとっても幸せそうで、「いや~楽しかった!大満足です!」と、完成したピアスを持って笑顔でお帰りいただけただけで私もとっても幸せな気持ちになったのですが後日、彼からメールが来たんです。

「無事にBIRTHDAYサプライズに成功して、彼女が「世界一幸せ」って泣いて喜んでくれました!」
という報告メールでした。お会いしたこともないけれど、彼が作ったピアスを身に付けた彼女の笑顔を勝手に思い浮かべて彼のお手伝いができてホントに良かったなぁと思った出来事でした。

【Lavagueに通って良かったなぁと感じるところはなんですか?】

カリキュラムや設備についてはパンフレットやWebを見ればわかることなので敢えて違う側面をお答えすると……
 
Lavagueに行くと、必ず笑顔になれます(笑)
 
色んな先生や、生徒さんがいて、ジュエリーのことはもちろんですが、それ以外にも色んな会話が飛び交っています。
 
ジュエリーを作るのに、技術や知識、設備は必要不可欠ですが
何より大切なのは「作り手の心」だと思うんです。
 
もちろん、人間ですから悩んだり落ち込んだりする日もありますが
Lavagueに来ると、「最近どう?」と声をかけてくれる先生や、ジュエリーとは全く関係ないことで大笑いさせてくれる仲間がいたり。
 
かと思えば、デザインやブランド運営について真面目に熱く語り合ったりプライベートな悩みまで相談したりして最後は「よし!明日も頑張ろう!」って気持ちで帰ることができます。
だから、私は家でできる作業でもLavagueでしていることが多いです(笑)

【今後、同じようにジュエリー制作を始めてみたいと思っている方へのアドバイスをお願いします!】

まずは色んなスクールを見学したり体験レッスンに行ってみると良いと思います。
趣味にしたいのか、仕事にしたいのか、何を学びたいのかにもよりますが一番大切なのは「楽しく続けられること」じゃないかと思います。
自分に合った通い方や、学び方が選べるかどうか、自分にとって居心地の良い環境かどうかも大切なポイントだと思います。
 
 
石川さん、ご協力ありがとうございました!

【実現したい夢を自分の好きなことで叶えるということ】

石川さんの目指す「人を笑顔にする」ということは、自分自身が笑顔で楽しんでいないと出来ないことなんだと思います。

石川さん自身がモノ作りを心から楽しみ、出来上がった作品をお客様にお渡しする瞬間、箱を開けた時の相手の溢れる笑顔を見ることや、今回の様に作る楽しさを共有できた瞬間などが、石川さん本人のことも自然と笑顔にしていくのでしょう。

そういったプラスのサイクルが回り始めた時から、人生は豊かになっていくのではないのでしょうか。

今回取材をさせていただく中、インストラクターをテンポよく楽しそうに進めていく石川さんを見てそう感じたと共に、私たちは一人の女性の夢の実現のお手伝いが出来ているんだなぁと改めて感じる事が出来ました。


今後も、たくさんの笑顔が石川さんの活動によって生まれていくことを願っています。

石川 慈
石川 慈
石川 慈

石川 慈石川 慈

石川 慈
一般財団法人 生涯学習開発財団 銀粘土技能認定を取得。
神奈川県厚木市にてシルバージュエリースクールを開講。
megumi ishikawa jewelryデザイナー。「身に着けるたび、笑顔を思い出す」をコンセプトにジュエリーブランドを展開。
2014年 Designer's FESTA2014にて78名のデザイナー・クリエイターの中から見事上位3位入賞。
http://www.megumiishikawa.com/

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