改めて、JJFはお疲れさまでした。
僕も3日間頑張りました。
色々な考えをもって色々な取り組みをしている人がいるとは思いますが、CADを学び、それを使って仕事をしていくうえで注意をしなくてはいけない事を少し書いてみようと思います。
T’sクリエイトの谷本さんとも話をしていた事ですが・・・
CADの修正についての話です。
CADは簡単に修正ができます。
というソフト販売やセールストークが一般的に広がっているとは思います。
そして、データをお客様に見せたり、造型したもの見せたりして、やり直しがきくから安心!というコピーも、みなさんおなじみになってしまっているのではないでしょうか。
実際に作る前に確認ができる。
などのコピーもよくききます。
まぁ当たり前のことですよね・・・
手作りで一発勝負より実質お客様に対するサービスを上げているという事です。
そこがセールスポイントでもあるので、しょうがない話なのかもしれません。
だけど・・・
新しい問題が現場では感じられるようになっていたりします。
簡単に修正ができる。
というコピーをセールスポイントに押してしまっているから、手作りではなかった事象が起きています。
手作りでシルバー原形を今でも納品する事はCADをとてもたくさん使っているラヴァーグでもいまだにあるのですが・・・
手作りで納品した場合の修正はつきあいが長いせいもあると思いますが、あまり言われません。
それと比べるとCADのデータや造形物を途中で確認して作るというスキームになってくると、簡単に修正ができるという事が広がっているので、簡単に修正の依頼が入ったりします。
手作りよりも、修正の依頼は増えてきてしまっている印象があったりします。
なにせ簡単。と思っているし、それをセールストークにしている人達が多いからだと思います。
いいんですよ・・・
修正はしてもらっても・・・
だけど、その事を考慮に入れる仕事。
その手間を考慮に入れる工賃。
それを考えると、手作りよりもサービスがあがっているのに、安い価格で仕事を受けている人達の未来が心配になったりします。
手作りで3万円もらえる原形をCADで作り上げた場合、もう少し高い値段をもらってもいいんです。
だって、簡単に修正ができるのですから・・・
しかも早く。
時間工賃という考え方も必要なのかもしれません。
だけど、品質で工賃を決める。という考え方にシフトしてもよいのでは・・・
と思っていたりします。
僕は、学校の先生という側面もあるので、なかなか工賃を下げて仕事を受ける事はできません。
僕が安易に下げてしまっては、これからこの業界を目指している生徒達の未来をせばめてしまう可能性があると思うからです。
高くて仕事がこない。
から安くして仕事をとる。
安くても、あこがれられるような生活水準やライフスタイルが保てる仕事の量が確保ができるのであれば安くてもよいと思います。
しかしながら、工賃を下げる事はいつでもできるはずです。
上げろとい言うわけではありません。
せめて、希望を持って努力している優秀な学生達が希望のもてる業界にしておくことが僕達の責任でもあると僕は考えています。
品質やサービスを増やしたのだからその対価はそれができないものよりも高くても良いと思いませんか・・・
ペアリングを手作りでまったく同じものをつくる精度よりCADを使った精度の方が高いとは思いませんか・・・
そして、時代は大量生産・大量販売の時代ではないのですから・・・
もう一度、僕達の仕事のあり方を考え直してみませんか・・・
まぁみんなで足並みを揃える事はできないとは思います・・・
安くて、品質が高いものをもとめているのはわかりますから・・・
だけど、とれるものを取らない。
下げれるものを下げないのは、未来を見据えてのことだったりします。
以前も書きましたが・・・
フェラーリーは501台つくれるのに500台しかつくらないのはその500人の人達のステイタスを守る為でもありますし、自分達の価値を未来に向かって維持していく為の戦略でもあったりするのです。
あのフェラーリーが278万円になってしまったら、最初は買う人がドーンと増えるかもしれません・・・
だけど、フェラーリの未来はどうなってしまうのかは、僕にもわかりませんが、憧れ度数は減っていくのでしょうね・・・
ちなみに、床屋さんは毎週月曜日休んでますよね・・・
休んでいない床屋さんは1000円で切ったりしていますよね・・・
実は、床屋さんも組合があって、ある程度の価格規制をして自分達の価値を守っている中で、しのぎを削りあっていると聞いた事があります。
1000円のところは組合とかには入っていないそうです・・・(正確なところはわかりませんが・・・)
入っていない1000円床屋はとても売り上げや店舗数を伸ばしているそうです。
しかし、ただ値段を下げてしまって、毎日のご飯代は確保できても店舗数を伸ばせない。売り上げを伸ばせないような戦略では未来はない。
という事です。
僕は価格を下げなくて、下げない価格に見合った品質も上げる事ができなくなったら、たぶん他の仕事を探し始めると思います。
とくに、学校という業務を行っている僕達は自分達の未来だけではなく、生徒達の未来も描いていかなくてはいけない。
という事を強く感じた3日間でした。
追記
価格を努力して下げるのはありです。ぼくは努力して下げないようにしているという話でした・・・