新しく造型機を入れます。
現在3Dプリンターブームもあり、様々な3Dプリンター(造型機)が取り上げられ始めています。
そんな中、ここ最近の宝飾業界ではどんな造型機が動いているのかな・・・
と少し人づてに聞いて回ると・・・
やはり光造形機を導入している所が多い気がします。
光造形機というと鈴峯が扱っているエンビジョン。
シーフォースが扱っているDWS。
ラヴァーグにもあるリアルビジョンが作り上げたビジョンリアライザーなどなど・・・
主には最初の2つが宝飾業界ではしのぎを削っています。
それぞれ特徴があるのですが・・・
簡単に言うと、色々と工夫をすれば改善できるとの話も聞きつつ・・・
表面精度が高いのがDWS。
寸法精度が高いのがエンビジョン。
という話を聞いています。
キャストに関しては双方とも、キャストは上手くいく。と聞いていますが。
キャストはできるけど、工夫がいる。とのイメージです。
そんな中、つい数年前に縁あってソリッドスケープ社のインクジェット造型機をラヴァーグに導入する事ができ、自社でインクジェット・光造形・WAX切削・金属切削を使い分けて行くと、それぞれに特徴がある事が分かってきます。
実は、つい先日WAX切削機のJWX-30の切削音が気になり、メンテナンスをしてもらいました。
営業担当者から驚きのコメントをいただきました。
稼働時間がはんぱなく多い・・・
との事でした。
確かに・・・
相当の数を造型し続けてこの数年間動かし続けています・・・
同じ時期に導入した稼働が多い所と比べても2倍以上の数字が出ているそうです・・・
他社と比べる事がないので、言われた僕達も驚きました。
そうなんだ・・・
生徒達からの造型以来のオーダーシートは担当者の机の上にはいつもたばになっている・・・
スピードがダントツに速い光造形もたまっている・・・
スタッフも大変です。
待っている生徒達も大変です・・・
それぞれ忙しそうに動いている造型機。
生徒達のレベルも要望も高くなってきている。
ただね・・・
あるCAD関係の人に、ラヴァーグはもう造型機はいらないでしょ!とつい先日も言われました。
まぁあるからね・・・
と言いましたが・・・
一歩先いくジュエリーCADスクールを目指しているので、やはり新しい造型機や樹脂がでると気になります・・・
そこで、いろいろと考えました。
生徒の事。
スタッフの事。
最近のマーケットの事。
自分達のお店の事。
造形物の事。
いまどきの動向を考えると光造形機も気になります・・・
が・・・
インクジェット造型機を新しく導入しよう。
とスタッフ達と相談して決めました。
SolidScape社のインクジェット造型機の3Z-PRO。
色々な生徒達から、造形物の後処理についても聞き込みをしました。
ラヴァーグというジュエリーCADスクールは幅広い層の人達が通っています。
宝飾業界の人はもちろん、異業種からのチャレンジ組。
他の学校を卒業してからの生徒達。
全てが一流の人ではない人の方が多いです。
どっちかというと、チャレンジ組が多いです。
既に宝飾業界で事業をしている会社に求められるのは、僕は精度とスピードだと思っています。
その場合スピードはインクジェットよりも光造形に軍配ががあがります。
ただ、生徒達はひとつひとつをしっかりと作り上げていく。
多少の時間は仕方ない。
でも良いものをなるべく失敗しないで作り上げたい。
というのであれば、サポートの問題。サポートの処理の問題を考えるとインクジェットがラヴァーグには向いている。
樹脂もこの新しい3Zになると、更に硬さが増していて、インクジェットの弱点でもあった、華奢な造形物の取り扱いもずいぶん改善されているそうです。
そして、どこに出してもキャストに関してはほぼストレスがない、インクジェット造型物。
ブライダルリングに力を入れてねと指導しているラヴァーグにはプラチナのキャストはやはりインクジェットに少し分があるとも思っています。(光造形もずいぶん進歩しているとは思いますが・・・)
以前はDICOが扱い今は田辺研電が扱っているソリッドスケープ。
決してプロモーションが上手いとは言えませんが・・・
僕はいい造型機である。
と思っています。
ソフトも造型機も比べるものではありませんが・・・
色々な造型機もどんどん進化しています。
過去の情報はどんどん間違った情報になっていきます。
それは、各社色々な努力をして改善をしているからです。
会社も人もです。
生徒達の成長と共に、ラヴァーグの設備もどんどん成長させていこうと思います。
追記
ふと、9年前を思い出します・・・
僕がジュエリーCADが学べる学校をつくろう!と思い、どんなソフトがいいのかな・・・。どんな造型機がいいのかな・・・。
と考えていた頃。
お金もそんなに持っていなかったので、ラヴァーグで買えたのはJWX-10というローランドのWAX切削機が1台だけ。
ずいぶんこの造型機にはお世話になりました。
ただ、CADのスキルが上がり、色々なデータが描けるようになってくるとJWX-10を駆使してもできない事が増えて行きました。
当時、サービスビューローとしてお世話になったのが、株式会社アイズと中村テクニカルというサービスビューロー。
両社ともソリッドスケープ社のインクジェット造型機を入れていました。(まだ光造形機は宝飾業界ではメイコ―のものしかなかった気がします。)
当時のインクジェット造型機のお値段。
JWX-10の100万円とは桁がちがいました。
あこがれの造型機でした・・・
次々と勇気がある会社がインクジェット造型機を導入して行きました。
少しずつ生徒が増えていたラヴァーグでしたが、欲しいけど買う事は出来ませんでした。
僕の個人的な思いですが・・・
本当に個人的な思いですが・・・
まずは、今のインクジェット造型機を紹介してくれた鈴峯の専務に感謝です。
まだ元気に動いているのにラヴァーグに譲ってくれたカラットの丹沢さんにも感謝です。
おかげで、スタッフがインクジェットの便利さに気がつく事ができました。
ので・・・
今回の設備投資もみんな快諾してくれました。
そして、僕も駆け出しの頃あこがれたインクジェット造型機の最新機種をとうとうラヴァーグの設備にラインナップさせる事ができて、少し誇らしげだったりします。
そして、最後に忘れてはいけないのが、ラヴァーグに通ってくれている生徒達に感謝です。
みんなのおかげで、僕のほんの少しの小さなあこがれがかないます。
もっと、頑張っていこうと思います。
一歩先行くジュエリーCADスクールになれるようね・・・