なぜ、ラヴァーグにはこんなに造型機があるのかという質問をされた。
確かに、ジュエリーCADを教えるという視点だけであれば、造型機は5台も必要ないかもしれません。
ラヴァーグも一番最初はWAX切削機が一台あるだけでした。
しかしなぜ、ここまで増えてきてしまったかというと、CADでお仕事をしている人であればわかると思いますが、CADの造形方法には造型機によって特色があり、速さや精度、仕上がりのクオリティーなど、ひとつの造型機だけではすべての形状を表現する事は困難だからです。
ラヴァーグでは、CADのモデリングを学ぶ事はもちろん、造型機の特性についても学んでいってもらえたらと考えています。
CADの技術を身につけることがラヴァーグの目的ではありません。
技術を身につけた後、いかに活用をしていく事ができるのかを知ってもらいたいと思っています。
そして、ここまで造型機がある一番の理由は“必要”だったからです。
さまざまな注文がある依頼先のニーズに応えていくためにも必要だったからです。
ラヴァーグはCADを教える教育機関でもありますが、CADを使ったジュエリーメイキングの下請けの工房としても仕事をしています。
そんな理由で現在の設備が必要だったからです。
CADのパソコン上でできても、実際には作る事ができない形状もあります。
WAX切削機では難しいけどインクジェットではできる形状もあります。
インクジェットではできなくても、光造型機ではできる形状もあります。
キャスト(鋳造)ではできなくても、金属切削ではできる形状もあります。
昔は一台一台の造型機の値段も非常に高かったので、1台ですべての事ができるのでは・・・
と思っている会社もありましたが、今では多くのCADにかかわる企業の担当者レベルでは造型機の使い分けを上手にしています。
これは、切削に向いている。これはインクジェットじゃなくてはできない、これは光造形の方がよい。
そんな感じが当たり前になってきました。
それぞれの違いを理解していくと、どうしてもそれぞれ造型機が必要になってきたという事でした。
それでも、5台あっても、実はまだ外注にださなくてはいけないハイレベルな形状もあったりします。
まぁそれだけ造形のノウハウも奥が深いという事です。
安心できる造形サービスビューローも増えてきているので、外注にだす。という事も気軽になってきました。
価値基準や品質基準がもう少しオープンになる時代がもう少しでやってくる気もします。
ラヴァーグも、少しでも多くの人にCADの便利さを知ってもらえるように頑張っていこうと思います。