今日は2人でブランドを立ち上げ、いろいろと動き回っていた生徒が相談に来た時の話・・・
もうその子はアパレルメーカーから出資を受け、いろいろと製品をいろいろな所に出している生徒なのですが・・・
このたび、もうひとりの人と分かれ、一人でもう一度チャレンジをする事になったという話があった。
その会話の中で、ブランド戦略の選定を少し相談にのっていた。
僕はね、一度大きな失敗をしている。
今はやっといい経験だったと言える。
だから、僕がした失敗はなるべく生徒達には回避してもらいたいと思っているし、恥ずかしいけど、僕がした失敗をお話をしてあげるようにしている・・・
僕自身、色々なメーカーの色々な原型をつくる仕事をしてきているので、だいたいの製品を作る事はできるような気がする・・・
だけど・・・
作れるというのと、作りたいというのは全然別の話。
僕が、カルティエやブシュロンと同じものを作っても、同じようには売れていかない。
作れるけど、作らないのはそれが分かっているから・・・
しかし・・・
僕がつくるモノの中で、いろいろな人に褒められるものもある。
僕の周りには宝飾関係の人が多く、生徒を含め多少なりとも分かっている人たちで、その人達に褒めてもらえると、分かっていない人に褒められるより、嬉しかった事がある。
だけど・・・
それが一番の落とし穴だという事を分かってもらいたい・・・
分かっている人が褒めるのは、磨くのが大変なものを磨けていたり、仕上げるのが大変なものが、綺麗に仕上げてあったり、作るのが大変そうなものを作りあげた場合にだいたい褒めてくれる・・・
だけど、それは一般の人には全く関係がないというか・・・分からない部分だったりする。
正直・・・
シルバーアクセのとっても売れているブランドの仕上げを見て、驚いた事が何度もある・・・
こんなんでいいのか・・・
これで買ってくれるのか・・・
玄人の目では全然磨けていない、仕上げていない、のに・・・
売れる・・・
そんな話はこの業界の人たちであればみんな思った事があるはず・・・
だけど、お客さんって、磨きが良くても、仕上げが良くても、買わないものは買わないんだよね・・・
業界の人の目線とお客さんの目線は僕らが思っているより全然違っていたりする。
その違いをしっかりと考えてもらいたい。
僕らが褒めるのは技術的に大変なものをえてして褒める傾向がある・・・
それは、技術を褒めているのであって、売れるといっているわけではないという事を理解してもらいたい・・・
正直、僕ががんがん売っているわけではないので・・・
売れる・・・
なんて軽々しく言えない・・・
僕が、そんなの売れないよ、と言ってもなんの根拠もない。
だから・・・
もう一度、ゼロにしてコンセプトの選定をしてもらいたい。
そのコンセプトは誰が褒めてくれているのかを・・・
えてして、玄人に相談に行ってしまいがちだけど・・・
普通の人に相談してみるのもいい答えがもらえるかもしれない。
僕も一緒に考える・・・
だから、ゼロにしていろいろな視点を持って、それでもまたそのコンセプトに行き着くのかを考えてもらいたいと思う。
という話がきょうあったので、みんなももう一度考えてみてもいいかもしれない・・・
僕は一度とっても痛い失敗をしているからね・・・
気をつけてね・・・
みんな・・・