さて、今日は少し違う視点で宝飾業界を見てみようと思います。
以前も書きましたが、宝飾業界のメリットとは何だと思いますか。
それは素材に高い価値があるという事です。
この事が何をもたらすのかと言うと、ジュエリーは他のファッションアイテムの中でも単価が高いという事が起きてきます。
僕は、ここ最近宝飾業界で仕事をさせてもらっていて、本当に良かった。
と思っています。
精神論的な話ではなく、僕らのような少ない資本ではじめるスタートとして宝飾業界は魅力的だという事です。
それは、何故か一見参入障壁が高そうなイメージはもちろんあります。
それは、他の産業に比べて製造原価が高いという問題があるからです。
金・プラチナ・ダイヤモンド。
既に素材として高付加価値な素材です。
その為、アパレルやバッグと比べても高い原価がかかります。
一見、なかなか取り組みにくいイメージもあります。
しかしながら、低資本で始めていく為には、
販売戦略が実は随分限られてきます。
限られた戦略の中で大切な事は、しっかりと売上をたてるという事なのですが・・・
以前も書きましたが、売上げとは・・・
売上=来店客数×売上単価
です。
低資本の状態ではまず来店客数を増やす事は実はとても難しいものです。
もちろん、お金が無くてもなんらかのフックがあって来店客数を伸ばすシステムを持っている人は別です。
しかし、多くの人達はなかなかそうはいきません。
来店客数を伸ばすにはお金か時間がかかるのです。
その為、最初の制限は薄利多売はできないという事になってきます。
来店客数が少ないのでそもそも多売はできない。
という事は、低単価な商品を売ってはいけない。
という事になってくるのです。
単価が高い商品をつくる。
これが大切です。
しかしながら、お金がないのに単価が高い商品を作れないでしょ・・・
と思う人がいるかもしれませんが、その問題は意外と簡単に解決する事ができます。
その話はまた今度にしますが、この高単価の商品を他のファッション産業で作り上げる事は実は意外に難しいのです。
布や革といった素材で10万円の商品を作る。
考えただけで、ノンブランドでは難しい気がしますよね。
しかし、ジュエリーで10万円の商品を作る事は意外と簡単です。
ここは実はとても大切なポイントです。
生活を支えていく。
収入をえていく。
自分達の思っているような未来を作り上げる。
そんな風に考えている宝飾以外のクリエイターたちは多いと思います。
アパレルを学んでファッションブランドを立ち上げている人達。
シューズメイキングを学んでシューズブランドを立ち上げている人達。
バッグメイキングを学んでバッグブランドを立ち上げている人達。
家具製作を学んでインテリアブランドを立ち上げている人達。
陶芸やその他のいろいろな工芸品を作る技術を身に付け、それを仕事として成立させる事を努力している人達。
いろいろな人がいると思います。
全てのジャンルの人達が同じ様に悩んでいることがあるという事を最近僕は感じ始めています。
売上げを上げる事の難しさはどのジャンルでも簡単ではありません。
沢山お客様が来てくれているけど・・・
沢山売れているけど・・・
ビジネスとして継続していけない場合もあったりします。
僕は、ファッションデザイナーやバッグデザイナーやインテリアデザイナーやスタイリストや○○職人の人達の多くが、ジュエリーメイキングを学び、自分達が歩いてきた匠の道に、ジュエリーを商品ラインナップに加えていく事を勧めていきたいと考えています。
お客がお店に足を運んでくれた時に、エンターテイメント性があるお店作りができるように僕達も頑張っていこうと思います。