ここ最近店舗をもっている人達の会合などに足を運ぶ機会がある。
主にセレクトショップ経営者などが集まっていた。
または、若手のアパレルブランドを立ち上げた人達も多い。
彼らと話をしていると、やっぱり同じ様な問題を抱えつつも創業のメリットとデメリットが宝飾業界にはあるが、上手く商品構成を考えればジュエリーのデメリットを避ける事ができ、メリットのみを享受することもできる。
という印象を持つ事ができた。
アパレルブランドを志している人達は、自分自身のコンセプトと技術を持ち、成功を夢見て頑張っている。そこにチャレンジしている人達は宝飾業界を志す人達より、教育機関の数の差から考えると多いと思われる。
僕はショップを開店するに当たり気をつけなくてはいけないことがいくつかあるという話を最近はよくする。
そのひとつに、スタートの運転資金が少ない時の商品構成についての話を今日は書いてみます。
運転資金が少ない中で、認知度を上げていく事はじつはとても難しい。広告費を多く割けないからだ。
と言う事は、来店客数を稼ぐ事ができない。
来店客数が少ないという事はどういうことかというと、店舗内の商品構成がおおきく影響してくる。
価格帯のセグメントを精査しなくてはいけないという事です。
ここ最近の傾向として物の値段が低価格商品に流れる傾向があるのですが、それは多売が出来るところの戦略なのにもかかわらず、その傾向だけをおってしまい、多売が出来ないのにもかかわらず、低価格商品で勝負をしてしまっている残念な人達がいます。
何故か、大手と同じ様な戦略をとってしまうのです。
もしくはブランド力がないという事をふまえて、違いを作り上げることよりも値段を下げるという戦略を最初からとってしまう残念なケースもあります。
実は、戦略的に低価格商品を持つ事は広告宣伝にもなり、全てがいけないという事ではないのですが・・・
ビジネス書籍をかじると、エントリーモデルを用意しようとか、エントリーサービスを展開しようなどの記載があったりするのですが・・・
商品点数が少ない時期がそもそもの創業期です。
ネットショップなどの出店を考えている人達も最初の商品点数は良くても100点ぐらいなはずです。
全てが主力商品なのにも関らず、それを低価格路線でスタートしてしまい、運転資金が少ない為来店客数を稼ぐ事ができないのに、薄利多売ではなく、薄利少売みたいなスタートをきってしまい、いつまでも次のステップに上がる事ができない残念なブランドや企業がいたりします。
とはいえ、いったいぜんたいどうやって高単価なものを作ればよいのかという質問があがってきそうですが、ただ値段をつりあげて高くしてもお客様は馬鹿ではないので、買ってくれるわけはありません。
これはアパレル関連の人達のおおきな悩みでもあると聞きました。
高い商品はやりたいけど、ノンブランドで高額にしても売れない。との事。
おっしゃるとおりです。
実は、洋服などのアパレル関連で高額商品を作る事はとても難しいのです。
なぜなら素材が布や革ですから。
この素材に対するマーケットのマインドは作り上げられてしまっているのでなかなか変える事はできません。
そんな中。
宝飾業界の最大のメリット。
以前も書きましたが、宝飾業界の素材に対するマーケットのマインドは実はとても高付加価値がついています。
ここ最近は特に良い状態です。
このポイントを活かす事ができるかどうかが、低価格商品を並べることしかできていないアパレル関連のクリエイター達に少しずつ広げていってあげたいと僕自身思っています。
もうひとつだけ、ポイントがあります。この高付加価値がついている素材を実は簡単に在庫する事はできません。
布や革の素材に比べて金やプラチナは在庫するのにとても資金を必要とするのです。
ので・・・
かなりできる事はしぼられてきますが、実はこの在庫リスクをかなり軽減しながら、高付加価値商品を扱えるビジネスモデルは宝飾業界の中に多くのトップブランドが既に持っています。
しかも、技術的にはかなり初期段階からでも対応が出来て、在庫リスクが少なく、高単価商品。
そんな商品企画を多くのアパレル関連のショップやクリエイター達が自社の企画に付加する事ができれば、商品構成に幅を作り上げる事が必ず出来るはずです。
今日書いている事は実はプロジェクト化されていて、既に何社からのアパレルブランドとの企画をスタートする事が出来ています。
これからのアパレル業界を支えていくであろうクリエイターやデザイナー達と宝飾業界のクリエイターやデザイナー達が融合していく事が、新しいクリエイターズブランドの形だとラヴァーグは考えています。
その為、アパレル関連のクリエイターやデザイナー達へのサポートにも力を入れ始めているのが、ラヴァーグの去年からの取り組みでもあります。
創業期の運転資金が少ない人達が、やってはいけない事は、薄利という事です。
繰り返しますが、多売ができないのに、薄利でやって事業を継続する事はできないのです。
もし、低価格しか売りが見つけられないのであれば、何も起業や独立をあせる必要はないのです。
ゆっくりと準備をして、低価格のラインと、高付加価値のラインを作り上げる事ができるようになってから、独立をしていけばいいのですから。
そして、多くの人達は実は既に多くのものを持っていて、それに気が付いていないだけの人も多く出会います。
もう既に持っているのに、まだまだ足りないと思い込んでしまい、年齢だけが過ぎていってしまう残念な人もいます。
僕自身、サラリーマンをやめた時には何かを持っていたからやめたのではなく、自分自身が熱意を持ってやれそうな事が見つかったから、チャレンジした事を覚えています。
今振り返ると、あまり持っていなかった状態でのスタートだった気がします。
まぁ、今は分かったような事を書いていますが、実は僕自身の経験から得た失敗や成功を元に僕自身は書いているつもりです。
僕も最初は薄利少売をしてしまい、苦労をしたクチです。
それしか出来ないと勘違いしてしまい、余計な苦労をしてしまった気が今はします。
まぁ、それはラヴァーグという学校の講師としてはいい経験ではありますけどね・・・
だって、生徒に同じ様な経験をさせないようにアドバイスをする事ができるのですから。
まぁながながと書いてしまいましたが、ラヴァーグの生徒達への改めての言葉でもありました。
みんな頑張ろうね。