さて、昨日の続きです。
自分自身の欲しいお金の量と最低限稼がなくていけないお金の量がうるっと分かってきた所で。
次に大切な事は時間の概念です。
とりあえず、一か月というスパンで考えてみましょう。
あなたは何日お休みをとりますか?
それと、一日何時間働きたいですか?
もちろん、いっぱい休みがあって、あんまり働きたくないという人もいるかもしれないので、ここは最低ラインを決めましょう。
例えば、週に1回は休みたい。
月に2回は連休が欲しい。
朝は10:00ぐらいから仕事をして、お昼ごはんをゆっくり食べたい・・・
などなどですが・・・
御徒町などの会社では以外と土日休みを取っている所もあるのですが・・・
休日出勤をしたりしている人も多かったりします。
ですが、一応月の休みが8日間あったと仮定します。
一か月に23日~23日働く事ができます。
そして、1日8時間働いたとします。
8H×22日で考えて見ると・・・
基本的には1カ月176時間しか働く事はできません。
この176時間という数字はどんな人達にも平等に与えらていますが・・・
月に100万円稼ぐ人も、月に手取りで14万円ぐらいしかもらえない人も176時間だという事です。
まぁ、休日出勤したり、徹夜したりと働く時間を延ばす事はできますが、今回はこの時間の中の話をしていきます。
さて、この176時間を使ってどのくらいの売り上げをたてなくてはいけないのかを考えてみましょう。
一般的には、人件費率という言葉を使いますが、売上にしめる人件費の割合の話です。
今回は宝飾業界の加工の現場の人件費率という指標はどこにもなさそうなので・・・
他の産業と比較して考えていきます。
ちなみに人件費率の出し方は“ 人件費÷売上 ”で算出されます。
人件費が30万円で売り上げが70万円だったら・・・
30÷70=0.42
なので、人件費率は42%と言う事です。
ちょっと調べたら、他の産業の人件費率をちょっと検索すると、整体師さんの人件費率などは結構高めです。
まぁ、仕入れが多い業種では人件費率は低く、整体師やキャバ嬢などのマンパワーが重要な業種は人件費率は高めという事ですが・・・
ロウ付けやバフなどの多少の消耗品がある僕達の業界の人件費率は・・・
加工の下請けという事に絞って考えると・・・
人件費率を40%ぐらいと設定して考えてみましょう。小売の場合はもっと比率は低いのですが、今回は加工の下請けの工賃の出し方という視点で考えてみましょう。
ので・・・
40%
この他の60%は家賃や税金保険料、消耗品の購入や設備投資、減価償却、そして、利益という事なのですが・・・
人件費=利益と考えてしまっている人も少なくないのかもしれません。
もうけ分が今月のお給料に・・・
というイメージですが。
まぁ今回はそれでもいいでしょう。
難しい話はすっとばしていきましょう。
ここまでの事を整理すると・・・
1か月に働ける時間は176時間。
人件費率は40%を目標とする。
そして、前回決めた自分自身の損益分岐点と希望の収入がざっくりと決まってきました。
ここから割り出す事ができるのが、自分自身の最低工賃と希望工賃という事になります。
さて、この事をもとにして指輪のサイズ直しの金額について考えてみましょう。
指輪のサイズ直し。
この仕事の工賃は現在、それぞれいくらもらっていますか?
1000円?
600円?
なんて話も聞いた事があります。
難しいサイズ直しはおいておいて、マリッジリングなどシンプルなもののサイズ直しを考えてみましょう。
今回は便宜的に1000円とします。
さて、このサイズ直し・・・
とりあえず、切ってロウ付けして整える的なイメージの仕事だったとします。
1時間に何個出来るでしょうか?
まぁ、20分以内に仕上げたとします。
すると、1時間に3本。売上は3000円という事になります。
これを1日で考えると、3000円×8時間です。
1日24000円の売り上げです。
そして、1か月で考えると24000円×22日=528000円という事になります。
1か月の売り上げが528000円です。
ここに人件費率を40%かけると指輪のサイズ直しを1本1000円で1時間に3本できる人のお給料が決まってきます。
528000円×0.4=211,200という事になります。
逆に考えると
21万円のお給料を取りたい人に求められる能力は、1ヶ月間に528本のサイズ直しを安定的に確保できる営業力と1時間に3本は綺麗にサイズ直しができる技術力と言う事になります。
1時間に2本しかサイズ直しを綺麗に修正できない人のお給料は・・・
2000円×8H=16000円
16000円×22日=352000円
352000円×0.4(40%)=140800円
という事になります。
さて、こうやって考えていくと。
仕事を請ける時の指標が見えてきます。
“時間”です。
時間が大きく関わってくるのが理解できると思います。
その仕事は1時間に何個出来るのか?
お問合せ・打合せ・作業・修正などなどでどのくらいの時間がかかったのかを考えると
金額の概念と同じぐらい、時間の概念が大切になってくること事が分かると思います。
もうちょっと付け加えたいのですが・・・
またまた、長くなってきたのでまた、次回に続けます。