ある上場企業のカンファレンスでインタビューをうけることになった。
その企業のいろいろな取引先の中から選ばれたという事らしい。
ラヴァーグが取り組んでいる事、そしてその上場企業に求めている事。
を短的にまとめる必要がある。
そこで少し考えてみた。
そもそも何故、ラヴァーグがジュエリーを教えるのか。そして他のジュエリースクールとは何が違うのか。
を。
僕はそもそも違いを出さなくてはいけないと思っていない。
良い所をどんどん真似するべきだ。
と思っている。
違いを増やすというより、良い所を増やす必要がある。
と思っている。
そしてそれは、今の時代や社会情勢を僕らなりに考えて増やしたり、減らしたりしてきた。
迷った時期もある。
僕から見ると良いと思って真似した事が、なぜか良いと思ってくれる人が少ない時期があった。
12年前にラヴァーグはスタートした。
当時はいろいろな所に足を運び、お金を払い良いと思うところを真似した。
少しだけ違う所は僕を含めてスタッフにはティーインストラクターの資格を取りに行ったことぐらいだ。
ブルックボンドという紅茶で有名なメーカーの学校だ。
当時僕達は既に宝飾産業が縮小している事を知っていた。
CADを主軸にしていく時も、縮小している産業に事業の主軸を置くのはどう思いますか?
と疑問をぶつけられた時に、はっと気がついた。
プロが通ってくれる事は嬉しいしステイタスがある。だけど、確かに、日本に100社しかなかったら、100社に教えたら終わってしまいませんか。
しかもそこは増えていない。
当時はプロが通ってくれるような学校をつくりたい。と思っていたが、本当にいいアドバイスだった。
プロが通う学校ではなく、プロも通ってくれる・・・に変えよう。
より多くの人が来るようにする為には、そもそも、人はなぜ学ぼうと思うのか?という会議を何度もした。
ひとり会議だったかもしれない・・・
だけど、技術を学びに来るだけの人は技術を学んだらすぐにいなくなってしまう。
新規の顧客を募集し続けるビジネスは体力と産業としての成長が必須だ。
当時僕は日本というマーケットの事しか考えていなかった・・・
そして、時間を有意義にしたい。
楽しい時間を過ごしたい。
会社と自宅の往復だけではなく。
友達がいたり、彼氏ができたり、彼女ができたりするコミュニティーができたらいいと思い込んだ。
当時僕はそれがラヴァーグの成長につながったと思っている。
作業の時間ではなく、楽しくおしゃべりをする時間を無理矢理つくりだした。
それが苦手だという先生や生徒もいた。
だけど、僕はティーインストラクターの資格を取りに行った。
どうせ飲むなら最高の紅茶を入れてあげよう。
と思ったからだ。
楽しい時間を過ごしてもらいたい。
そうなるように努力した。
ので、少し普通のジュエリースクールとは目的が違う時代もあった。
プロの人達も無理矢理そのコミュニティーに座らされて少し苦しい思いをさせたかもしれない。
知らない人とお茶をする。
意外と楽しむ為には能力がいる。
コミュニケーション力だ。
ただ・・・
そのコンセプトは今はもう昔のコンセプトだ。
コミュニケーション力は今でも大切だと思っている。
ただそれは僕達が無理矢理作り出さなくていいと思っている。
なぜかというと、時代が変わったからだと思っている。
今は生きていく事に緊張している人が増えている。
と思い込んでいる。
僕もスタッフや生徒や今抱え込んでいる事業やクライアントの未来を考えると緊張する。
なるべく冷静でいたいけど、りきむ時もある。
でも、僕は今必要なのは緊張だと思い込んでいる。
いつか誰かが何かをしてくれない。
と思っている。
いつも自分でなんとかする。
そうしなくてはいけないと思っている。
今、勝ち組といわれている企業は何をしているのか。
ノスタルジックなものに価値が出るまで僕はたぶん過去にさかのぼれないし、未来まで生きてはいけない。
だから、過去やずっと先の未来の話は大切にはしたいけれども今必要なことはもう少し大切にしようと思っている。
勝ち組の話を聞いたりすると、緊張する。
そして不安になる。
自分がこのままの努力ではいつも足りない気になる。
だけど・・・
“いつも自分で何とかするスイッチ”を入れる。
そうすると、何だか突然何段も飛び越して階段は上れないけど、2段ぐらいはどう上ったら3段目まで上れるかは見えてくる。
そうすると、少しほっとする。
なんだ、まだ俺達はやる事とやれる事あるじゃん。
そうやって進んで、少しでもリアルな事を伝えていかなくてはいけない。
僕は8年前に戻れるなら、今のラヴァーグに通いたいと真剣に思えている。
当時僕は何もわからずに(当時は分かっていると思っていたけどね)恵比寿にお店をだした。
当然、失敗した。(今はお店を出してよかったと本当に思えている)
でも、8年前の僕に今の僕がそばにいてあげれれば、あんな苦労はしなくてもすんだのに・・・
と本当に思う。
もちろん、8年があったから今の自分がある。
さて、そんな中カンファレンスのインタビューにはこう応えようと思っている。
学ぶという事の必要性は何故高まっているのかを、分かりやすく世の中に伝えてもらいたい。
なぜ、今知識を増やす必要があるのか。
そして、どんな知識を増やすべきなのかを、理論的に分かりやすく伝えていってもらいたい。
僕の中にはもう緊張感でいっぱいです。
その緊張をほぐすのは、学ぶ事しかないと思っている今日この頃だという長い話でした。