先日、あるCADデータを作成していると僕のCAD操作が速いという話があがりました。
が・・・
そこが早くても実は僕の仕事はとても遅れていました。
今回の仕事は自社製品の商品開発でした。
もし、僕が下請けの仕事をしていたのであればCAD操作の早くする事は売上げアップやサービスアップにつながります。
がしかし・・・
今回の仕事は繰り返しますが自社商品の開発でした。
実は僕達の商品開発はデザインから始まるわけではありません。
むしろ、デザインはずっと後の工程だったりします。
とすると、CADモデリングはもっと後ろの工程です。
ほんの一部分が早くても全体の進行が遅れてしまっていたという事です。
なぜ、そんな事がおこってしまうのか・・・
それは商品を並べるだけではお客様には選んでもらえないと思っているからです。
自社商品の開発はまずはスタッフ全体の予定の進行状況を把握することからはじまります。
そのくらいパワーがいるからです。
まずはどんな商品をつくるべきか。
そして使える予算の概算をはじき出します。
そこから、既存の商品でカバーできていないマーケットやニーズを自分達なりに考えたり、外を歩いて調べます。
そして、自分達のお客に合う商品なのかどうか、そしてどうやってリリースしていくのか考えます。
だいたいのプランが決まったら、まずはコピーライターと打ち合わせをします。
もちろん自分達でだいたいのコピーは考えますが、やはり持っている言葉の数が違います。
昔は全部自分達でいろいろな文献をあさりながら言葉を生み出していました。
ただ、やはりプロの仕事というものがあります。
言葉を生み出すのはとても能力がいる作業だったりします。
そして、生み出された言葉。
もちろん、ボツもあれば再考もあります。
いろいろな関門をくぐり抜けてコピーが生まれてきます。
そして・・・
キャッチコピーやコピーをもとにデザインを起こす作業をしていくのです。
デザインもやはり難しいものです。
何を伝えたいのか。
何故このデザインなのか。
僕達のこだわりはどこなのか。
そんな事を打ち合わせをしながら進めていきます。
ここまでの作業だけでも膨大なパワーがいります。
僕達の“プアアリ”の商品開発はここにとてもパワーと時間を費やしています。
逆をいうと、ここまでかけて生み出された商品企画を原型に起こしていくのは、もうほとんど作業です。
そして、ここを担当する僕を含めたCADチームがいくら早くてもこの後も試行錯誤が続いていきます。
出来上がった製品を今度は撮影が待っています。
ここでもスタイリストやカメラマンとの打ち合わせがはじまります。
どう見せるか。どう伝えるか。
そして、パンフレットやホームページにアップしていくのにも広告デザインのスペシャリストやWebデザイナーなどとの打ち合わせがスタートしてきます。
そして、全てが整って商品はお客様にリリースされていくのです。
ここに書いた工程はこれでも随分はしょっています。
うまくいかずに途中でお蔵入りしてしまう企画もあったりします。
そうやって見ると、僕のCADのモデリングが早いというのは全体の工程のほんの一部分にしか過ぎません。
そこが早くても、言葉を生み出せなかったり、撮影がうまくいかなったり、デザインがきまらなかったりと・・・
様々なところで予定通りに進めていくには困難が待ち受けていたりします。
そして、今日伝えたかったことは商品を作る。
というのは、絵がかけるだけでもダメ。
モノが作れるだけでもダメ。
言葉が作れるだけでもダメ。
Webサイトが作れるだけでもダメ。
CADができるだけでもダメ。
という事が僕達の確信でもあります。
全てそろえていかなくてはいけない。
という話です。
だから、一人ではなく応援してくれる人たちを大切にしながら自分達のブランドを成長させていってもらいたいと思っています。
僕も今日は静かなラヴァーグでじっくり商品開発をしています。
上手くいくことを願いつつ・・・
頑張っていこうと思います。